堅物小説家と妻が遺したレシピ帳
とにかく堅くて真面目な時代小説家・米蔵は、最愛の妻を病で亡くし、仕事どころか生きる気力さえなくしていたが、妻が遺したレシピ帳に載っているかんたんな料理にチャレンジすることで、自分の小説のファンでもあった妻のためにも生きようと決意するという1話目から感動が止まらない内容でした。料理を入れるお皿を探している時にイラストと同じお弁当箱を選ぶシーンがとても良かったです。
「じゃあ私、先生のこと好きになる!」“海ちゃん先生“はへっぽこ男子バレー部の顧問。しかしひょんなことから女子バレー部の教え子・“森野アイ”の胸を揉んでしまう事件が!! 周囲の女子よりも性体験が遅いことに焦りを感じる森野は、謝る海ちゃんに「もう一度ちゃんと揉んでほしい」とお願いする――!? この青春、コンプライアンス超NG!! 先生×生徒、二人の禁断の恋… 開幕!!
読者が見たいものを見せるのが漫画だとしたら、
さえない男が何故かモテたりスケベな展開に恵まれる、
そういう漫画が生まれるのは必然。
それこそ多くの男性の願望だから。
ありえなければありえない展開なほど、
夢の世界を体験させてくれる価値がある。
けれど、ありえない世界はリアリティに欠ける。
最初からありえなさを楽しむ気持ちで
頭を空っぽにして読むのなら問題はないが
中途半端に常識感や倫理観、論理的展開を
入れたり入れられたら
普通はその手の漫画は楽しめない。
「てのひらにアイを!」
は冒頭から
階段曲がり角で女子高生とぶつかってしまい
転がり落ちかけた女子高生を救う、
というベタベタな展開で始まる。
これはそういう漫画ですよ、という
わかりやすい始まり方をする。
しかも女子高生のパンティが手すりに
ひっかかってゆるんでしまうとか(笑)。
他にも露出狂でしかない格好で
学校内を歩きまくる美人恵体女教師がいたり。
登場人物は勘違い野郎か馬鹿野郎ばかり。
もう最初ッからこの漫画は
頭を空っぽにして楽しんでね、
と読者に宣言している。
ところがこの漫画は卑怯なんである。
「おっぱいは好きな人にしか
揉ませちゃいけないんだ!」
と主人公が叫ぶのだ。
(まあ3回揉んだあとに言うのもなんだが)
「スケベ」心とは真逆で相反するが
確実に存在する男の願望「純愛」。
その相反する男の理想が
しっかりテーマになっている。
そして村田先生の高い画力で、
ラッキースケベ・シーンや
それ以外のシーンで、魅せてくれる絵が
チョイチョイ出てきたりする。
頭を空っぽにしてラッキースケベな世界を
楽しもうと読んでいくと、
ときどきそういうスケベではなかったり
スケベだけれどちょっといいシーンを出してくる。
こっちはわざわざ頭を空っぽにして読んでいるのに
そういう無防備状態のところにスケベ以外の
いいシーンをぶっこんできたりする。
凄く卑怯な漫画だと思った。