堅物小説家と妻が遺したレシピ帳
とにかく堅くて真面目な時代小説家・米蔵は、最愛の妻を病で亡くし、仕事どころか生きる気力さえなくしていたが、妻が遺したレシピ帳に載っているかんたんな料理にチャレンジすることで、自分の小説のファンでもあった妻のためにも生きようと決意するという1話目から感動が止まらない内容でした。料理を入れるお皿を探している時にイラストと同じお弁当箱を選ぶシーンがとても良かったです。
榎咲ぐり子の恋人は、ロックスターを目指す ひーくん。ひーくんを“100年に一人の天才”だと信じているぐり子は、彼を支えてゆくため、こっそり“アイドル”のバイトをしている。でも実は、そんなぐり子のほうこそが“100年に一人の天才アイドル”だったりして…!!?
ひーくん(恋人)は100年に一人の天才ロッカー!
将来は絶対に武道館を満員にする!
いまは、ひーくんを支えるために私が稼がなきゃ!
・・ごめんね、ひーくん。
アナタのために私は悪魔に魂を売るわ。
アナタが「日本の音楽シーンを支配する悪魔だ」という
その悪魔(アイドル)に今だけバイトでなるわ!
「ぐりこカミングスーン」は
間違いなくバカップルのカン違いコメディ物語なんだけれど、
才能があるのに気がつかないで苦労をしているという、
ある意味で贅沢なバカップルのお話だ。
「無能なこと、無意味なことに気がつけよ!」ではなく
「有能なこと、才能を無駄遣いしていることに気がつけよ!」
とツッコミたくなる物語だ。
なぜそこで、そうカン違いする!
と思いつつ読んでいたのだが、
読んでいるうちに「アレ?」と思う部分が
ダンダンと増えてくる。
カン違いロッカーのひーくん。
カン違いアイドルのぐり子。
ロックやアイドルそれそれを崇拝するファン。
スカウトマンやマネージャー、プロデューサーなど業界人。
それらの日本の音楽シーンの全部に対して、
「お前らみんなカン違いしてるよ」と
ディスって笑いにしているような漫画だと思って読んでいったが、
実はそう思った自分こそカン違いをしていたのでは?と
ジワジワと思わせてくる漫画だった。
ピザ屋でバイトした後に
「あの大空にピッツアをひろげ~」
と唄う、ひーくん。
それを見て
「ひーくん、かっこいいかも・・」
と思ってしまった。
それこそカン違いかもしれないけれども。
いいなこれ…!すごい面白そう。
勘違い系の笑いは絶対面白い。
「実はそう思った自分こそカン違いをしていたのでは?と
ジワジワと思わせてくる漫画だった。」
自分も読んでみてどう感じるかすごく確かめたくなった。