堅物小説家と妻が遺したレシピ帳
とにかく堅くて真面目な時代小説家・米蔵は、最愛の妻を病で亡くし、仕事どころか生きる気力さえなくしていたが、妻が遺したレシピ帳に載っているかんたんな料理にチャレンジすることで、自分の小説のファンでもあった妻のためにも生きようと決意するという1話目から感動が止まらない内容でした。料理を入れるお皿を探している時にイラストと同じお弁当箱を選ぶシーンがとても良かったです。
「じゃあ私、先生のこと好きになる!」“海ちゃん先生“はへっぽこ男子バレー部の顧問。しかしひょんなことから女子バレー部の教え子・“森野アイ”の胸を揉んでしまう事件が!! 周囲の女子よりも性体験が遅いことに焦りを感じる森野は、謝る海ちゃんに「もう一度ちゃんと揉んでほしい」とお願いする――!? この青春、コンプライアンス超NG!! 先生×生徒、二人の禁断の恋… 開幕!!
エロのない愛か、愛のないエロか。
そして愛のあるエロか。
もちろん愛のあるエロが一番(理想論として)。
けれども愛だけでエロが無い「純愛」を
神聖視する風潮は強い。
一方で愛のないエロにも逆説的に価値観はある
(性欲的に)。
これが文学とか芸術なら「純愛こそ至高」な
方向でいいし、性欲は人間の本質だとするなら
「エロこそ最高」でもいいかも。
けれど連載漫画として人気を博すためなら
エロが第一なほうが受け入れられやすい。
とくに、たまたまその漫画を見た人には。
なので
エロを前面に出す漫画が生まれるのは当然だし、
エロエロを競いあうようになるのは漫画界の
競争として必然だし、
エロエロエロを読者もより求めるようになるし、
エロエロエロエロだけな漫画も当然に出てくる。
エロエロエロエロエロな展開だけで話を進めて
最期はエロこそ全て、で締めても文句をいう読者も
いないだろうし、逆に一転して
エロよりはやはり純愛だ、で締めても
それなりに納まりはつくだろう。
ただ、一応の納まりはついても、
エロ抜きで漫画作品として面白い形で完成して
終わる漫画は少ないと思う。
てのひらにアイを!は、
エロ抜きでも面白く、エロ漫画としても面白い。
そしてエロ漫画であるからこその面白さが弾けまくっている。
最終巻の第5巻で、それまでのエロがエスカレートして
伏線として怒涛のように展開される。
そこに単行本書下ろしの特別漫画がダメ押しする。
結果、エロと純愛が成就している。
第5巻の最期でムラタ先生自身がこの作品を
「暴走青春列車」と評しているけれど、
暴走列車が定刻に終着駅に着いて、
でも止まれないぜ(笑)という、
突き抜けちゃっている良いオ馬鹿エロ漫画だと思う。