双葉社マンガの感想・レビュー930件<<2627282930>>堂々と叩け! お嬢様は和太鼓で変わる!和太鼓ガールズ すたひろあうしぃ@カワイイマンガ生の「一音」で持っていかれる音楽体験は、長い人生でも得難い貴重な体験である。それはバッハのゴルドベルグ変奏曲の一音目であったり、テクノの一発目のキックだったり人それぞれだろうが、その経験は時に人を狂わせ、時に人を救う。 『和太鼓ガールズ』の主人公・ミッション系お嬢様学校に通う環は、和太鼓の強烈な「一音」に、人生を変えられる。 それまで品行方正に、そつなく八方美人に己を作り上げてきた環は、言葉を失ったシスター姿の上級生・マリアの放つ和太鼓の響きに、心を奪われる。 初めて感じた音楽の喜びのために、少しずつ思い切って自分を変えていく物語は、解放の喜びに満ちている。 この物語のメッセージは、添付の画像に込められているだろう。何かの為に、照れず・恐れず・自分を曝け出す。その先に新たな光景が待っている!和太鼓の為に変化した環が獲得した真の聖性は、周囲も、私達をも魅了する。 描き込まれた圧の強い画面は、和太鼓が常に鳴っているような迫力と熱気、昂る感情と和太鼓部設立を巡るドタバタコメディが凝縮されていて楽しい。 ♫♫♫♫♫ マリアの物語や、周辺人物との関係などまだまだ描ける内容はあったと思われる。現在(2020年7月)作者のすたひろ先生によってkindleで、『和太鼓†ガールズ~改訂版~』が始まっている。 作品ページはこちら https://manba.co.jp/boards/121523 1巻は旧作の大幅な改訂だが、ニコニコ静画で一部見た限りでは、かなり人物の感情描写にリアリティを増している。果たして2巻より先の物語は描かれるのか……? そして2020年秋には実写映画化とのことで、この機会に色々チェックしてみると良いかも知れない。ピノ読んだ感想ピノ:PINO 村上たかし名無しさすが村上たかし、こういう話ずるいのに描ききりますね…。 ロボットは心をもつ持たない論は度々やってる気がしますが傍にいる人間、そして話を読んでいる自分ら人間が一番心揺さぶられます。 特にピノが物理攻撃されて泣いてるわけじゃないのに目からオイル流してるのがずるいです。ずるい演出です…。世良田波波さんの漫画がついに世界に羽ばたいた!!西岸良平名作集 西岸良平影絵が趣味めでたい! なんと目出鯛ことでしょう! 世良田波波さんの漫画がついに世界に羽ばたきました! 世良田波波ってだれ? って人は、いますぐツイッターの世良田さんのアカウントまでいって『きみは、ぼくの東京だったな』という14Pの漫画を読みましょう! 読んでいただければ、どうして西岸良平の短編集に、このことを買いているのかが何となくわかっていただけるかと思います。 世良田さんは無名ながらアックスで細々と活動を続けておられて、もう7、8年になるでしょうか。寡作ながらコツコツと息の長い作家さんで、まだ単行本は出ていません。おそらく今回の件をきっかけに、まずはアックスへの仁義を立てて、青林工藝舎から過去作を集めた初の短編集がでるような気がします。そのあとは、やっぱりトーチでしょうか。まあ、筋金入りの寡作家なので、また沈黙してしまうかもしれません。でも、とにかく、こんなに目出鯛ことはありません。 久しぶりに世良田さんの漫画を読んだら、西岸良平の漫画を思い出しました。比較的最近では『岡崎に捧ぐ』の山本さほなどもそうですが、極端にデフォルメ化された人物が特徴的ですよね。そして特に世良田さんと西岸を結びつけるのは背景への眼差しだと思います。背景への優しい眼差しがあるような気がするんです。お二人とも、背景を人物と同程度に描き込む。背景と人物のタッチがまったく同じなんです。それ故に人物は背景に溶け込んで、背景はただ背景にとどまらず、パースや遠近感を捨てて、コマの平面上に殺到しようとしてくる。背景が後方に逃げていくのではなくて、コマの前面にわらわらと押し寄せてくるのです。語弊を恐れずに言えば、小学生の夏休みの宿題の絵のような気合いの入り様とでも言いますか、おもちゃ箱をひっくり返したようなゴチャゴチャした手触り感覚を平面であるところの漫画に憶えるんですね。これは凄いことだと思います。 今回、世良田さんの短編が深い共感を呼んでいるのは、この背景への優しい眼差しがあるからなのかもしれません。だって、この背景の街々は、私たちが暮らしている街でもあるんですから。あるいは西岸良平の背景に感じる郷愁もそうです。