小学館マンガの感想・レビュー4596件<<109110111112113>>スタンドアローンでも夢想する世界ナツノクモ 篠房六郎ナベテツ自分はネトゲの経験はないのですが、TVゲームで寝食を忘れた経験はあり、この作品が描いていた「依存」に関して納得できました。 スタンドアローンであってものめり込むのだから、ネットで誰かと繋がることはメリット・デメリットどちらも大きいのだろうな、と想像します。 恐らく、作者の構想した最後までは描けなかったのだろうとも思います。ただ個人的に、この作品は読後に強い印象を残しています。それは恐らく、ヒリヒリとした感情を与えるネットの暗部が、まだ存在しているからなのではないかと(勝手に)思っています。 ネトゲにはまった人の感想も知りたいと思う作品です。 孤島に住む民族の崩壊までを描いた物語鬼虫 柏木ハルコ六文銭本作の孤島もそうなのでですが、限界集落など外部から孤立した場所で、独自に築き上げてきた風習や文化を扱う作品って地味に好きなんですよね。 テクノロジーが発展していない時代に、災害や病など、原因不明なことに対する「不安」とどう立ち向かっていったかとか、知的好奇心とは違う人間の根源的な部分を刺激してロマンをかきたてます。 加持祈祷や人身御供などに頼らざるをえない感じも、今となっては哀愁漂いますし。 そして、孤立した環境下で発展した独自の文化を壊すのは、いつだって外部からの異分子だったりします。 本作も、平安時代の孤島「鬼島」を舞台に、そこで暮らす人と漂流してきた女「マナメ」を中心に描かれます。 そのマナメは、主人公トラゴが幼少期、自身の過失で海の向こうへ行方不明になってしまった実の姉タナと瓜二つ。 実際は赤の他人なのだが、過去の負い目からなのかこの外部からの異分子でもトラゴは保護し、これが島にとって問題となる。 この島にある火山の噴火や自然災害など良くないこと連続すると、この手の孤立した環境下ではよくあるように、外部からの存在が原因とされ、島全体でマナメを殺そうとする。 逃げるマナメとかくまうトラゴ。 また、マナメという外部の存在によって、外の世界を知った島の住民たち。 こうして統制が保たれていた島全体にも、少しづつ亀裂が起き、火山の本格的な噴火も助けて、やがて島から脱出という崩壊へと繋がっていくという流れ。 5巻と比較的短いながらも、歴史・文化・風習などを扱った民俗的な濃厚ストーリーでした。 そして何より、それらを形作る「人間」を描いた作品だと思います。 随所にリアリティや神話のモチーフもあるようで、舞台青ヶ島かな?とか最期はノアの方舟をイメージしているのかな?とか考えると、それもまた楽しいです。 著者は、似たようなテーマで村の風習を扱った「花園メリーゴーランド」という作品もあり、こちらもオススメです。この古事記はピリッと辛い…どころじゃない!?古事記(中辛) 浮津名無し※ネタバレを含むクチコミです。離婚を突きつけられた男がバクを飼う話バクを飼う うすくらふみ名無し長年連れ添った妻が離婚届を置いて出て行き、眠れない夜が続いていた主人公が、ある日の真夜中に捨て犬ならぬ、捨てバク?を拾います。その日から、悪夢を見て目を覚ますことがなくなり、もしかしてバクが…? 離婚理由もおそらく自業自得なんだけど、バクが悪夢を食べてくれたとするとちょっとイイ話。 味噌汁を毎日作れば許されると思ってるなら…甘いな。 新作待ってました!怪奇しましま 紺野アキラnyae約1年ぶりですかね。また読めて嬉しいです。 主人公2人の美麗さもさることながら、蛇の怪異ちゃんの可愛らしいこと。そしてよくわからないけど何故かキュンとするオチでした…!!宮近さんが東條くんのカウンセラーをやってるところ読みたすぎ。祝・完結!!雪花の虎 東村アキコstarstarstarstar_borderstar_borderかしこ漫画雑誌ヒバナの創刊号と最終号の表紙を飾ったのが「雪花の虎」でしたね。移籍先のビッグコミックスピリッツで今週ついに最終回を迎えてしまいました…なんて偉そうに言ってますが、最終回に合わせて単行本と雑誌を一気読みしたので連載をちゃんと追っていた訳ではありません…!偉そうなこと書いてすみません!でもすっごく面白かった!!上杉謙信は実は女性だったんじゃないか説を東村アキコ先生がかなり大胆にアレンジされているので、そのノリに乗るには一気に読むのがオススメです!!最終回は謙信の生涯を一緒に駆け抜けたな〜という達成感を得られて感無量でした。ちなみに最終巻は来年の初春に発売とのこと。待ち遠しいですね! 歴史が苦手な自分でも楽しんで読めるか不安だったのですが、そういう人の為にちゃんと東村先生はティータイムという名の逃げ場を用意してくれてるので安心して下さい。しかも最初の頃は先生も「この説明文はWikipediaを見ながら描きました!」とか描いててめっちゃ親近感わきます。ヒバナからスピリッツに移籍して1話目のスーパーおさらいタイムも笑いました。