あらすじ

新婚・新九郎、怒濤の文明19年の幕開け! 文明18年、秋。太田道灌の死は関東中に広まり、やがて、京の新九郎の耳にも入る。甥・龍王丸の家督争いの相手・今川新五郎の後ろ盾が世を去り、安心してもよいはずだが、複雑な想いの新九郎。龍王丸の帰駿に向けての準備を進めるが、当の本人が「帰りたくない」と言い始めて…… 駄々をこねるかのように「駿河は怖い」と言う龍王丸に困り果てる新九郎だが、更に姉の伊都から、姪・亀の婚礼の差配を頼まれたり、妻・ぬいの体調が思わしくなかったりと頭を悩ませる事態が続出。いつだって家族にも時代にも振り回される男の、踏ん張り時の文明19年がやってくる!
新九郎、奔る! 1巻

戦国大名の先駆け、伊勢新九郎の物語! 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康…… かの有名な武将たちが活躍する時代の少し前、戦乱の世のはじまりを生き抜き、切り開いた男がいた――― その名を伊勢新九郎。彼はいかにして戦国大名となったのか。彼はそもそも何者だったのか。知られざる伊勢新九郎の生涯を、まったく新しい解釈で描く意欲作! 「戦国大名のはしり」とも言われる武将を描く、話題騒然の本格歴史コミック、待望の第1集!!!!!

新九郎、奔る! 2巻

応仁の乱、激化! 伊勢家にも乱の影響が!? 幕を開けた応仁の乱。都のあちこちで火の手があがり、千代丸の住む伊勢邸の隣の一色邸が襲撃にあい、騒然とする家中。そんな折、離れて暮らす実母・浅茅は実家のために武家の娘として、とある決心を千代丸に打ち明ける。それは新九郎の伯父(義母の兄)である、伊勢貞藤の正妻になることであった―――― 乱世を生き抜くための母の告白に 「早く大人になりたい」という想いを強くする千代丸。父不在を理由に渋る伊勢家の現当主・貞宗に、元服を迫るが!? いよいよ「伊勢新九郎」誕生の時。大人と子供の狭間で、“大人たちの戦さ”を見守る新九郎は 何を思い、何を学び、どう生き抜くのか。第1集、発売即緊急重版! 戦国の夜明けを駆け抜けたはじまりの武将、伊勢新九郎を描く本格歴史コミック、第2集!!

新九郎、奔る! 3巻

応仁の乱編クライマックス! 兄弟の運命は? 応仁の乱が膠着するなか、将軍の弟・義視と京を離れていた新九郎の兄・八郎が帰京。優しい面差しから一転、顔に大きく入った刀傷に伊勢家の面々は驚く。一方、義視は戻って早々、兄・義政に諫言、激怒させてしまい、その立場を危うくしていた。しかし、八郎は義視こそが「次の将軍に相応しい」と語り、伯父・貞親や父・盛定への怒りをあらわにする。そんな兄の態度に不安を隠せない新九郎だが…… 天下の足利兄弟の不仲が伊勢家の兄弟仲に影を落とす。そして姉・伊都の輿入れの夜、彼らの命運を分ける事件が起こる―――! 激しく胸震える、慟哭の第3集!!

新九郎、奔る! 4巻

舞台は京から荏原へ! 新章、領地経営編!! 父・盛定の名代(代理)で領地・荏原(現在の岡山県井原市)へ下ることに。初めての領地に心躍らせる新九郎。しかし、到着してみると領地である「東荏原」と伯父・盛景が治める「西荏原」の境目が曖昧で、年貢の取り分も不明瞭であることが発覚。領民も新九郎を領主として認識しておらず、逆に盛景の息子で従兄弟の盛頼の人気は絶大。伯父で年貢を集める「荏原政所」を取り仕切る珠厳も新九郎を客扱い、古くから荏原に棲まう那須氏も何やら探り出し、山積する問題に頭を抱えるが―――― 京の都での「戦さ」とはひと味違う地方の領地経営の難しさを描く、新たな出会いと奮闘の第4集!

新九郎、奔る!(5)

窮地に次ぐ窮地! 新九郎に“落馬”の危機! 領地・荏原での生活にも慣れ、領主名代として、存在感を増し始める新九郎。しかし、それを快く思わない伯父・珠厳は、新九郎を亡き者にしようと、自邸の酒宴での暗殺を企む。一方、京では父・盛定が 将軍・義政の怒りをかい“無役”に――― 荏原でも、京でも、窮地の連続の伊勢家親子だが…… 新九郎、盛定、共に人生から“落馬”待ったなし!? 伊勢家の今後を左右する、事態急変の第5集!

新九郎、奔る!(6)

荏原編、佳境!悩みは領地経営と…恋!? 家督を継ぎ、領主として荏原に戻った新九郎。しかし、そこでは西の領主名代の盛頼と、那須資氏の間で境目争いが勃発していた!! 自身の不在中の出来事に憤る新九郎。戦さにならないうちに収めようと奔走する。そんななか、親しくしていた那須の姫・つるの一糸まとわぬ姿を目撃してしまい―――!? 次に新九郎を襲うは煩悩の嵐? 領地経営と恋に翻弄される荏原編、いよいよ佳境へ!

