母親を介護するということ
認知症になった母親を介護する体験を描いたエッセイ漫画なのですが、作者がひさうちみちお先生なので随所に耽美なイラストが描かれているので、重い内容ですがリアリティがあり過ぎて読むのが辛いとは思わなかったです。超ネタバレになるから詳しくは書きませんが、母親の妄想だと思ったら本当だった出来事にマジでびっくりしました!事実は小説より奇なりってまさにこういうことだ。紙版だと林静一先生との「母親を介護すること」についての対談も収録されてました。これも読み応えがあって面白かったです。電子版にもあるのかな?
『刑務所の中』も『失踪日記』も、もちろん素晴らしいのだが、自分的には、これはもっとクル。
「刑務所に服役する」のと、「ホームレスになる」のと、「母親が認知症になってその世話しないといけない」のと、どれがキツい?って言われたら、絶対、最後のがキツいでしょ、マジで。
その極めてキツい状況を、ひさうちみちおは、いつも通りの寡黙で饒舌な「ひさうちみちお」テイストを維持しつつ、ヒリヒリと描き切っている。
本当に、凄い漫画だと思う。