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2020/10/04
お互いを想うからこそ"絶対に知られてはいけない秘密" #1巻応援
大学病院に勤める医師の穂並は新村さんという女の子の患者さんを持っています。彼女はは小さい頃から喘息の持病で通院を続けており、今は穂並先生に週に数回診察をしてもらっています。 診察をしていく中で2人は「薬が効いて新村さんの病気が良くなったらに一緒に遊園地に遊びに行こう」という約束をしていましたその約束を楽しみにしている新村さんは先生の前ではとても明るく振る舞います。 しかし実は新村さんはこの約束を果たすために穂並先生に隠していることがありました。そして穂並先生もまた新村さんには言えない秘密を抱えていたのです。 新村さんは傍から見ても分かるくらい穂並先生のことが大好きで、穂並先生も新村さんに対しては特別気にかけている様子が見受けられます。その2人の思いというのにはちゃんと理由があって、物語が進むにつれてそのエピソードが丁寧に語られます。 週数回の診察と言う2人の束の間の日常は、そこだけを切り取ると和やかに過ぎているように見えるのですが、そこには2人それぞれが抱える秘密そしてこの秘密をお互いに相手に知られては絶対いけないという強い思いが暗い影を落としています。 2人それぞれの背景や思いがとても丁寧に描かれているため、2人の幸せな未来を願わずにはいられないのですが、2人の両方の秘密を知っている読者視点だとおそらくそんな幸せな未来が待っていないであろうことがわかってしまう、そんな切ない思いが溢れてしまう作品です。 1巻まで読了
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2020/10/04
滅びた世界で「生きること」を全力で楽しむ旅路 #1巻応援
文明が滅び、"赤い霧"という謎の自然現象に覆われた世界。 そんな世界を、大きなハムスターのような生物・ヤゴ、そして球体の浮遊する機械・メイとともに旅する少女ヤコーネの物語です。 いわゆるポストアポカリプスの世界を描いてる作品で、1巻の段階で人らしき生物は主人公のヤコーネ以外には見当たりません。その代わりに人間を襲う未知の生物がたくさん現れてヤコーネたちの行く手を阻みます。そんな何が起こるかわからない状況を潜り抜けながら彼女たちは旅を続けています。 ヤコーネたちの旅に大きな目的はなく、強いて言うなら「生きること」を目的にしているように見えます。ただ、その旅では困難はあれど決して悲観的なものではなく、タイトルにある通り、滅んでしまった世界を旅しながら全力で「生きること」を楽しんでいる、そんな印象を受けます。 また、不思議な生物が多く出てくる作品ですが、主人公のヤコーネもまた私たちが思っていた"普通の人"ではないような描写が徐々に見えてきます。もしかしたらそのあたりに、滅んでしまったこの世界全体の謎がヒントが隠されているのかもしれません。 純粋にポストアポカリプスの世界観だけでも楽しめる作品ですが、この世界が滅びた謎についての考察もできるし、それ以上にこの厳しい世界観の中で見せるヤコーネたちの「生きること」対してとにかく前向きな様子に、読んでいて不思議と明るい気持ちになれる、そんな作品です。 1巻まで読了
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2020/10/04
殺し屋の少女と不死身のマフィアの不思議な同居生活 #1巻応援
幼い頃から教育を受け凄腕の殺し屋となった少女メメント・モリ。彼女がターゲットであるマフィアのボス・レオナルドの首を落とした場面から物語が始まります。レオナルドの部下たちが乗り込み、敵討ちをしようとメメント・モリに銃口を向けるのですが、次の瞬間、切り落とされたレオナルドの首から白煙が上がり、彼の体が元通りに再生されます。これは彼自身も知らなかったようなのですが、実はレオナルドは何度殺しても再生する不死身の体の持ち主だったのです。 その後、何度もレオナルドのことを殺すメメント・モリでしたが、その度に彼は生き返ります。 依頼を遂行するまでは帰れないと言い、彼の館に居座るメメントモリ。