食・グルメマンガの感想・レビュー1673件<<5657585960>>ありそうで無い、ニッチさ〆のグルメ 土山しげるやむちゃ仕事は編集者。仕事の後のお酒が好きで、お酒の後の〆が好き。 なんとも世のサラリーマンに共感を呼びそうな豪快な主人公が、ただシメのごはんを食べるという漫画。 普段お酒を飲まない自分からすると、「シメ」っていうのは鍋やった後の雑炊くらいしか思いつかない。しかもごはん食べてお酒飲んで追い打ち的にまたごはん食べてるのはちょっと理解できない。 孤独のグルメに似てるけど、あんなにこだわった食じゃないし1話がすごく短いので通勤とか空いた時間に読むのがおすすめ。御飯時に読むべからず銀平飯科帳 河合単む江戸タイムスリップ料理! 江戸じゃ現代料理の方が明らかに美味しいだろうと想像するんですが、そうじゃなさそう。色々料理漫画ありますが、お腹が減ってきて帰ったら真似して作ってみようとまで思う漫画はこれが初めてかもしれない。 出汁ベースで身近に手に入るものを材料にしてるからでしょうか。 出汁が美味しい料理はたまらーん! それとも表紙が調理後の写真だから? まず火消し飯から実践してみたい。衝撃エッセイからお役立ちまでてんこ盛りマンガ麺 石黒正数 長田悠幸 シモダアサミ 峰なゆか スエカネクミコ 篠丸のどか 音井れこ丸 釣巻和 米代恭 上田信舟 鳴見なる 北駒生 三月えみ ロッキー トウテムポール タカダフミ子 板垣巴留 晴川シンタ 麻日隆 多田基生 たかし♂ 円藤エヌstarstarstarstarstarnyae漫画家ならではだなと思ったのは、原稿明けにボロボロの体で食べたものの思い出を語っている作家さんの多いこと。 殆どがエッセイですが、スエカネクミコ先生は創作でした。 衝撃的だったのは峰なゆか先生の炭水化物愛。 役に立ったのは晴川シンタ先生の蟻塚と、釣巻和先生の心太アレンジレシピ。 エッセイとして面白かったのは、石黒正数先生のラ王と多田基生先生の普段の食事が粗末すぎて美味しいラーメン食べたら脳がバグっちゃった話。 酒、肉、麺ときたら次はなんだろう。 スイーツ?鉛筆画のぬくもりが優しい、新感覚グルメ漫画月夜のグルメ 舞城王太郎 奥西チエnyae全編、おそらく鉛筆で描かれているために騒々しい客の声も心地の良い賑わいに感じられる今まであまり読んだことがないタイプのグルメ漫画。 主人公の朔良は週末の夜遅く、亡くなった父が残した手帳に記されているお店をひとりで巡っている。子供の頃は多忙で一緒にいる時間が少なかったが、父の足跡をたどり思い出を共有することで、空いてしまった隙間を埋めている。 遅い時間帯の食事はカロリーの面で気になるが、できるだけ父の記録したものは注文するのがポリシー。 専門用語や、わからない食材の名前などは店員に聞き、食事の内容によって飲むお酒も変える。とくに朔良はお酒の飲みっぷりがよく、気持ちがいい。 1人で飲んでいる人間はほとんどいない店に、躊躇なく入っていけるのがすごい。そういうの憧れるけど難しいよなー… 料理や店の雰囲気の描写に説得力があるから、絶対にモデルにしている店があるはずなのに、情報が一切載っていないのもこの本の特徴。 ただ、両国にある店の回でとても印象的な名前のメニューが出てきたので検索したところ、すぐにヒットした。笑 こうやって自分で調べれば朔良が行った店には行けるのでは、と思う。 ポスト孤独のグルメ的なコメントがあるけど、これもドラマ化とかするのかな〜最後に大どんでん返し包丁人味平 カレー戦争 牛次郎 ビッグ錠名無し残りページが少なくなるにつれ、これ完結するのか心配になりましたが、もの凄いオチがありました。 このカレー戦争編はめっちゃ面白かった。 猫娘的OL様の一人酒ワカコ酒 新久千映名無しOLとして仕事も充分にこなし、 チャンと彼氏もいる(らしい)。 