疾走感がたまらない
銃を拾った女子高生6人組。どうせなら1人1発殺したいやつを殺してしまおう。 わちゃわちゃコミカルな会話劇もありながら、ヒリヒリするストーリー。 上下2巻で終わってしまうのがもったいないけれど、この疾走感が心地よくもある。 女の子が6人もいたらキャラ被りが起こりそうなものなのに、6人全員ビジュアルも性格も全然違う。 記号化された可愛さや面白さがあるわけではなく、それぞれ弱さも賢さも愚かさも意地悪さも持っていて魅力的。 殺したくなるのも理解できるクソな大人もたくさんいるけれど、まともな大人もちゃんといるのがまたリアルでよい。 巻末のおまけ漫画も含めて非の打ち所がない面白さだった。岡村さんかっこよすぎる。
女子高生が六人も出てきたら、誰が誰かわからなくなる、と思ったけれど、さすが高野先生、顔も性格も描き分けられている。
最初は、人を殺す計画なんて、と思ったけれど、それぞれの悩みには程度の差こそあれ共感できるものがある。秘密を共有したことで六人の気持ちが近づいているのも感じるし、みんなけっこう真面目だ。
なんとか、銃を使わないで、みんなが「じゆう(自由)」を手に入れる展開になってくれないだろうか、と思う。