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緑豊かな山間部で移動スーパーを営む柏森悠馬、24歳。ある日の仕事終わり、馴染みの店に顔を出すと小学生の頃に突然姿を消した親友・陸斗と最悪な再会をする。ひょんな依頼をきっかけに、町の住人から様々なことを頼まれるようになるふたり。お悩みな女子高生に父親の浮気調査を頼まれたり未確認な飛行物体を発見したり……。新鋭・あやきの初連載作品は、再会からはじまる成長の物語。巻末にはふたりの少年時代を含む、2篇を描き下ろし収録!
緑豊かな山間部で移動スーパーを営む柏森悠馬、24歳。ある日の仕事終わり、馴染みの店に顔を出すと小学生の頃に突然姿を消した親友・陸斗と最悪な再会をする。ひょんな依頼をきっかけに、町の住人から様々なことを頼まれるようになるふたり。お悩みな女子高生に父親の浮気調査を頼まれたり未確認な飛行物体を発見したり……。新鋭・あやきの初連載作品は、再会からはじまる成長の物語。巻末にはふたりの少年時代を含む、2篇を描き下ろし収録!
自由広場の「読んでたら「趣味が良いな」と思うマンガのレーベル」トピックでも名前が挙がった、去年の1月から始まったばかりの注目レーベルである路草より、あやきさんの連載作品が単行本となり発売されました。 https://manba.co.jp/free_spaces/48016 くらげバンチに掲載された読み切りの「番台さん」もそうですが、あやきさんは劇的ではない日常のありふれた出逢いから始まる関係性を、卒なく丁寧に描くのが上手いなと感じます。 本作は小学生のときに出逢った少年ふたりが大人になってから再会する物語ですが、冒頭で描かれるその出逢い方やその後の交流に、私自身が小学一年生のころに初めて一番仲良くなった友達とどのように知り合って仲良くなっていったのかを不意に思い出しました。私の親友もまさに浮世離れしすぎていて庶民が買うようなお菓子や清涼飲料水のことを知らず、色々な駄菓子の食べ方などを教えて俗化させてしまっていたなぁと。描きおろしも微笑ましいエピソードでしたが、カントリーマアムガチ勢の私としてはシティマムがツボでした。 それはさておき、田舎で移動スーパーをしながら独居老人の話し相手になったり電球を替えたり、マルチな何でも屋さんと化している24歳の青年・悠馬が主人公なのですが、車で外に出ないことには何もない田舎にいると移動スーパーはとてもありがたい存在です。商品と共にコミュニケーション体験も運んでくれるのは本当の話。 そして、本当に田舎は狭いコミュニティでさまざまなことが良かれ悪しかれすぐに伝播してしまうことや、権力を持っている人や繋がり、人口が衰微していくのを食い止めるための施策の立て方など田舎のディティールに逐一頷きながら読んでいました。 かつての親友である陸斗との絶妙な関係性の描き方や地の会話の軽妙さなど、派手さはないものの独特の良さが幸せを運んでくれる作品です。