電書バトマンガの感想・レビュー177件子供が児童相談所に保護された経験この小さな手 郷田マモラ 吉田浩かしこ児童相談所に子供が保護されると親子といえども再び一緒に暮らせるようになるまで大変なんですね。でも児童相談所もそれが仕事ですし、その判断を間違えてはいけないので仕方ないですが、それって親側からしたら他人には言いたくない話だろうからリアルな体験が読めるのは貴重かもしれませんね。 https://note.com/shuho_sato/n/nbbe9ae0c0a6c 原作者のインタビューから察するに娘さんと離れて暮らすことになった原因はフィクションにしてあるみたいだけど、自分の不甲斐なさを悔やんでることや娘さんへの愛情は漫画からもとても伝わってきた。作品にすることに意味があったと思う。実在する犯罪者もモデルになってる?モリのアサガオ2 郷田マモラstarstarstarstarstarかしこ前作モリのアサガオから10年後。舞台は2020年の東京になっています。親友にまでなった渡瀬の死刑執行に自ら望んで携わったとはいえ精神を病んでしまった主人公の及川ですが、たま拘置所で再び刑務官として死刑囚と向き合うことになります。今回は実在する犯罪者をモデルにしたキャラクターが多くいて序盤から期待値が上がっています。どういう形態で描かれているのか分からないんですけど、最新4巻が2024年7月に出てるから現在も絶賛制作中ということでいいのかな?早く続きが読みたいです。猟奇的なストーカー女LOVE GOD 〔完全版〕 こしばてつやかしこ※ネタバレを含むクチコミです。強烈なブラコンコメディーオレの弟がかわいすぎる話をする。合冊版 松永空也starstarstarstarstar_borderるる※ネタバレを含むクチコミです。 作家性が横溢する幻想短編集 #1巻応援幻想集 黒谷知也兎来栄寿『幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい』、『書店員 波山個間子』、『三護さんのガレージセール』などでお馴染みの黒谷知也さん。 上記3作品のような線の整った作品群とは別に、よりコミティアなどで出逢うような雰囲気で作家性を剥き出しにして描いている短編。その中でも、本にまつわる話を中心としたシリーズに分類されるSNSで2021〜22年頃に公開していた短編を1冊にまとめた本です。 こういう夢想が自然に浮かんでくる瞬間ってあるなぁと思える幻想譚たち。泡沫の夢のように、何もしなければ刹那弾ける泡のように消えていってしまうものたちを、繋ぎ留めるように手繰り寄せて現出させ形に残しているような感覚があります。 ときに好奇心を、ときに恐怖を掻き立てられ、不思議さに戸惑いながら酔い痴れ、理不尽に鬱屈としながらそれが快感でもある。 本を愛するから解るところもあり、本を愛するから苦しいところもある。紙とインクによる魔的な被創造物。読書という広大な宇宙海を漂う、無常感と無上感。 本がテーマでないお話も、寓話的で批評的な「グドゥグドゥ」や「鰐の起立」などとても好みです。社会の形式が変わるifがある物語は、想像力を刺激されます。 「言葉の珈琲」という柔らかい口当たりで始まりながら、とても強い刺激に満ちた1冊です。尖った作家性を浴びたい方、非商業的な作品を好む方には強くお薦めします。過去から、空想から抜け出す勇気。エア彼 大久保ヒロミstarstarstarstarstar_borderPom 園城寺リア不二子、見た目は仕事もできるバリキャリ女子っぽいけど、過去にいじめられたこともあり、実はものすごく繊細な女の子。 何となく気持ち分かる、現実から逃げたい時に寂しい時に自分を救ってくれるものあっても良いよねと。 それが、リアちゃんはエア彼ツトムくんだった訳で。 自分を好きでいてくれる人が現れることで、リアちゃんも変化していくんだけど、いじめられたトラウマがあるから信じられなくて前に進められないのも、分かるなぁ。 トラウマはきっと誰にでもあるから、そこから踏み出すのはものすごい勇気で、リアちゃん凄く頑張ったなぁと勇気付けられる作品でもありました!日々を書き留めるっていいなぁ。あかちゃんのドレイ。 大久保ヒロミstarstarstarstarstarPom この物語に出てくる長女・ヒヨ子と次女・雛子。どちらもとても可愛らしいのです。 