みんな、いっせいに盛り上がれ! このコマの前面に!八王子のヤンキー工業高校生4人組が異世界へ!! #1巻応援異世界ヤンキー八王子 奥嶋ひろまさたか※ネタバレを含むクチコミです。 100○○○○○ワニかな?薄命少女 あらい・まりこ漫画を読む女S※ネタバレを含むクチコミです。曜日ごとに人格が入れ替わる「七曜人格症候群」とは…七曜人格症候群 七清水くらげ名無し※ネタバレを含むクチコミです。戦士に愛を…戦士に愛を 三浦秀雄名無し人造人(じんぞうじん)という戦争のために人が作り上げた人造人間が主人公。人間に迫害され対立しているディストピア感あふれる世界で、主人公は生きるために人間側の兵士として、戦い続けるというストーリーです。人造人間からの視点などはブレードランナーやターミネーターを彷彿とさせます。人造人、機械兵、再活性化などの難しい世界観と荒削りな作画ですが、戦場の臨場感は抜群で先の展開が気になる面白さがあります。ちなみに、巻数が14巻となってますが、実質は4.5巻くらいのボリュームです。3巻まではコミックスが出ていて、途中から分冊による販売に移行したためだと思われます。 面白くて四話読みました!迷走戦士・永田カビ 永田カビ名無し面白いですね、早く単行本にしてほしい! この人思ったことをそのまま言語化して漫画にしてしまう稀有な天才だと思っています。自分が考えていることをそのまま紙にかけちゃう。 すごい大胆なことをするのに人間が怖い!となっちゃう作者になんか好きだなと思ってしまいます。共感してしまいます。 誰でも人間は他人が怖いので! この一人で悩まれてたり試行錯誤したりされてるとこが、共感したり(または しなかったり)するのでこれはいいエッセイ本だと思います! 田舎で繰り広げるおねロリSMプレイなきごえ聞かせて? かなでさん ななつ藤名無し真夏のど田舎一軒家で二人でなにをパンパンしてるんですか!! SMコメディと謳ってるだけあって、笑えます。 人妻のかなでさんはともかく、ゆず季ちゃんの将来が心配だ絶対に結末を知らずに読まないとダメ薄命少女 あらい・まりこnyae本作の主人公である佳苗が宣告された余命は1年。本来は父親ただひとりが知る事実のはずなんだけど、うっかりミスで速攻佳苗に知られてしまいます。 常に佳苗の「死」がつきまといながらも、余命をネタにしたくだらないブラックユーモアやダジャレで笑いながら読める異色の4コマ漫画です。 中盤までにかけては余命を意識しながらもいつもどおりの生活を送る努力をしている様子が描かれますが、もしかしたら手術をして生き延びる可能性があるかもという展開からの流れが怒涛も怒涛で頭が追っつきません。"駆け抜ける"とはまさにこういうときに使うんだと思いました。 絶対に結末を知らない状態で読まないとダメです。あと、ここで見ると表紙の佳苗が持つ遺影は真っ白だけど、紙版だとある仕掛けが施してあるので、気になる人は確認してみるといいです。 神様は何もしてくれない奈落の羊 きづきあきら サトウナンキ野愛人に見つけてもらう、気づいてもらうことの喜びで人は生きている。それが幸か不幸はわからない。 昔は人気者だった配信者しゅーじが、売春でなんとか食い繋いでいるメイと出会うところから物語が始まる。 メイを利用して過激な企画で注目を集めるしゅーじだが、ヤクザや売春組織が絡み事件に巻き込まれていく。 命の危険に晒されても、人間としての尊厳を失っても、しゅーじとメイなら見つけてもらえないよりはマシだと言うんだろうな…恐ろしい。 2人の境遇にはかなり差があるけれど、根底にある部分が似ていたから妙な絆が生まれたのかもしれない。 しゅーじは浅はかだしクズだし、メイはかわいそうではあるものの自己評価が低すぎて見ていてイライラしてしまう。共感なんかひとつもできないけれど、救われてほしいだなんて勝手に思ってしまう。しゅーじの配信にコメントする人達と同じくらいの感覚。 最終話は無理矢理感もあるけれど、まあそうだよなと納得はできた。ギリギリ救いはあったかなあ、くらい。 そう簡単に元通りとはならないし、みんながみんな更生できるわけでもないし、もどかしいけどいい方向に進めばいいねくらいが現実的。 神様みたい、という言葉が印象的だった。#1巻応援 空日屋感想!空日屋 とりのなん子名無しタイムリープものでそれぞれ登場人物が変わる短編集って感じです。 一日だけ未来に行けて、柏手を打ったら戻ってこれる、自分と遭遇したら対消滅 する。