少し昔の佐賀が舞台のボーイ・ミーツ・ガール。つい忘れてしまうけれども、見るものすべてが輝いていたあの頃──小学生の南里ソテツは、同じクラスの鍋島かりんに出会い、自分たちを取り巻く世界の様々なことを知っていく。自分の名前の由来である植物のこと。モールス信号で言葉を使わず気持ちを伝えることができること。すごいとか嬉しいとか気まずいと切ないとか、些細な感情を自分以外の誰かと共有すること。季節が移り変わる佐賀の風景の中で描かれていく2人の日々のエピソードは、なんでもない日常のように見えるが、それはとても特別でかけがえのない時間だった──
「昭和43年6月6日のお昼ごはん、覚えていますか?」――お待ちどおさま! 高野文子最新作品集ができました。
主役は猫の家政婦「猫村ねこ」。昔かわいがってくれた坊ちゃんを探すべく、犬神家に奉公することになるが・・。家庭崩壊しつつある一家を猫村さんが救う!えんぴつの線画がほのぼのとした味わいをかもし出す。
Web版「GINZA」の2023年漫画コンテンツ・年間PV数1位を獲得。読むと心が奮い立つ話題作!誰かに決められた〈幸せ〉は、いらない。結婚と、離婚。人生の岐路に立たされた二人を描いた南Q太最新作。【この物語は…】冷え切った夫婦関係に悩む〈あや〉。性自認に揺らぐ中、結婚を控える〈けいと〉。まったく接点のなかった二人の人生が交差するとき…「女」だとか「妻」だとか。「普通」だとか「常識」だとか。自分を縛るものと闘い続ける「私たち」の物語。行き詰まりを感じる日々。自分の本心に向き合ったとき、人生が動き出す。
芸術家でも誰でも、事務作業を疎かにしては何も成し遂げられない。夢を現実にするたった一つの技術、それが《事務》です。この作品は作家、建築家、画家、音楽家、「いのっちの電話」相談員として活動する坂口恭平が若い頃に出会った優秀な事務員・ジムとの対話で学び、人生で実践した方法を記したテキストを原作にコミカライズして、《事務》ってめちゃくちゃ大事!ってことが漫画でわかる本です。「自分に自信がない」「ハードルを高く設定しがち」「悩んで行動に移せない」足らないことは《事務》でした。【目次】はじめに ジムとの出会い第1講 事務は『量』を整える第2講 現実をノートに描く第3講 未来の現実をノートに描く第4講 事務の世界には失敗がありません第5講 毎日楽しく続けられる事務的『やり方』を見つける第6講 事務は『やり方』を考えて実践するためにある第7講 事務とは好きとは何か?を考える装置でもある第8講 事務を継続するための技術第9講 事務とは自分の行動を言葉や数字に置き換えること第10講 やりたいことを即決で実行するために事務がある第11講 どうせ最後は上手くいくあとがき
幼なじみのみっちゃんの肌は青くて、動くたび、いっつもギコチナイ音がする。 ――言葉にできないこの気持ちは、いったい、何? 読むと心がギュッとなる。 注目の漫画家・胃下舌ミィが描く新作短編。
TVドラマ化もされた人気作『恋のツキ』『あそびあい』作者・新田章、待望の最新作! スーパーの店員・冴木カイロと、会社員・羊野アユム。 二人は、数年前から東京で同棲を始めた。 愛する人とこのまま平穏な暮らしが続くと思っていたが……。 生きづらさを抱えるすべての人へーー。 未熟な「ぼくら」の“愛”の物語。
人間としてあるべき姿を求め続けるコペル君とおじさんの物語。出版後80年経った今も輝き続ける歴史的名著が、初のマンガ化!1937年に出版されて以来、数多くの人に読み継がれてきた、吉野源三郎さんの名作「君たちはどう生きるか」。人間としてどう生きればいいのか、楽しく読んでいるうちに自然と考えるように書かれた本書は、子供はもちろん多くの大人たちにも共感をもって迎えられてきました。勇気、いじめ、貧困、格差、教養、、、昔も今も変わらない人生のテーマに真摯に向き合う主人公のコペル君と叔父さん。二人の姿勢には、生き方の指針となる言葉が数多く示されています。そんな時代を超えた名著が、原作の良さをそのままに、マンガの形で、今に蘇りました。初めて読む人はもちろん、何度か読んだことのある人も、一度手にとって、人生を見つめ直すきっかけにしてほしい一冊です。
