部長と2LDK

上司と部下のドタバタ二人生活! #1巻応援

部長と2LDK おりはらさちこ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

女性二人の同居を描く本作ですが、この二人の関係は、職場の「上司と部下」。しかも立場にかなり隔たりがあります。 ●三十代にして部長を任される、頼れるけれど真面目で堅い東(あずま)さん ●新入社員の明るくゆるふわな西さん どう見ても性格が正反対の二人が、たまたま同居する事に。険悪にならないの?と心配になりますが、実はこの二人、共通点があります。それは…… 生活力が、無い。 驚く程何もできない二人が一緒に住むと、0からじゃなくてマイナスからのスタートになるんですね。最初は結構、酷い日々。 でもそこから、協力しながら生活を共にし、上司の東さんが引っ張るようでいて部下の西さんがいろいろ教えたり、そのうち二人には連帯感が生まれ……。失敗ばかりの日々も、冒険じみていて楽しそう! 西さんのキャラクターが本当に素敵です。普通「部長」に、あんなにフレンドリーに出来ませんよ……「ぶちょー♡」って甘える女子新しいな……。その明るさで、ちょっとぼっちを拗らせ気味の東さんは救われている。 笑いも温かさも沢山の、二人のドタバタ生活は始まったばかり!

極道めし

美味しいとこだけ見えないから美味しい漫画

極道めし 土山しげる 大西祥平
野愛
野愛

今まで食べた中で一番うまい飯の話を語り、思わず唾を飲みこんだ人が多ければ多いほど勝ち。 今そこに飯があるわけじゃないからこそ面白い、それを漫画でやるのがこれまた面白い。 落語とか怪談とか民話とか、語りの良さってやっぱり語りにあると思うんです。語られてる事象や世界はそこに存在しなくて、でも語り口であったり表情だったりがその世界に引き入れてくれる。想像の余地があるからこそ面白い。 漫画は絵と文字だからある意味想像の余地がない…美味しそうな料理も、それを食べたときの表情も、見た瞬間にわかる。 でも、味は想像するしかないんですよねえ…。 想像の余地がないって言ったけど、いっちばん知りたくて知りたくて仕方ないところだけ想像するしかないっていうのがたまらなく面白い。 さらに、語りにおいて重要な声も聞くことができない。唾を飲みこむ音ももちろん聞こえない。 凄いなあ。漫画的面白さ詰め込んでるなあ。 料理における味、語りにおける音、この2つがわからないから余計に面白いんだなあ…。 なんてことを考えてもう一周読んだら面白かったです。漫画って面白いですね。

ラストメンヘラー

17歳を過ぎてもなお

ラストメンヘラー 天野しゅにんた 伊瀬勝良
野愛
野愛

わたしたちは「あなたにはわからない」と「あなただけはわかるはず」の狭間で生きている。 なんて言うと、ちょっと主語が大きすぎるかもしれないけれど。 わかってほしいとわからないでしょうを揺れ動きながら、世界に折り合いをつけて騙し騙し生きている。わかんないけど、多かれ少なかれみんなそうでしょう?だから、こういう作品に心動かされてしまうんでしょう? 少なくとも、わたしはそうです。 心に闇を抱えたリストカット常習者の五十嵐と、彼女に恋するあまりとある嘘をついて理解者のふりをする要の物語。 恋愛物語とかメンヘラのお話とかカテゴライズしてしまうのがもったいないくらいに、純粋で剥き出しで痛々しくて、人と人の関わり合いにおける大切なものがこれでもかというくらい詰まった作品だと思う。 肌と肌を触れ合わせるだけで伝わることもあるし、言葉を尽くしても伝わらないこともある。どんなに近づいても、好きで好きで仕方なくてもわたしとあなたの間には隔りがあるのだ。だからこそ、実際に理解してくれているか理解しているかはさておいて、手を取ってくれる人がいることが幸せなんだ。 不確かな「わかるよ」よりも、確かな「わかりたいんだ」のほうが暖かいんじゃないか、そんなことを思った。 わかっているけど、わかんなくなっちゃうことに気づかせてくれた作品でした。

さぁ、ラブの時間です!

脇役の女と結婚しちゃう珍しいラブコメ

さぁ、ラブの時間です! 上杉可南子
名無し

ちょっとタイトルが恥ずかしいと思いながら読んだのですが面白かったです。駆け出しライターの小川瑞木が女性にトラウマがあるイケメン官僚の酒盛はじめと出会い、ひょんなことから恋愛指南するという形で物語は始まります。最初から瑞木にだけは酒盛の身体も拒否反応が起きないので早々にそういう関係になったし、大体こういう漫画って主人公とイケメンが付き合うんでしょ〜?と思ってたら、全然違ったのでビックリしました。なんと酒盛が違う女と結婚しちゃうんです!だから物語の大半がお互い好きなのに不倫未満みたいな関係なんですよね…。しかも妻の他にも悪い女が出てきて簡単に騙されちゃうし、主役と付き合うべきイケメンがガンガン他の女と寝ちゃう、新感覚ネトラレ?な漫画でした。プライドの高い男が気の強い女にタジタジになる関係が面白くて、酒盛と瑞木のカップルがとても好きだったので、2人のイチャイチャが少ないことで物足りなさは正直ありますが、でもそれ以上に人間の弱みを魅力として描くのがとても上手いのでライバルキャラの成長も楽しくて、途中で読むのを辞めようとは思わなかったです。