そんな彼女に対してレオナルドは、彼が死にはしないけれど不老であるわけではなく「ヨボヨボになっても死ねないなんてかっこ悪いだろ」ということで彼女に自身の殺害を自ら依頼します。そんな奇妙な縁でメメント・モリがレオナルドやマフィアの一味と共に暮らし始めるという物語です 暗殺のターゲットであるレオナルドはマフィアのボスなので、善か悪かで言えばおそらく悪の側の人間だと思うのですが、違法な薬物は取り扱わない、自身の利益となるための殺人はしないなど一本筋の通った人物として描かれています。そして屋敷に居つくことなったメメント・モリに対しても自然とマフィアの一員、仲間であるかのように扱い始めます。 そして、元々は殺し屋として徹底した教育をされており、任務のためなら自分の命を惜しまないというメメントモリだったのですが、レオナルドたちと暮らしていく中で、1人の人間として扱われることとで徐々に人間らしい感情を獲得していくという物語にもなっています。 なので、殺し屋とマフィアと言う非日常的な登場人物ばかりですが、いわゆる疑似家族もののような読後感のある作品でもあります。 2人が同居する目的はあくまでメメント・モリがレオナルドを殺すことにあるのですが、それを忘れてしまうほどの関係性が二人の間に構築されていきます。今後、2人の関係性がどのように変化していくのか、そしてレオナルドが改めてメメント・モリに依頼した彼自身の殺害という任務がどうなっていくのか、ハッピーエンドもバッドエンドも想像できるからこそ今後が楽しみな作品です。 1巻まで読了
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2020/09/28
異世界転生して"勇者の追っかけ"はじめました #1巻応援
この作品の主人公は18歳の冒険者ベルリナ・ラコット、みんなからベルと呼ばれている女の子。実は彼女は前世の記憶を持ったまま転生したいわゆる異世界転生者で、孤児院の6歳の子供に転生した彼女は前世の記憶を駆使して大きな不自由をすることなく都会で暮らしてきました。 そんな彼女が15歳の時、たまたま彼女が住む街を訪れた勇者クライスに一目惚れ。その瞬間からベルはクライスの"追っかけ"として勇者一行の旅路を追いかける生活が始まります。 この作品、いわゆる"なろう小説"が原作のコミックなんですが、小説原作のコミックとしては珍しく小説版のイラスト担当の方がそのままコミカライズも担当しているという作品です。 また、導入こそ異世界転生という形をとっていますが、この世界では冒険者の能力やステータスがパラメーターとして認識できるようになっており、転生自体よりもむしろ主人公ベルが転生後に習得した特殊スキルを駆使して活躍していきます。 この作品の面白いところは勇者の追っかけであるベルの存在がすでに勇者一行に思いっきり認識されている、というところにあります。 それどころか、勇者一行に物資を提供したり時にはダンジョン探検に同行したりと、ほぼパーティーの一員のような立ち位置にいます。ですが、あくまでベルは勇者クライスの一途な思いを胸に彼の追っかけとして一定の距離感を保とうとする、まるでアイドルとそのファンのような絶妙な距離感を保ったままクライスたちに付いてきます。そしてそのことに対して勇者一行も疑問に思いつつもそのまま冒険を進めていきます。 この不思議な関係性のまま、行く先々で様々な事件が発生し、その度にベルとクライスの距離が近づいたり近づかなかったり…?というコメディ作品です。 1巻まで読了
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2020/09/28
ある"秘密"を抱える双子と出会った少年の物語 #1巻応援
4兄弟の末っ子、上阪和飛は長期休みになると毎年家族で祖父母の家に遊びに行っていました。 和飛が小学生に上がる年のある日、おじいさんと一緒に近くの神社にお参りに行ったのですが、そこで遼と遥という双子の兄弟と出会います。3人はすぐに意気投合し、次の長期休みにまた会う約束をして別れるんですが、それから祖父母の家に行くたびに神社に足を運んだ和飛が2人に会うことはありませんでした。 その後、和飛が小学校を卒業するという時期におじいさんが亡くなり、家族揃って祖母が残る家に引っ越すことになりました。引越し後、買い物ついでに何気なくその神社に寄った和飛でしたが、その時、偶然にもあの頃の双子・遼と遥と再会します。