が、ママはとっても大変!想像と違うはまさしくその通りだなと思う。 時代は本当に変化したけど、育児の根本的な所は変わらないんだなとこの作品を読んで、しみじみと思った。そして少し肩の力が抜けた様な気がした。 クスッと笑えるけど、家族への大きな愛情しか感じなかった素敵な作品で、ホッコリとした気持ちになりました。 不良少年が更生して僧侶に。僧職系男子に恋してます。合冊版 松永空也starstarstarstarstarるる※ネタバレを含むクチコミです。純愛ラブコメ殺し屋1(イチ) 山本英夫starstarstarstarstar瀧待っていた…オマエみたいな変態を… 100点満点の台詞題材はゲスいが謎にエモいやれたかも委員会 吉田貴司六文銭およそ、男が集まって酒飲みながら話すようなシモい内容なんだけど、どこかエモいから不思議な作品。 やれたかも ということで 実際やっていない(やれなかった) という点が、ピュアに感じる点なのかもしれない。 大人の関係にならず、少年時代の初恋に近しい印象をうける。 また、ただのエピソードの紹介だけでなく、「やれた」か「やれたとは言えない」の評価をしてくれるのも面白い。 3人の審査員で、「やれた」と全肯定する人もいれば、「やれたとは言えない」を出して全否定する女性もいる。 そして、この女性が的確すぎて現実に戻されるのも一興です。 なにはともわれ、 やれなくても、その妄想だけで楽しめるのが男なんすよね。 その妄想がつまった1冊です。 まったくもって追体験できるようなものが、私の過去にはありませんが。 産前産後、0才、1才…と子は大きく、母は強くなっていく。あかちゃんのドレイ。 大久保ヒロミstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ多少ラグがあるとはいえ、リアルタイムに描かれているせいか、内容がすごくリアル。 子の性格によるんだろうけど、これを読んでなお、キラキラな毎日を送れると思える人は、手伝ってくれる誰かがいるのかもしれない。 ちなみに、イライラしてしまう原因、それは睡眠不足。 連続6時間未満の睡眠が続けば、屈強な兵士すらパフォーマンスを出せないという。 それ未満の細切れならなおのこと。 作中でも作者が赤子相手にむきになり、いたたまれなくなってくる。 旦那さん、助けてあげて。ゆっくりご飯を食べさせてあげて。 久々に赤子育児漫画を読んで、この子達も今は大きくなってるのよね、よかったと、しみじみしてしまった。もしかしたら空想かもしれないし、事実かもしれない。やれたかも委員会 吉田貴司starstarstarstarstar_borderゆゆゆいろいろな人達の「あのとき、もしかしたらやれたかも」を話してもらい、三人で審議する「やれたかも委員会」。 大人たちが心に秘めているだろう、「あのとき、ああだったら今は違っていたかもな」が詰まったストーリー。 作者さんの完全な空想と思っていたら、読者?提供ネタだったんですね。 そのネタが空想か事実かはわかりませんが、酒を飲みながら隣で話されたら、自分も札を上げそうなお話です。 そして都度書かれるお金の話に、自費出版?!と、もう一度驚き。 実写ドラマ化もしていたんですかと、さらに驚き。 すごいテーマの漫画だなあと読んだら、漫画そのもの以外も驚きで満ちていました。 ちなみに、プレゼンター?による話を聞いたあと、月満子さんによるツッコミがとても好きです。ヒト科ジョシモドキによる美の考察人は見た目が100パーセント 大久保ヒロミstarstarstarstarstarゆゆゆ作者さんの想定通り、漫画で読んで勉強になる。 勉強になるだけでなく、おもしろく読める理由はやっぱり、おしゃれ研究の結果がまるで、自分自身がやったあとの結果を見ているかのようだから。 私だって願わくは、朝の登園時間帯にすれ違ったお子様連れのお母様のように、ばっちり素敵メイク&素敵ファッションをして過ごしてみたい。 子どもがいて、さらにばっちりだなんて、何時から起きているんだろう。 でもあのお母様のようなゆるふわヘアーはボサボサヘアーになるし。ボサボサヘアーといっても、ほんとのボサボサヘアーはそんなレベルじゃないし。 メイクは作中でサラっと書かれていることがわからないし。 シャツインしたら垢抜けるってレベルじゃなくて、幼児のようなシャツ入れすぎよ!状態だし。 