この法則を千差万別それぞれの人間たちが使ったり体験したりします! 毎話「なるほどな…」と唸ってしまいます!うまい! 未来に飛ぶ人間が何をするか、こうも違うのかと…。 読んだ感じ死役所に似ているかも。 いや、ドラマでやってる素敵な選taxiにも似てるかも。 毎話予想外のオチにいくのがすごいなと思ったので一巻応援です!とにかくグランマがカッコいい。グランマの憂鬱 高口里純Pom グランマ、すごくかっこいい! 言葉一つが、深くて重くて響きます。 まだまだグランマの言葉を聞きたい。 喝入れて欲しい!笑 孫の亜子ちゃんも可愛いし、亜子ちゃんママもおっとりしてて素敵。 どっしり構えるグランマの側にいることで、成長していく亜子ちゃんにも、注目かもです。面白い。 じわじわとハマるあなたがしてくれなくても ハルノ晴名無しセックスレスの夫婦がお互いにすれ違っていき、ついには不倫にまで発展していく。そんな物語。 主人公・妻のみちが最初は健気でかわいいのですが、夫に夜の営みを拒否され続け、どんどん悩み傷ついていく様は胸が痛みます。その後同じセックスレスの悩みを抱える同僚と仲良くなり、好きになってしまうみちの心情や葛藤をとても丁寧に描かれており、男目線でも分かるなぁと思えるものがありました。自分が主人公だったら果たして、どう思ったのだろうか。どう行動したのだろうか。気付いたらハマってしまったマンガでした。いいマンガだったみちのくに みちつくる しまたけひとstarstarstarstar_borderstar_borderマンガトリツカレ男このマンガを読む前に全く前情報がなく、「アルキヘンロズカン」や「敗走記 関ヶ原~大阪「島津の退き口」を辿る」の作者でこの表紙だからまた「歩く」マンガかなと思ってた確かに歩くマンガだったが、いままでと違った歩くマンガだった。 「みちのく潮風トレイル」の「道」を辿りながら2013年ぐらいの被災地の状況などが書いてある。 このマンガで「みちのく潮風トレイル」の存在を知ったが一般的に知られているものなのかな http://tohoku.env.go.jp/mct/ 将棋と記憶とミステリー盤上の詰みと罰 松本渚なかやまある対局をきっかけに、1ヶ月毎に記憶を失ってしまうようになった主人公 霧島都 当時女子高生だった彼女は、5年間 1ヶ月しか持たない記憶と5年前の棋力で、その対局相手を探し出すために、今日も全国を旅するのだった 全2巻でキレイにまとまっている作品 結果的に「俺強えー」作品ではあるのですが、軸足を記憶・対局相手の捜索に置いているので違和感なく読めます。 特に後半の相手がわかりそうで分からない、ザリっとした気持ち悪さが、読了後の気持ちを引き立てます。 とんでもないハンディを背負っている主人公が純粋に対局をしているシーンは読んでいてもコチラが元気をもらいますし、周りのサポートも良い。悪い人がいないんですよね。 唯一の敵は例の対局相手 将棋は分からなくても大丈夫、謎解き要素がある訳ではないのですが、短く何かの謎と立ち向かってみたい人にオススメです 壮大な赤羽サーガ、ひとりの男の人生譚ウヒョッ!東京都北区赤羽 清野とおる野愛ゲラゲラ笑って読んだ東京都北区赤羽からさらに進んで、これはもはや壮大な赤羽サーガと言えるでしょう。 ペイティさんや赤澤さん、ちからのご夫婦などおなじみの赤羽人はもちろん、GOING UNDER GROUNDにGLAYにスチャダラ、山田孝之など錚々たる顔触れが赤羽に登場します。 これは赤羽の磁場のせいなのか、清野先生の人間力のおかげなのか。 赤羽で穏やかに過ごそうと思えばきっと過ごすことはできるはず。でもそれをしなかった清野先生と、清野先生にそれをさせなかった赤羽の巨大な力(幸福地蔵とか自由の女神とかペイティさんとか?)が働いたとしか思えません。 中上健次でいうところの「路地」が清野先生にとっては赤羽だったんだな、というのがこの作品群を読むとわかります。赤羽という地が創作の力を与え、赤羽という血がその体に流れているからこそ今の清野先生があるのだと感じました。 最終巻を読めば、この赤羽サーガは清野先生が人として漫画家として一歩前に進むためのイニシエーションを記録したというものであるということがひしひしと伝わるはずです。 とりあえずワニダに行ってみたいです。でも怖いのですしざんまいに行きたいです。事実ベースだからなの…日本の妻たちに、不倫する理由を聞いてみた! ふじじゅん MARCOTaico事実ベースだからなのかとてもリアリティがあって、勉強になります!