お互いすぐに相手のことがわかり再会を喜び合う3人。 数日後、中学校の入学式後のクラス分けで、同じクラスに遥の名前を見つけとても喜んだ和飛でしたが、神社で会った時とは違ってなぜか遥さんがそっけなく、遼のほうは何組なのか聞いても答えてくれません。 それもそのはず、本来であれば一緒に入学しているはずの兄・遼は実はある理由があって中学校に入学することができていなかったのです…という物語です。 この作品、小さい頃に出会った和飛と遼・遥の双子、この3人が育む友情と、もしかしたらそれ以上の関係も…?というのを描いている作品で、そこに双子の兄妹がもつある秘密が1話の最後に明かされてストーリーに関わってきます。 実はこの作品、1話だけで100ページ近くページ数を割かれていて、このことからもわかる通り、物語が進むにつれて揺れ動く3人の心情描写や表情の変化を優しい絵柄でゆっくりと丁寧に描いている作品です。 作中の時間の経過はまだ短いですが、特に双子の秘密を共有した主人公・和飛の心境はビビットに変化していくので、多感な時期に運命に翻弄される和飛たちの心の変化を濃いリアリティを持って追っていける作品だと思います。 1巻まで読了
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2020/09/28
北欧を舞台にした"妖精"と謎多き少女にまつわる物語 #1巻応援
舞台は北欧・スウェーデンの首都ストックホルム。北欧では元々「トムテ」と呼ばれる妖精の存在が民間伝承で伝えられている。 この作品は妖精が引き起こす不思議な事件の数々を、パートナーであるアダムという男性とともに解決へと導きながら、自らの失った記憶の手がかりを探す少女・ワコの物語。 基本的には妖精たちが人間に近づいて引き起こす事件を解決していくという、一話完結型に近い形式をとっている作品。 事件というのも妖精たちが人間の心を魅了したり惑わしたりするという形で引き起こされるものが多く、ワコの謎多き人物像も相まって、全体的にミステリアスな雰囲気が漂っている。 また、作品の舞台が北欧ということで、北欧の街並みや風景を楽しむこともできるが、特に妖精たちの住処や事件が起こる場所として"森林"が多く登場する。深く生い茂った森林とそこに登場する妖精、この絵としての組み合わせもこの作品の幻想的な雰囲気を引き立てている。 主人公のワコや彼女と共に活動するアダムの人物像や背景はまだまだ謎に包まれているが、どことなく狐につままれたような感覚を覚えながら進んでいく物語こそがこの作品の1番の魅力なのかもしれない。 1巻まで読了
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2020/09/28
マンガ編集者(27)と担当作家の息子(11)の不思議な同居生活 #1巻応援
この作品の主人公は「鬼の浄行寺」と呼ばれる漫画編集者浄行寺憂樹(じょうぎょうじ ゆき)さん。 彼女が担当の漫画家である小桜エイト先生の家でネームのチェックをしていたところ、先生の小学生の息子、茅(かや)くんが部屋に入ってきます。小桜先生がネームにボツを出されて「このままでは息子の学費すら払えない」と愚痴をこぼしたにの対して、浄行寺さんは「だったら息子を働かせればいいじゃないですか」「そういえば家事がおろそかになりがちでホームヘルパーを探してるんです」と半ば冗談で返します。 しかし、それを聞いた茅くんが「ボクのことまで気にかけてくれるなんて、浄行寺さんは天使だ」となぜか感激してしまい、その流れで本当に茅くんが浄行寺さんの家のホームヘルパーとして働くことになってしまいます。 この作品はそんな浄行寺さんと茅くんの不思議な同居生活の物語です。 浄行寺さんは仕事に関しては担当の漫画家に対してはもちろん、自分に対しても厳しく、私生活でも毎日のルーティンをきちんとこなしていく、そんな生活をしています。 そんな浄行寺さんなんですが、実は彼女は人付き合いを苦手にしていて、茅くんに対してもつい漫画家相手の時と同じように厳しく当たってしまい、彼にうまく接することができているかどうか内心ずっとモヤモヤしています。 