あらすじ
1945年、大きな戦争により荒廃した日本は福祉と治安維持のため二つの政策を行った。一つは東京を復興し「新都トーキョー」をつくること。もう一つは、能力不振や病気、障害等により自立困難な者に国が衣食住、生活を保障する「生活保護特区」(俗称マントラアーヤ)を制定すること。2018年、トーキョーの中流家庭で育った高校生のフーカは、落ちこぼれながらも平凡な日常を送っていた。ところがある日、彼女の元に「特区通知」が届く。この国で何となく生き、何となく幸せになれると思い込んでいた彼女にとって、それは青天の霹靂だった―― 突如、生活保護特区に単身移住することになったフーカは、その想像を絶する状況に戸惑い、困惑する。そして居住者たちとの共同生活が彼女を思いがけない道へ誘い込み……
とーち
あらすじ
「トーチ」はリイド社が発行するWebマガジンです。[トーチ]は英語で書くと[torch]、たいまつのことです。『未だ見ぬ表現』と『自分たちの老後への道筋』を探し、光をあてる(発信する)ために、「トーチ」は運営を開始しました。冒険や知的探究を始めることに、『早い、遅い』はありません。日常から一歩踏み出したり、自分たちの未来を考えていくための[道具]として機能するような情報を集めて、発信していきたいと思っています。
そらとぶうま
あらすじ
文学部の大学生<私>と、噺家・春桜亭円紫(しゅんおうていえんし)が解き明かす、日常にひそむ謎と不可思議。見られるはずのない夢・大量の砂糖を入れられた紅茶・幼稚園から一晩だけ姿を消した木馬…。人が生き、触れ合うことで生じる明暗を描く五つの物語。本格推理小説であり、一人の女性の成長を捉えた爽やかな青春物語でもある“誰も死なない”ミステリの記念碑的作品、初漫画化。
ぱんだたんていしゃ
あらすじ
現代の“変身物語”開幕――!! 身体が徐々に動植物に変化していきやがて人格が失われる不治の病“変身病”。パンダ化進行中の半田と学生時代の先輩・竹林は変身病に関わる案件専門の探偵業を営む。そんな彼らに舞い込む5つの依頼、その結末は…!? ヒトでなくなっていく変身病者たちの覚悟と選択、そして残された者に宿る勇気と希望の物語!! 才能を賞賛する漫画家多数!! 『金剛寺さんは面倒臭い』とよ田みのる ――“ネームも絵もセンスありすぎて怖い” 『バイオレンスアクション』室井大資 ――“最新天才作家・澤江ポンプ、堪能しました” 『メタモルフォーゼの縁側』鶴谷香央理 ――“直視できないくらいかっこいい漫画です” ※電子版は電子限定描き下ろしイラストを6枚収録!
たろうはみずになりたかった
あらすじ
疲れてるとき、しんどい時、私はいつも大橋君の漫画を読む。――――東村アキコ 忘れてた、あの感情がよみがえる。ノスタルジック・イリュージョン。「母さん。ボクらは今、漠然とした不安の中、たしかに中学2年という季節を過ごしています。」中学2年の太郎の家にはお母さんがいません。人より少しシャイです。親友はヤスシ。同じクラスの谷村さんにこっそり想いをよせています。冴えない学生生活をおくる太郎は、それでも何かデカいことをやってやろうと… いや、やったほうがいいのか? という気持ちで生活をしていますが… 雨上がりの虹のように描かれる、誰にでも平等にあったはずの青春物語。繊細でリリカル、モラトリアムと妄想が爆発するヤングゼネレーション・コミック。トーチweb連載時の原稿を大幅加筆&修正。描き下ろし漫画とコラムも特別収録した決定版。
どんとらいくでぃす
あらすじ
苦手だったこの部屋で、初めて釣った魚を食べた。少しずつだけど確実に、私の「好き」が増えてきた――。吉田めぐみ、職業・イラストレーター。筋金入りのインドア派、一人は嫌いじゃない。「アナタの今の家は 釣りをするのに最高の環境では?」元同僚から届いたメッセージをきっかけに、知らない場所や人と交わるようになり…。ちょっとの勇気が出会いを紡ぐ、“おひとりさま”の希望の物語。
せんのなつとゆめ
あらすじ
SNSで話題! 収録作品累計いいね数35万! 鮮麗な新世代・鯨庭初作品集。龍・鬼・ケンタウロス・グリフィン―― 伝説の生物と人との関わりを軸に描かれる切実な物語。平穏に爪を立てる5つの短編。
こだままりあぶんがくしゅうせい
あらすじ
比喩・記号・語彙―― 文学の構成要素をテーマに孤高の才能が描く、静寂と浮遊感、とびきりのポップ。詩情あふれる台詞と画面、ミステリのような叙述トリック、近いようで遠い存在である文学と漫画が、かつてないほど接近した注目作!
