スーパーの裏でヤニ吸うふたり
社畜街道をひた走る、くたびれ中年男性の佐々木。彼のひそやかな癒しといえば、日ごろから愛煙する煙草と、行きつけのスーパーで働く女性店員 山田さんのにこやかな接客くらい。仕事に疲れたある夜、癒しを求めてスーパーに向かうが、目当ての山田さんはおらず、今どき煙草を吸える場所もなし…。意気消沈した佐々木に「ここなら吸える」と声をかけてきたのは、すこし奇抜な服装をした田山という女性だった――。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※
天幕のジャードゥーガル
後宮では賢さこそが美しさ。13世紀、地上最強の大帝国「モンゴル帝国」の捕虜となり、後宮に仕えることになった女・ファーティマは、当時世界最高レベルの医療技術や科学知識を誇るイランの出身。その知識と知恵を持ち、自分の才能を発揮できる世界を求めていたファーティマは、第2代皇帝・オゴタイの第6夫人でモンゴル帝国に複雑な思いを抱く女・ドレゲネと出会い、そして……!? 大帝国を揺るがす女ふたりのモンゴル後宮譚!
緑の歌 - 収集群風 -
“好き”の気持ちに、国境はない。はっぴいえんど『風をあつめて』。村上春樹『海辺のカフカ』『ノルウェイの森』。岩井俊二『リリイ・シュシュのすべて』。ゆらゆら帝国『バンドをやってる友達』。台湾・台北で暮らす少女・緑(リュ)は、日本の文化を通じて新しい世界と出逢う。見たことのない景色。初めての感情。そして不思議な少年と夢に。まるで、風に吹かれるように。これは音楽を愛し、物語に救われたひとりの少女と、あなたの物語。『猫を棄てる 父親について語るとき』(著・村上春樹)で、装・挿絵を担当した台湾在住の漫画家が贈る、初連載作品。世界が私を待ってる。初めての物語、初めての音、初めての夢が、私と出逢う、その時を。●コミックビーム 公式ツイッター●@COMIC_BEAM
うみべのストーブ 大白小蟹短編集
俵 万智 「小蟹さんの澄んだ心の目。そのまなざしを借りて私たちは、忘れそうなほど小さくて、でもとても大切な何かを見つめなおす。たしかに降ってきたけれど、とっておけない雪のように。」 雪のように静か。冬の朝のように新鮮。自分の気持ちに触れることができるのは、こんな時かもしれない。[収録作品] ●「うみべのストーブ」 運命のように出会ったえっちゃんとスミオにも、ある日訪れた別れ。傷心のスミオを海に連れ出したのは、隣で彼を見守り続けていたストーブだった…。「ふたりが…お互いに、好きだったこと 私はちゃんと覚えてる 何度だって思い出すよ」 連載時のカラーを再現し、2色刷で収録。●「雪子の夏」 トラックドライバーの千夏が雪の日に出会った、雪女の雪子。夏のあいだは消えてしまうという雪子に夏を見せてあげたい。忘れられない夏の物語。「誰もあたしのことを 思い出してくれなくなったら こんなぼんやりしたまま 永遠に消えちゃうの?」 ●「きみが透明になる前に」 ある日事故で透明になってしまった夫。彼の姿が見えないことにほっとしている自分はもう、彼を愛していないのだろうか…。見えないものに触れる、夫婦の絆のかたち。「ねえ泉 ありがとう 僕を見つけてくれて」 ●「雪を抱く」 パートナーとの間の妊娠を知り、複雑な気持ちの若葉。大雪で家に帰れなくなったある日、偶然出会ったコウコと朝までの時間を過ごす。女性の身体をめぐる物語。「わたしの身体が わたしひとりだけのものだったことなど 一度でもあっただろうか」 ●「海の底から」 仕事で忙しい毎日を送る深谷桃は、かつてのように小説を書くことができない。いまの自分はまるで海の底から上を見上げているようで…。創作に向き合うことができないでいる生活者の苦悩の物語。「悔しい 書かなくても幸せでいられるのが」 ●「雪の街」 はなれていた親友の突然の死をきっかけに訪れた、昔住んでいた町。思い出のファミレスで出会った森田という男と、死んでしまったスーちゃんのことを思い出しながら、雪道を歩いていく。夜の黒さと雪の白さは、彼らの弔いを静かに描き出す。「鈴木さんがどこかで 元気でいてくれるといいなって ずっと思ってました」 ●「たいせつなしごと」 単調な仕事に明け暮れる毎日のなかで、いつのまにか自分の心は動かなくなっていた。いつかどこかのゲートが開いて、別の世界へ行けたなら…。暮らしのなかにある光を見つける小さな物語。
ブスなんて言わないで
ルッキズムは、彼女たちがぶっ潰す――! 『美人が婚活してみたら』の著者が描く、反ルッキズム×シスターフッドの物語! 「ブス」と言われ、学生時代にいじめられていた知子。大人になった彼女は、自分をいじめていた“美人”の同級生・梨花が美容家として成功していることを知り、怒りに震える。知子は、梨花への復讐を決意する――。連載開始直後からSNSで大反響の話題作、待望の第1巻!
ババンババンバンバンパイア
老舗銭湯で住み込みバイトをする蘭丸。彼の正体は齢450の吸血鬼。究極の味わいである「18歳童貞の血」を求め、銭湯の一人息子・李仁くん(15歳・童貞)の操を守り続けている。ところが、思春期を迎えた李仁くんに異変発生!! 同じクラスの女の子に一目ぼれしてしまったのだ!! 「李仁くんの童貞は絶対に死守する!!」 蘭丸、決死の童貞喪失阻止作戦が幕を開ける…!!
シリアルキラーランド
白昼の団地で起きた母子殺傷事件から10年。母親の首はまだ見つかっていない。生き残りの被害者・襟峰想は、理解できない恐怖を飲み込むため、過去の猟奇殺人犯を調べ小説にすることで理解しようと試みる。だが、そんなある日彼に届いた一通の手紙。運命は思わぬ方向へと動き出す…。シリアルキラー復讐ホラーミステリー、解禁。