ラブ・ミー・ぽんぽこ!

読まなきゃ損する超ハイテンション狸婚活コメディ!!

ラブ・ミー・ぽんぽこ! 赤瓦もどむ
天沢聖司
天沢聖司

初めてこの作品に出会ったときから、表紙の上手さを見て「あーこれ絶対面白いだろうな」と思っていたけど、読んでみたら想像を軽々超える面白さだった!読むと無茶苦茶元気が出る…!! https://youtu.be/U9Io0ExsVj8 主人公は一族の生き残りをかけて、人間の男と結婚するため学園に通うメスタヌキのぽんこ。人間の女の子に化けた姿はなかなか可愛いけど、いかんせん本性がタヌキなのでオツムはかなりアホ…だがそこがいい…!! この動物らしい単純な思考にキュンキュンしてしまう。自分は哺乳類飼ったことないのですが、おそらく犬を飼っている人はこういうキュンを毎日味わっているんだろうな〜と、読んでいてホッコリします。 この動物っぽいアホっぽさがいい味を出しているという点で、千年狐にかなり近いものがありますが、根底がシリアスな向こうの話と比べるとこちらはバリバリの学園コメディなので心の底から安心して笑って楽しめます。動画工房にアニメ化して欲しさ2000%。 さらにコメディとして最高だなと思うのが、この作品のイケメンヒーローである二ノ宮兄弟もガッツリボケてギャグに参加して畳み掛けてくれるところ! ただクール気取ってないところが好感度高いし、イケメン2人による勢いのあるボケと鋭いツッコミが面白さを加速させててたまりません。 https://twitter.com/modomutu/status/1184788511276158976?s=20 もうホントにとにかく絵が上手くて…マジで眼福です…かわいい…ニチアサになってほしい…かわいい…🥺 人間の姿も可愛いんですけど、タヌキ姿のときもまるで人間のようなポーズをとったりして全身表情豊かで超可愛いんですよ…! これは絵がうまくなきゃ描けないよなぁと、毎回しみじみ思います。 ぽんこと二ノ宮兄弟の、ラブに発展する気配の全くない飼い主とおバカなペットのようなほのぼのしたプラトニック関係が最高な一方で、動物園のペンギンのぎん(♂)と飼育員のぎんじろー(男性)の2人の“““愛”””に満ちた関係にはトキメキで胸がねじ切れそうになります。 現実でもたまにいて話題になりますよね、飼育員さんに求愛するペンギンって。こうやってマンガで描かれちゃうと、ものすごい健気さで見てるこっちがおかしくなりそう。破壊力すごい。 ペンギン姿でも充分すぎるくらいキュンキュンしてたのに、ぽんこの力で人間に化けるとかも〜〜〜ね。動物マジやば…最高…。 4巻では男装のボクっ娘(イタチ)まで登場してもう全方位敵なしだな…という感想。この優しくておかしい世界をいつまでも見ていたい。 未読の方はいま1巻無料なので読んで笑顔になってください!!

ガウちゃんといっしょ

好きだったのに終わってしまった作品

ガウちゃんといっしょ 河上大志郎 河上だいしろう
六文銭
六文銭

同著者『シガレット&チェリー』と同時期くらいに連載開始していたが、こっは先に終わってしまった作品。 どっちも好きだっただけに・・・正直いえば、こちらのほうが好きだっただけにちょっと残念な作品。 内容は、ガウチョ侍というガウチョズボンをはいた侍(もうマンマ)のようなキモカワな生物ガウちゃんと過ごす日常系漫画。 ガウちゃんは、宇宙からやってきたとか、主人公にしか見えないとかそういう特別な生物ではなく、漫画内では犬猫のようにごく当たり前に生息している設定。 主人公以外も、飼っている人がいて、またガウチョ侍の種類も手が長いとか姫タイプとか色んな種類がいる感じ。 これが、妙にかわいいんです。 外見はちっちゃいおっさん風味なんで、ちょっとイラッとするところもありますが、それも含めて不思議と愛嬌があって、みていて飽きないんです。 また、生態系が微妙に謎なので、何しでかすかわからない危うさもありますが、まぁ人類を滅ぼすとかそんな大層なこともなく、ゆるゆると日常を過ごす感じは癒やし系ともいえます。 好きだったのに4巻で終了。 さくっと読めるので、ガウちゃんに会いたくなって、たまに読み返してます。 あと『シガレット&チェリー』のキャラが巻末のおまけに登場するなど、同時連載ならでは試みもありますので『シガレット&チェリー』が好きな方はこちらも必見かもです。

海猫荘days

"居場所"を見つける物語 #完結応援

海猫荘days コダマナオコ
nyae
nyae

ここに居たい、とかここに居ても良いんだと思える場所があると、人は自分を肯定できるし、幸福を感じるんだなと思います。 親友に裏切られ、傷つき、癒やしを求めて田舎へやってきた主人公の真由美は、常に「これでよかったのか」と思い悩みながら、必死に自分が居るべき場所を探します。 「東京から来た女性と、田舎に住む女性が出逢って、恋をしました。」という単純な話ではないところが非常に面白いのです。内容からすると、3巻では足りないのでは?と思ってしまうほど複雑な人間関係が描かれているのですが、そこはしっかり3巻で美しくまとめてくださってます。 さらに主人公2人以外に、もう一組のカップルが描かれています。妾の子として親からの愛を受けられず、家の中に居場所がない少女・阿島と、その異母姉妹のさくらです。 言ってしまうと、私は阿島とさくらの関係性のほうが読んでいてドキドキしました。この2人が主人公のスピンオフ、待ってます…!笑 それぞれが、何かから逃げた自分も、何かを受け入れられない自分も、全部肯定してあげたうえで、居場所を見つけていく姿を最後まで見守るような物語です。

恋するシロクマ

食べ物じゃない君を愛してる

恋するシロクマ ころも
野愛
野愛

壊れるほど愛しても3分の1も伝わらないシロクマの愛に切なくなったり、優しくされて愛されてもなお恐怖が拭えないアザラシにもどかしくなったり。 かわいいかわいい絵柄でほのぼの癒し系コメディの形をしているけれど、なかなかどうして壮絶なラブストーリーです。 食い物であるはずのアザラシに恋したシロクマ。天敵であるはずのシロクマから熱烈な求愛を受けるアザラシ。どちらも必死なんです。だからこそ笑えるし、だからこそ応援したくなるんです。 でも、どちらか一方に歩み寄れというのも無理な話なのでやっぱり切なくてもどかしくなります。 人間同士のラブコメディだったら、いやいやいい加減信じてやれよってアザラシに言いたくなるし、シロクマ怖がられてるんだよちょっと考えろよって言いたくなっちゃう気がします。動物だからこそどちらの気持ちもわかって狂おしくなっちゃう!! 人間同士なら食うか食われるかなんてわかりやすい生と死はなかなか起こらないけれど、信じる裏切られるの怖さは常に付き纏います。 信じてもらうための手っ取り早い魔法なんて結局なくて、怖がられてもシロクマみたいに「君が好きだ、大切だ」と言葉を尽くすのが一番の近道なのかもしれません。 同じ動物でも、同じ人間でも、わたしとあなたは違うから。信じてもらうことを諦めちゃいけないし、受け入れてもらえるのが当たり前だと思っちゃいけない。 シロクマみたいに真摯に愛を伝えないといけないですね。