かのじょのやりかた
あらすじ
日々の中にふと現れる小さな悩み、どのように解消しますか? ひょっとしたらあなたの身近にいるあの人は、意外な解決法を持っているかも… 少しの勇気と冒険で生活に魔法をかける、彼女たちの“やりかた”をご紹介します。
さっどがーる
あらすじ
生きていこう、まるで挫折したことがないかのように――主婦・村上詩織は睡眠薬の過剰摂取により救急搬送され、翌日、失踪。二度と戻ることはなかった……時に滑稽なほど墮ちて、墮ちて、墮ち切った先に意外すぎる結末が……人生の奈落でそっと輝く珠玉の中短編集。真っ当な社会生活から脱落した女の果てしない転落を透徹した眼差しで描く表題作の他、若くして他界した“仲間”に捧げる『ロング・グッド・バイ』、揺れる家族のひと時を切り取った『My Mellow Christmas』、など、初邦訳2作を含む傑作5編を収録。 収録作:「SAD GiRL」「崖の上の別荘」「My Mellow Christmas」「ロング・グッド・バイ」「山の方」 ※本電子書籍は底本に倣い左開きとなっておりますが、「My Mellow Christmas」「ロング・グッド・バイ」「山の方」は右開きの作品です。「SAD GiRL」「崖の上の別荘」読了後、148ページに移動いただき、逆順でお読みいただく形式になっております。あらかじめご了承ください。
らまん
あらすじ
フランス文学の不朽の名作を世界で初めて漫画化!! 物語が始まった時、私は十五歳半だった―― 1929年、フランス領インドシナ。現地のフランス人女学校に通う貧しい少女は、ある日メコン川のボート乗り場で華僑の青年と出会う。少女は金と快楽のためと割り切って関係を持つが…… 世界を虜にする叙情と官能の作家・高浜寛がフランス文学の“あの名作”を世界で初めて漫画化!! (オールカラー作品)★第21回文化庁メディア芸術祭「優秀賞」受賞第一作 ★「アングレーム国際漫画祭2020」公式招待
じんせいやまありたにぐち
あらすじ
自然を愛する26歳独身女性漫画家は己を高めるために山へと登るが―――悩みを抱え、トラブルに見舞われながらもしたたかに山を登る、台本無しのセキララ・セルフ・ドキュメンタリー。遭難しそうになった高尾山篇…猛暑と孤独と戦った頭高山篇…滑落しそうになった御岳山篇…体力のなさに直面した大山篇…膀胱のキャパと戦う岩殿山篇…ただ山登りを楽しみたいのに、ギャグ漫画家の性癖(?)がそれを許してくれない―――連載時に共感と感動を呼んだ本作に加え、描き下ろし漫画・挿し絵・コラムを多数収録! 中身もフルカラーの豪華本です!
