双葉社マンガの感想・レビュー930件<<2425262728>>生命力を感じる漫画トモちゃんはすごいブス 森下裕美nyaeすごいタイトルですけど、1巻表紙の女の子は本作の主人公・チコちゃんで、4巻の表紙にいるのがトモちゃんです。 どうしてこのタイトルにしたのかは、はっきり描かれてません。ただひとつ言えることは、トモちゃんの見た目は個性的だけど中身は優しさで満ちている。もしもトモちゃんがチコちゃんのところに来なかったら、チコちゃんは、車谷は、陽介先生は、アントニオ、アンソニー、ジュンユ、ミミちゃん、鯛造くん、みんなどうなっていたろうかと考えてしまう。心に澱を溜めたまま、死んだように生きるか、生きるのをやめていたか。どちらかのような気がする。 でもトモちゃんがみんなを幸せにしたのではなく、何かのきっかけで動いたものがいろんなところにぶつかって、欠けたりひび割れたりしながらも、本来の輝きを取り戻きていく、という話なのかなー、と書いてて思いました。めちゃくちゃ可愛い小さな猫のものがたりこびとねこ 相原コージstarstarstarstarstarひさぴよ親指ほどの小さな小さな猫が自然の中でほのぼのと暮らす漫画。セリフのない4コマ漫画で、どこか絵本のような雰囲気が漂っている作品です。 小さい生き物ってやたらと可愛く見えてしまうものですが、元から可愛い生き物がちっこくなると、これはもう反則級のカワイさになります。 小さな目に映る世界は、不思議と広い世界にいるかのように感じて、たくさんの動植物と出会いがあり、読んでいて飽きません。大人だけでなく、小さな子どもが読んでも楽しめる作品ではないでしょうか。なによりも自由奔放に生きるねこの暮らしを眺めているだけで、誰もがほっこりとした気持ちになってしまうと思うのです。 補足:「ふたまん」というサイトで連載されていましたが今でも全話が公開されてます。試し読みするのにどうぞ。 https://futabanet.jp/list/futaman/tag/%E3%81%93%E3%81%B3%E3%81%A8%E3%81%AD%E3%81%93森下裕美作品でも名作中の名作だと思う大阪ハムレット 森下裕美starstarstarstarstarnyaeマンバのオンライン読書会をきっかけに久しぶり読みたくなって読みました。こんな名作がKindle Unlimitedで全巻読めるとかどうなってるんだ。何回でも読める。何回読んでも泣く。毎話、よくこんな話が描けるなと感心してしまう完成度の高さ。 アシベのようなギャグ調は封印してると言っていいと思います。ただ人間くさい可笑しさはたくさんある。 しかし、刊行時期が4巻と5巻の間が数年空いてるんですが、今回読み返してみたら実は5巻だけ読んでなかったことに気づきました。忘れてた。春の風のようなカタストロフ隣町のカタストロフ 菅原敬太野愛パニックホラーは無慈悲であればあるほど面白いと思うのです。ある日突然、町の天地が入れ替わります。何の理由も兆しもなく、とんでもない事態が起こるのです。 失ったものを取り戻そうとしたり、現実から目を背けたり、自分に都合のよい世界を作り出そうとしたり、緊急事態の中ではみんな剥き出しの姿になります。 自分ならどうするかなあ、と考えながら読んじゃいます。 この地変天異をどうにか解決しようとする涼晴のように、主人公として生きることはできないだろうなあ。 そして最強アイドル・まほりんのように突き進むことももちろんできないでしょう。まほりんのキャラクターはとてもよいですね。アイドルとしても人間としても推せないけれど、漫画のキャラクターとしては最高です。ネタバレ回避のため詳しくは言えないけれど…!! 地変天異には何の理由もない、と言っておきながら実はそうでもなかったり。すべてが明かされたあとのラストシーンが秀逸です。ほんのひとさじのリアルさが最高のカタストロフを生み出してます。 SMの良さを知ったなきごえ聞かせて? かなでさん ななつ藤yrskSMのMは満足のM!! むっちりお姉さんの奏さんが最初は快楽を感じている自分に戸惑いながらも、だんだんもっと気持ちよくなりたいと年下の女の子にねだる様がとてもえっちでした。あまりSMは好んでいませんでしたが二人が幸せならもうそれでいいです。おねロリだけど精神的にはロリおね。 コメディなので軽く読めますが、プレイはしっかり描いているので背後注意です。同居百合※付き合ってない部長と2LDK おりはらさちこyrskこういうの大~好き!!普段は厳しい東部長と天然朗らかな菜々が、お互いメリットがあるからという理由で同居を始めます。 