人とのつながりと自分だけの時間と、睡眠時間。
なんと贅沢なものだったんだろう。
とくに睡眠時間。

伝説のお母さん」もそうだったけど、作者さんは子育てについて、ものすごく共感しかない漫画を描かれる方だなと思う。

寝る子寝ない子食べる子食べない子。
子供に悩まされる。
子供を産んで育てるという今までと違う生活になってしまったことにも、悩まされる。

作中に出てきたショップカードにある
「さみしくなったら来てください」
の文字が身に染みる。
さみしい気持ちは如何ともし難い。

ラジオ深夜便にお便りを送る方や、(旧)Twitterでつながる方。
さみしさを埋めるためにつながりを誰かと持って、やんややんやできると、さみしさはちょっと変わる。
子供の成長をそばで見てくれている人が、同調してくれたら、さらに良いと思う。

ちなみに、マイナビ子育てに掲載されている最新第8話は、他の子が卒業してもよなきごやに通う親子の話。
ひと安心できる話になりますように。

追記
第8話がフルページ公開され、ひと安心できました。
Xへのポストに、作者さんが書きたかったことが書けたとありました。

人とのつながりと自分だけの時間と、睡眠時間。
なんと贅沢なものだったんだろう。
とくに睡眠...
読みたい
よなきごや

夜泣きに疲弊する母親を救う物語 #1巻応援

よなきごや かねもと
兎来栄寿
兎来栄寿

『伝説のお母さん』や『私の息子が異世界転生したっぽい』などで知られる、かねもとさんがTwitterやマイナビ子育てで発表していた作品です。 『What’s Home』なども含めて色々な形の「母親」を描いてきたかねもとさんですが、本作は我が子の「夜泣き」に悩まされる非常にリアルな現実世界の母親たちの姿が描かれます。1話完結のオムニバス形式で、それぞれのお話ごとに微妙に違った形で悩みを抱えている母親たち。 育児に協力的な夫もいれば、無関心・無意欲な夫もおり、酷いところは夜泣きに対して母親を責めたり怒ったり。たったひとりの夫にすら理解されず、たったひとりの子供に対しての愛情が薄れるばかりか憎しみすら芽生えてしまう、自分が自分でなくなるような恐ろしさ。 結婚して子供ができて幸せなはずなのに、同級生に誘われることもなくなり、SNSで楽しそうに遊ぶ友人たちを見て深める孤独感。 人生を賭して愛してきたアーティストの曲や、好きな小説、好きな食べ物、すべてが無味乾燥に感じてしまう瞬間。 疲れ果てて、眠りたいのに眠ることもできない終わりなきストレスの連続。 安らげる場所がない、笑えない、夜がくるのが怖い…… そんな迷える母親たちの救いの場所となるのが、正体不明の「よなきごや」。誰でも自由に入れて、赤ちゃんに必要なものから母親用のあたたかい飲み物や軽食まですべて無料、さらには防音の眠れる場所まで提供してくれる夢のようなスペースです。 何より、そこには自分と同じように悩み苦しむ他の母親がいて、自分の苦しみや辛さを分かち合い助け合うことができて、孤独な戦いから解放されていきます。 現実には難しいとは思いますが、こんな場所があればいいのにと心底思います。しかし、現実にはなかったとしてもこの物語が形として存在することには大きな意味があります。彼女たちが「よなきごや」によって救われる描写を通して、まさに今同じような窮状にある人も心が救われるでしょう。 すべての命の誕生は奇跡であり、その命を育んでいく営為もまた並大抵のことではありません。今夜も、世界のどこかで押し潰され限界を迎えてしまっている母親がいるのではないでしょうか。そういった人に、この物語の慰撫が届いて欲しいです。 また、父親も読んでおいて損はしません。男性には想像しにくい女性の辛さは多々ありますが、その想像力を補う一助になってくれる作品です。ダメな父親たちを反面教師にしていきましょう。