一方の茅くんは絵に描いたように純粋無垢な少年で、浄行寺さんの厳しい言葉に対しても「自分のことを思って言ってくれてるんだ」と逆に張り切り、そして不意に浄行寺さんがちょっとした 優しさを見せた瞬間にはすごく感動したような素振りを見せます。 浄行寺さんはコミュニケーションに自信がなくてつい人を遠ざけるような発言をしてしまう、逆に茅くんは相手の発言を常にポジティブに受け止めて人との距離をガンガン近づけていく。 そんな真逆の意味で人との距離感が極端な二人が一緒に住み始めると、思っていた以上に距離感の近い茅くんに浄行寺さんは内心激しく動揺してしまいます。 なんとか上辺を取り繕うする浄行寺さんと、そんなことはお構いなしにまっすぐに浄行寺さんに接し続ける茅くん。 そんな二人の様子がとにかく微笑ましい作品になっています。 1巻まで読了
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2020/09/28
男女の"受け攻め逆転"ラブコメ!? #1巻応援
主人公の24歳のOL、梶谷美月は有名商社勤めのエリートサラリーマン篠宮孝之さんと付き合っている。清楚な雰囲気の美月と爽やかで優しい孝之は傍からみると理想的なカップルに見えるが、美月には孝之に対して隠していることがありました。それは"男の人から積極的なアプローチを受けることが苦手だ"ということ。 例えば彼氏に頭をポンポンされたりだとか肩をぐっと抱き寄せられたりとか、そういう行為に対してすごくむず痒い思いをしてしまって気持ちが引いてしまう。そしてそのせいで今までの彼氏とは長続きせずにすぐに振られてしまう。そのことずっと悩んでいた。 孝之のことは本当に素敵だと思っていて、できれば長く付き合っていきたいと思っていた美月だったが、彼に愛想を尽かされないために隠そうとしていた彼女のこの性質が、本人も想像だにしなかった、彼からのアプローチではなく逆に自分から迫っていってしまう、という形で発露する。しかもそれが孝之さんと初めて一夜を共にするというタイミングで…という物語。 この作品、単行本の帯にも「男女逆転セックスラブコメディー」と書いてあるんですが、実は男女の”受けと攻め” が逆転したカップルというのを描いた作品です。 こう聞くとかなり特殊な設定の作品のように見えるんですけども、実はマンガ好きの方々には意外と受け入れられやすい設定なんじゃないかなと思います。 というのも、例えばBLマンガや百合マンガだと同性どうしで"攻めと受け"が描かれていて、つまりそこには "女性の攻め" 男性の受け" が存在しているわけです。そしてそれを読者はごく自然に受け入れているはずです。 ということは、男女カップルの中でも “女性の攻め"×"男性の受け” という組み合わせがあっても不思議ではなく、そう考えれば今作の設定もすんなり受け入れられるのではないでしょうか。 この作品は、美月と孝之、それぞれが相手との恋愛に悩む様子を描くことで、"女性の攻め" 男性の受け" という関係性をすごく自然に描いている作品です。1巻の段階では2人が思い描いていたいわゆる “普通の恋愛” とのギャップに悩む姿も描かれるんですが、2人が悩みながら試行錯誤した結果どのような関係を育んでいくのか、今後の展開が非常に楽しみな作品です。 また、漫画を楽しむという上でも、そして現実世界に当てはめたとしても、新しい価値観を得られる作品になってると思うので、恋愛漫画をよく読まれるという方はもちろん、BL や百合漫画が好きだとという方にも是非読んでみて欲しい作品です。 1巻まで読了
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2020/08/03
怖さだけじゃない新機軸の"学校の怪談"マンガ #1巻応援
四辻中学校の1年C組には「しにもの係」という係が存在する。活動時間は放課後の4時44分から7時まで、"危険だから"2人1組の行動が原則、そしてよほどのことがない限り「しにもの」の数を"減らしてはいけない"。これは入学早々に「しにもの係」に任命された柴生賢征と同じ係の不二見空子、そして四辻中学校に巣食う数多の「しにもの」たちの物語。 タイトルやあらすじからも察せる通りホラー要素満載の作品。昔あったアニメ『学校の怪談』にも近いような雰囲気なんだけど、この作品は「しにもの」に生徒が襲われて終わるような物語でもなければ、逆に「しにもの」を退治していく物語でもない。あくまで柴生たちは「しにもの係」で、学校にいる「しにもの」たちを世話したり管理したりする役割。テーマとしてはオカルト寄りだけど、いろんな切り口の解釈を盛り込むことにより単純な怖さだけじゃない、様々な角度の面白さがある作品。 …ただし、「しにもの」を世話する係があるということは、世話をしなければ問題のある「しにもの」もいるということ。それが何を意味するのかは、読んでみてのお楽しみ…。 1巻まで読了。