しかし「お一人様」で飲むのが好きなワカコさん。 そういう主人公の漫画だと聞いていたので 「カワイイOLなのに実はオヤジ吞みが好きな ギャップありキャラ」 の漫画か、と思っていた。 読む前は。 そして読んだ感想としては カワイイ面もあるのだが何か違う。 オヤジ吞みに近い感じはあるが、どこか違う。 そう感じた。 なんせ猫娘(by水木しげる)かと、と思うほどの 目玉が大きいキャラで、その猫目が 更にでかくなったりニヤリとした感じの半眼になったり、 まさに猫が眼をつむったように糸目になったり。 なので、通常で言う「綺麗」「カワイイ」とか、 そこから生じる「ギャップがおもしろい」 というのとは少し違う感じがした。 カワイイといえば・・いえなくもないが。 酒も肴も本当に好きで、 チャンと敬意を払いつつ味わっている。 だが時々、料理や、酒を味わう場にたいして いい感じに「高飛車」だったりする(笑)。 さあ、私を楽しませておくれ!みたいな 部分を感じることがある。 わりとSMでいう隠れSみたいなキャラ なのかもなあ、とも思った。 カニ味噌を食べて 「~は旨いのう」 なんて、ただのカワイイ人は絶対に言わないし(笑)。 けれど、作者の新久先生が猫好きだとわかって、 隠れSというよりは ワカコさんはそのまんま猫なんだ、と思い至った。 美形とか綺麗ではないが、カワイイ。 仕草や感性が独特っぽい。 そして少し、ツンデレのツンの部分が隠し味。 あー猫が一人飲みしたらこんな感じだろうな、 こんなことを考えながら吞むんじゃないかな、 と思い至った。 本能の導くままに酒を肴を味わい、 時に目を見開き、時に目を細め、 時にキョロキョロし、 時に少しだけ上から目線になり、 そんな、猫みたいなカワイイ哲学者が 酒と肴を楽しみ、味わい、考える。 それがワカコ酒かな?と思った。 中途半端に終わったのが悔やまれる天使のフライパン 小川悦司starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男掲載誌であるボンボンの休刊で終わってしまったため色々謎が残っているのが不満。内容は現代の引きこもりの主人公が料理に対して真摯に向き合って成長していくが個人的には主人公の友人や先輩の方が良いキャラしていて好き。 マガジン連載の中華一番より無茶な料理は少なかった。 少年漫画だなぁ~フェルマーの料理 小林有吾やむちゃ絵が綺麗っぽいし料理漫画が気になるので読んだ。 確かにね…うまみ成分AにBを足して更にCを足すと何百倍になって…とか言いますもんね。うーーん…数学だけを頼りに料理すんの無理ない?そこをやってのけちゃうのが漫画なんだけどさ~。早く続きが読みたいですね。 カイ役綾野剛とかですぐドラマ化しそう「う」は鰻の「う」、美味いの「う」、嬉しいの「う」。う ラズウェル細木名無し※ネタバレを含むクチコミです。異色のサバイバルグルメ漫画僕は君を太らせたい! 横山ひろと 茸本朗starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)スペリオールで始まったこのグルメ漫画『僕は君を太らせたい!』は、まさかのバイオテロから始まる。 原因不明の感染症が人々の間に蔓延し、次々に倒れていく人、そして停止する首都機能。 主人公とヒロインは同じ会社で働く部下と上司だ。 上司の都田さんはフランス帰りのエリートで日本の食事が合わなくて激やせし、フランスから取り寄せた食材でお昼を済ませるのに対して、部下である主人公は白飯に幼虫をねじ込むハードコアなゲテモノ弁当を美味しそうに食す。 そんな二人が会社に取り残され、なんとか家に帰るために協力し帰り道で取れる一見ゲテモノに見える食材を調理しサバイバルする。 