ヤンキー君と白杖ガール

目からの情報過多な世の中

ヤンキー君と白杖ガール
ゆゆゆ
ゆゆゆ

登場するヤンキーは顔の傷がなくて、服の趣味が良ければ、ものすごく人が良くて純愛している好青年。 弱視の女の子に「ポエマー」と言われるほど、大好きなユキコさんの前では好青年。 一線を越えると黒豹に戻るようだけど、ユキコさん第一なので基本は好青年。 コミュニケーションお化けのようなユキコさんも、見えないからそう変わらざるを得なかったとあって、相当な苦労の上であの人となりができていて、結果が一話冒頭の白杖ケツアタックなんだなぁと思った。 コメディになる部分は、NHKの番組バリバラでみた、障害者コントを思い出させた。 障害は触れるのを避けるべきことでもなく、彼女たちには当たり前なことで、その中でのからかいや日常の楽しみ、苦労が興味深く描かれている。 もちろんコメディ要素だけでなく、しれっとヤングケアラーとなっているきょうだい児の話や、人は年を取ればいずれ見えなくなることが描かれていて、でも重たい話のはずがドロドロしておらず、あっという間に読み終えてしまった。 視力がオレサマはなるほどなと思ってしまった。 かき氷シロップはオレサマを感じさせてくれる食べ物。食品に絞ると、嗅覚が2番手のオレサマ。 ちなみに登場キャラクターのなかでは、高校生男子らしくムラムラ大好きな青野くんがとても好きだ。

ワタシってサバサバしてるから

広告で見たことがあるやつだ

ワタシってサバサバしてるから
ゆゆゆ
ゆゆゆ

主人公が「私ってサバサバしてるから〜」っていうタイプの人間でした。 「みんな私のこと「かわいい」って言ってくれるけど本命にはしてくれないね?」で知ったのですが、主人公を「うわー何こいつ」って言いたくなるキャラクター(悪役)にして、当人が落ちていくさまを眺めるジャンルっていうのがあるんですね。 身近にいたら、さりげなくフェードアウトしたくなるタイプの性格ですが、「女の敵は女」というあたりはリアルです。 そして、男の中で生きようとしているわけでなく、同性と仲良くするわけでなく、人がいっぱいいるところに飛び込んでいるのに、孤高です。 読んでいて、どうしてそういう考えに?と思ってしまい、主人公なのについていけません。 本編を悪役サイドで見ている気持ちです。 とはいえ、ライバル視されている本田さんが主人公だと、「私ってメンタル強めだから〜」と、メンタルの強さを過剰に見せつけてくるキャラクターに改変されてしまいそうで、そんな本田さんは見たくないなと思ってしまいます。 よくよく考えれば、周囲がこれほどひいた反応を取っていてもへこたれず、ゴーイングマイウェイでいられる主人公の網浜奈美は非常にメンタルが強いです。 ビジュアルが本田さんと主人公が入れ替わっていたら、どんな感想になっていたんでしょう。

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか

殴るためのお肉

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか
ゆゆゆ
ゆゆゆ

このタイトルで、この絵柄で、いわば北斗の拳。 いや、くにおくんかもしれません。 陰湿なイジメが繰り広げられる恋愛モノかと思えば、メリケンサックが出てくるタイプの恋愛モノでした。 メリケンサックと恋愛モノって、同時に存在しうるんですね。 「パワー・アントワネット」と違い、ムキムキでもなく、筋肉でもなく。 公爵令嬢として腐った世の中を正すため、いや殴りたいから主人公は暴力をふるいます。 ストッパーが無くなった彼女は強いです。 ターゲットの名前がいつの間にか「肉」呼ばわりになっていて、こうやって人でないから殴ってよしと正当化するのかなとチラと思えば、その肉がことごとく、言い訳できないレベルの悪役たちで、世直しのためには、殴っとこうかという気持ちを読者に湧き立てさせます。 そして、時の女神の力を借りて、倍速やらなんやらブーストさせて、「ボンボコボンボコ」殴って蹴って。 暴力シーン(連続)もこのきれいな絵柄のママ繰り広げられ、「創竜伝」の龍堂兄弟のようなめちゃくちゃな振る舞いも、このきれいな絵柄のママ繰り広げられます。 とりあえず公爵令嬢なので、一線は越えていないそうです。不殺です。 すべて峰打ちなので大丈夫らしいです。さすがです。 暴力で解決はよくないけれど、早いんだということはよくわかります。

異世界で 上前はねて 生きていく~再生魔法使いのゆるふわ人材派遣生活~(コミック)

