天才役者と代役の物語開幕!!「ダブル」
2019年1月11日(金)連載スタート!!(月1更新) 【連載ページ】 https://viewer.heros-web.com/episode/10834108156642488617 【掲載媒体】WEBヒーローズ 【レーベル】ふらっとヒーローズ 【著書】《野田彩子 名義》 「いかづち遠く海が鳴る」 「潜熱」 【著書】《新井煮干し子 名義》 「化学部のメガネ」 「もらってください」 【作者Twitter】 https://twitter.com/engraulis 感想はハッシュタグ「漫画ダブル」 でツイート! =====【登場人物】===== 無名の天才役者…宝田多家良(30) 友人で役者…鴨島友仁(30) フラット芸能事務所マネージャー…冷田一恵(30) 近年人気の俳優…轟九十九(30)
同じ劇団に所属している俳優仲間で、しかも同じアパートの隣同士に住んでいる2人、宝田多家良と鴨島友仁。多家良は一度演技に入ると類稀なる才能を発揮するが、自活力が皆無で日々の生活も友仁に頼りっぱなし。しかし多家良が友仁を頼っているのは生活面だけではない。劇団以外の演技の仕事も入り始めている多家良の劇団のほうの稽古の代役、それも友仁が務める。友仁は言う。「多家良の代役を演じられるのは俺だけだ。」そして「多家良の芝居は俺を裏切ることで完成する」と。
いわゆるバディものではあるのだが、純粋に対等な立ち位置というわけではなく、かつ演劇というテーマだからこそ成り立つ共依存の関係性が面白い。演技の場面と相まって、多家良と友仁、2人の人間的魅力が随所から伝わってくる。演劇の外における2人以外の人間との関わりのある開かれた空間と演劇の中の閉じられた、特に多家良と友仁の2人だけが共有する空間とのメリハリがあり、2人の醸し出す特異な空気感が感じられる。
これまでも「わたしの宇宙」「いかづち遠く海が鳴る」「潜熱」と凝った設定と独特の雰囲気の作品を描いてきた野田彩子さんだけど、個人的にはこれまでの作品はややニッチな読者層に向けられた作品が多かった印象がある。その中で登場したこの作品、意図的かどうかはわからないけど、一気に広い読者層に届きうる方向に舵を切り始めたように感じる。演劇がテーマということもあり、ドラマ化なんかして一気に人気に火がついたりしたら読者冥利に尽きるんだけど、関係者の皆様いかがでしょうか?
1巻まで読了