用九商店
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あらすじ
「だったら、オレが明かりをともそう。そう決めた」台北(タイペイ)市で一流の会社に勤める揚俊龍(ヤン・ジュンロン)。ある日、よろず屋「用九商店(ようきゅうしょうてん)」を営む祖父が倒れたという知らせが入る。店をたたむため数年ぶりに帰郷することにしたが・・・。思い出が詰まった「記憶の箱」を通して俊龍が見つけたものとは?---台湾で最も権威ある「金漫賞」受賞&実写ドラマ化!かつては「人々につながりを与える場所」であり、「心の拠り所」でもあったよろず屋本作は都市化が進み、台湾でも失くなりつつある商店を中心に、日常を懸命に生きる人々の交流、そして一人の青年の学びと成長を描く

よろず屋と縁と人生達 #1巻応援

台北で地上げに従事していた青年が、台北から3時間離れた田舎のよろず屋を受け継ぐ物語。そこには「懐かしさ」と一括りにできない、老若男女たくさんの人の縁の物語が待っていた。 よろず屋「用九商店」で提供される品は、よく見ると日本人の私にはよく分からないものが多くて面白い。日常的なもののはずだが一体何に使うのか……。 近所の顔馴染みが集い、話し笑い合うお店の雰囲気も、町の様子も全く垢抜けない。しかし主人公を含めた人の歴史、変わらない廟、ゆっくりとした仕入れと時の流れ、ざらつく質感……店に結びつくそれらが一つひとつ丁寧に描かれると、そこで人生を大切に生きてきた人達の物語を肯定したくなる。 主人公の青年が、周囲の人々に助けられて創り出す新しい店の形も素敵だ。 古い物をただ否定するのではない、過去を大切にしたままで、新しい時代を迎える方法があるのではないかという、今までにない希望の様な物がそこにはある。 ここに住む人達の悲喜交々を、小さくても豊かな人生達をずっと見ていたい。生きる充実感でこちらも満たされる、少しずつ時の進む台湾の田舎の物語を、もう一度読み返したい。 (#1巻応援 としましたが、1・2巻同時発売なので2巻の内容まで含みます)

あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
雷鳴りて春来たる
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あらすじ
大正十二年、春。父親と喧嘩し家を飛び出した島津ハルは、橋の上で雷に打たれてしまう。気がつけばそこは…百年後、令和五年の東京だった。気を失い倒れていたハルを保護したのは、彼女と同い年の高校生・星谷青太。自宅で姉の朱里とともに、、にわかには信じがたいハルの事情を聞いた青太は…? 時代を超えて「私の生きるべき道」を模索する、大正乙女の物語!
れたいとないと
レタイトナイト
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あらすじ
海に挟まれたこの地には、4つの国があった。人々はその土地ごとに、さまざまな暮らしを送っていた。北方の国レタイトの集落に住む少年・カンカンは最近、どうも納得がいかない。「自分の町の誰も買えないものを作るようなことは、なんかおかしい気がする」。生活に苦しむ人々や、町に漂う閉塞感を感じていたカンカンはある日ふと、外の世界に出てみよう、と考えたのだった。生きるための旅に出よう。力を持たざる者たちによる「居場所発見」ファンタジー!

