フォローはせずにいちいち検索してチェックするやり方が生々しいッ…
病気の父の元へ見舞いに向かった漫画家のてつじ。
父はカラオケスナックのママから貰った電池式のアロマキャンドルと鶴の折り紙をしきりに大事にしている。そのママというのは、父の初恋の人だという。
一方てつじも、数年前の浮気相手を忘れられず、相手のSNSを追いかけては投稿された喫茶店に赴いたり、同じ本を買ったりと、それなりに気持ち悪いことをしている。
父に対して「しょーもな」と呆れるてつじだが、こちらからすれば「お前もな」と言いたくなる。
幼少の頃から「父のような人間にだけはなるまい」思っていたてつじ。悲しいかなそこは親子の因果か、どうやら似た者同士。
そんなてつじが、父の初恋の人がいるカラオケスナックで選曲したのは
SEKAI NO OWARI『RPG』。
渾身の「死んでくれ」という思いをのせて熱唱するのだった…。
限りなく“リアル”で限りなく“淡い”、長編やれたかも物語ーー(ゲッサン2019年7月号)