きんじょのさいはてさわえぽんぷたんぺんしゅう
あらすじ
「近所に世界の全部がある―――」ハダカで笑って、ゆっくり泣いて、近くの遠くまで散歩しよう。きっと大切になる、10年の月日と17つの物語。《収録作》『ハダカヨメ』ひとり裸で家事を楽しむ妻。そんな秘め事を知らぬ夫。結婚2年目の夫婦が直面する知られざる小さな大事件。『はっぱの人』離婚して失意に沈む男が頭に葉っぱの生えた店員に助けを求める。葉と愛の発生の瞬間。『サイコンクエスト』ママの再婚相手が現れた。決戦は誕生日。パパを忘れられぬ子が勇者となる成長譚。他、多数の作品を240ページの大ボリュームでお届けします。『このマンガがすごい! 2020』(宝島社)オトコ編 第9位『パンダ探偵社の』の著者・澤江ポンプが贈る最高のユーモア。
ままごとは、ほんのむし。
あらすじ
紅茶、中国茶、料理、北欧アンティークにはじまり、推理小説、鉄道、エアロビクス、切手、煙草に山登り…新しい趣味を見つけてはネット通販で買い漁るネコのママゴトと、その趣味に付き合いながらも月末の請求に怯える飼い主・けいな。でも、そんな暮らしが、けいなは嫌いじゃありません。
わかめとなみとむげんのものがたり
あらすじ
世界中から絶大な人気を誇るリトルサンダー初邦訳コミックス。民主化運動が加熱していた2019年の香港で描かれた一大叙事詩。SNSで圧倒的な人気(Instagramで71万人、Twitterで12万人フォロワー)を誇る香港のアーティスト、リトルサンダーの初邦訳コミックス! 絶対に結ばれない二人の、切なく激しい愛の物語。パパと二人暮らしの少女「わかめ」。ある日狂ったパパに殺されそうになっているところを、わかめショップの店主「なみ」に助けられてから、彼女の人生は一変する。他人に興味ゼロのわかめショップの同居人たち、海藻ばかりの食事…ぜんぶ大嫌い。パパのことは好きじゃなかったけど、パパを殺したなみが憎い。彼を殺さなければ、私は自由になれない―――。パパの死から9年後、わかめが振りかざしたナイフがなみの頭に突き刺さったその瞬間、わかめはある残酷で絶望的な「真実」に気が付いてしまう…。因縁で結ばれた[わかめ]と[なみ]。愛し合うはずの二人の運命は狂い、何度生まれ変わっても傷つけ合うことしかできない。「なぜ彼らは生まれ変わって殺し合うのか?」 二つ目の真実を知ったの行方は…。※本文中の一部特殊加工は電子書籍版では反映されておりません。
電子書籍版で買うか迷う
名無し
ぼくだけにやさしいものがたり
あらすじ
初単行本『彼女のやりかた』で、「OLたちの日常あるある」と「一風変わったライフハック術」を軽快に描き、好評を博した新人作家・田所コウの第二作! 主人公たちの身に起きる小さな事件や目立たない出来事。ささやかだけど確かに面白い、どこまでもちょうどいい温度。僕だけに優しい物語は、たぶん誰も傷つけない。これまでの短編・掌編詰め込んだ充実の一冊。
ゆりずきくんとゆりずきずきくん
あらすじ
百合のことで常に頭がいっぱいな百合好きくんと、そんな百合好きくんにずっと恋している百合好き好きくん。幼馴染で親友同士の二人はいつでもどこでも一緒だけど、百合好き好きくんはいつか気持ちを伝えたいと思っていて… 百合×BLの新感覚ハイブリッド・コメディ!
ぞくのきんじとう
あらすじ
容姿端麗な変わり者ゆかりと、その恋人の野中雪夜、野中への恋路の途中でゆかりへと心変わりした後輩女子の美咲。不思議な三角関係を軸に、意表をつく展開をみせる表題作「俗の金字塔」ほか、過激で繊細な物語8編。モラルはないけど愛がある。読むと不思議と元気が出てくる、毒のような薬。同人誌イベントに参加し、知る人ぞ知る異色漫画家として活躍してきた窓ハルカ待望の初単行本。
あらすじ
思春期の女子だけに現れてしまう使えない超能力〈無用力〉に 振り回されるクラスメイトが織りなす、エモーショナルな乱反射ストーリーズ。イラつくと手指がイカみたいになったり、かわいいと思うとぬいぐるみに変身してしまったり… SNSで話題を集めた、困惑すると髪に花が咲いてしまう“いらない能力ある子の話”収録! また、「座席表」と「無用力者メモ」も収録しています。※本作は「うちのクラスの女子がヤバい」1~3巻(講談社刊)を再編集して1冊にまとめたものです。
あらすじ