ヨーロッパを代表する漫画家マヌエレ・フィオールの恋愛漫画ついに初邦訳イタリアの肌を刺すような日差しの中二人の少年と一人の少女が恋に落ちるイタリア、ノルウェー、エジプトと場所を変えながら三者三様の人生が淡く交わる20年を描く恋愛漫画この傑作グラフィック・ノヴェルを美麗なフルカラー印刷でお楽しみください巻末には訳者である栗原俊秀の詳細な解説付き栗原俊秀「フィオールに魅せられて―文学、美術、建築が綾なす漫画の世界―」<推薦のことば>フィオールさんの作品が翻訳されて、日本で読めるようになったのは本当に嬉しい!作品の中にゆったりと流れる時間と、美しい色彩には映画とも小説とも漫画ともつかない、独特の気持ち良さがあって眺めているだけで幸福感を覚えます。―――伊坂幸太郎(小説家『重力ピエロ』『クリスマスを探偵と』)<担当編集者より>『秒速5000km』にはナレーションがありません。登場人物のセリフだけで構成されています。フィオールは「あれから10年…」といった野暮な文章は入れずに、ルチアとピエロの人生の6つの場面を断片的に見せることで、わずか140ページで20年の月日を描き切ります。その6つの場面は、イタリア、ノルウェー、エジプトと地理的なヴァラエティに富んでおり、1つの章に1つの舞台だけが描かれるという制約が課せられています。そのため離れ離れの2人をつなぐ、電話や手紙といったコミュニケーション手段が印象的なガジェットとして描かれます。書名の『秒速5000km』は、オスロ(ノルウェーの首都)とエジプトの発掘現場の物理的な距離=5000kmと、国際電話のタイムラグ=1秒に由来しています。またこの地理的な国際性から、イタリア語、ノルウェー語、フランス語、英語、エジプト語の5つの言語の使用する規格外の試みが導かれます。ヨーロッパでは、EUによる「移動の自由化」(ノルウェーはEU非加盟国)や移民の増加などで他国籍、他言語の人と共生するのが日常になり、自らが他国で労働/生活することもありふれた人生の選択になっています。このような現実の反映が『秒速5000km』の国際性につながっているのでしょう。日本でも外国人労働者の数は、本書が出版された2010年から増え続けており、今後、国力の低下により国外で働く日本人の数も増え続けるでしょう。
一度読んだら忘れられない、圧倒的な画力と言葉で綴られた、松本大洋ワールドの原点が垣間見える短編集。 地球の裏側に出ることを夢想して穴を掘り続ける兄弟の姿を描いた表題作ほか、11編を収録。
年上後輩 × 年下先輩 バイト仲間2人のボーイズ・ダンス。 溶けちゃう蛇ノ目くん(26)と、溶けないで欲しい花邑くん(23) 急に仲良くなったけど、俺たちの関係っていったい何!? 本音を楽しさで誤魔化しちゃう。 シャイ・ボーイズのドタバタコメディ!
1980年代サイコ・ホラーの傑作!伊藤潤二先生推薦!都市生活に疲れたサラリーマンが、心療内科で少年時代を思い出す「フランケンシュタインの怪物」にご執心のお嬢さんと、禁じられた遊びに興じて…フランケン!フランケン!の怒号とともになだれ込むクライマックスは必見!!恐怖、熱狂、郷愁、お嬢さん、劣等感…全部揃ってます!しかし著者が消息不明!ひばり書房というホラー・マンガ出版の老舗に彗星のように現れて消えた川島のりかず。21世紀に入ってから再評価され古本の価格が急騰。中でも絶筆『中学生殺人事件』は過去に33万円で取引されたこともあります。ながらく復刊が望まれてきましたが著者は消息不明。その生死もわかりませんでした。この度、ご親族の方とコンタクトが取れついに復刻されます!著者略歴や解説などの文章記事も20ページと充実!・編集後記(出版経緯)・川島のりかず略年譜・ホラー・マンガ・コレクター緑の五寸釘氏による、川島のりかず推薦図書・川勝徳重による解説文※電子版は記事に掲載された図版や写真がカラーになります。<伊藤潤二先生の推薦文>主人公の身の回りに姿を現す血みどろの少女…「ひばりコミックス怪談シリーズ」ならではの怪奇な導入がそそられます。そして物語はさらに深いテーマへ。望まれない人間が、本来の自分を求めてさまよう物語。それが「フランケンシュタイン」の怪物に重ね合わされ、破滅へ突き進む…恐ろしくも悲しい物語です。(本作は1986年にひばり書房から出版された同名のコミックスの復刻本です。オリジナルは新書判ですが、A5判にサイズを大きくしております。オリジナルをスキャンして復刻しているため、見づらい点もございます。ご了承ください。)
ナンセンスギャグの名手・吉田戦車による、16編の短編&中編、4コマ漫画「タイヤ」からなる作品集。小津安二郎的ほのぼのあり、ミクロの決死圏的SFあり、ロシアのアニメから触発されて生まれたというファンタジーあり、OLマンガあり……シュールな笑いを存分に堪能できる、盛りだくさんの一冊!