豊かなファンタジーの極致 #1巻応援

『ベルリンうわの空』の香山哲さんの新作です。 前作の『香山哲のプロジェクト発酵記』では「新しい連載プロジェクトの立ち上げ方」自体をマンガで描くという珍しい試みにも取り組んでおられましたが、まさにそこで考え捏ねられ発酵させられていた新作がこの『レタイトナイト』です。 『香山哲のプロジェクト発酵記』自体も、自分の寿命の使い方や物事の進め方を考え、見つめ直すという点でとても面白い本ですし、何より本作と併せて読むことで濃密なメイキングとして両方をより楽しみるのでぜひ読んでみて欲しいです。 香山哲さんは、その在り方が真の意味で「豊か」であるということを感じます。 わかりやすい流行や、かくあらねばならないといった縛りから解き放たれた自由にところで、読み手のこともある程度考えながらも自分が好きなもの・味わいたいものを全開にして描いている。こういう作品が、こういうマンガが世にある、出版されるという状況の何と素晴らしいことかと思います。 一口で言えばファンタジーですが、もう開始数ページの絵だけで魅せられる世界の様子、そして「レタイトナイト」と書かれた扉絵まででも香山哲さんの生み出す圧倒的な世界観に気持ちよく呑み込まれます。 地図や各地のスポットが描かれているところや、いろいろな小道具、その描き方も含めて幼いころに『エルマーのぼうけん』を読んでワクワクしたときのような感覚を呼び起こしてくれます。 ファンタジー世界を描く際に大切なのはそこで生きる者の日々の暮らしのディティールですが、『レタイトナイト』はそこの解像度の高さが素晴らしいです。そこがどんな世界で、どんなルールがあり、どんなことをして、何を思いながら、何を食べて暮らしているのか。そういった部分はつぶさに描かれていき、世界の匂いや温度を感じられます。 この世界独自の生き物や概念などもありながら、光を照らす角度によっては現実と繋がり考えさせられる部分があるのも良きファンタジーとしての性質を満たしています。 個人的には、食堂「フメンカダ」で出されるバラエティ豊富な「マリム(定食)」の数々に心惹かれます。野菜や穀物や豆など、素材としてはシンプルなものが多いのですが、その美味しそうなこと。巻きクブなども、絶対好きです。 これだけの世界観を作り込みながら、比較的ミニマムなお話を展開しているところもまた独特で良いです。普通であれば大国同士の戦争のような大きい話になりそうなものですが、そうではなくこの世界で生きているひとりひとりの地に足のついた生活をじっくり描いているところが、ある種の贅沢ですらあります。 読んでいる間はここではないどこかへ飛んで、豊かな時間を過ごせる作品です。

兎来栄寿
兎来栄寿

『ベルリンうわの空』香山哲先生の新作! #1巻応援

『ベルリンうわの空』香山哲先生の新作はマイナーRPGを彷彿とさせるファンタジーだった。 ベルリン〜で独特かつ魅力的な絵柄で多くの読者を魅了し、電子先行だった?と思うが紙書籍も欲しくなって久しぶりに紙書籍も購入した。 私のチープな語彙力では「おしゃれ」とかしか表現できないがとにかくオシャレで可愛く、気持ち悪そうなデザインのキャラクターですら作中の柔らかい雰囲気で包んでくれていいデザインだなぁと感じる。何にせよどこを読んでいても心地よいのがすごい。 そんな香山哲作品、常に二色刷り(弘兼憲史作品などでよくある、白黒にプラスもう1色使われているもの。多いのは黒+朱色かな?)なのだが、ベルリン〜ではオレンジを基調にしていたところ本作では少し氷っぽい水色のようなアイスブルー(ブルーグレー?)みたいな、とにかく雰囲気がオシャンティでまた良い。 色々と前提となる設定が今回も多く(ベルリン〜と比べてばかりでアレだけど、あちらはドイツで生活する上で日本人には馴染みがないところの紹介があって面白かったがやはり前提がいくつかある)昨今の漫画の中でも珍しくじっくり理解しながら文字も読み込むのが楽しい作品になっている。 早く2巻が読みたいものだ。編集長頑張れー

