どこか陰のある男を描かせたらピカイチ
影山という一人の男を軸に、彼に関わった女性達から断片的にエピソードを描いていく展開。 自然とひきこまれますね。 徐々に、影山という男の存在があらわになっていくのですが、時に酷いことされているのに、女性達にとっては勲章のように扱われているのが、よい男の条件なんでしょうね。 この陰のある感じが、良い色気を醸して、小狡いですね。 もんでん先生というと、エロスのほうに目がいきがちですが、大人の男女間を描くなら、ある種必然的な流れとして描いているので、そこまで違和感なく、むしろ良いスパイスになってます。 ただのエロ漫画でまとめるには勿体ない、きちんと人間を描いるので深みがあって面白いです。 指が6本あり悲惨な家庭環境と貧困下から、器量だけで這い上がった1人の男の生涯を、女性を通して見ていく・・・さながら1本の映画のようでした。 上下巻と短く、ちょっと物足りなく感じる部分も、ある意味ちょうど良かったです。 短編をお探しの方にはおすすめしたい作品でした。
色気の魔術師(※勝手に命名)もんでんあきこ先生の新刊ということで購入。町の名士だった影山博人という男が死に、かつて影山に惹かれた女達がひっそりと記憶を分かち合う物語。
この影山がまぁ〜〜〜すごくて。
「暗い過去を背負った陰のあるいい男」なんですよ。
これだけで「そんなの惚れない女いないわ!!」って感じですけど、作中でもまさにその通りで、過去に彼と関係をもった女性たち全員の心の中に、彼の存在が強烈に刻まれ残り続けているんですよね。
だんだん明らかになっていく影山の過去も面白かったのですが、女達の間に流れる空気感がすごく素敵でした。
全員にとって影山が特別な男であるということが、不思議な連帯感生み出していて、それがなんかすごくいい…。
若く貧しい6本指の影山と、成功を収めた5本指の影山の両方と寝た有閑夫人。
経済格差が目に見えてわかる閉鎖的な町で出会い、影山が初めての相手だった同級生。
影山が引き取られた店で出会い、母親の葬式に立ち会い指の切断に協力した同僚。
母親の店を存続させるために頼みに行き、「1回分の礼」を受け取った娘。
上巻ではこの4人の女性の口から影山との思い出が語られます。
も〜〜ホントもんでんあきこ先生はナギと嵐とか雪人 YUKITOとか陰のある男書かせたら天下一品だなと実感しました。
影山が死ぬ少し前に「顔に痣がある女」がすぐそばで仕事を手伝っていて、この身体的コンプレックスのある女性がどう影山と関わっていたのか、下巻を読むのがすごく楽しみです。
(上巻1話の15歳の影山。最の高…)