星のさいごメシ

食べ方から食べることへ

星のさいごメシ おおひなたごう
六文銭
六文銭

目玉焼きの黄身をいつ潰すかどうかで一世風靡(?)した、おおひなたごう先生の新作は、最後に何を食べるか?という話。 会話もなくなりかけた飲み会の3次会でするような話を、マンガにしています。 目玉焼きでは食べ方を、本作では食事そのものを通して、人生感を問うてます。 さてその内容ですが、主人公は婚約者に突然別れを切り出され、自暴自棄になっているところを、とある飲み屋で「人生最後に何を食べるか?」で盛り上がっているところに遭遇。 その場所には、偶然、これが最後だと食事にきていた自殺志願者の人もいて、店主の「人生最後に食べたい食事」を振る舞われ、生きる気力を取り戻す。 そこから、誰かの最後の食事が、誰かを救うかもと着眼点を得ます。 編集者でもある主人公は、WEBマガジンの新企画として、色んな人の最後の飯を調査する~という流れ。 フードギャグと言っていますが、テーマが最後の飯だけに、真面目さがやや多い印象。 それでも、食事を通した価値観は、面白いものがあります。 2巻で主人公の婚約者が、別れを切り出した理由がわかってきて、面白くなってきたところで、なんと3巻で完結だという。 非常に残念です。 ちょいちょい目玉焼きの内容がでてきたりとファンに楽しい作品でしたが、さすがに間口が狭すぎたか。 何にせよ、最終巻まで見守りたいです。

モリのアサガオ

死刑を執行する刑務官

モリのアサガオ
かしこ
かしこ

死刑という重いテーマと真正面から向き合った作品です。父親のコネで刑務官になり死刑囚と接することになった実直な主人公の及川。凶悪殺人犯のことが怖いと感じるのは彼らのことを理解しようとしないからだ…という考えに至ってからは、積極的に彼らと関わり更生の道を一緒に模索するようになります。しかし心を入れ替えて自らの罪と向き合ってもすでに決まっている死刑からは逃れることは出来ません。いくら凶悪殺人犯とはいえ国が人を殺してしまう、命を持って罪を償うという死刑制度は本当に正しいのか、主人公は疑問に思うようになります。 登場する死刑囚たちの中でも渡瀬という男と主人公の物語を主軸に描かれていますが、個人的には食堂を経営していた家族を惨殺してしまった星山がメインの回が一番心に残りました。主人公が人形を手作りして家族というものを思い起こさせて自分の罪を認識させることに成功する訳ですが、改心してすぐに死刑が執行される展開にはなんとも言えなくなりました。そういう流れを組みながら親友と言えるまで深い仲になった渡瀬からの「死にたくない」という望みを主人公が却下したのには驚きです。最終的には疑問を持っていた死刑制度についても、死と向き合うことが自らの罪を反省するきっかけに繋がるんじゃないかという考えになっていました。 しかしモリのアサガオ2で、渡瀬の死に携わってから主人公が精神を病んだことが描かれていて、やはりこの問題は深い森の中にあるのだなと思いました。

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