あらすじ
「だったら、オレが明かりをともそう。そう決めた」台北(タイペイ)市で一流の会社に勤める揚俊龍(ヤン・ジュンロン)。ある日、よろず屋「用九商店(ようきゅうしょうてん)」を営む祖父が倒れたという知らせが入る。店をたたむため数年ぶりに帰郷することにしたが・・・。思い出が詰まった「記憶の箱」を通して俊龍が見つけたものとは?---台湾で最も権威ある「金漫賞」受賞&実写ドラマ化!かつては「人々につながりを与える場所」であり、「心の拠り所」でもあったよろず屋本作は都市化が進み、台湾でも失くなりつつある商店を中心に、日常を懸命に生きる人々の交流、そして一人の青年の学びと成長を描く
あらすじ
大正十二年、春。父親と喧嘩し家を飛び出した島津ハルは、橋の上で雷に打たれてしまう。気がつけばそこは…百年後、令和五年の東京だった。気を失い倒れていたハルを保護したのは、彼女と同い年の高校生・星谷青太。自宅で姉の朱里とともに、、にわかには信じがたいハルの事情を聞いた青太は…?
時代を超えて「私の生きるべき道」を模索する、大正乙女の物語!
れたいとないと
あらすじ
海に挟まれたこの地には、4つの国があった。人々はその土地ごとに、さまざまな暮らしを送っていた。北方の国レタイトの集落に住む少年・カンカンは最近、どうも納得がいかない。「自分の町の誰も買えないものを作るようなことは、なんかおかしい気がする」。生活に苦しむ人々や、町に漂う閉塞感を感じていたカンカンはある日ふと、外の世界に出てみよう、と考えたのだった。生きるための旅に出よう。力を持たざる者たちによる「居場所発見」ファンタジー!
みどりちゃんあのね
あらすじ
静は、とある地方に住む野球が好きな小学生。ある夏の日、祖父の一周忌のため都会から叔母・みどりがやって来て……。各界で大きな話題を呼んだ『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』(リイド社)の大白小蟹、初連載!
あらすじ
コマの中でキャラクターが動く「GIF漫画」というジャンルを開拓した作家 クイックオバケによる、初めての “動かない” 漫画。なにげない日常の中に在る、ささやかな光やどきりとする暗闇……ふとした瞬間に抱く感情を切り取った、ノスタルジックな短編集。連載は全6回予定。
みすみきょうだい
あらすじ
「今からちょうど100年後、巨大隕石で人類は滅亡する」
地球で暮らす宇宙人の野庭(のば)は、失われる文明を目にしようと地球へ観光に訪れる宇宙人たちのガイドをしていた。そんなある日、地球へ3つの三角形が許可なく侵入してきてーー。彼らは味方か敵か、そもそも何モノなのか?
『きつねとたぬきといいなずけ』(マッグガーデン)で「第25回文化庁メディア芸術祭」マンガ部門新人賞を受賞した俊英が描く、スペクタクルSFが開幕!
あらすじ
永らく国境を閉ざしていた謎の独裁国家「サバキスタン」はある日、国境を開放した。偉大なるサバキスタンの栄華を世界に伝えるため、世界各国のジャーナリストたちが招かれた。その日、同国では全国民から敬愛を受ける国父、リーダーである「同志相棒」の葬儀のリハーサルイベントが行われようとしていた。サバキスタンの工場に努める女性・ハーモニーもその名誉あるイベントへの参加を許されたひとり。彼女は喜びと誇らしい気持ちを胸に会場となるスタジアムへと向かった。同志相棒に招かれた世界的ジャーナリストのアンリ・パスカルもまた、宮殿内で同志相棒から歓待を受けていた。すべてが豪華絢爛で見事に設えられた奇妙な空間の中、アンリ・パスカルはふと戯れに、庭にある一本の木の枝を折ってしまう。その木は若き同志相棒が植樹した神聖なものであり、それを傷つけることは大罪であった…。架空の独裁国家における不自由や弾圧、陰謀、歴史の改ざん。そして人々の真実を求める心、抵抗、愛する国への願い――。迷える大国・ロシアから届いた、自由の意義を問いかけるアンチ独裁グラフィック・ノベル!