みんな良い人

異世界で 上前はねて 生きていく~再生魔法使いのゆるふわ人材派遣生活~(コミック)
ゆゆゆ
ゆゆゆ

再生魔法って、響きからしてチートな魔法なのに不遇らしい。 いやいや…と思うけども、そういう文化だからと言われたら、仕方ないのかなと思えなくもない。 ・魔法を使えるのは基本的に貴族。 ・男は攻撃魔法を使えてこそ! このルールに外れた場合、とてつもなく不遇らしい。 たまにいる、平民で魔法が使える人でも、男で攻撃魔法が使えない場合は、就職先すら危ういようだ。 世知辛い世界。 主人公はそんな偏見も酷い中、再生魔法を趣味のように研究し、あれやこれや発明。 病気や怪我などで働けなくなった奴隷を魔法で再生して、衣食住を手厚く保障して働かせて、お金をウハウハ稼いでいる。 劇場を建てる資金確保といいながら、気がついたら事業拡大して、結婚して、奴隷だらけのプール遊びや運動会。なんだか日々が充実している。 裏切りや悲劇も起こらないので、とても安心。 ちなみに、男は攻撃魔法至上のようにあったけど、出会う奴隷という奴隷、学校内は同級生と先生以外は女なので、前提の「男は黙って攻撃魔法」のような考えがあることを忘れてしまう。 主人公はそれだけ、世界の仕組みとは別枠の仕組みを作り上げたということだろうか。

本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい
ゾンビ来ないオブザデッド

ゾンビ来ないオブザデッド

「すぐにゾンビにやられるぞ」自分の道を見失い、田舎の祖母の家へとやってきた一希。彼女が出会ったのは、この世界にゾンビがいると思い込み、山籠もりをして暮らす青年・七生で…!?明らかに妄想。誰もがそう思っている。けれど七生の考えや生活が、一希に影響を与えていく。果たしてゾンビは来るのか、来ないのか?

私の息子が異世界転生したっぽい フルver.

私の息子が異世界転生したっぽい フルver.

息子を失った母と同級生、喪失と愛情の物語「異世界に行った息子と会う方法を教えてほしい」 17年ぶりに再会した同級生からの依頼でオタク陰キャな会社員・堂原の非日常な日々が始まった! 最愛の子を失くすということ。この世界で最も大きな喪失感と向き合う物語。【ご推薦の声!】「美央の探求心と行動力を、私は現実逃避だとは思いません。かけがえのない大切な人を喪った時、もう二度と会えないかもしれないけれどきっとどこかで生きていると考えるのは自然なことではないでしょうか。美央が大我への思いを健やかに手放し、堂原が自分自身を取り戻すまで、じっくり時間をかけて欲しい。もっと二人の物語の続きが見たいです」ジェーン・スー(コラムニスト)「異世界モノの意味、考えたことある? 異世界モノが単に空虚なものであったら、世界中になぜこんなにも広がっているのでしょうか。息子を亡くす、というこの世で最大の不幸に見舞われた母がライトノベルにその意味を見出そうとする。この母の前に登場するのが慎ましく生きる一人のオタク。オタクは、人を救うことができる聖職者なのかもしれません」 吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)

伝説のお母さん

伝説のお母さん

ファンタジーなのにリアル!Twitterで話題の作品が書籍化!!その昔、勇者とともに魔王を封印した伝説の魔法使いがいた。平和を取り戻した世界で彼女は、待機児童を抱えるお母さんとなっていた!! 魔王が復活した今、彼女は魔王討伐の戦いへ向かうため、保活を始め、夫に家事育児を教え、定時上がりで戦いに参加する!

伝説のお母さん

伝説のお母さん

伝説の一行が封印したはずの魔王が復活… しかし、そのなかの1人である「伝説の魔法使い」は赤ちゃんを抱えるお母さんになっていた! 城下町は保活の激戦区! 我が子は待機児童! 非協力的な夫! 母親とはどうあるべきか。女の一生とは。ファンタジーの世界の人間も苦悩する、結婚と出産、そして仕事。数々の壁にぶつかりながら、果たして彼女は旅立てるのか?

赤ちゃんを泣かせていい場所にコメントする