煙の向こうがわの幸せ
一点の曇りもなく寸分も狂いもなく幸せな日常を過ごしている人達なんてきっといない。 わかっているはずなのに隣の芝生が青く見えて、自分の日常がうまく愛せなくなったり。 そういうリアルさを忘れさせてくれるひたすらほのぼのした日常漫画かと思ったら、ひたすらリアルな日常漫画だった。 同棲中のカップル・頼子と巡が休日に燻製を作って食べるお話。 相手のことがわからなくなったり、将来に不安を感じたり、他のカップルと比べてしまったり。 何も起こらないように思える毎日の中、言葉にならないモヤモヤとした感情が生まれては消えていく。 それでも、美味しいものを作って一緒に食べれば間違いなく幸せで。 痛さも甘さもほろ苦さも全て含めて愛おしい日常なんだと教えてくれる作品でした。 もちろん料理漫画としてもすごく面白い! 燻製コーヒー飲んでみたいし、たこ焼きやカレーの具材を燻製にするのも美味しそうでやってみたい。