新九郎、奔る!(7)

京での疱瘡の流行…受難が続く新九郎だが? 那須の姫、つるとの淡い初恋は儚くも散り、傷心の新九郎。しかし、その傷も癒えぬうちに、京の都で怖ろしい感染症・疱瘡(天然痘)が流行し始める。そんな疱瘡が猛威をふるうなか、新九郎の弟・弥次郎が高熱で寝込んでしまう。必死の看病をす義母・須磨。新九郎は収穫期を終え次第上洛しようと領地経営に励むが――――

新九郎、奔る! 8巻

室町コミックブームの火付け役! 最新巻! 文明五年(一四七三年)、新九郎のもとに伯父・貞親逝去の報が届く。それを皮切りに、応仁の乱のきっかけとなった人々が 次々とこの世を去ることに。世代交代の波が押し寄せるなか、新九郎は相も変わらず、自分の家の金策に頭を悩ませていた…… その矢先、姉・伊都が嫁ぎ先の駿河・今川家にて嫡男を出産。父・盛定はお祝いを兼ねて、伊都への金策をしてくるよう新九郎に駿河行きを命じるが―――!? 乱の中心人物が不在でもなお、終わる気配のない天下の大乱。そして荒れる関東。時代はいよいよ戦国へと急速に向かい始める!

新九郎、奔る! 9巻

新九郎VS.太田道灌in今川家当主争い! 姉・伊都が嫁いだ駿河国守護・今川義忠が戦死。新九郎の甥にあたる嫡男・龍王丸は当主となるにはまだ幼く、今川家では当主争いで死人が出る始末。伊都を心配する新九郎は調停役としての役目を得て駿河へ。そこで待ち受けていたのは――― 正体を知らずに邂逅していた太田道灌との再会。相対することとなった室町きっての戦上手相手に新九郎は如何に挑むのか!? 伊勢新九郎が歴史の表舞台に現れる! 今川家お家騒動編、開幕!

新九郎、奔る! 10巻

今川お家騒動「交渉編」、波乱の最終局面! 新九郎と太田道灌の交渉を経て、今川家の家督を巡るお家騒動は一旦休戦――― と思いきや、両陣営の一部には不満を持つ者も。ひとまず居を移した姉・伊都と甥の龍王丸。その矢先、二人の命を狙う賊が侵入し、敵の矢に新九郎の家来・才四郎が倒れて…… 家来の、家族の命の危機に新九郎がくだした決断とは―――!? 今川お家騒動「交渉編」の幕引き、そして長きに渡る「応仁の乱」にも突如“終わり”の兆しが!? 新たな時代の胎動が聞こえる第10集!!

新九郎、奔る! 11巻

母の野望と覚悟。歴史には残らない女の戦! 姉・伊都と甥・龍王丸らを連れて帰京した新九郎。京で龍王の家督承認を目指し奔走するが、進展は無し。そんな中、凶作が続く領地・荏原へと家族の反対を押し切り戻った新九郎は、困り果てた家臣達から、領地を東西で分ける、因縁の仲である伯父・盛景と話し合って欲しいと頼まれて!? 母となった初恋の人・つるとの再会。そして彼女の息子との対面は新九郎の胸をざわめかせる。つるの野望に伊都の覚悟。歴史には残らない、乱世を生き抜く女の、妻の、そして母の戦がそこにはあった――

新九郎、奔る! 12巻

甥・龍王丸の家督の行方…決着! 足かけ3年に渡り、新九郎が奔走してきた、姉の婚家・駿河今川家の家督問題についに幕府の裁定が!! その結果をもって、再び駿河に下り、今川新五郎との再交渉に臨む新九郎が打つ 次なる「一手」とは!? 時同じくして京では、管領家の一つ、細川京兆家の現当主・政元が誘拐されるという 大事件が置き、家中は混乱。争い絶えぬ関東では、長尾景春の反乱、古河公方・足利成氏の和睦への動きなど 情勢は複雑怪奇を極めて…… 一歩、また一歩と近づく「戦国」。そしていまだ無役・未婚の新九郎にも 人生の転機が訪れようとしていた―――!

新九郎、奔る! 13巻

借金完済を目前に、新九郎、大いに困る! 文明十三年、家の財政の立て直しが急務の新九郎。節約に節約を重ね、父の無駄遣いを取り締まり、家来は空腹に耐え、ようやく借金完済の目処が立った―――矢先。家来の一人に多額の借金が発覚し、助けを求められる事態に…… 武士としては見捨てるわけにはいかない。そんな新九郎に、周囲は家来の分とあわせて「徳政」という借金をチャラにする制度の申請を勧めるが!? 真っ当に返済したい自分の気持ちとの間で葛藤した新九郎の決断とは…… 無職、借金、独身――― 新九郎が抱えるそれぞれの悩みが大きく動く、人生勝負の最新刊!