そして実は主人公の目的はかつて惚れた太っていた部長の姿を取り戻すことにこそあった。 好きですねー。 河原で取ってきたミドリガメを高級食材のように使うとか、野草の知識とか、実は首都圏で地震や大災害にあったときってこういう知識必要なんじゃない?とか思わされる。 コメディ色が強いので読みやすい。 今後の展開によっては家に置いておきたい漫画になるかもしれない。 究極の理想の暮らしがここにあるねこと私とドイッチュラント ながらりょうこnyaeおっとり系女子のトーコちゃん(おそらく作家かライター)は日本からドイツに移り住んでまだ間もない。 相棒は、人間と同じように2本足で歩きおしゃべりする猫、むぎくん。 日本との違いを楽しみながら、食事や遊びを工夫して暮らす様子がエッセイ風にほのぼの描かれてます。食いしん坊のむぎくんのためにドイツならではの食材を使っておやつやごはんを工夫して手作りしたり、おにぎりを握ってピクニックしたり、青空市へ行ってチーズや野菜、パンを買ったり、クリスマスマーケットへ行ったり、ほとんどの店が閉まる年末年始をゆっくり過ごしたり… こんな生き方ができたら死んでもいい(いや生きる)というほどに理想的な暮らしがそこにありました。 一人ぼっちだとたぶん心細い。人間のパートナーだとよほど気の合う相手じゃないと無理。 だからむぎくんの、動物なんだけどコミュニケーションがとれる、だけどお金を稼げないから自分が養ってあげないといけないという、パートナーとペットの間くらいの関係性がベスト。 はぁ、現実逃避………圧倒的支配力に立ち向かう動物たちの下剋上ヤスミーン 畑優以nyaeライオンが王族として圧倒的力を持ち支配する国。 王族たちがなによりも「美味しいもの(美食)」を求めて下劣な狩りを繰り返す様に耐えられなくなった奴隷のトムソンガゼルの少年・ブエナは、たった1人で王族に立ち向かう“白い悪魔”と呼ばれるチーターと仲間になり王族を倒すため国を飛び出す。 見た目は動物だが、二足歩行が基本(四足からの進化らしい)。動物らしいのは見た目だけで、感覚としては壮大な人間ドラマを見ているようです。血みどろ、グロ描写が苦手な自分でもすぐ読み終わってしまったほど入り込んでしまいました。 物語の中では王族の中でも中性的な見た目のマルシアスというライオン(すごいナルシスト&めちゃ強くて面白い)との戦いがメインで、命がけの戦いは一旦終わるものの「王族を倒す」という目的にはまだ程遠いところで完結しています。 マルシアスより強いライオンもいて、そしてその頂点に立つ王は姿も見せない。 何かしらの事情があってのことかは不明ですが、続きがあるなら読みたい…! 「ヤスミーンて何」と思いながら読んでましたが最後の最後で知ることが出来ます。うんまーーーー!ぽちゃこい ムラタコウジnyae主人公の杏ちゃんが美味しいものを食べた時「うんまーーーー!」というのが可愛い。杏ちゃんは太っているのもあるけど、あまりにもまわりと等身が違うのが面白すぎる。 同じ作者の高嶺のハナさんを読んでからコチラを読んだのだけど、男2と女2の四角関係の構図が同じ。笑 杏ちゃんの想い人の沢谷くんは普通の爽やかイケメン男子というところが最大の違いだろうか。 恋の行方が気になるというよりは杏ちゃんが美味しいものを美味しそうに食べてる姿がこの漫画の一番の見所かと。 ダイエットあるあるもたくさん出てくるので、杏ちゃんに対する共感指数も高いと思います!ここに注目するなんて、なんて目の付け所だ!その「おこだわり」、俺にもくれよ!! 清野とおる猫あるく他人のちょっとした「おこだわり」聞かなければ決して知ることがないものなんだけど、聞いてみると誰しもが何かしらのこだわりがあって少しだけ人生を豊かにしている。自分も真似してちょっとだけ人生を楽しくしたくなってきちゃいました。