はれたひのかさ
あらすじ
小学5年生のハルは、ある日のテスト返しで、クラスメイト「あゆま」の足が浮いていることに気づいて……。
イラストレーター・昼間の日本初作品集『THE VISUAL 昼間作品集 今日は他の日』の刊行を記念して、このたび特別読切を掲載!柔らかく素直な描線で描く、ささやかな友情の物語です。
かいだん
あらすじ
ビッグコミックスペリオール第二回次世代新人賞入選の才気あふれる新人作家による短編公開がスタート! 第一弾の舞台は田舎の港町。多感な年頃の女の子が、お祭りの日に不思議な子どもと出会って……。“海にまつわる”オムニバスショートストーリーが始まる──
あらすじ
母なる瞬間。それは静かな祈りのようで――
喪失を抱えるふたりの母の心の葛藤を描いた表題作「mothers」。突然開けた新しい世界を前に揺れ動く少年とその姉を描いた「蝶になる日」。
親子、家族、人間関係の複雑さを優しさあふれる視点で真正面からとらえた珠玉の12編。
秘めた気持ちがあふれ出す、新鋭・草原うみの初短編集。
おさんぽけんし
あらすじ
邪悪な魔物に襲われた娘を通りすがりの剣士が助けました。その魔物は付近の村を長い間苦しめていたので、剣士は村を上げての熱いもてなしをうけました。
――翌朝、冷静になった剣士はちょっとそのへんをふらっと散歩しようと思ったのでしたが…。
唯一無二の読後感に中毒者続出!神出鬼没、流浪の漫画家・市田の最新短編を読切でどうぞ。
やまめのはらわた
あらすじ
広い中国の、とある地方。小丹(シャオダン)はかつてこの村に越してきた友人・安(アン)と、いつものように真珠狩りに向かう。作業の合間、小丹が幼い頃に真珠を「人魚の涙」に見たてていた話から、安は遠い故郷のおとぎ話を語りはじめる……。
どこか懐かしく、どこか不穏——。海外を中心に活躍する新星が、日本初登場。
あらすじ
緑豊かな山間部で移動スーパーを営む柏森悠馬、24歳。ある日の仕事終わり、馴染みの店に顔を出すと小学生の頃に突然姿を消した親友・陸斗と最悪な再会をする。ひょんな依頼をきっかけに、町の住人から様々なことを頼まれるようになるふたり。お悩みな女子高生に父親の浮気調査を頼まれたり未確認な飛行物体を発見したり……。新鋭・あやきの初連載作品は、再会からはじまる成長の物語。巻末にはふたりの少年時代を含む、2篇を描き下ろし収録!
からすまるぱーぷるへいず
あらすじ
ここは古都・京都。下町にある小さなラーメン屋「黒犬」を切り盛りしている烏丸(からすまる)けむりは中学2年生。母のむらさきは酒好きのいいかげんなシングルマザー。今日もバンドのライブと飲み会で大忙し。「お母さん、次レジのお金に手ぇつけたらゆるさへんで!」しっかり者のけむりの周囲には、これまたクセのある面々が自然と集まって…。古都・京都を舞台に繰り広げられる可笑しくも心温まる人情物語!
あらすじ
自分が生まれ育った「東東京」は、まだまだ知らないことばかり……。ムスリムの大学生・サラ、エチオピア人の両親を持つ小学生のセラム、不登校の中学生・春太。ルーツも年齢も区区(まちまち)な3人が東東京を歩き、新たな街の魅力を見つけ出す地元発見冒険譚!
あらすじ
心に留まった日常の何気ない風景を温かく緻密な筆致で描き出す中村一般の初連載作が待望のコミック化!「私」とゆうれい犬の「ハナちゃん」が大好きな街や行ってみたかった場所に気の向くままにおもむく、お散歩ダイアローグ。【散歩する街】 ・三軒茶屋 ・中野 ・高円寺 ・鮫洲 ・北千住 ・奥多摩単行本だけの描き下ろし10ページ以上収録!
ちゃっくあんどざ・がーる
あらすじ
「私は思い出す。海と坂道に囲まれた街。大切な人との夢のような時間――」
私の名前はエイミー。お母さんに連れられて、アメリカ・ロサンゼルスから横浜の町に引っ越してきた。
寂しいかって?ううん全然。だって、外国に住むなんて、クールじゃない?おばあちゃんもカッコよくて、いい感じ!私はここで暮らしていくんだ!
青春の一歩手前。ひとりの少女が経験する眩いばかりの光、そして影。
当代一流のイラストレーター・サイトウユウスケが描く、人生に二度と訪れることのない、輝かしいワンダーイヤーズ。
あらすじ
強くなりたいと心から願いながらもケンカがめちゃくちゃ弱い不良高校生・つくしは、ある日動物園から脱走したライオンと対峙することに!! 鋭い牙が向けられたその時、飛び蹴り一発でライオンを打ち倒したのは、小柄な女子小学生のわらびだったーー。激ヨワ不良の師匠は最強小学生!? 前代未聞の凸凹コンビ、ここに誕生!