もし、同じおもしろTシャツを着ても、私は部屋から出てはいけない服装で、彼女たちはおしゃれなファッションウェアになるんだろう。 どうやっても、あのお母様に近づける気がしない。 作中、内面にいるおじさんらしさがいけない!という話をしていたところで、「そうなんだよねえ、でもこの人を追い出すってどうやるの。根付いて一体化しているよ?」と思いながら読んでしまった。 総務課に属するような性質の人たちは、この漫画をどんな気持ちで読むんだろう。 サンレッドよりもヴァンプ将軍が主役っぽい天体戦士サンレッド 完全版 くぼたまこと六文銭アニメ化もされた本作。 タイトルが天体戦士サンレッドとあり、戦隊ものっぽくみえるが全然違います。 どちらかというと、サンレッドの敵であるヴァンプ将軍率いる「フロシャイム」の怪人がメインな作品。 というのも、サンレッドはただヒモであり、彼女からお小遣いをもらってはパチ屋で溶かし、怪人が現れれば理不尽にボコすようなチンピラみたいな存在。 一方で、「フロシャイム」は世界征服を望んでいるわりには、ヴァンプ将軍筆頭に常識人ばかり。 手紙を送って決闘申し込んだり、子供を人質にとったはいいが、夜に塾があるとわかれば親御さんに電話して送る始末。 怪人も、バイトだってする。(どうやって面接通過したのか…) 常識人というよりは、一般庶民っぽい。 ここが面白い。 怪人なのに、隣の住人の騒音に悩まされたり、悩みがほんと小市民っぽくて笑える。 一人暮らし(えてして貧乏っぽい)あるあるも多い。 だから怪人側のほうが親しみやすくて妙に憎めない。 戦隊バトルものを期待していたら残念だが、ギャグ漫画として楽しめる1冊です。 また、気に入った方は、同著者の『GOGO!ぷりん帝国』も、似たようなテイストなのでこちらもおすすめです。 誤魔化されたメッセージ※1話完全ネタバレユートピアズ うめざわしゅんstarstarstarstarstarカイ※ネタバレを含むクチコミです。考える漫画えれほん うめざわしゅんstarstarstarstarstarカイ3本目の「もう人間」 かなり荒れそうな題材だが、自分や知人がこの状況になったらどうするだろう。 スクリーニングテストで障害が見つかり、一生子供の介護が必要になることが分かりきってる場合でも中絶は悪なのか。どんな状況でも生きることが正義なのか。 社会の抱えてる問題をフィクションに置き換えて切り込んでいく うめざわしゅんの漫画は考えさせられる ドロドロに巻き込まれるピュア青年LOVE GOD 〔完全版〕 こしばてつやstarstarstarstar_borderstar_borderカイ主人公はいい奴なのにストーカー女が裏で暴れててグッチャグチャ 一気読みにオススメ聖なる者への感想 #推しを3行で推す聖なる者へ たかもちげんstarstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ たかもちげんが好きなので色々読んでいるがこれは読んでいなかったと思う。タイトルの感じで祝福王みたいなのかなと思ったらピカレスクロマンだった。 読後感は六田登の「ICHIGO[二都物語]」を読んだ時と同じ気分のような気がする ・特に好きなところは? 主人公の美山京介を追う刑事が美山を追い詰めるために、美山の銀行でのアライバルである新崎と組んだりするあたりと出てくる店なの名前が「南波」だったこと。「南波」はたかもちげんの苗字です。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! あらすじからは予想できない展開だった。美山と新崎の対決、取り巻く銀行の環境、深山の過去の犯罪を暴こうとする刑事が見事に組み合わさったピカレスクロマンだった。最近たかもちげんの配信が始まっているので、チャイニーズ・エンゼル・カンパニーとかやだね!とかも復刻して欲しい。願わくばビッグコミック系列で描かれた読切とかも配信してほしいところです。あとコミックアレでやっていた「アウトロー」も頼みます。 西幽記の感想 #推しを3行で推す西幽記 たかもちげんstarstarstarstar_borderstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 昔たしかコミックガイズで連載していてなんとなく読んでいたが最後まで読んだ覚えがなかったのと、セールをやっているのを教えていただいたので読み返しましたが「えっこんなんだっけ?」