さいろく
さいろく
みどりちゃん、あのね
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あらすじ
静は、とある地方に住む野球が好きな小学生。ある夏の日、祖父の一周忌のため都会から叔母・みどりがやって来て……。各界で大きな話題を呼んだ『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』(リイド社)の大白小蟹、初連載!
クイックオバケの動かない漫画(仮)
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あらすじ
コマの中でキャラクターが動く「GIF漫画」というジャンルを開拓した作家 クイックオバケによる、初めての “動かない” 漫画。なにげない日常の中に在る、ささやかな光やどきりとする暗闇……ふとした瞬間に抱く感情を切り取った、ノスタルジックな短編集。連載は全6回予定。
みすみきょうだい
三角兄弟
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あらすじ
「今からちょうど100年後、巨大隕石で人類は滅亡する」 地球で暮らす宇宙人の野庭(のば)は、失われる文明を目にしようと地球へ観光に訪れる宇宙人たちのガイドをしていた。そんなある日、地球へ3つの三角形が許可なく侵入してきてーー。彼らは味方か敵か、そもそも何モノなのか? 『きつねとたぬきといいなずけ』(マッグガーデン)で「第25回文化庁メディア芸術祭」マンガ部門新人賞を受賞した俊英が描く、スペクタクルSFが開幕!
サバキスタン
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あらすじ
永らく国境を閉ざしていた謎の独裁国家「サバキスタン」はある日、国境を開放した。偉大なるサバキスタンの栄華を世界に伝えるため、世界各国のジャーナリストたちが招かれた。その日、同国では全国民から敬愛を受ける国父、リーダーである「同志相棒」の葬儀のリハーサルイベントが行われようとしていた。サバキスタンの工場に努める女性・ハーモニーもその名誉あるイベントへの参加を許されたひとり。彼女は喜びと誇らしい気持ちを胸に会場となるスタジアムへと向かった。同志相棒に招かれた世界的ジャーナリストのアンリ・パスカルもまた、宮殿内で同志相棒から歓待を受けていた。すべてが豪華絢爛で見事に設えられた奇妙な空間の中、アンリ・パスカルはふと戯れに、庭にある一本の木の枝を折ってしまう。その木は若き同志相棒が植樹した神聖なものであり、それを傷つけることは大罪であった…。架空の独裁国家における不自由や弾圧、陰謀、歴史の改ざん。そして人々の真実を求める心、抵抗、愛する国への願い――。迷える大国・ロシアから届いた、自由の意義を問いかけるアンチ独裁グラフィック・ノベル!

ロシア人が描く独裁否定の寓話 #1巻応援

ロシアによりウクライナ侵攻が開始されて1年半。現在もなお毎日さまざまな情報が飛び込んできます。 そんな今であるからこそ読まれるべき作品がロシア人の手によって描かれ、そして邦訳されました。本作は、架空の独裁国家サバキスタンを舞台にフルカラーで描かれる寓話です。 ロシアマンガを読んだことがある人は非常に少ないかと思いますが、翻訳も良いですし日本のマンガを読み慣れている方であれば苦もなく読める上手さを感じます。 物語は、サバキスタンを訪れるジャーナリストであったり、国内で忠誠を誓って働く人であったり、また独裁者本人であったり、さまざまな視点から多角的に描かれて進行していきます。その中で描かれる国家としてのさまざまな矛盾や差別、不条理は現実の写鏡のよう。キャラクターが動物の擬人化として描かれているからこそ、逆にありありと現実を思い起こさせます。それらは、日本で生まれ育っていると想像しにくい現実です。 何より帯文にも引用されている ″なぜ、不幸の中の自由は幸福の中の不自由よりも良いと、お前たちは考えるのだ?″ という、同志相棒ことサバキスタンの長であるドゥルジョーク・トレザロヴィチ・シャリチェスク=ライコフスキーのセリフが、この作品に強靭な骨格を与えています。 かつて、『銀河英雄伝説』でヤン・ウェンリーは「私は最悪の民主政治でも最良の専制政治に勝る思っている」と言いました。一方で、本作では「清廉でも公正でもなくとも君主独裁政治の方が、不幸の中にある自由たる民主共和政治よりも幸せではないか?」と独裁者が主張してくるわけです。 この論理に外側から反駁することはできるでしょう。しかし、当人の中では絶対的で揺るがない正当性を持って断行しているわけです。独裁を否定する物語でありながら、非常に強固な行動原理を持つ独裁者が据えられている。彼の言動もまた作中を飛び越え、資本主義社会に生きる私たちも射程に入れて脅かしてきます。そこを否定する論理の帰結が、果たしてどのように描かれるのか。 3ヶ月連続刊行予定ということですが、この物語がどんな形で結ばれるのかは今を生きる者として見届けねばならないと感じます。