清野先生の怒涛のツッコミがめちゃくちゃ面白い! 「数学」×「料理」の熱烈なマリアージュ『フェルマーの料理』フェルマーの料理 小林有吾兎来栄寿『アオアシ』の小林有吾さんの新作。料理マンガとしては過去作品の『てんまんアラカルト』も面白かったので期待していました。旧来からのファンにはより楽しめる要素も。 本作では、料理に「数学」という要素を掛け合わせているのが目新しく、面白味となっています。考えてみれば料理も「理」。レシピには必ず数字が必要ですし、数学的なアプローチを料理に取り入れることは非常に理に適っています。 そして『アオアシ』でも存分に見せてくれている「熱さ」を感じさせてくれる描写も、そのまま踏襲されています。純粋に挫折から始まる主人公の再起の物語としても面白いです。また「この緻密に計算され尽くした料理をぜひ実際に食べてみたい!」と強く思わせられる魅力的な料理がどんどん登場し、料理マンガとしても秀でています。 少年マンガの熱いノリを持った作品の中で特に最近のお薦めです。 絶妙に良いとしか言えない居酒屋舌偵 土山しげるstarstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男読めばわかる絶妙な力の抜け具合の漫画と言えば良いのか。「すごい面白いか」と言われるとそうでもない。「面白くないか」と言われるという「いや面白いぞ」という絶妙な感じがいい。あらすじの「料理のウンチクと人情の機微が程よくブレンドされた痛快探偵ストーリー」の通りの内容だった 大食いで人は感動させられる大食い甲子園 土山しげる名無し「最近全然たべれなくなってさー 3杯しか食べられないよ」と嬉しそうに大量の飯をかきこむ友人がいます。これは明らかに、『本調子であればもっと食べれるが、調子が悪いので君たちの3倍しか食べれないんだよ』という、謙遜を装った示威行為なのです。野生動物でも、誰が一番えらいのかの順位付けは重要です。 人間の男性集団ではしばしば、大食いが偉さを図る尺度となるのです。大食いはマッチョなんですよ! そんな“大食い”を漫画に取り入れたのは、なんといっても土山しげる先生です。代表作『喰いしん坊!』では、フードファイターとよばれる大食い人間たちが、プライドをかけて戦うという、あまりにも斬新な設定で、食が細くなった中年男性の胸を焼けさせました。今回紹介する『大食い甲子園』は、このフードファイターの世界観をさらに追及した作品です。読んで時のごとく、大食いの甲子園を目指す高校生たちの物語なのです。 舞台は岡山の桃太郎高校大食い部。15年前に全国優勝したものの、いまでは弱小校になってしまい、廃部の危機を迎えています。ここに、将来を嘱望されながらも賭け大食いがばれて“大食い界”から姿を消した盛山空太郎が監督としてやってくるところから物語がはじまります。 それまでは、ただガムシャラに食べることしかしてこなかった桃太郎高校大食い部の面々に、盛山は理論的かつ実践的な方法を教え、大食い部は一丸となって甲子園を目指していくのです。 物語全体は、さわやかな青春スポーツ漫画のノリです。「乱食いはじめ」の声とともにはじまる練習シーンも素敵です。部員がただひたすらにむしゃむしゃご飯を食べるこの乱食いは、おそらく柔道の乱取りをイメージした言葉なのでしょう。一週間かけて精神と胃を鍛える合宿でひたむきに努力する姿もとても美しい。ただ、その打ち込むものが“大食い”ということで、なんともいえない雰囲気になるのです。 大きな“胃力”があり、才能あふれる早味はいいます。「大食いなんてただ食ってりゃいいんだと思っていた…他のスポーツと同じように作戦があるなんてこれっぽっちも思ってなかった…そして…大食いで人を感動させられる事も…」そ、そうなのか?と、思わず突っ込みたくなります。 