すれ違う理由とか心理背景とか納得いくこと多々でした!博多文化が面白い。博多っ子純情 長谷川法世名無し福岡在住なのに、長谷川法世さんの作品を初めて読みました。今では聞き慣れないような博多弁や、ご近所文化。福岡博多の一大行事の山笠も、場末の雰囲気も博多づくしですが今では様変わりしたなあ、と。男子中学生のアホ可愛さも満載です(笑) 観光に訪れる前に読んでみてもらいたいなあ。 王様ゲームの原点にあたる話王様ゲーム 起源 金沢伸明 山田J太名無し『王様ゲーム』シリーズの起源となった話のコミック版です。『王様ゲーム』本編よりも数十年前、1977年を舞台に、『臨場』の本多奈津子の父親・本田一成が主人公です。 とてもきれいな絵柄なので、ホラーでも読んでいてつらくなく、シリーズ一気読みしてしまいました。サスペンスやミステリーが好きな方にもお勧めしたいです。丸太振り回す系異世界漫画神眼の勇者(コミック) 白瀬岬 ファースト 晃田ヒカ名無し「みんな丸太は持ったな!!行くぞォ!」でお馴染み【彼岸島】の丸太を武器にするネタに乗っかった、丸太推しのなろう系漫画です。中身はわりと正統派でネタっぽくはなってないです。ヒロイン達との出会いや主人公が活躍するまで展開が速いのでテンポ良く読めます。個人的には赤ん坊が苦手ですが概ね面白いかった。特筆できるストーリー展開って感じでは無いですが、なろう系が好きならハマると思います。ほとんど絵が動かない受付嬢たちの斬新な漫画受付の白雪さん 吉沢緑時名無し受付嬢のギャグマンガということで興味を持って読み始めました。 最初に思ったのは、この漫画「キャラがほとんど動かない!」ということです。 主人公の白石さんなんて見開き2ページ合計16コマ全て正面向いて表情も同じという斬新さがすごかったです。 それでも、受付のテーブルの奥(正面からは見えない)ではわさび入りシュークリームを相方の受付嬢と食べあったり、空気椅子大会をしたり、あげくにはラジコンで遊んでたりと常に何かで遊んでいてほとんど動かないのに面白い展開がたくさんあってさくっと読めました。 雨の日に「人殺しの履歴」が見える少年の話天泣のキルロガー 菅原敬太 井上菜摘名無し※ネタバレを含むクチコミです。寄生生物パニックものオキテネムル 連打一人名無し寄生生物が登場するところから物語が始まります。序盤の雰囲気は寄生獣に近い印象を受けました。 作者の画力が高く「いわゆる気持ち悪いキャラ」(キリン男や蛇女等)が多く登場するのですが「気持ち悪いキャラを凄く気持ち悪い」と感じさせてくれます。 ストーリーは序盤から面白く、どんどん次が気になる展開で、画、話ともにレベルが高く、パニックものが好きな人におすすめ出来る作品だと思います。<<2627282930>>
生の「一音」で持っていかれる音楽体験は、長い人生でも得難い貴重な体験である。それはバッハのゴルドベルグ変奏曲の一音目であったり、テクノの一発目のキックだったり人それぞれだろうが、その経験は時に人を狂わせ、時に人を救う。 『和太鼓ガールズ』の主人公・ミッション系お嬢様学校に通う環は、和太鼓の強烈な「一音」に、人生を変えられる。 それまで品行方正に、そつなく八方美人に己を作り上げてきた環は、言葉を失ったシスター姿の上級生・マリアの放つ和太鼓の響きに、心を奪われる。 初めて感じた音楽の喜びのために、少しずつ思い切って自分を変えていく物語は、解放の喜びに満ちている。 この物語のメッセージは、添付の画像に込められているだろう。何かの為に、照れず・恐れず・自分を曝け出す。その先に新たな光景が待っている!和太鼓の為に変化した環が獲得した真の聖性は、周囲も、私達をも魅了する。 描き込まれた圧の強い画面は、和太鼓が常に鳴っているような迫力と熱気、昂る感情と和太鼓部設立を巡るドタバタコメディが凝縮されていて楽しい。 ♫♫♫♫♫ マリアの物語や、周辺人物との関係などまだまだ描ける内容はあったと思われる。現在(2020年7月)作者のすたひろ先生によってkindleで、『和太鼓†ガールズ~改訂版~』が始まっている。 作品ページはこちら https://manba.co.jp/boards/121523 1巻は旧作の大幅な改訂だが、ニコニコ静画で一部見た限りでは、かなり人物の感情描写にリアリティを増している。果たして2巻より先の物語は描かれるのか……? そして2020年秋には実写映画化とのことで、この機会に色々チェックしてみると良いかも知れない。