多摩川の中流や、武蔵野線・南武線沿線の地域には、田舎のような郷愁を感じるわけでもなく、下町のような情緒もない、只、時代に取り残された殺伐とした景色が広がっている。早朝の多摩川で対岸の景色を眺めているだけで寂しさがこみ上げてくるような。『死都調布』作者が漂着した前人未到の旅漫画。【収録話】 高麗 秋津駅⇔新秋津駅 北朝霞 小野路(多摩丘陵) 横浜 羽村市動物公園 江東区 沼南 夏 府中本町 【特別収録】 作者撮り下ろし・カラー口絵8P 縄文ZINE版「武蔵野」 【巻末寄稿】朝宮運河(書評家・『宿で死ぬ 旅泊ホラー傑作選』編者) 不穏さと脱力感、狂気とおかしみ、残酷とおだやかさ。それらが絶妙なバランスで共存し、混在する令和のミステリー・ゾーン。斎藤潤一郎が再発見したそんな武蔵野の姿は、どこか危うさを感じさせる笑い声を響かせながら、私たちを手招いているのである。
あらすじ
身寄りの無い少女・鹿恋(かれん)は、3歳の時から不良少年・八郎(はちろう)の家に居候している。幼い頃は両思いだった二人だが、現在の八郎は意地悪するばかり。実は鹿恋は、恋心を抱いた瞬間に本能が目覚め、人間を喰らおうとする【鬼】と化してしまうのだった――。「みんなにバレたら、鹿恋の居場所がなくなってしまう」 秘密を唯一知る八郎は、鹿恋を守る為に恋心を封印。わざと嫌われるよう振る舞い続けるしかなかった。ある日、二人が住む町に謎の男・土橋(どばし)が現れる。八郎と違い、優しい言葉をかけてくれる土橋に惹かれる鹿恋。もしもまた鬼が目覚めてしまったら、何よりも愛する鹿恋の心が奪われてしまったら…と気が気でない八郎。しかし土橋が鹿恋に近づくのには、ある目的があって…? ★累計50万部突破『自転車屋さんの高橋くん』松虫あられのデビュー作が完全版で復活!! ★特別描き下ろし漫画『鹿恋誕生秘話』収録! 鹿恋の父親は何者なのか、母親との出会いは…? 本編では描かれなかった、鹿恋の出生の秘密が明かされる――!! ★電子版限定特典 徳間書店版『鬼娘恋愛禁止令』カラーイラストを収録!
あらすじ
とある一日の朝から晩までの出来事。街の顔役の金庫から盗み出されたアタッシュケース、そのケースの鍵を飲み込んだ黒猫、忽然と消えた車…。同じ時間の違う場所、行きつ戻りつ時に衝突するドラマ。スリルとスピード感あふれる爽快な犯罪群像劇。
おぐらあんのおいしいせいかつ
あらすじ
自由奔放なアン、しっかり者の妹・ノラ、変わり者のお母さんと優しいお父さん。埼玉県秩父市で暮らす、四人家族の楽しくておいしい毎日。明日試したくなる小さな工夫やアイデア満載! サイダーの爽快な飲み方/お歳暮ハムの一味違う調理法/最強のねるねるねるねの食べ方 浴室のイーハトーブ/お家で本格バイキング/平日昼間の温泉/コンビニのタピオカに隠された真実 etc…
ひかりとまど
あらすじ
眩しい言葉と涼しい描線。漫画で新たに描き出す清洌な文学作品7篇。デビュー作『107号室通信』がロングセラー。イラストレーターとしても活躍の場を広げ続けるカシワイ、待望の第二作品集。自身が深く影響を受けた日本文学の名作を、柔らかく静謐に描き出します。新しい窓が切り取った、遥かなる光。 <収録作品>「夕日の国」「小さいやさしい右手」安房直子 「金の輪」小川未明 「こうちゃん」須賀敦子 「ごびらっふの独白」草野心平 「ひとつの火」新美南吉 「注文の多い料理店 序文」宮沢賢治
トーチwebで連載されているこの作品、また素晴らしい才能が出てきたな、と思いました。 生活能力が低い人が、生活保護特区トーキョーに強制的に収容されて共同で暮らしていく世界を描いた作品です。 若干のマンガ的な嘘こそあれ、この作品で描かれる人間たちの姿は現代を生きる私たちと地続きで、そこで生じる葛藤や不条理は単なるファンタジーや他人事とは到底思えない迫力があります。 1,2巻が同時発売された本作ですが、私がこの作品を強く推したい理由は、2巻に集約しています。特に2巻収録の6話や9,10話はたまりません。「生活保護」という単語によって引っ張られてしまうかもしれませんが、それを超えた普遍的な文学性が存在します。様子見で1巻だけ買ってみようかな、と思う方もいるかもしれませんが、『生活保護特区を出よ。』は1,2巻を同時に買って一気に読んで欲しいと強く願います。 そして、何より本の装丁が凄いのです。2022年ベストに選ばれてもまったくおかしくない、素晴らしい仕事です。 装丁を担当した鈴木哲生さんによると、昨今の紙の値上げにより用紙の原価を押さえねばならないという事情があったのを逆手に取り、 「『特区』の環境を想定すると AdobeCC 不使用で作るのがいい」 として、 「本屋に並ぶような本を作る設備のない(特区の)環境」 で、特区の中にいる人が実際に作り得るような本として作られているそうなのです。普段は電子派という方も、もし書店に行く機会がありましたら実物を手に取ってみていただきたいです。