という気持ちが強い。 ・特に好きなところは? うーん難しい。あえて言うなら3巻。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 代打屋トーゴーの妖怪退治版と言えなくもないが代打屋トーゴーのハードさがなく、話も完結したのかしていないのかよくわからん話もあり一概にはお勧めできないが俺は好き。多分5年後ぐらいにまた内容を全部忘れた状態で読みそうな気がする 再婚したら幸せになれると思ったぼくの家族 南Q太starstarstarstarstar_borderゆゆゆ一筋縄ではいかないようで。 最後の話だけ、広海視点になっている。 一人称が僕、性別は女、9歳。 タイトルとあらすじを考えると、彼女が主人公だったんだろう。 母がご飯を作らない宣言をしたシーンはとても好きだ。 互いに子連れ再婚して、お金は折半しているのに、家事は折半していない。 偏食の義娘、文句は言わないけど辛辣な感想を言う夫。 心が狭くなっていることを自覚して、ストレスを減らす方向に向かったんだなと思った。見習いたい。 子連れ再婚した夫妻の生活は、要所要所に、ドロドロしたものが覗き、それを覆い隠すように日常が続いていく。 描きたいことを描きつつ、一巻完結になるようにされたなら、突然の大団円に思えても仕方ないのかもしれない。 渦巻いたドロドロは横において、それぞれ幸せなこともあるよと分かったほうが、読んでいる方も後味が良いから。 とはいえ、漫画の端々から覗くドロドロは、嫌いではなかった。ルールがわからなくても楽しいですひらけ駒! 南Q太starstarstarstarstar_borderゆゆゆあれ、9巻があると思ったら、ない?! 8巻のあとがきに「9巻でお会いできたらうれしい」とあるのに?! と探すも、出てきたのは悲しい打ち切りの考察。 でも私はラッキーだ。 続編の『ひらけ駒!return』がすでに刊行されている。 『ひらけ駒!』では、将棋に一過性でハマっているだけだと思った我が子が、どんどん将棋にのめり込み、悩み成長していく様子が描かれている。 母は子供よりゆるいペースで将棋を学びつつ、プロ棋士たちにキャーキャーしたり、子供の成長を喜んだり、心配したり。 すごくリアルな、子どもを見守る母目線がたくさんあるなと思ったら、あるブログに南Q太先生(おなじシングルマザー)の子供も将棋にはまっていると書かれたブログがあるとリンクが貼られていた。 漫画のワンシーンのような先生のブログで綴られる日常に、これがベースにあるんだなと理解した。 漫画に描かれている、将棋を嗜む様々な人たちを見ていたら、特に主人公の母が将棋の試合に参加し始めた頃合いくらいから、自分も将棋を勉強したくなってきて、アプリをインストールした。 作中でもいろいろ出てきていたけど、それ以上に基本的なルールがたくさんあって、びっくりした。 軽くさわりだけ、と思っていたのに、なかなか壁は厚かった。 主人公の宝くんが、どれほどのめり込んでいったのかよくわかった。赤ちゃんを泣かせていい場所よなきごや かねもとstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ人とのつながりと自分だけの時間と、睡眠時間。 なんと贅沢なものだったんだろう。 とくに睡眠時間。 「伝説のお母さん」もそうだったけど、作者さんは子育てについて、ものすごく共感しかない漫画を描かれる方だなと思う。 寝る子寝ない子食べる子食べない子。 子供に悩まされる。 子供を産んで育てるという今までと違う生活になってしまったことにも、悩まされる。 作中に出てきたショップカードにある 「さみしくなったら来てください」 の文字が身に染みる。 さみしい気持ちは如何ともし難い。 ラジオ深夜便にお便りを送る方や、(旧)Twitterでつながる方。 さみしさを埋めるためにつながりを誰かと持って、やんややんやできると、さみしさはちょっと変わる。 子供の成長をそばで見てくれている人が、同調してくれたら、さらに良いと思う。 ちなみに、マイナビ子育てに掲載されている最新第8話は、他の子が卒業してもよなきごやに通う親子の話。 ひと安心できる話になりますように。 