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白星のギャロップ、スリースター、アオアシなど、最近のスポーツ漫画は「友情・努力・効率的なトレーニング」だけでなく、憎しみや怒りといった負の感情を肯定しているところが本当に読んでて楽しい!!
この剣に焦ぐもまさにそのタイプ。サイコミ・裏サンデーのスポーツ漫画は本当に面白くて困る…!
不良少年・了一の無軌道な人生は、ある日警察官の小宮、 そして剣道と出会うことで一変する!! 魂が成長する超本格青春剣道ストーリー!
中学生の主人公・了一は高校生をビール瓶で血塗れになるまで殴ってブチのめす、「八王子の鬼子」という二つ名通りの苛烈な暴力衝動を抱えた少年。ある日友人たちが万引きしているときに補導に受け、26歳の高潔な警察官・小宮から剣道で指導を受けることになり…というあらすじ。
小学生の妹と2人だけで半額の惣菜を汚い箸の持ち方で食べるという絵だけで、了一の家庭環境が語られるところがすごく好き。
初めて了一が剣道と出会うシーンは、了一が抱えているあまりの暴力衝動にゾッとする。与えられた竹刀を故意に折って殺傷力を高め、致命傷を与える気で振り抜き、口に含んだ水を顔面に吐きかける……。しかし、こんな「鬼子」と呼ぶにふさわしい手の施しようのない暴れ振りを、小宮は傷を負いながら大人として見事に諭してみせる。
人間の悪行のせいで暴れる化け物や動物を、人が深い愛情で傷つきながら受け止めるシーン(ナウシカとか)は心を打たれるものだけど、この作品は了一がこんなにも鬼子になってしまった理由が1巻時点では不明だからその暴力がただただ怖い…。それが面白い…!
絵は全体的に拙さがあるけれど、演出、決めのシーンの迫力など、表現したいものがしっかりしているから、読んでいてあまり気にならない。指導で了一が小宮に一撃喰らわせた技「片手左上段」がその後の鍵になる演出は燃えました。
青春でスポーツだけど全く爽やかじゃない。怒りや苦しみで焦げついた10代もあり寄りのありだと思います!!