新九郎、奔る! 14巻

伊勢新九郎、二十九歳、ついに結婚!? 文明十六年。新九郎は結婚相手として、かねてより親交があり、伊勢家にも出入りをしている小笠原政清の娘・ぬいを意識する。家族や家来と馴染み、仲睦まじい様子をみて心強さを感じる新九郎。しかし、ぬいに突如、女房として御所にあがる話が浮上してしまう。良い話ではあるものの、時の将軍・義尚の素行に不安のある ぬいの父・政清は頭を抱えるが――― 安定しない義尚の幕政、引き続き不穏な関東の情勢と 心労尽きぬなか、近づく甥・龍王丸の帰駿。いつでも時代に振り回され奔走する男に 安息の日々は訪れるのか―――

新九郎、奔る! 15巻

新婚・新九郎、怒濤の文明19年の幕開け! 文明18年、秋。太田道灌の死は関東中に広まり、やがて、京の新九郎の耳にも入る。甥・龍王丸の家督争いの相手・今川新五郎の後ろ盾が世を去り、安心してもよいはずだが、複雑な想いの新九郎。龍王丸の帰駿に向けての準備を進めるが、当の本人が「帰りたくない」と言い始めて…… 駄々をこねるかのように「駿河は怖い」と言う龍王丸に困り果てる新九郎だが、更に姉の伊都から、姪・亀の婚礼の差配を頼まれたり、妻・ぬいの体調が思わしくなかったりと頭を悩ませる事態が続出。いつだって家族にも時代にも振り回される男の、踏ん張り時の文明19年がやってくる!

新九郎、奔る! 16巻

新九郎、ついに“武力”行使へ! 甥・龍王丸への家督返還を渋る新五郎。対話優先で交渉を重ねてきた新九郎だが、己の姿勢と覚悟を示すために、武力で新五郎派の代官を退かせる。驚く新五郎に、新九郎は新たな条件と期限を突きつけるが!? 刻一刻と悪化する自分の体調、夢枕に立つ先主・今川義忠の言葉、そして、将来有望な甥・孫五郎への想い。すべてが絡まり、新五郎は思いもよらぬ決意をする。一方、のんびりマイペースで臆病に思えた龍王丸も膠着状態を打開するために新九郎にある提案をしてきて――― 駿河今川家の家督争い、決着編は佳境へ。両陣営、葛藤と覚悟の16集!

新九郎、奔る! 17巻

新九郎に訪れる数々の別れ―― 新五郎が意識不明の状態で、孫五郎を大将に、龍王丸が陣を張る丸子に出陣した駿府方。その裏をかき、海路にて駿府館を目指す新九郎。時遅く、目覚めた新五郎は事態を悟り、覚悟を決め敵を待ち受けるが――― 龍王丸と孫五郎。新九郎と新五郎。手を取り合って進む未来もありえた男たちの運命が決する日。それは長きに渡る駿河今川家の家督争いが終わる日で…… 先主・義忠の死から十一年。長きに渡る争いの結末とは!?

新九郎、奔る! 18巻

新将軍“選”開始!? 新九郎に無職の危機! 駿河から帰洛し、近江に出陣している将軍・義尚に挨拶に向かうも、門前払いされた新九郎。そこで、細川政元から「義尚はもう長くない」と告げられ、自らが押す新将軍候補・清晃(足利政知の息子)の擁立に協力するよう打診される。義尚のために自分ができることはもうないのか、と落ち込む新九郎だが、幼い彼との“ある約束”を思い出し――― 室町幕府、第九代将軍・義尚の最期。そして、新たな将軍候補となる二人が担ぎ上げられる!

新九郎、奔る!

走る、じゃなくて、奔る!

新九郎、奔る! ゆうきまさみ
名無し

奔走ってのは、物事がうまくいくようにと 駆け回って努力することだそうで。 「ゆうきまさみ先生の作品にハズレなし」 と思っているので期待していましたが、 この題名や、第一話の最初の数ページで、 やはり、ゆうきまさみ先生は面白い、と思いました。 もうね、最初の見開きでの 名告りを上げる新九朗と、従者のツッコミ?や、 それから数ページ先に11歳の新九朗が登場するという 流れだけで、もう色々と話の筋を想像してしまいます。 27年間も雌伏のときを過ごす物語なのかな、とか、 題名からしても翻弄されて奔走する物語なんだろうな、とか。 新九朗という名前って実名らしいけれど、 心苦とか苦労とかを引っ掛けて題名にしたのかな、とか。 ただ第一話の数ページ後からは、延々と、 馴染みのない時代の話が続きます。 制度や世相や、官職名や名前すらわかりにくく覚えにくくて 読み進めるのに少々時間がかかる。 けれどもこれはむしろ、ゆうきまさみ先生の作品だから、 まだわかりやく展開されている、と思います。 他の作品に比べると、強烈なギャグとか少ないので 少し退屈な展開にも見えてしまうけれど。 いや、随所にゆうきまさみ先生らしい 愛嬌のあるシーンが出てきて面白いですけれどね。 おそらく話の展開としては、数巻分の話を経た上で 最初の名告りをあげるシーンに回帰して、 さあいよいよ新九朗が思うがままに暴れだすぞ、 という展開になるのでは、と思います。 そうなったら、それまで溜めた分だけの 爆発力は凄いだろうと期待しています。