ナルニア国物語」といえば、言わずと知れた児童文学の金字塔。もともとは岩波書店から全7巻で発売され、映画化もされるなど、何かしらの形で物語に触れたことのある方も多いのではないのでしょうか。

実は、『ナルニア国物語』の原著の著作権保護期間が終了し、2016年に光文社から新訳版が発売されています。そしてその新訳版を原作とするコミカライズが今回、電子書籍単行本として発売されました。

新訳版の特徴として、翻訳がかなり現在の言葉遣いに寄せられていることが挙げられます。岩波書店版の翻訳も、例えば"Dawn Treader"という船の名前を"朝びらき丸"と訳したり、日本で馴染みのないターキッシュ・デライトというお菓子をプリンと訳したりと、独特の翻訳が人気のある作品ではありましたが、原典に忠実かつ現代的ない日本語を用いて翻訳がされており、今の子どもたちにとって読みやすい作品になっています。

また、『ナルニア国物語』は刊行順と作品内の時系列が異なる作品で、今回のコミカライズでは作中の時系列順に物語を並び替えて描かれいます。そのため、原作では6巻目にあたる「魔術師のおい」からコミカライズされています(ちなみに刊行順ではなく年代順に読むこと自体は原作者のC・S・ルイスさんが「どちらでも問題ない」という発言を残しているそうです)。

そして今回のコミカライズは、ストーリーが面白いのは勿論のこと、人物から背景、小物に至るまで緻密に描かれていて、マンガとして非常にクオリティの高い作品に仕上がっています。1巻の時点では本当の導入部分しか描かれておらず、場面転換もほとんどないにもかかわらず、絵の力とマンガとしての画面構成の力によって最後まで飽きさせない作りになっています。

なぜこれほどのビッグタイトル、しかも高クオリティの作品が電子書籍のみで発売されているのかは分かりませんが、もっと話題になるべき作品であることは間違いありません。
初めて読まれるというかたは是非ここから入ってほしいと思いますし、どこかで作品に触れたことのあるという方は、「本がすき。」というサイト( https://honsuki.jp/series/narunia )で刊行順で1番目、時系列では2番目にあたる「ライオンと魔女」を連載中のため、こちらをチェックしてみてもいいかもしれません。

1巻まで読了。

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後宮の生贄妃~どうせ死ぬのなら、皇帝に愛されます~

後宮の生贄妃~どうせ死ぬのなら、皇帝に愛されます~

「私は今日から、死の皇帝の生贄となる――」これは、呪われた少女が誰よりも幸せな人生を歩むための物語――。◆◆◆ 人の死を予知することができる春麗は、呪われた目を持つ少女として家族に虐げられてきた。そんなある日、周りのものが次々と死ぬという噂の皇帝・青藍のもとへ輿入れが決まる。「春麗なら死んでもいい」――そう考えた実の父親に『生贄』という形で後宮入りさせられることになった春麗。「いつ死んでもいい」と思う春麗だったが、春麗の死を予知できる能力を知った青藍に興味を持たれて――。◆◆◆ 陰謀渦巻く後宮で、呪われた少女が皇帝を愛し、愛され、幸せをつかみ取る後宮シンデレラストーリー!!(この作品は電子コミック誌noicomi vol.118~122に収録されています。重複購入にご注意ください)

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