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2020/08/02
このビッグタイトルが電子書籍限定なんてもったいない! #1巻応援
「ナルニア国物語」といえば、言わずと知れた児童文学の金字塔。もともとは岩波書店から全7巻で発売され、映画化もされるなど、何かしらの形で物語に触れたことのある方も多いのではないのでしょうか。 実は、『ナルニア国物語』の原著の著作権保護期間が終了し、2016年に光文社から新訳版が発売されています。そしてその新訳版を原作とするコミカライズが今回、電子書籍単行本として発売されました。 新訳版の特徴として、翻訳がかなり現在の言葉遣いに寄せられていることが挙げられます。岩波書店版の翻訳も、例えば"Dawn Treader"という船の名前を"朝びらき丸"と訳したり、日本で馴染みのないターキッシュ・デライトというお菓子をプリンと訳したりと、独特の翻訳が人気のある作品ではありましたが、原典に忠実かつ現代的ない日本語を用いて翻訳がされており、今の子どもたちにとって読みやすい作品になっています。 また、『ナルニア国物語』は刊行順と作品内の時系列が異なる作品で、今回のコミカライズでは作中の時系列順に物語を並び替えて描かれいます。そのため、原作では6巻目にあたる「魔術師のおい」からコミカライズされています(ちなみに刊行順ではなく年代順に読むこと自体は原作者のC・S・ルイスさんが「どちらでも問題ない」という発言を残しているそうです)。 そして今回のコミカライズは、ストーリーが面白いのは勿論のこと、人物から背景、小物に至るまで緻密に描かれていて、マンガとして非常にクオリティの高い作品に仕上がっています。1巻の時点では本当の導入部分しか描かれておらず、場面転換もほとんどないにもかかわらず、絵の力とマンガとしての画面構成の力によって最後まで飽きさせない作りになっています。 なぜこれほどのビッグタイトル、しかも高クオリティの作品が電子書籍のみで発売されているのかは分かりませんが、もっと話題になるべき作品であることは間違いありません。 初めて読まれるというかたは是非ここから入ってほしいと思いますし、どこかで作品に触れたことのあるという方は、「本がすき。」というサイト( https://honsuki.jp/series/narunia )で刊行順で1番目、時系列では2番目にあたる「ライオンと魔女」を連載中のため、こちらをチェックしてみてもいいかもしれません。 1巻まで読了。
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2020/07/19
少女と人型ロボットのほんわか(?)終末ジャーニー #1巻応援
この世界はどうやら人類が滅んでしまったらしい。廃墟だらけの中を進むのは1体の人形ロボット。そしてそのコックピットの中には1人の少女。この物語は"10番さん"と呼ばれるロボットと、10番さんが"ムスメさん" と呼ぶ少女との、滅びた人類の生き残りを探すまったり緩やかな旅路の物語。 "箱入りムスメ"というタイトルのとおり10番さんはムスメさんのことを異常なほどに過保護に扱い(世界観を考えると当たり前と言えば当たり前なんだけど)、それに反するようにムスメさんは世界のいろんなことに興味を示して好奇心旺盛な振る舞いを見せる。その姿はまるでほんとうの父娘のよう。キャラクターの配置は『鍵つきテラリウム』のようだけど、作品の雰囲気としては『少女終末旅行』に近いかもしれない。 ただ他の作品と違うのは、ムスメさんと10番さんが共に旅をすることとなった経緯の部分。彼らは姉弟ではないし元々の知り合いというわけでもない。彼らが如何にして出会い、そして"父娘"となったのか、その一端が2話で語られるので、まずは2話まで読んでみてほしい。 1巻まで読了