やせがまんのせつ
あらすじ
手をふって、いい気分で、進まねばならぬ。苦しんで生き生きと暮らすのだ。
手をふって、いい気分で、進まねばならぬ。苦しんで生き生きと暮らすのだ。
冴えない中年医師と天真爛漫な姪。
去りし日の苦味と若さのきらめきをともに祝福するささやかで確かな人生讃歌。
藤枝静男の名編を『アントロポセンの犬泥棒』『電話・睡眠・音楽』の川勝徳重がいきいきと描く。
はんぶんきょうだい
あらすじ
「姉ちゃん、俺、改名したけん。」
フランス人の父と日本人の母を持つ〈米山和美マンダンダ〉は、弟から衝撃の告白を受ける。
大事な名前の一部を手放して良いの!?
困惑する姉と、「普通になりたい」とうつむく弟。
たしかに日本に生まれたはずなのに、周囲から「異物」のレッテルを貼られ続けていて…。
そういうの全部、笑って流せば周りに溶け込むことはできたけど━━。
良き
名無し
ひがんばな
あらすじ
緊急事態宣言下のある街で女が橋から飛び降りた——。
90’sを生きたパンク少女たちは、失った仲間と青春を引きずったまま40代の今をもがきつづける。
白と黒で描かれる、痛みに満ちた青春とミドルエイジ。
第3回トーチ漫画賞で〈山田参助賞〉を受賞し、山田参助氏に「圧倒的によかった」「今すぐ本にしてほしい」と言わしめた、40代主婦・入魂のデビュー作。
まおに
あらすじ
あたしたち可愛くてイケてて、
真ん中にはいつだって「真央(マオ)」がいた。
あの日、ゾンビが出るまでは……
リーダーの真央を中心とする7人組「マオセブン」は、若者たちのカリスマとして今日も輝かしい青春を謳歌していた。しかし、突如到来したゾンビ禍により7人の結束は大きくゆらぎ……鬼才・意志強ナツ子、待望の最新作!
ばらがさくとき
あらすじ
「私は40才までずっと、ほとんどの時間を死んだように生きてきた……」
フランスで生まれ育ったローズは、日本人の父の顔を見たことがなかった。フランス人の母は5年前に自殺。自分を可愛がってくれた祖母も他界している。孤独な日々を送る40歳のローズのもとに、ある日、日本から父の訃報が届く。相続の手続きのために京都へ向かったローズは、美術商だった父の助手を務めていたポールに出会う。彼に導かれるまま古刹を巡るローズだったが、その目的がいっこうに明かされぬことに苛立ちを募らせ……
全世界で 200 万部超『優雅なハリネズミ』の著者による長篇小説を、第 24 回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」に輝いた高浜寛がフルカラーで漫画化。
(原作『京都に咲く一輪の薔薇』(ミュリエル・バルベリ/永田千奈訳)早川書房2022年刊)
なつのものくろーむ
あらすじ
彼らの軌跡が、日本映画の黄金期になった。
戦後まもない日本の映画界。通訳として働いていた木田夏美は、ある監督志望の若者との出会いをきっかけに、思いもよらなかった道を歩み始める——。
それぞれの生き方を模索する若き映画人たちの軌跡を描く、挫折と信念の青春群像。
生まれゆく近代日本文学のきらめきを描いた『エコール・ド・プラトーン』の永美太郎、3年ぶりの新連載!
ししとぼたん
あらすじ
聖なる秘宝を求めて……血脈と宿命のサーガ
富永電(あきら)は地元・天草の地金買取「天竺トレーディング」で働く29歳。
母は早逝し、ギャンブル依存の父と二人で暮らしている。
彼には幼少期から繰り返し見る夢がある。
曇天の海、死人のような影、仄暗い地下トンネル……
不穏な夢と虚しい現実をもてあまし、未来を諦めかけた彼を追いつめるように、ある日、父が多額の借金を残して失踪し……
第24回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」受賞作家・高浜寛が描きだす血脈と宿命の一大叙事詩。
あらすじ
かつて〝通勤漫画家〟だった男は、東京の街を転々とさすらう……
浦島は助けた亀に連れられて、新宿ゴールデン街にある〝竜宮城〟へ——
建築家・漫画家の座二郎が描く、
おとぎの都市・東京を舞台に、現実と幻想が交差する物語シリーズ第一弾。
たまにゅーおーるどしてぃ
あらすじ
時は22世紀直前。ユートピアで夢見る第二の青春──
迫田啓介(75)が引っ越してきたのは、
多摩地区にある高齢者ケア施設〝ハイエイジケアタウン〟──
政府の施策によって大学施設を再利用したこの施設は、
まさに高齢者のユートピアともいえる場所だった……
遠くない未来、いつか訪れる老後を明るく描く(第二の)青春群像劇。
イラストレーター・漫画家として活躍中の日向山葵、トーチに初登場!
あらすじ
変わらない街に帰ってきた。変わってしまった自分を抱えて。
大学進学のため家を出た環(たまき)は、生まれ育った町へ帰ってきた。
後悔と不安……それからある秘密を携えて。
そして訪れる新たな出会いは、彼女の世界をどのように変えるのか——。
無二の筆致と確かな心理描写で読者の心を揺さぶる俊才、web初連載!
たくさんの方に読んでほしい素晴らしい連載が始まりましたね! この日本で、国籍や人種が違う両親を持ち、いわゆる「ハーフ」として生きる女性を切実に描いた作品。 主人公は、母が日本人、父がフランス人(黒人)のハーフ(ミックス)の女性。 生まれも育ちも日本なのに、見た目はほとんど黒人なのでどこへ行っても「ガイジン」として扱われ、その度に心をエグられ、笑顔を顔に貼り付けて説明して笑って流すことで自分を守った。 おそらく、この感覚は当事者にならないとずっと分からない感覚だとは思う。 それでも、完全には分からなくとも、時間がかかったとしても知っていきたい。 具体的な数字を知っているわけではないけど、特定の職業や環境でもなければ日本は日常的に様々な見た目の人種と関わる機会は体感的に少ないように思う。 そして、人は見た目での印象が強いものなので、日常的に「ハーフ」と関わる機会がなければ一目見て「外国人」だと疑わないのかもしれない。 そういった無理解の大きな溝に、彼女らがいかに苦しめられ生きづらさを感じてきたのかが描かれた1話だった。 実際の感覚は分かりようがないにも関わらず、自分ごとのように感じて泣いてしまった。 ここから書くことは、この話で描かれてるものと同じものでは決してないんだけど、同様に「孤独」や「アイデンティティ」の揺れを感じた話です。 自分自身、日本人ではあるけど帰国子女で海外に10年ほどいた経験があって、日本で見た目も言葉も通じるけど「育ち」や「社会常識」が若干違うところで育っていたこともあって、会話で感じる違和感や感覚の違いで強烈に孤独を感じることがある。 先日、初対面の方と話す機会があって、簡単な世間話ではあったけど感覚的に分からない部分があって、少し掘り下げつつ話の前提を共有して詳しく話していた。 そこで、その人は「なんかあれですね、そこまで詳しく話さなきゃいけないことですか?なんとなくでよくないですか?」といったことを言っていた。 悪気なく発した言葉なんだろうけど、この人はずっと深く理解し合わなくても問題なく「普通」に暮らせたんだろうなと思って、そうではない自分に悲しくなった。 と、全く本編と関係ない体験が頭によぎってしまうほどにこの話は切実で響いた。 これから連載を追うのが楽しみで仕方がない。 http://to-ti.in/story/hanbun_kyodai01