名無し
1年以上前
先日、テレビ朝日「イワクラと吉住の番組」内で冨樫義博の直筆の手紙が公開されていて話題になってましたね。ハンターファンとしては、出演者の元櫻坂46の関有美子さんのおかげで冨樫先生の声明が世に出たわけで、本当に感謝しかないです。 しばらく公開してると思うからまだ番組を見てない方には見てほしい。 https://tver.jp/series/sr3ehnrfd9 その後半のEP79の中で、「最近好きな漫画」という質問に答えていたんですが、まず「最近」の定義として「2023年の刊行された作品」とのことでした。一部引用します。 「間接的にとはいえ有美子さんにこれをおすすめする形になると各方面からお叱りを受ける気がして具体的な作品名を挙げる勇気がありません。その作品の名誉のために弁明すると私はその圧倒的実話描写に驚嘆し、弱さを繕わず描く強さに感動し、登場人物達の覚悟に感涙しました。だが!!…だがしかしッッ!!申し訳ありませんッッ!」 そのあと、無難そうな「オーイ!とんぼ」をおすすめしていました。主人公がゴンのモデルにもなった理想の主人公像だったとのことです。 皆さんにお聞きしたいのは本来オススメしたかった漫画とは何だったのか? 褒めた内容と、「だが!!…だがしかしッッ!!申し訳ありませんッッ!」という書き方・口調に特徴があるのか…。 気になって仕方ないのでぜひ皆さんの力を貸してください! 予想で構いません!お願いします!
兎来栄寿
兎来栄寿
1年以上前
今でこそ「北欧」というと福祉が充実している幸福度の高い国であったり、サウナであったり、ヒュッケであったり、オシャレな雑貨であったりの穏やかなイメージが強いかもしれません。しかし、かつての北欧は圧倒的な「暴」の支配する土地でした。北欧神話などにもその影響は色濃く受け継がれています。 本作は『ヴィンランドサガ』と同じ11世紀初頭を舞台に、ヴァイキングの脅威に晒される側であったイングランド王国はロンドン北の小村から物語は始まります。 「狼の子」と呼ばれる狼に育てられた少年と、心優しい神父・クロウリーの出逢い。クロウリーによってルークという人間の名前を与えられた少年は少しずつ人間としての暮らしや知恵を教えられていきます。しかし、そこでヴァイキングによる悲劇がもたらされ、ルークは「戦狼(ヒルドルヴ)オーディン」と呼ばれる復讐鬼へと変貌していきます。 ルークの仇敵である白髪のエイナルは、笑いながら人を殺し村を焼きながら生首の山の前でダンスを踊る凄惨さを見せます。現代日本とはあまりに倫理観や死生観が違いすぎる過酷な世界ですが、だからこそ見知っておく価値もあります。人類がこういった歴史を歩んできた上で、今という時代があるということを。 本作で特に面白いのは、仇敵であるエイナルというキャラクターの掘り下げです。エイナルがいかにしてそのような人物となっていったのかという部分を読むと、人類の業の深さを感じずにはいられません。 よしおかちひろさんの勢いのある画風も、そんな峻厳な時代を描くのに非常にマッチしています。筆ペン的なもので描かれた部分の線の迫力など非常に際立っています。 北欧神話ではオーディンは最後にフェンリルに喰われますが、血に塗れた神話の神の名を冠したルークは本懐を遂げることができるのか。 帯コメントが幸村誠さんから寄せられているのは圧倒的な納得感です。『ヴィンランドサガ』を好きな方、歴史マンガが好きな方は特に、そうでない方にもお薦めです。