兎来栄寿
兎来栄寿
こいはかのじょをほおむらん
恋は彼女を葬らん
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あらすじ
「私には5人の姉がいる。もともと6人いたらしい」 海の泡となった姉を軽蔑する、”恋をしない”人魚姫の物語。
はれたひのかさ
はれたひのかさ
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あらすじ
小学5年生のハルは、ある日のテスト返しで、クラスメイト「あゆま」の足が浮いていることに気づいて……。 イラストレーター・昼間の日本初作品集『THE VISUAL 昼間作品集 今日は他の日』の刊行を記念して、このたび特別読切を掲載!柔らかく素直な描線で描く、ささやかな友情の物語です。
ふつーのこいってなに
フツーの恋って何?
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あらすじ
声優の佐倉綾音さんも絶賛した、TikTokにて累計2100万再生を始め、各SNSで話題沸騰の百合作品! 高校の入学式に一目惚れしてしまった「わたし」たち。でもその恋は普通ではなかった…。3人の女子高生の視点で描かれた百合漫画の新境地。

名前のない3人の名前のある感情 #1巻応援

『夫にキレる私をとめられない』や『夫を捨てたい』が世間的にも有名ないくたはなさんですが、近年はオリジナルストーリーでの開花が著しいと感じます。 並行してさまざまな作品を描かれていますが、その中でも個人的に特に好きなのはこの『フツーの恋って何?』です。 まず、表紙絵を見た時に率直に「売れ感が圧倒的に増してる!」と思いました。装画デザインの方の功労ももちろん大きいですが、シンプルに絵の引き込む力がとても増していて、中心となる3人のキャラクターたちが実に魅力的に見えます。 そして、ストーリーも「一目惚れ」を絵で語るところから始まるしっかりと質量のある百合です。 元々、家が隣同士・親が親友同士で幼い頃からずっと一緒でこれからもずっと一緒にいると思ったふたり。そこに、運命的な出逢いを果たした少女が現れて感情を掻き立ててくる三角関係を織りなしていきます。 非常に特徴的なのは、キャラクターの名前が出てこず常に代名詞で「わたし」「あなた」といった形で進行していくこと。あるはずの名前が呼ばれないという不思議な欠落があります。 代名詞は代替物、代わりがあるもの。 固有名詞は、代わりがないもの。 そのメタファー、その演出がどのように作用して、物語がどのように帰着していくのか。今、目が離せない百合です。 連載も面白く追っていますが、単行本で一気に読むと双方向的な視点が際立って改めて良さを感じました。

兎来栄寿
兎来栄寿
かいだん
海譚
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あらすじ
ビッグコミックスペリオール第二回次世代新人賞入選の才気あふれる新人作家による短編公開がスタート! 第一弾の舞台は田舎の港町。多感な年頃の女の子が、お祭りの日に不思議な子どもと出会って……。“海にまつわる”オムニバスショートストーリーが始まる──
mothers 草原うみ短編集
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あらすじ
母なる瞬間。それは静かな祈りのようで―― 喪失を抱えるふたりの母の心の葛藤を描いた表題作「mothers」。突然開けた新しい世界を前に揺れ動く少年とその姉を描いた「蝶になる日」。 親子、家族、人間関係の複雑さを優しさあふれる視点で真正面からとらえた珠玉の12編。 秘めた気持ちがあふれ出す、新鋭・草原うみの初短編集。
おさんぽけんし
おさんぽ剣士
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あらすじ
邪悪な魔物に襲われた娘を通りすがりの剣士が助けました。その魔物は付近の村を長い間苦しめていたので、剣士は村を上げての熱いもてなしをうけました。 ――翌朝、冷静になった剣士はちょっとそのへんをふらっと散歩しようと思ったのでしたが…。 唯一無二の読後感に中毒者続出!神出鬼没、流浪の漫画家・市田の最新短編を読切でどうぞ。
やまめのはらわた
山女のはらわた
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あらすじ
広い中国の、とある地方。小丹(シャオダン)はかつてこの村に越してきた友人・安(アン)と、いつものように真珠狩りに向かう。作業の合間、小丹が幼い頃に真珠を「人魚の涙」に見たてていた話から、安は遠い故郷のおとぎ話を語りはじめる……。 どこか懐かしく、どこか不穏——。海外を中心に活躍する新星が、日本初登場。
べんりなふたり
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あらすじ
緑豊かな山間部で移動スーパーを営む柏森悠馬、24歳。ある日の仕事終わり、馴染みの店に顔を出すと小学生の頃に突然姿を消した親友・陸斗と最悪な再会をする。ひょんな依頼をきっかけに、町の住人から様々なことを頼まれるようになるふたり。お悩みな女子高生に父親の浮気調査を頼まれたり未確認な飛行物体を発見したり……。新鋭・あやきの初連載作品は、再会からはじまる成長の物語。巻末にはふたりの少年時代を含む、2篇を描き下ろし収録!

