妙齢の女性たちのお話
ドラマも見させてただききましたが、漫画もやっぱりいい。主人公の出だしが重たくて暗いように感じましたが、登場人物のキャラクターが明るく魅力的です。 人生には山あり谷ありで楽しい事ばかりではないけれど、それでもイキイキとユーモアとちょっぴり涙を混ぜて綴ストーリーが進みます。 女性の本当の強さや優しさ、年をとることの素晴らしさ、岐路に立つ世代は読んで損のない作品だと思います。
伝説のママ・ジルバの店BAROLDJACK&ROSE―――終戦直後から夜の世界で生きてきたホステスたちの高齢BAR。ホステスの平均年齢は70歳以上。人生の酸いも甘いも知り尽くした女たちが最高のおもてなしで、常連客たちを迎える。そこへ飛び込んだ一人の新人・笛吹新(うすい・あらた)、40歳。大手スーパーの倉庫で働く彼女は、恋人なし、貯金なし、老後の安心なしの崖っぷち人生。リストラで希望の職場も追われ、夢も、仕事も、結婚も、あきらめかけた彼女が、笑い、歌い、踊り、いつの日か忘れていた何かを取り戻していく。昼と夜、二足のワラジで働くことになった、見習いホステス・“アララ”。彼女のシングルライフに、どんな変化が訪れるのか!?
こんな店があったら絶対に通いたい!
40歳の主人公が「若い子」と言われる店で、高齢のホステスたちが毎夜愛のこもった接客をしてくれる。
酸いも甘いも知り尽くした女たちの、明るくて大きく包み込む優しさに、主人公も抱いている不安(40歳独身恋人なし、きつい仕事、貯金なし、田舎の親の心配…)を蹴散らして、これからの生き方を自分で変えてゆく。
読むと年を取ることはちっともマイナスなことではなく、むしろ逆で、プラスでしかないんだと思えます。
アララがホステスたちに影響され新たな生き方を見つけていきながら、同じように将来に希望を見いだせず腐っていた友人をも巻き込んで前を向いて強くなってゆくさまが痛快です。気持ちの変化による見た目の若返りかたも面白い。
後半は店を立ち上げた女性ジルバやくじらママがどのように生きて来たのかを振り返るのがメインです。
この店で働く以上、ジルバという人間のことを知る必要があるのでしょうが、壮絶な生き様を追体験するような感覚があるので読む手が少々重くなります。
40を越えたら自分もこんな店をつくりたいな〜…。