この、さわやか青春マンガのノリと、抑えがたいツッコミへの欲求があわさると、なんとも言えない高揚感が生まれ、気づくと次へ次へとページをめくってしまうのが『大食い甲子園』の魅力。 もう食が細くなってしまい、大食いでアピールできなくなってしまった僕は、読み終わるとやっぱり胸が焼けてしまうのです。わかるのよ、冷蔵庫を見ればね冷蔵庫探偵 佐藤いづみ 遠藤彩見名無しまさかの冷蔵庫から問題となった事柄を見破り解決する! 探偵っぽくないのに足跡を辿るように分析する様はちゃんと探偵です。 人間は食べ物で出来ているので理屈としては頷けます。それでもほのぼのとした気持ちになってしまう不思議な漫画。 一味違った事件解決漫画を探されてる方にオススメです 舞妓さんとまかない食べたい舞妓さんちのまかないさん 小山愛子名無したまたま読んだ話が舞妓さんがお客さんにご飯を注文してもらう回。 お腹が空いても動き回らねばならないお仕事。 食べたい時にご飯食べれないのね… 大変そうだけど漫画の世界の舞妓さんは頑張り屋で屁理屈一個漏らさない。 癒されるし、そんな舞妓さんが飯食ってる様を見るだけで多幸感に包まれます十人十色な食の楽しみ目玉焼きの黄身 いつつぶす? おおひなたごう猫あるくなんて面倒くさいヤツなんだ!最初はそう思ったけどA型丸出しの自分としては共感できること多すぎてちょっと親近感湧いてしまった。明日が無いかもしれない侠客だから侠飯 福澤徹三 薩美佑名無し※ネタバレを含むクチコミです。ダンジョンに潜る彼らは一体何を食べているのかという疑問に真正面から取り組んだマンガダンジョン飯 九井諒子名無しいわゆるゲーム世代の私ですから、ゲームの約束事にいちいち目くじらをたてたりすることはありません(アニメキャラの弓の構え方にはうるさいが)。とはいえ、長時間RPGをプレイしてハイになってくると、いろいろと野暮な疑問がでてきます。その中でも一番は、やはり「女戦士の鎧がなんであんなに露出度が高いのか」なのは間違いないとして、「あいつら一体何を食べていやがるのか?」もかなりランクが高い問ですね。何日も何日も草原を歩き、ダンジョンに潜る彼らは一体何を食べているのか(そのあたりを少しリアルにしたゲームをプレイすると、必然的に餓死が増えるのでとても陰惨な気持ちになります)。 そんな疑問に真正面から取り組んだのが『ダンジョン飯』。作者は「竜の学校は山の上」などファンタジーとリアルの心地よく融合した作品を数多くかかれている九井諒子。この『ダンジョン飯』も例外ではなく、良い塩梅にリアリティがあるのです。 ストーリーは、主人公・ライオスのパーティーがドラゴン相手に全滅しかかるところから始まります。間一髪で脱出魔法で逃げれたかとおもいきや、しかし、妹のファリンがみあたらない。どうやらドラゴンに丸呑みにされてしまったようです。この世界では死んでしまっても、死体があれば生き返ることはできるのですが、ドラゴンの胃の中で溶かされてしまっては難しいかもしれません。 消化が終るまでに助けに向かわなければいけないのですが、荷物は全て迷宮に置いて脱出してしまい一文無し。満足に食糧を買うこともできません。しかし、金策をしている間にも消化されてしまうかも…。 そんなジレンマを抜け出すライオスのアイデアが自給自足です。ダンジョンにモンスターがいるのなら、それを食べればいいじゃない。スライムだろうが、さまようよろいだろうが。 現実社会の我々でも「それはどうか」思いますが、この世界の住人にとってもモンスターを食べるというのは一般的ではありません。 しかし、妙に熱心なライオスに動かされるまま、キノコ型モンスターと大サソリを食べようとしますが、うまくいかない。そこに、モンスター食を実践してきたドワーフが現れ、現実的な料理法をライオスに教えくれるのですが…。 