応仁の乱、激化! 伊勢家にも乱の影響が!? 幕を開けた応仁の乱。都のあちこちで火の手があがり、千代丸の住む伊勢邸の隣の一色邸が襲撃にあい、騒然とする家中。そんな折、離れて暮らす実母・浅茅は実家のために武家の娘として、とある決心を千代丸に打ち明ける。それは新九郎の伯父(義母の兄)である、伊勢貞藤の正妻になることであった―――― 乱世を生き抜くための母の告白に 「早く大人になりたい」という想いを強くする千代丸。父不在を理由に渋る伊勢家の現当主・貞宗に、元服を迫るが!? いよいよ「伊勢新九郎」誕生の時。大人と子供の狭間で、“大人たちの戦さ”を見守る新九郎は 何を思い、何を学び、どう生き抜くのか。第1集、発売即緊急重版! 戦国の夜明けを駆け抜けたはじまりの武将、伊勢新九郎を描く本格歴史コミック、第2集!!
奔走ってのは、物事がうまくいくようにと 駆け回って努力することだそうで。 「ゆうきまさみ先生の作品にハズレなし」 と思っているので期待していましたが、 この題名や、第一話の最初の数ページで、 やはり、ゆうきまさみ先生は面白い、と思いました。 もうね、最初の見開きでの 名告りを上げる新九朗と、従者のツッコミ?や、 それから数ページ先に11歳の新九朗が登場するという 流れだけで、もう色々と話の筋を想像してしまいます。 27年間も雌伏のときを過ごす物語なのかな、とか、 題名からしても翻弄されて奔走する物語なんだろうな、とか。 新九朗という名前って実名らしいけれど、 心苦とか苦労とかを引っ掛けて題名にしたのかな、とか。 ただ第一話の数ページ後からは、延々と、 馴染みのない時代の話が続きます。 制度や世相や、官職名や名前すらわかりにくく覚えにくくて 読み進めるのに少々時間がかかる。 けれどもこれはむしろ、ゆうきまさみ先生の作品だから、 まだわかりやく展開されている、と思います。 他の作品に比べると、強烈なギャグとか少ないので 少し退屈な展開にも見えてしまうけれど。 いや、随所にゆうきまさみ先生らしい 愛嬌のあるシーンが出てきて面白いですけれどね。 おそらく話の展開としては、数巻分の話を経た上で 最初の名告りをあげるシーンに回帰して、 さあいよいよ新九朗が思うがままに暴れだすぞ、 という展開になるのでは、と思います。 そうなったら、それまで溜めた分だけの 爆発力は凄いだろうと期待しています。