田舎の移動スーパーは便利 #1巻応援

自由広場の「読んでたら「趣味が良いな」と思うマンガのレーベル」トピックでも名前が挙がった、去年の1月から始まったばかりの注目レーベルである路草より、あやきさんの連載作品が単行本となり発売されました。 https://manba.co.jp/free_spaces/48016 くらげバンチに掲載された読み切りの「番台さん」もそうですが、あやきさんは劇的ではない日常のありふれた出逢いから始まる関係性を、卒なく丁寧に描くのが上手いなと感じます。 本作は小学生のときに出逢った少年ふたりが大人になってから再会する物語ですが、冒頭で描かれるその出逢い方やその後の交流に、私自身が小学一年生のころに初めて一番仲良くなった友達とどのように知り合って仲良くなっていったのかを不意に思い出しました。私の親友もまさに浮世離れしすぎていて庶民が買うようなお菓子や清涼飲料水のことを知らず、色々な駄菓子の食べ方などを教えて俗化させてしまっていたなぁと。描きおろしも微笑ましいエピソードでしたが、カントリーマアムガチ勢の私としてはシティマムがツボでした。 それはさておき、田舎で移動スーパーをしながら独居老人の話し相手になったり電球を替えたり、マルチな何でも屋さんと化している24歳の青年・悠馬が主人公なのですが、車で外に出ないことには何もない田舎にいると移動スーパーはとてもありがたい存在です。商品と共にコミュニケーション体験も運んでくれるのは本当の話。 そして、本当に田舎は狭いコミュニティでさまざまなことが良かれ悪しかれすぐに伝播してしまうことや、権力を持っている人や繋がり、人口が衰微していくのを食い止めるための施策の立て方など田舎のディティールに逐一頷きながら読んでいました。 かつての親友である陸斗との絶妙な関係性の描き方や地の会話の軽妙さなど、派手さはないものの独特の良さが幸せを運んでくれる作品です。

兎来栄寿
兎来栄寿
取るに足らない僕らの正義
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あらすじ
ある日、突然姿を消してしまったシンガーソングライター・多野小夜子。ファンも友達も恋人も、彼女の行方を誰も知らない。多野小夜子が消えたことによって、僕たちの生活は少しずつ変化していくーー。彼女を知らない人にとっては取るに足らないことだけど、僕らにとって彼女は「かみさま」だったんだ。宮崎と東京を舞台に、6人の男女が織りなす淡く美しい群像劇。

