このバディは最高にコメントする
LIMBO THE KING
これは好きなやつだった
LIMBO THE KING 田中相
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
SF×サスペンス×バディもの。 ずっと気になっていた作品だったけど、なぜか自分の中でまだ、まだ、と止めていた。 ある程度出てから読みたいという気持ちだったのかもしれない。 その感覚は間違いではなかったと最新4巻まで夢中になって読んだ後に思った。 2086年、「眠り病」という難病が蔓延し撲滅から8年。 海軍での暴発事故に遭い、脚を失った主人公・アダムの新しい仕事は、「眠り病」撲滅の英雄ルネの相棒だった。 撲滅した病気の再発を疑問に思い調査に乗り出すが・・。 表紙、色、設定、キャラ造形、関係性、テンポ、この漫画を構成する全要素くまなく好きだ・・。 「眠り病」患者の記憶に命懸けでダイブして治療する様子や、軍という巨大組織でいろんな思惑が渦巻いていて誰が味方か分からなかったり、街中のちょっとした描写だったり、色気のあるおじさんの絡みがたまらなくいい。 陽気なマッチョネイビーと疲れ顔のクールな英雄のバディもの最高じゃん! 映画『インセプション』好きな人はもちろん好きだろうし、二転三転してハラハラする海外ドラマとか、『BANANA FISH』好きな人は好きなんじゃないかなーと思う。
終末の箱庭
新たなる恐怖の幕開け! 連作ディストピアホラー #1巻応援
終末の箱庭
兎来栄寿
兎来栄寿
バズりにバズった「笑顔の世界」を始めとするホラー短編で『ちゃお』読者にたくさんのトラウマをもたらしたホラーの名手・岬かいりさんの新作です。 今回も、1話ごとに恐ろしい世界をたっぷりと見せてくれます。あたかも『世にも奇妙な物語』の怖い回のような、さまざまな設定がなされた世界における恐怖の数々。本作の特徴としては、単話ごとに楽しめるように描かれているのですが、それぞれのお話ごとの繋がりが明確に描かれておりやがて収斂していくことを仄めかす構成が挙げられます。 短編としても楽しめながら、大きな設定がもたらす謎やサスペンス性により1粒で2度美味しい作品です。 『笑顔の世界』のクチコミにも書きましたが、岬かいりさんの描く歪んだ世界はただ露悪的なだけではなく現実世界と地続きなのが印象的です。 さまざまなディストピア感が描かれますが、それらは決してファンタジーではなくややもすれば現実で人間の愚かさや弱さが引き起こしてしまいそうなものでもあります。逆に言えば、人間が愚かであるからこそこうした物語による警鐘が必要であり、それを浴びて生きてきた血脈がこうした物語に対して悍ましくも目が離せないという感情を抱かせるのかもしれません。 岬かいりさんは、個々のシーンにおいても「通常であれば読者はこういう感情を持つから、こういう反応を期待するだろう」という部分をそのまま描かず、たくさん裏切ってくれるのもまたホラーに合っています。 終わったときには近年のホラー系作品の中でも一際名作として聳え立っていそうです。
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