「さめない街の喫茶店」はしゃ先生が描く、大人の遊びゴコロくすぐる日常グルメコミック! レモンに砂糖をかけると酸味がまろやかになるように、味には相互作用がある。 強い甘味に酸味を加えるとさっぱりしたり、甘みが辛みを引き立てることもある。 一方を際立たせたり、抑えたり、はたまた双方の味を相乗させたり。 これって人間関係にも言えるかも!? 甘地(あまじ)、辛島(からしま)、酢谷(すや)と、アラサーで「味」な苗字3人が織りなすのは、楽しくて美味しいセカンドハウスライフ!
日本映画全盛期に活躍した映画監督、スター、カメラマンなどにスポットをあてたストーリー。当時の映画界の雰囲気、映画人の情熱などが楽しめるコミック。
日本が起こした戦争のこと、知ってますか?子どもから大人まで。戦争について100分学習。1945年8月15日に終結したアジア・太平洋戦争での日本人戦没者は、310万人[軍人・軍属230万人(日中戦争を含む)、民間人80万人]。軍人・軍属戦没者230万人のうち、約60%が広義の餓死・戦病死と推定されるという(日露戦争の戦病死者の割合は26.3%)。近代の戦争では軍事医療の進歩によって、時代が進むにしたがって戦病死者数が減少するのが一般的なはずなのに…。ではなぜ日本軍は戦地で大量の戦病死者(餓死者)をだしたのか?行き過ぎた精神主義、古兵の許されざる私的制裁、深刻な食糧難、マラリアの蔓延、医薬品不足、栄養失調、神経衰弱、戦争神経症…従軍経験者・水木しげるが描き遺した日本軍の姿と戦場のリアル。「水木が作品の中で描きたかったのは、兵士たちの「死にざま」の無残さであり、その死を生み出した陸海軍の独特の体質だった。」解説:吉田裕(一橋大学名誉教授 日本近現代史研究)水木しげるが最下層の兵士として従軍し、爆撃を受けて左手を失ったニューブリテン島(ビスマルク諸島)を舞台にした戦記漫画を中心に7作品を収録。さらにアジア・太平洋戦争が始まるまでの歴史的背景から日本の敗戦までを解説したテキストと、戦地がひと目でわかる地図を併録。日本の戦争についてこの一冊でざっくり学べます。全世代が読めるよう基本総ルビ表記。素晴らしい画を堪能するための大きな判型。保存に適した良質な紙を使用しました。[漫画作品]・敗走記・セントジョージ岬 ー総員玉砕せよー・幽霊艦長・ダンピール海峡・レーモン河畔・地獄と天国 前編・地獄と天国 後編・戦争と日本[解説]吉田裕(一橋大学名誉教授)・水木しげるの戦争・連合軍の反撃始まる・日本軍の敗北、相次ぐ・日本軍の敗戦・中国に対する戦争とアジア・太平洋戦争の連続性
今、漫画で”戦争”のこと、学び直してみませんか?子どもから大人まで。100分でわかる戦争の正体。1945年8月15日に終結したアジア・太平洋戦争での日本人戦没者310万人。その91%は1944年~1945年8月15日の間に亡くなっています。敗北が決定的であったにも関わらず、日本はどうして戦争を続けていったのでしょうか。そこにあった国力を無視した誤った戦争指導、補給を軽視した軍事思想、天皇という存在とその影響、日本的組織が抱えていた問題点、生き延びても敵前逃亡罪で銃殺、「処置」という名の殺害、掠奪、襲撃、最後のバンザイ突撃、大和魂…そして、ニッポンはなぜ特攻や玉砕を決行するに至ったのか? 従軍経験者・水木しげるが遺した凄惨な戦争マンガと、一橋大学名誉教授・吉田裕の詳細な解説で学ぶ、読みついでいきたい戦場とニッポンの姿。