実際に調理シーンになると、完全にグルメマンガのノリです。サソリは切れ込みを入れると出汁が出やすい、キノコ型モンスターの足は特にうまい、スライムは天日干しにすると高級食材になる……そんな食材豆知識とともに、モンスターがおいしく調理されていくのです。第一話の料理は「大サソリと歩き茸の水炊き」。 ファンタジーの世界に寄り添ったリアリティが、雰囲気を壊すことなく新たな面白さを教えてくれる…そんな摩訶不思議なファンタジーグルメ漫画なのです。至高で究極のツンデレキャラ 芹沢達也ラーメン発見伝 久部緑郎 河合単名無しツンデレって言葉があります。これは、そっけない態度をとる美少女が、好意をもった相手につい、いじわるをしてしまうような、大体そんな意味で使われる言葉です(べ、別にあなたのために解説したわけじゃないんだからね)。ツンが相手へのいじわる、デレは相手への好意ですね僕も御多分にもれず、ツンデレには色々とうるさいのです。さまざま、古今東西のツンデレキャラを思い浮かべ、何が至高で究極のツンデレかと考えると、やはりこれは『ラーメン発見伝』の芹沢達也(42)を挙げざるをえない。 『ラーメン発見伝』はラーメンが趣味の普通のサラリーマン・藤本が、様々なラーメンと出会い、自分自身のオリジナルのラーメンを完成させ独立する、そんな物語です。2000~2009年のラーメントレンドから、ラーメン経営の難しさにまで言及しているので、0年代ラーメン文化の通史ともいえる作品です。主人公・藤本のライバルになるのが、至高のツンデレ芹沢達也(42)。名前からもわかる通り、男。それもスキンヘッドです。芹沢はフードコーディネーターとしても有名ラーメン店の店長としても有名な、ラーメン界のトップ。自分にとって有用な人間には人当たりはよく、無用な人間に対してはとてつもなく冷徹です。多くの客を「舌バカな人間」と馬鹿にし芹沢は邪悪な笑顔と共に名言を吐きまくります。「ヤツらはラーメンを食ってるんじゃない。情報を食ってるんだ。」この芹沢が、巨大な壁として藤本の前に立ちふさがり続けるのです。それも、26巻にわたって!昨今の、すぐに負け、すぐに味方になってしまう安いライバルに見習ってほしいくらい、骨太です。芹沢は藤本のことを認めながらも、それをおくびにも出さず、「所詮、優秀なラーメン・マニアでしかない」と挑発しつづけます。お前は経営者の苦しみも知らない、ただのマニアでしかないと。芹沢とそれを追う藤本の戦いも、はるばる26巻をかけてようやく終わります。これでついにデレるか?と思ったらそれでもまだデレない。芹沢達也しぶとい!まだデレない。そして最終回。独り立ちをする藤本についに芹沢達也はデレるのです。26巻ずーと藤本のライバルでいつづけた男(42歳)の至高のデレを、是非みなさんにも味わっていただきたいですね。人に薦めたくなる短編集ワンナイト・モーニング 奥山ケニチ名無し読み終わった後、もっと読みたい!と思える短編集でした。 自然体で、いい意味でありふれてて、親近感のあるお話が多いです。 ごはんもすべて身近なものだったのがよかった。とくにたまごサンドが美味しそうだったな! 話としては、肉まんのがいちばん好きかも。 奥山ケニチさんはおっぱい描くの上手いと思います。<<5657585960>>
仕事は編集者。仕事の後のお酒が好きで、お酒の後の〆が好き。 なんとも世のサラリーマンに共感を呼びそうな豪快な主人公が、ただシメのごはんを食べるという漫画。 普段お酒を飲まない自分からすると、「シメ」っていうのは鍋やった後の雑炊くらいしか思いつかない。しかもごはん食べてお酒飲んで追い打ち的にまたごはん食べてるのはちょっと理解できない。 孤独のグルメに似てるけど、あんなにこだわった食じゃないし1話がすごく短いので通勤とか空いた時間に読むのがおすすめ。