追記 第8話がフルページ公開され、ひと安心できました。 Xへのポストに、作者さんが書きたかったことが書けたとありました。 こういう青春もいいじゃんえらしこ さのうくにかずstarstarstarstarstar_border野愛部活マンガってこれくらいの温度でいいと思ってる。そりゃ全国大会どころかプロ目指してるような若者の熱い青春も素晴らしいけど、部室でだべってアホなことやってる青春だって魅力的。 わたしは怠惰な人間なので怠惰なマンガを読みたくなることも多い。けいおん!ですら真面目に部活やりすぎって思うことがあるくらいの人間なので、フットサルをやらないフットサル部の彼女たちを見るととても安心する。 お菓子食べてダラダラして、足鍛えるために足でマンガ読んで、マンガとしての体裁整えるみたいにパンチラして……ほんとこういうのでいい!! 部活もゆるくギャグもゆるく、絵はとっても可愛く。 個性豊かな女の子たちがゆるゆる日常をおくったら。 これ以上何を求める?至高でしかないじゃないか。 対外試合もやってるけど、肝心のフットサルシーンがほぼなくて最高。この場合はこれが正解。夜泣きに疲弊する母親を救う物語 #1巻応援よなきごや かねもと兎来栄寿『伝説のお母さん』や『私の息子が異世界転生したっぽい』などで知られる、かねもとさんがTwitterやマイナビ子育てで発表していた作品です。 『What’s Home』なども含めて色々な形の「母親」を描いてきたかねもとさんですが、本作は我が子の「夜泣き」に悩まされる非常にリアルな現実世界の母親たちの姿が描かれます。1話完結のオムニバス形式で、それぞれのお話ごとに微妙に違った形で悩みを抱えている母親たち。 育児に協力的な夫もいれば、無関心・無意欲な夫もおり、酷いところは夜泣きに対して母親を責めたり怒ったり。たったひとりの夫にすら理解されず、たったひとりの子供に対しての愛情が薄れるばかりか憎しみすら芽生えてしまう、自分が自分でなくなるような恐ろしさ。 結婚して子供ができて幸せなはずなのに、同級生に誘われることもなくなり、SNSで楽しそうに遊ぶ友人たちを見て深める孤独感。 人生を賭して愛してきたアーティストの曲や、好きな小説、好きな食べ物、すべてが無味乾燥に感じてしまう瞬間。 疲れ果てて、眠りたいのに眠ることもできない終わりなきストレスの連続。 安らげる場所がない、笑えない、夜がくるのが怖い…… そんな迷える母親たちの救いの場所となるのが、正体不明の「よなきごや」。誰でも自由に入れて、赤ちゃんに必要なものから母親用のあたたかい飲み物や軽食まですべて無料、さらには防音の眠れる場所まで提供してくれる夢のようなスペースです。 何より、そこには自分と同じように悩み苦しむ他の母親がいて、自分の苦しみや辛さを分かち合い助け合うことができて、孤独な戦いから解放されていきます。 現実には難しいとは思いますが、こんな場所があればいいのにと心底思います。しかし、現実にはなかったとしてもこの物語が形として存在することには大きな意味があります。彼女たちが「よなきごや」によって救われる描写を通して、まさに今同じような窮状にある人も心が救われるでしょう。 すべての命の誕生は奇跡であり、その命を育んでいく営為もまた並大抵のことではありません。今夜も、世界のどこかで押し潰され限界を迎えてしまっている母親がいるのではないでしょうか。そういった人に、この物語の慰撫が届いて欲しいです。 また、父親も読んでおいて損はしません。男性には想像しにくい女性の辛さは多々ありますが、その想像力を補う一助になってくれる作品です。ダメな父親たちを反面教師にしていきましょう。<<12345>>
児童相談所に子供が保護されると親子といえども再び一緒に暮らせるようになるまで大変なんですね。でも児童相談所もそれが仕事ですし、その判断を間違えてはいけないので仕方ないですが、それって親側からしたら他人には言いたくない話だろうからリアルな体験が読めるのは貴重かもしれませんね。 https://note.com/shuho_sato/n/nbbe9ae0c0a6c 原作者のインタビューから察するに娘さんと離れて暮らすことになった原因はフィクションにしてあるみたいだけど、自分の不甲斐なさを悔やんでることや娘さんへの愛情は漫画からもとても伝わってきた。作品にすることに意味があったと思う。