家の話を周囲にばれないようにこっそりしたり、必要なものを買いに行ったり…二人が一緒に生活を作り上げていく様子がとても可愛い!!菜々と暮らしはじめて変わっていく部長の姿も注目ポイント。 この後の展開で二人の関係性が何か進展するのか気になります!信頼できる百合オタク百合オタに百合はご法度です!? U-temoyrsk面白すぎる!!!!!!!!!!webで読める範囲まで全て読み、単行本購入も決めました。ちょっとでも気になった人はこのコメント閉じて今すぐ試し読みページに行って下さい。 ………読んだ方はこの作品の「良さ」がわかってくれたかと思いますが、敢えて言うならメタ的面白さ、わかる~!の多さ、あるあるネタの羅列ではなくきちんとストーリーが進んでいくところ、渡辺が百合オタクとして圧倒的に信頼できるところです。推花女学園はお前に託したぞ!!! 連弾拒否のネタとか最高でしたね。生きてる限り連載継続してほしい。 百合の玄関マット作品GIRL FRIENDS 森永みるくyrsk言わずと知れた有名作品。百合好きを名乗るなら必読です。※入門編的な意味で玄関マット作品という言い方があるらしいですね。まさにそんな作品です。 地味目な女の子と派手なギャル系の女の子、それぞれの隠れた可愛いところを見つけ仲を深め、いつしか友情を超えた感情に………! 決まったパターンといってしまえばそれまでですが、森永みるく先生はギャルと地味女子恋愛の専門店(と勝手に思っている)のでそこが良い、安心の展開です。 主人公二人が友人たちと一緒に高校生活を送っているだけで癒されます。学校行事と王道百合イベント、最高………。3巻簡潔でちょうど良い地球侵略少女アスカ 伊藤伸平yrsk1話ためし読みで百合センサーが反応したので一気に購入。 しっとり感情的………ではないですが、SF好きやギャグ多めが良い方は好きだと思います。登場人物は当然のように女性ばかりでラブの矢印も女性キャラのなかで回っているので総合女の子いっぱいここが花園か………という感じ。 最終巻のあたりは時事ネタも入っているので気になる方は早めに読むことをおすすめします。人外好きでもそうでなくても人間のいない国 岩飛猫yrskTwitterで見かけて1巻購入。 人間の女の子がゴーレムばかりの世界で自分は何者なのかを追っていく話です。話さず目しか動かなくても不思議と感情豊かなゴーレムに人外好きの方もそうでない方もきっとはまることでしょう。 表紙に出てくるゴーレムのほかに新たなキャラクターも登場し、この先の展開がとても楽しみです! 今こそ考えたい人種差別問題ある奴隷少女に起こった出来事 あらい・まりこ ハリエット・A・ジェイコブズ兎来栄寿元来、奴隷問題に関する歴史的な資料や記述は大半が奴隷を扱う側の視点に立ったものでした。そもそも奴隷はまともな教育も受けられないことが多いため当然です。そうした意味で稀有なのが、この『ある奴隷少女に起こった出来事』です。 本書は元々1861年に刊行され、当時はあくまで白人著者が書いたフィクションとして受け止められていました。しかし、1987年になって歴史学者により筆者ハリエット・アン・ジェイコブズの直筆の手紙が発見され、その文章の相似から『ある奴隷少女に起こった出来事』はフィクションではなく、実際に黒人奴隷だった筆者が書いたものであることが証明されました。 「歴史とは勝者によって作られる」といわれますが、本書は弱者の立場から書かれた極めて貴重な記録なのです。 そうして100年以上の時を経て本書はベストセラーとなり、日本では2013年にハードカバー版が、2017年に文庫版が発刊されました。そして2020年8月になって、このコミカライズ版が刊行されたのです。 本作では、フリント家の「所有物」となった筆者や同様の境遇にいる人たちが人間としての尊厳を踏みにじられ続ける様が描かれます。その過酷さは筆舌に尽くし難いものです。 現代の日本人が当たり前に享受しているものが、人類史においては極めて稀有で得難いものであるということを私たちは往々にして忘れてしまいがちです。しかし、中世などではなくほんの最近まで人類はこうしたことをしてきたということは忘れてはならないでしょう。 『ある奴隷少女に起こった出来事』は日本人に読まれ始めてからの歴史はまだ浅いですが、『アンネの日記』や『夜と霧』のように読み継がれていくであろう、いくべき名著です。コロナ禍に伴って人種差別問題が取り沙汰されることが増えた今こそ読まれるべきです。 先人の偉大な努力によって築かれたこの恵まれた環境にもっと感謝しながら日々を大事に、より良いものにするべく生きていきたいと襟を正したくなる、社会的意義が非常に大きい作品です。噂に名高い最終回もだが烈風!!