あらすじ
僕の名前はジョン・キャントリー。イギリス人。いわゆる戦場カメラマンだ。日本では友人の名前「今井新」で活動している……なぜか? 日本の東北地方は2011年の震災後、独立の機運が高まり、ついには戦闘状態となってしまった。いまや独立を果たそうとしているこの地には、海外の武装組織もやってきて戦況は泥沼化している。その国を調査するため、僕は常磐自動車道を北上し、最前線である福島県に入ろうとしていた。“F”として国外で高く評価される本作は現代美術家・今井新が描いた3.11以後の東北のパラレルワールド。そこにあるのは不都合なフィクションか、それとも――。
あらすじ
「そう遠くもない昔、精華寮は確かに存在した。様々な国の人間が衝突を避けて暮らしたが、建物は燃え尽きてしまった。」 怠惰に生きるごく普通の青年・イマイはMr.コライというホームレスの老人から、精華寮なる建物に住んでほしいと依頼される。そこで青年が見たものは「生活そのもの」であった。Mr.コライは言う。「故郷」とは、人の生まれ育った場所を示す言葉だ。だが必ずしも生まれ育った場所を故郷としなくても良いのだ。かつて実在し、焼失した集合住宅をモチーフに現代美術家・今井新が描く、確かにそこに在った“生活の記憶”。
あらすじ
東京都内に住むイマイ君とミキちゃんのカップルは横浜、みなとみらいのど真ん中・関内に引っ越すことに。「ミキと俺は違うヨコハマが見えてると思う」。煌びやかな景色の分だけ影ができる。関内で暮らす対照的な二人の生活。そこでは、互いの見えなかった部分が忘れ去られた横浜の風景とともに照らし出される。2020年、今井新が関内文庫での個展に出展した作品。
こくーんのしま
あらすじ
ここは多くのサナギ(cocoon)とチョウが暮らすコクーンの島。
進路に悩むサナギのアゲルは、ある日仕事のためにUFOで飛来していたクモのおじさんと出会う。おじさんのピンチを救ったことをきっかけに、都会である大陸へ連れて行ってくれることになり……。
モラトリアムにゆれる、ぬる”繭”なサナギたちのゆるやかな日常。期待の新人くしだちゅろう、ここにデビューです。
ねーでるらんとのきっさてん
あらすじ
朝に淹れる一杯の珈琲は、自分にとって特別な儀式。
自分の心と体の調子を確認するように、ゆっくりと静かに過ごす朝。ここはオランダの港町にあるカフェ、その名も「KISSATEN」。
「おはよう」。やってきたのはペーター。彼は商店街では知られた存在。来る日も来る日も、商店街の一角にずっと立っている。聞くところによると彼は心の問題を抱えていて、家で一人にならないように「ここに立っている」のだという。
――私は想像することができる。いつの日か彼がお店に来て、一緒に朝の珈琲を飲みながらおしゃべりをする時間を。その美しい光景を。
ここに来てから私は多くのことを想像できるようになった。それはどうしてだろう。海辺の町で珈琲をつくりながら、私はいつも考えるのだ。
台北で地上げに従事していた青年が、台北から3時間離れた田舎のよろず屋を受け継ぐ物語。そこには「懐かしさ」と一括りにできない、老若男女たくさんの人の縁の物語が待っていた。 よろず屋「用九商店」で提供される品は、よく見ると日本人の私にはよく分からないものが多くて面白い。日常的なもののはずだが一体何に使うのか……。 近所の顔馴染みが集い、話し笑い合うお店の雰囲気も、町の様子も全く垢抜けない。しかし主人公を含めた人の歴史、変わらない廟、ゆっくりとした仕入れと時の流れ、ざらつく質感……店に結びつくそれらが一つひとつ丁寧に描かれると、そこで人生を大切に生きてきた人達の物語を肯定したくなる。 主人公の青年が、周囲の人々に助けられて創り出す新しい店の形も素敵だ。 古い物をただ否定するのではない、過去を大切にしたままで、新しい時代を迎える方法があるのではないかという、今までにない希望の様な物がそこにはある。 ここに住む人達の悲喜交々を、小さくても豊かな人生達をずっと見ていたい。生きる充実感でこちらも満たされる、少しずつ時の進む台湾の田舎の物語を、もう一度読み返したい。 (#1巻応援 としましたが、1・2巻同時発売なので2巻の内容まで含みます)