堅物小説家と妻が遺したレシピ帳
とにかく堅くて真面目な時代小説家・米蔵は、最愛の妻を病で亡くし、仕事どころか生きる気力さえなくしていたが、妻が遺したレシピ帳に載っているかんたんな料理にチャレンジすることで、自分の小説のファンでもあった妻のためにも生きようと決意するという1話目から感動が止まらない内容でした。料理を入れるお皿を探している時にイラストと同じお弁当箱を選ぶシーンがとても良かったです。
戦国大名の先駆け、伊勢新九郎の物語! 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康…… かの有名な武将たちが活躍する時代の少し前、戦乱の世のはじまりを生き抜き、切り開いた男がいた――― その名を伊勢新九郎。彼はいかにして戦国大名となったのか。彼はそもそも何者だったのか。知られざる伊勢新九郎の生涯を、まったく新しい解釈で描く意欲作! 「戦国大名のはしり」とも言われる武将を描く、話題騒然の本格歴史コミック、待望の第1集!!!!!
奔走ってのは、物事がうまくいくようにと
駆け回って努力することだそうで。
「ゆうきまさみ先生の作品にハズレなし」
と思っているので期待していましたが、
この題名や、第一話の最初の数ページで、
やはり、ゆうきまさみ先生は面白い、と思いました。
もうね、最初の見開きでの
名告りを上げる新九朗と、従者のツッコミ?や、
それから数ページ先に11歳の新九朗が登場するという
流れだけで、もう色々と話の筋を想像してしまいます。
27年間も雌伏のときを過ごす物語なのかな、とか、
題名からしても翻弄されて奔走する物語なんだろうな、とか。
新九朗という名前って実名らしいけれど、
心苦とか苦労とかを引っ掛けて題名にしたのかな、とか。
ただ第一話の数ページ後からは、延々と、
馴染みのない時代の話が続きます。
制度や世相や、官職名や名前すらわかりにくく覚えにくくて
読み進めるのに少々時間がかかる。
けれどもこれはむしろ、ゆうきまさみ先生の作品だから、
まだわかりやく展開されている、と思います。
他の作品に比べると、強烈なギャグとか少ないので
少し退屈な展開にも見えてしまうけれど。
いや、随所にゆうきまさみ先生らしい
愛嬌のあるシーンが出てきて面白いですけれどね。
おそらく話の展開としては、数巻分の話を経た上で
最初の名告りをあげるシーンに回帰して、
さあいよいよ新九朗が思うがままに暴れだすぞ、
という展開になるのでは、と思います。
そうなったら、それまで溜めた分だけの
爆発力は凄いだろうと期待しています。