獣機隊二〇三 石川賢マンガトリツカレ男※ネタバレを含むクチコミです。30周年記念で豪華なトリビュート30周年だゾ! 嵐を呼ぶクレヨンしんちゃんトリビュート 臼井儀人 UYスタジオ名無しやっぱり植田まさし先生のかりあげクンコラボの破壊力すごいですね。 竹本泉先生が描くしんちゃんの異物感もすごかった。 臼井先生にも見てほしかった豪華さです。 何度読んでも素敵な妖精と人間の仕立て屋さんのお話妖精のおきゃくさま 脇田茜ぺそTwitterで読んだときから好きだった『妖精のおきゃくさま』。くらげバンチでの短期連載を経てwebアクションに移籍(?)して再連載スタートということで、あらためて0話と1話を読みましたが本当に何度読んでも素敵ですね。優しいお話と絵に癒やされます…! https://comic-action.com/episode/13933686331723879878地味だけどいい話の宝庫島さん 川野ようぶんどう六文銭1話無料で何気なく読んでしまった本作ですが、コンビニ店員を通して日常におきるちょっとしたことを取扱い、派手さはないけど、ジンワリと響く話が多くて一気に全部読んでしまった。 何も変わらない毎日って、当たり前だけど、当たり前じゃない。 誰かが変わらないように頑張っているんだなと月並だけど思いました。 コンビニだって、いつも品物がスカスカではなく、きちんと並んでいますが、これだって島さんのような店員が陳列補充して頑張っているからだと思ったら、全てに感謝したくなりました。 ちょっとよくわからないかもしれませんが・・・そういう意識にもっていかれる作品だと思います。 島さんの背中の秘密や過去の話が、どこかで語られるのかな。 まだ、その片鱗すら出てこないけど、すごく楽しみです。好きだったのに終わってしまった作品ガウちゃんといっしょ 河上大志郎 河上だいしろう六文銭同著者『シガレット&チェリー』と同時期くらいに連載開始していたが、こっは先に終わってしまった作品。 どっちも好きだっただけに・・・正直いえば、こちらのほうが好きだっただけにちょっと残念な作品。 内容は、ガウチョ侍というガウチョズボンをはいた侍(もうマンマ)のようなキモカワな生物ガウちゃんと過ごす日常系漫画。 ガウちゃんは、宇宙からやってきたとか、主人公にしか見えないとかそういう特別な生物ではなく、漫画内では犬猫のようにごく当たり前に生息している設定。 主人公以外も、飼っている人がいて、またガウチョ侍の種類も手が長いとか姫タイプとか色んな種類がいる感じ。 これが、妙にかわいいんです。 外見はちっちゃいおっさん風味なんで、ちょっとイラッとするところもありますが、それも含めて不思議と愛嬌があって、みていて飽きないんです。 また、生態系が微妙に謎なので、何しでかすかわからない危うさもありますが、まぁ人類を滅ぼすとかそんな大層なこともなく、ゆるゆると日常を過ごす感じは癒やし系ともいえます。 好きだったのに4巻で終了。 さくっと読めるので、ガウちゃんに会いたくなって、たまに読み返してます。 あと『シガレット&チェリー』のキャラが巻末のおまけに登場するなど、同時連載ならでは試みもありますので『シガレット&チェリー』が好きな方はこちらも必見かもです。 保護猫カフェなら行きたい派珈琲と猫の隠れ家 相澤いくえ無用ノスケ子商業的な猫カフェには抵抗感があって足が向かないのですが、この本で描かれているような保護猫活動されているお店は、断固支持する派です。作中に登場するカフェは、横浜にある猫カフェ ミーシスさんというお店をモデルにしているそうで、保護猫たちがのびのび暮らしている所へ、お客さんが珈琲を飲みに来て猫とふれあい、出会い次第では新しい家族として迎え入れることができます。お店とお客、それぞれの交流を描いており、1巻と短い作品ですが、それぞれの心情がバランス良く丁寧に描かれていて、読んだ後は何だかすごく気持ちがスッキリしました。たまに人物にフォーカスが当たりすぎて、猫ちゃんの存在感はやや少ない印象もありましたが。でも、話の中心には猫がいるのは間違いなくて、それはぶっきらぼうな店長さんの態度一つとっても、伝わってくるのです。父ちゃんでも夫でもない姿を見守りましょう野原ひろし 昼メシの流儀 臼井儀人 塚原洋一野愛 初めて読んだときは「これ野原ひろしである必要なくない?」って思った。正直普通のサラリーマンが飯食ってるだけの漫画だな、と。 野原ひろしは言わずと知れた日本の父ちゃん代表である。安月給で足が臭くて情けない父ちゃんと見せかけて、埼玉に一軒家を建て妻と子ども2人と犬1匹を支える立派な大黒柱だ。 多くの人は、野原ひろしの父ちゃん姿しか知らないのだ。 