水木しげるが最下層の兵士として従軍し、爆撃を受けて左手を失ったニューブリテン島ラバウル、アジア・太平洋戦争で戦場となった中国・硫黄島・沖縄を描いた戦記漫画7作品に加え、戦地がひと目でわかる地図と、研究者による詳細な解説付き。多視点から日本の戦争について学べる一冊です。また、全世代が読めるよう基本総ルビ表記。素晴らしい画を堪能するための大きな判型。保存に適した良質な紙を使用しました。[漫画作品]・鬼軍曹~それは何だったか~・波の音・ああ天皇とボクの五十年・姑娘・白い旗・沖縄に散る ーひめゆり部隊哀歌ー・壮絶!特攻(貸本戦記漫画作品)[解説]吉田裕(一橋大学名誉教授)・孤立するラバウル・天皇と軍隊・中国での戦い・アジア・太平洋戦争と日本軍捕虜・敗戦、日本的組織の問題点戦争は人間を悪魔にする。
「小説家になろう」発!自分だけ異世界でレベルアップ!?最底辺から成り上がる少年の王道異世界ファンタジー!!現代日本――流星雨が降り注いだある夜、異形の化け物…「モンスター」が跋扈(ばっこ)するダンジョンが世界中に出現した。そして全世界の人々は、自身の「ステータス」を確認できるようになっていた。平和な日々は終わりを告げ、ダンジョンに潜りモンスターを狩る事が人々の義務となった。ステータスによってあらゆる人間がランク付けされ、最低ランクの能力しか持たない主人公・中村隆は、馬鹿にされながらも、強者の荷物持ちとして、ダンジョンに潜る辛い日々を送っていた。しかし、ダンジョンでBランクモンスター・アルゴスと遭遇しタカシの運命は回り出す。タカシはゲームのようなファンタジーの【異世界】へ自由に転移できるようになり、そこでの経験値を現在のステータスに反映できるようになったのだ。これは、最弱から成り上がるひとりの少年の冒険譚――。
※「主人公チィチィの特製シール」は付属されておりません。『きょうの猫村さん』『逢沢りく』(手塚治虫文化賞マンガ大賞)のほしよりこが描く、3歳の天才児チィチィと男たちの世界。雑誌『クウネル』の好評連載にあらたな描きおろしを加えました。
伝説の漫画家、高野文子の5冊目となる単行本作品集の最後を飾るのが『奥村さんのお茄子』。 ずっとずっと遥か遠くからはるばるやって来たという謎の女性が唐突にヘンテコな質問をしてくる「1969年6月6日の木曜日、お昼なに召し上がりました?」。はなしは当然、1969年6月6日木曜日のお昼のことを中心にして進んでいき、謎の女性はどうやら宇宙人であることがぼんやり分かってくるのだけど……。 と、そんなことは案外どうでもよくて、物語のさいごの調査報告とともにお唄がはじまります。誰かの忘れ去られた他愛のない1日も、誰かの忘れられない特別な1日も、そんなものが積もり積もってできる日々のすべての一瞬一瞬、そんな一瞬のどれでもいいひとつにちょっと目を向けてみれば、そこには無数の奇跡がひっそりと息づいている、それはとてもひとつの物語では語りつくすことのできない無数の奇跡、そこでは小さな草や虫や影から宇宙人までもがひと息に登場する。 語りつくことができないのなら、せめて、お唄にしてみましょう。 ぼーがいっぽんあったとさ…… ちなみに、このお唄をさいごまでうたって、この本をいちばんさいしょから読み返してみると、そこには無数の奇跡が、さらにお外に出て散歩をしてみるともっとたくさんの無数の奇跡が……。