気軽に歴史を学びつつ、たまにベルばら並みにドラマチックな展開があったりするところがまた素敵です。もちろん謙信がオスカル様ですが、ちゃんとアンドレもいますよ!しかもアンドレ的な人が僧侶っていう…かなりドキドキな展開なんです。脚色されてる部分はたくさんありますが、読んでいると本当に女性だったのかもと思えるような説得力があるし、私はもうこれ以外の謙信は考えられないくらい魅力にハマっちゃいました。犯行予告はラブレター!?【新装版】 錦田警部はどろぼうがお好き かんばまゆこyrsk有名なあの怪盗と警部のようないつまでも捕まえられない逮捕劇、しかしその理由は「目が合うと恥ずかしいから」……!? 怪盗ジャックへの愛が極まっている凄腕警部と、その部下アンリ。はたして二人は怪盗ジャックを捕まえることができるのか、ジャックの正体は誰なのか!(答えは1話から明かされているので試し読みを是非) ほんのりBL風味なギャグラブコメです。神クズ☆アイドルのいそふらぼん肘樹先生のTwitterで見かけて気になり購入。あの感じのギャグが好きな方にはとてもおすすめです! 燃える漫画家の原点燃えよペン 島本和彦ナベテツこの作品の存在を知ったのは中学時代だったのですが、地元の書店では購入出来ず、政令指定都市で買えたのが良い思い出でした。 最初の竹書房版は帯の推薦文が高橋留美子先生で、他の版では収録されていない写真を使ったマンガもあります(中津賢也先生も参加してました)。 デジタルが導入される前の漫画の現場というのは、こんな修羅場が沢山あったのだろうと思わされる描写もあり、漫画史における貴重なドキュメントとしての側面もあるのではないかと(勝手に)想像しています。 逆境ナインと並ぶ、90年代の島本先生の代表作であり、未読の方に是非読んで欲しい作品の一つです。キャラの顔だけのコマに色々と考えさせられるプリンセスメゾン 池辺葵名無し家ってすごくその人の人柄とか人生が出てしまうと思います。 安月給なんじゃないかって感じの女の子が物件見るのと、実家が太くて現金一括でマンションを買ってしまう女性の対比とか結構来るものがある…。 そして一番思うのはこの漫画、キャラの顔だけのコマなのにすごくそのキャラの気持ちを考えてしまうんですよね! 淡白な絵柄なはずなのに…不思議、、。これは政治的風刺だ!寓話 柚子名無し勝手に人間に服を着せられるのを不満に思ったマネキンが、自分達を解放するお話。何も考えずに読んでも面白いけど、これはお隣の国に対する風刺ではないか? マネキンが異分子を排除するシーン→壁新聞に触発された学生たちの乱暴狼藉 無個性で画一的なマネキンが見開き一杯にいて、一番幸せだというシーン→自由を認めない共産主義の政府に無個性にされて、自分たちは幸せだと思い込まされている国民 軍事的拡張を続ける隣国に危機感を抱いているのでしょうね。 自由は不自由という寓話…?寓話 柚子名無し※ネタバレを含むクチコミです。漫画家マンガなエピソードもあって楽しい文房具ワルツ 河内遙名無しまだ付き合う前の微妙な関係の大学生カップルと、そのカップルがアシスタントのバイトに行ってる売れない漫画家が主人公。どちらも人生停滞期みたいなモヤモヤした日々を送っているのですが、その様子を擬人化された文房具達が見守っているという話です。 意外と漫画家マンガとして面白いな〜と思いました。主人公の売れない漫画家が初めてもらったカラーページに苦戦する話とか好きでした。同じ時期にデビューした売れてる漫画家が登場するんですけど、そいつが性格いいのもよかった。めっちゃ売れてて豪華なマンションに住んでるのにコタツで原稿を描いてるとか、そういうのいいな〜と思いました。ヒリヒリとした緊迫感のある戦いが熱いぞ!邪眼は月輪に飛ぶ 藤田和日郎猫あるく1巻完結の短い中に藤田和日郎先生の最大瞬間風速をギュッと詰め込んだような作品です! 目を見ただけで生き物を殺す梟と老いた猟師の戦いって設定がすごくいい! 強い老人が主人公ってかっこいいですよね。 クライマックスは熱くて最高!! 真面目に「弔い」を描いた漫画おとむらい 若狭星 根岸康雄nyaeもっと葬儀屋の仕事を掘り下げるお仕事漫画的なのを期待して読んだけど、いろんな「弔い」描いた漫画という感じで、思ってたのとすこし違った。至って真面目なオムニバスストーリーで、いつか身内を弔う時が来たら参考になる内容だと思います。 生前の状態に近づけるためにエンバーミングしたり、結婚式を挙げられなかった妻のために結婚式のような葬儀にした話が興味深かった。 葬儀屋社長の忌井さんが安西先生にしか見えなくて困った。やばかったたまご他5篇 光用千春作品集 光用千春さいろく私の語彙力では安っぽくなってしまいそうで何も語れない気がしてしまうけど感想書きたい気持ちが勝る。 浮遊兄弟が好きだなぁ 全体通してノスタルジックな雰囲気で、ゆっくりしていて、それでいて表面的ではなく内面が露わにされていて、気持ちのいい作品集。