「特別」への羨望と嫉妬を煮詰めたオムニバス #1巻応援

1巻完結の物語としては、早くも2023年最高峰ではないかと思わせる非常に上質な作品が登場しました。 シンガーソングライター・多野小夜子とそれぞれ多様な関わりを持つ男女数名が織り成す、連作短編です。 作者はごめん名義でも描かれていた、西野カナさんのMVなども描かれた川野倫さん。 誰しも一度は「特別」になりたいと憧れ、そして多くの人は夢破れて「平凡」になるわけですが、本作では「特別」な小夜子と、それを取り巻く「平凡」な人々で構成されています。さまざまな感情の堆積がやがて歪みを生み発露するさまが、多様な角度から描かれていきます。人間の持つ嫉妬心や他人の不幸を願う気持ち、自分の心を安定させたいがための卑しい行為などが非常にリアルで丁寧で、読み応えがあります。 また言葉のセンスにも光るものを感じました。 ″恥ずかしくて死にたくなれよ。  生きてるなら。″ といった切れ味鋭いセリフや、作中で小夜子が「なぜ歌を歌うのか」と問われた時の ″ただの自傷行為だよこんなの。  曲を作ることも歌うことも。  でもさ、それで救われたって人もいたんだよね。  そういう人のために歌うわけじゃないけどさ、  そういう人もいるんだなって思ったよねー。″ というセリフなどは、特に好きです。 ある種神格化さえされている創り手の神聖に見える創造行為が、本人の認識ではただの自傷や自慰行為に過ぎない。でも、それは決して悪いことではなく、それでもその被造物によって救われる人も確かに存在する。そのことは、創り手にとってのささやかな救いともなる。 理不尽に覆われたこの世界がそれでも美しいと思える理由が、ここにあると思いました。

兎来栄寿
兎来栄寿
からすまるぱーぷるへいず
烏丸パープル・ヘイズ
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あらすじ
ここは古都・京都。下町にある小さなラーメン屋「黒犬」を切り盛りしている烏丸(からすまる)けむりは中学2年生。母のむらさきは酒好きのいいかげんなシングルマザー。今日もバンドのライブと飲み会で大忙し。「お母さん、次レジのお金に手ぇつけたらゆるさへんで!」しっかり者のけむりの周囲には、これまたクセのある面々が自然と集まって…。古都・京都を舞台に繰り広げられる可笑しくも心温まる人情物語!
東東京区区
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あらすじ
自分が生まれ育った「東東京」は、まだまだ知らないことばかり……。ムスリムの大学生・サラ、エチオピア人の両親を持つ小学生のセラム、不登校の中学生・春太。ルーツも年齢も区区(まちまち)な3人が東東京を歩き、新たな街の魅力を見つけ出す地元発見冒険譚!
ゆうれい犬と街散歩
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あらすじ
心に留まった日常の何気ない風景を温かく緻密な筆致で描き出す中村一般の初連載作が待望のコミック化!「私」とゆうれい犬の「ハナちゃん」が大好きな街や行ってみたかった場所に気の向くままにおもむく、お散歩ダイアローグ。【散歩する街】 ・三軒茶屋 ・中野 ・高円寺 ・鮫洲 ・北千住 ・奥多摩単行本だけの描き下ろし10ページ以上収録!
ブブとミシェル
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あらすじ
「日曜日の朝に堕天使が降ってくる」両親を病で亡くし、孤独に生きる少年ミシェルの住む土地では、土曜日の夜から雨が降り、その雨は日曜日の朝になると堕天使に変わる。堕天使の死骸が散乱するところで卵を見つけたミシェル。そして生まれたブブ。心に深い傷を負った少年と無邪気な堕天使による愛と絆の物語。