野原ひろしが、父ちゃんでも夫でもサラリーマンでもなくなる瞬間が昼飯時なのだ。だから、昼飯を食う野原ひろしはただの野原ひろしであり、わたしたちの知る野原ひろしではないのだ。 そう思うとなんか感慨深いような…。ひとりの時間をささやかに楽しむ姿が愛おしく思えてくる。 豪勢に回転寿司を楽しんでいたらしんのすけとみさえに見つかったり、行列に並んでやっとご飯にありつけたと思ったら会社から呼び出されたり、なかなかゆっくりできない姿はああ野原ひろしだなあと思えたり。 いつもみんなのヒーローでいてくれてありがとね、なんて気持ちで読むとあたたかい気持ちになるのでぜひ。猫が猫として生きているからこそウォーキング・キャット 北岡朋野愛凄い作品に出会ってしまった。 ゾンビの脅威に怯える世界で、猫が猫として生きている。 人が人として生きることが困難に世界で、猫の存在が人と人の想いを繋いでいく。 猫は猫としてそこにいるだけなのに、共に生きた人の思い出を纏って、ささやかな幸せや優しさを与えている。どんな世界でも猫は可愛いし、人はひとりでは生きられないし、愛した人をそう簡単にあきらめられない。 猫じゃなくても成り立つストーリーかもしれないけれど、自由気ままな猫が自分で選んでそこにいるからこそ素晴らしい作品になっていると感じた。 京男子が実在の京スイーツ店をめぐる!京男子のはんなり甘味帖 こまだまこ名無し太っていたことで好きな子に豚呼ばわりされてから、スイーツを頑なに拒否してきた男子・文と、フランス人スイーツコーディネーター・レオが実在する京都スイーツ店をめぐる新連載。 第1話は中村藤吉本店の宇治本店!!!抹茶好きにはたまらない回じゃないでしょうか。やっぱり本店行かなきゃだよなあ。 (というか京スイーツって抹茶のイメージしかない私…他に何があるんだ?)中年男性に響く安定した面白さ2野原ひろし 昼メシの流儀 臼井儀人 塚原洋一六文銭中年男性に響くといえば『1日外出録ハンチョウ』と2大巨頭だと思っている本作。 正直、言います。最初読んだ時 「野原ひろしである必要あるか?」 と思いましたし、最新刊読んだ今もその思いは変わらないです。 野原家の設定、必要あるのだろうか? しんちゃんも、ひまわりも、みさえも、シロも一切出てこないです。 セリフか、手とか体の一部しか出てこない。 そうなってくると、これはもう我々が知っている「野原ひろし」じゃない別の人間なんじゃないかと思えてくる。 というか、そう思えても、別に何の問題ないです。 有りていに言えば、おっさんが一人昼飯を食べるだけの漫画だからだ。 これが何故か面白い。 「孤独のグルメ」も、そうなのですが、ちょっとした料理の豆知識とともに、ひたすらおっさんが食べたいものを美味しそうに食べている。 ただ、それだけなのに不思議と面白い。 料理をどう食べていくかの順番を、思考で組み立てていく感じが読んでいて楽しいのか、いまいち言語化できないので、もう読んで欲しいとさえ思う。 孤独のグルメが好きなら、たぶん好きになると思います。 何も考えずに読めて気づけば全部終わっているという、するする読めて、そのわりに何度も読みたくなるクセになる作品です。こんな青春は切ないけど、きらめいてるよ、特別に。天国までひとっとび ゴトウユキコ名無しひゃぁ〜!なんってさわやかですてきな読切なんだ…。 登場人物の全員が愛おしくなってくる。みんなやさしくて気持ちがいい。 すげー天国までひとっとび ゴトウユキコnyae※ネタバレを含むクチコミです。好きな雰囲気みつば君はあにヨメさんと。 イトカツ名無し兄嫁と同居ものだけどめちゃくちゃ自然! 好きな雰囲気です。 この淡白というかデフォルメ化された絵柄がいい。 ただハンバーグを食べているだけのシーンなのに癒されます<<2425262728>>
すごいタイトルですけど、1巻表紙の女の子は本作の主人公・チコちゃんで、4巻の表紙にいるのがトモちゃんです。 どうしてこのタイトルにしたのかは、はっきり描かれてません。ただひとつ言えることは、トモちゃんの見た目は個性的だけど中身は優しさで満ちている。もしもトモちゃんがチコちゃんのところに来なかったら、チコちゃんは、車谷は、陽介先生は、アントニオ、アンソニー、ジュンユ、ミミちゃん、鯛造くん、みんなどうなっていたろうかと考えてしまう。心に澱を溜めたまま、死んだように生きるか、生きるのをやめていたか。どちらかのような気がする。 でもトモちゃんがみんなを幸せにしたのではなく、何かのきっかけで動いたものがいろんなところにぶつかって、欠けたりひび割れたりしながらも、本来の輝きを取り戻きていく、という話なのかなー、と書いてて思いました。