ちがうしんどさを抱えて生きる2人の女性が出会う
ありのままをさらけ出して輝いているひともいれば、見えないところで傷つけられている人もいる。すべての人間が自分のを隠さずに自由に生きていける社会にはまだまだほど遠い、けど少しづつ近づいていってると思いたい。
吉田まりもが主人公になれるのはいつだって一瞬だ。有名になりたいだけなのに、いつも空回りして、イタイ奴になってしまう。一方、宇宙人のネルは、地球で“〇〇〇がしたい”という夢があり……。でこぼこなふたりの夢は、どこへ向かう……?他にも、オタクであることを隠している子。SNSで理想の自分を演じる子。自分が特別だと信じて疑わない子。イイ男とヤることで、自分の価値を確かめる子。教室には、たくさんの“秘密”があって。隣にいるあの子のことだって、本当はわかっていなくて。大好きなあの子にだって、伝えられないことがあって。ほんの少し窮屈で、ほんの少し愛しい関係を描く、青春オムニバス・ストーリー。
現実とSFファンタジーがごっちゃになってるけどなぜかすんなり受け入れられるのはこの作者の為せる技でしょうか。
自分が特別な存在だと信じてやまない主人公のまりもと、一軍グループになじめないけどモテたい宇宙人留学生のネル。そんなはみ出し者のふたりがであって、どんな青春を送るのでしょう。
気が早いですが、谷口菜津子さんの単行本はデザインが可愛いので、今回のもそこが楽しみで仕方ないです。