死を側に置く孤独な少年と、堕天使の出逢い #1巻応援

『十次と亞一』のコドモペーパーさんが描く、絵本のようなファンタジーです。 "日曜日の朝は 堕天使が降る" という、印象的なフレーズから始まる本作。 主人公は両親を亡くしてしまい幼い身でありながらひとりで暮らす少年ミシェル。天国から追放され地面に着くころにはいろいろな姿に変貌して死ぬ堕天使の死骸を使った「堕天使パイ」を作り、ミシェルは生計を立てています。そんなある日、ミシェルは堕天使の卵を発見して家に持って帰ります。やがて、その卵から堕天使が生まれ、彼はかつての愛犬と同じブブという名前を与えます。赤ちゃんのように本邦で世話が焼けるブブですが、こうしてミシェルとの不思議な共同生活が始まります。 堕天使の寿命は地上に落ちてからたったの7日。両親を亡くして以来ずっと孤独でもう別れの辛さを二度と味わいたくないミシェルは、最初はブブを突き放します。生きている堕天使は、売れば安くても金貨30枚。ミシェルにとってみればスリをして糊口を凌がなくても良くなる大金です。しかしながら、それでもブブはミシェルにとって段々と掛け替えのない存在になっていきます。その過程が、非常に堪りません。与えられた僅かな時間で、ミシェルは果たしてどのような決断をしていくのでしょうか。 得体のしれない堕天使という存在があることで、常に世界観には不穏さが漂っています。ただ、そこが逆にこの物語がファンタジーでありながらもどこか現実と地続きである観想を生み出しているとも思います。多くの人々が忌む存在。しかし、それによって生かされている人もいるという世界の多様さ。また、世界にはどうしたって理解しがたいものや自分の手ではどうしようもないものがあるということ。堕天使はそんなさまざまなことやものの象徴となっています。 そして、何より主人公ミシェルの幼いながらに死を意識して身近に置きながら日々の生活を必死に営んでいるさま。本当はいつだって泣き伏したいほど辛い状況でありながら亡き両親のことを想いながら強く生きるさまにに感じ入ります。そんな彼に手を差し伸べようとしてくれる、隣家のネリのような存在がいることも胸を暖かくしてくれます。きっと、本書を読んだときに孤独の深淵にいる自らに光を当てられたように感じる人がいることでしょう。ミシェルは自分だ、と思えるような人が。何よりそういった人に届けたい物語です。 宣伝になりますが、以前に私が行った路草編集部へのインタビュー記事も併せて読んでいただけると、本作もより楽しんでいただけるかと思います。 https://manba.co.jp/manba_magazines/24676

兎来栄寿
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きらきら、あおい
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「今日、私にはじめての恋人ができた。」荻野美穂は恋に憧れる高校一年生。入学を迎えた春、前後の席ゆえに起きたある出来事をきっかけに、サッカー部の村田くんとの距離がどんどん縮まっていき……。青春のきらめき、痛み、ときめき。恋人たちの日常の一コマを捉え、すくいとってきたイラストレーター・itoがフルカラーで描くのは、永遠に続くように思われたあおく瑞瑞しい日々。これは、かつてのはじめてを思い出す、“あなた”のラブストーリー。

アオハルというリトマス試験紙 #1巻応援

兎来栄寿
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チャック・アンド・ザ・ガール
1巻を試し読み
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「私は思い出す。海と坂道に囲まれた街。大切な人との夢のような時間――」 私の名前はエイミー。お母さんに連れられて、アメリカ・ロサンゼルスから横浜の町に引っ越してきた。 寂しいかって?ううん全然。だって、外国に住むなんて、クールじゃない?おばあちゃんもカッコよくて、いい感じ!私はここで暮らしていくんだ! 青春の一歩手前。ひとりの少女が経験する眩いばかりの光、そして影。 当代一流のイラストレーター・サイトウユウスケが描く、人生に二度と訪れることのない、輝かしいワンダーイヤーズ。
べじたぶるサンドイッチ
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強くなりたいと心から願いながらもケンカがめちゃくちゃ弱い不良高校生・つくしは、ある日動物園から脱走したライオンと対峙することに!! 鋭い牙が向けられたその時、飛び蹴り一発でライオンを打ち倒したのは、小柄な女子小学生のわらびだったーー。激ヨワ不良の師匠は最強小学生!? 前代未聞の凸凹コンビ、ここに誕生!
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母なる瞬間。それは静かな祈りのようで――喪失を抱えるふたりの母の心の葛藤を描いた表題作「mothers」。突然開けた新しい世界を前に揺れ動く少年とその姉を描いた「蝶になる日」。親子、家族、人間関係の複雑さを優しさあふれる視点で真正面からとらえた珠玉の12編。秘めた気持ちがあふれ出す、新鋭・草原うみの初短編集。