みんなが自分を否定しないで生きられますように
生きることは難儀だなあ。 読んだ直後なんとも言えない気持ちになって思わずTwitterで呟きました。 激しい被虐趣味を持つペス山ポピーさんが様々な男性とプレイ(というか殴られる)をしながら、自らの性的嗜好や性自認の根源にあるものと向き合っていくお話です。 イケメンにボコボコに殴られて恋してハッピー、なんて一筋縄ではいきません。 殴られたいという欲求に真摯に向き合ったことで、浮かび上がった性自認。殴られて恋をしたせいで、その性自認が再び自分の首を絞めることになる。 なんて生きづらい。 男と女の二種類しかいないのは何故なんだ、恋してセックスしてそれが当たり前だなんて傲慢だ。 人の数だけ性別があっていいし、性的嗜好があったっていい。それで人類が滅んだって別にいいじゃないか。 というのは極論なのかもしれません。 でも、みんなが苦しまないで生きられたら、自分を否定しないで生きられたらそれがいちばんいいことだと思います。 ペス山さんも自分を肯定して元気に過ごしててくれたらいいなあ。 生きることは難儀です。みんな生きてて偉いです。
嗜虐趣味を持たない自分からしたら理解しがたいが、一方であまりに赤裸々に語るこのエッセイ漫画を読むと彼女の嗜好を、欲求を理解したいと強く思う。
読んでいて自分の中にふと浮かび上がってきた感情は「感謝」だった。
ネテロ会長みたいになってしまったが、何かが自分の中で許されていく感覚があった。
自分で自分をハグしてあげたい。
普通の人間なんてこの世にいないと思っている。
細かく分類すればどこまでも違って、平均をとろうとすること自体が間違っている。
それでも「普通」を追い求め、規範で縛り、押しつけてくるのが世の中の構造だ。
子どもの頃から誰しもが無意識にそうしてしまっている。
現在、マイノリティにも光が当たり少しずつだが世の中は変わりつつあるが、互いの理解は根本的には無理だと思っている。
分かったふりをするのが上限で、最大限の譲歩だ。
理解しようとし続ける行為の先にこそ救いはある気がするので、今後もいろんな赤裸々に語ってくれる人たちが現れてくれると嬉しい。