読めるようになってた!星に願いを 光用千春さいろく「たまご他5篇 光用千春作品集」に収録されてました。 気になったから買ってしまった。 思ってた展開とは違ったしびっくりしたけど良作でした… 問題作?「山で暮らす男」山で暮らす男 ハン角斉名無し初めて編集長金一封がでたというヤングスペリオール新人賞受賞作。 一方で問題作とも言われる本作、作者が64歳という前情報もあり興味深く読みました。う〜む、問題作なんだろうか。思いっきりエンタメを描こう!という内容でもないけど、考えさせられるな…!という方に振り切っているわけでもない。 残虐な事件の話と思いきや、オチは「ああそうか」という。 とにかく今言えることは、また新作読ましてくださいということだけです。変人達が、愛しいチナミの風景 野本明照ナベテツ表紙を見て、良さそうな作品だと思ったのですが、実際に読んでみて、その良さを伝えることを少し難しく思ったりもしました。 主人公のちなみちゃんは、町の変人達に巻き込まれペースを乱されますが、本人も十分「変人」の素質を持っています。 作者の野本先生のマンガは、この作品と短編集の「916」だけですが、どちらも不思議な魅力を持った作品です(絵柄は初期の松本大洋さんに近い気もしますし、ずれている人々の描き方は小田扉さんにも通じるものがあります)。 読むと、少しだけフワッと心が軽くなる。そんな作品でした。LGBTあるあるなのか付き合ってあげてもいいかな たみふるさいろく最初こそLGBTならではの問題をしっかり描いていたもののいつの間にか彼女たちの周りのLな子たちの"普通"に慣れてしまい、いつの間にか冴子・みわに感情移入したりして、すごく深い恋愛マンガとして読んでしまっていた。 若かりしあの頃にあったなぁそういうの、っていうシーンが多々出てきてすごく巧いなーと関心しながら一心不乱に読んだらまだ5巻までしか出てなかった。 ハッピーエンドを迎えられるのだろうか、どういう形ならハッピーエンドなんだろうか、先輩後輩・バイト先・サークル内の曼荼羅に外から中から無意識にも悪意を持っても攻められる彼女たちのウブさにはLGBTなんて関係なく、ただ人としての「若さ」ですべて片付けられる。だがそこがいい。 このバカバカしさが大好き金剛番長 鈴木央名無し※ネタバレを含むクチコミです。狂ったケダモノのような男がひたすら暴れまくる!闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説 真鍋昌平 速戸ゆう名無し有名なアウトロー漫画、ウシジマくんのスピンオフがあると知り読みました。 主人公、肉蝮の異常な暴力や振る舞いが見ものです!次に何をするかわからないところがとてもハラハラします。ある日現れたのは「暗殺」が専門のメイド様 #1巻応援君は冥土様。 しょたんsogor25ある日普通の高校生・横谷人好(よこや ひとよし)がインターホンに出ると玄関に見知らぬメイドさんが立っていた。彼女は人好に「私を使用人として雇ってはいただけないでしょうか」と尋ねる。そのまま追い返すのもなんなので家に上げて話を聞いてみることにしたのだが、以前までどんな仕事をしていたのかと聞くと彼女は「主に暗殺や監禁・拷問などを嗜んでいた」などという。そんな彼女が、人好の家で使用人として暮らし始めるという物語。 このメイドの人物像は現状彼女の回想のみで語られているため詳しくはわからないが、暗殺などの隠密行動は得意な一方で料理や掃除など一般的な家事はからっきしで、メイドとしての働きはあまり期待できない様子。そんな彼女が人好の家で暮らし始め、今まで経験してこなかった日常や、彼女に自然に接してくれる人好の優しさに触れることで少しずつ人間らしい感情を獲得していくという様子が見られ、暗殺や拷問など物騒な言葉が飛び交う割にとてもほのぼのとした作品。 ただ、実は彼女が人好の家を訪れたは偶然ではなく理由があるようで、人好の方にも秘密がある可能性も示唆されているので、その辺りも含めて今後が楽しみな作品。 1巻まで読了 正に青春君は放課後インソムニア オジロマコト名無し※ネタバレを含むクチコミです。古き良き探偵小説の世界幽麗塔 乃木坂太郎名無し※ネタバレを含むクチコミです。<<109110111112113>>
自分はネトゲの経験はないのですが、TVゲームで寝食を忘れた経験はあり、この作品が描いていた「依存」に関して納得できました。 スタンドアローンであってものめり込むのだから、ネットで誰かと繋がることはメリット・デメリットどちらも大きいのだろうな、と想像します。 恐らく、作者の構想した最後までは描けなかったのだろうとも思います。ただ個人的に、この作品は読後に強い印象を残しています。それは恐らく、ヒリヒリとした感情を与えるネットの暗部が、まだ存在しているからなのではないかと(勝手に)思っています。 ネトゲにはまった人の感想も知りたいと思う作品です。