あらすじ謎めく男・影山博人の名が新聞の訃報欄に載ったことをきっかけに彼を知る女を訪ね始めた牧子。それは釧路の夜に君臨した、6本指の男・影山を解き明かす旅路に……彼を取り巻く女たちの切なき物語、ついに終熄。
影山という一人の男を軸に、彼に関わった女性達から断片的にエピソードを描いていく展開。 自然とひきこまれますね。 徐々に、影山という男の存在があらわになっていくのですが、時に酷いことされているのに、女性達にとっては勲章のように扱われているのが、よい男の条件なんでしょうね。 この陰のある感じが、良い色気を醸して、小狡いですね。 もんでん先生というと、エロスのほうに目がいきがちですが、大人の男女間を描くなら、ある種必然的な流れとして描いているので、そこまで違和感なく、むしろ良いスパイスになってます。 ただのエロ漫画でまとめるには勿体ない、きちんと人間を描いるので深みがあって面白いです。 指が6本あり悲惨な家庭環境と貧困下から、器量だけで這い上がった1人の男の生涯を、女性を通して見ていく・・・さながら1本の映画のようでした。 上下巻と短く、ちょっと物足りなく感じる部分も、ある意味ちょうど良かったです。 短編をお探しの方にはおすすめしたい作品でした。