押見修造先生の表現はどこまで進化するのか
押見修造先生の最新作。新たな代表作である「血の轍」も出身地の群馬県が舞台になっていて実体験がベースにあるような気がしましたが、今作「ひろみ」はよりそれを感じました。ペンタッチがいい意味で力が抜けているのも、頭の中の朧げな記憶をそのまま描き表したい意図があるように思えました。すでに「血の轍」の時点で、研ぎ澄まされた心理描写は誰も真似できない地点にありましたが、押見先生の表現がこれから更に進化することを予感させられますね。物語の展開としてもちろん後編が気になりますが、その前に子供である主人公に罪悪感を植え付けた女教師はマジ許すまじ…!
れんごく、というタイトルの意味を考えずに読んでいたので途中で「あっ…」となりました。
分かったうえで読むと、途中でやってきた双子や、自分たちのことを悪い子なのかなと話したり、良い子になって天国に行こうと話したりする場面が切ない。
親より先に死んだからといって、悪い子だって思わなくていい。