名無し
1年以上前
アタシの名前は実井ミコ、通称地味子!同僚のハリキリ女子やキラキラの大学同期と血で血を洗うマウントバトルを繰り広げる毎日…もう大変! だけど今日のランチも頑張って生き残らないとね!マウント無双 Show Down!!(※対戦開始の合図) はい。ルール説明です。 マウントバトルではそれぞれが対戦相手に有利を取るため持ちうるマウントカードを切っていき、お互いのLIFEを削り切ることを目指します。どうして表紙でカード持ってんだろうと思ってたんですけどこれをマジで使うってわけ。何この漫画!! 荒唐無稽の概念を極限まで突き詰めているために気付きづらいですが「生きてたら少しは自慢でもしないとやっていけんよね」っていう素朴な自己肯定感を尊重してくれてる作品でもあります。マウントバトルではそれぞれの気持ちがハッキリ点数として現れる分却って陰湿さが無くていいのかもしれません。「マウントは人を傷つけるための道具じゃねえ!」ということなんでしょう。わからんけど。 実際対戦後はみんなで健闘を称え合ったりして友情が深まっているように見えます。遊戯王と同じですね。 人間関係の数だけマウントがあるということか、各プレイヤーの戦闘スタイルも十人十色。キャラが増えれば増えるだけ卓の多様さが増して面白くなっていく感じがします。 東京マウントガールズを読んできみも始めよう、マウントバトル!!
ななし
ななし
1年以上前
9月に表紙買いして積んでたやつ。正直表紙が怖すぎて読みたくない…と思いつつページを捲ったら、本編のタッチは表紙とちょっと違って点描やら細かい線の描き込みの多い見応えと温かみすらある絵でホッとしました。まあ描いてる内容は怖いんですけど…。 第1巻の「壱」には3編収録されているのですが、そもそもそのテーマが全部怖い。 タクシー   ←後部座席怖い 工場     ←労働災害怖い エレベーター ←怖い 『タクシー』 タクシーの怖いところ全部詰め込んだような話。ああいう「よく見るといる」っていうオチ、静かに怖くて良いですよね。 『にぎやかな職場』 工場での機械に巻き込まれる大事故ってだけでも怖いのに、それを心霊現象が起こすだから堪ったもんじゃない。怖い×怖い。主人公が無事に生き延びてくれたのでホッとしました。 『いつかの食卓』 エレベーターっつったら異次元に通じているもんですよね。職場でパワハラにあっているOLさんは、祖母の3回忌にも出させてもらえず帰り際に仕事を押し付けられて帰宅するが、マンションのエレベーターが突然止まってしまう。扉が開いたと思ったら、そこには幼少期を過ごした街が広がっていて兄が晩ご飯だと迎えに来る。 家族で囲む温かい食卓が実は…っていう恐怖の展開があまり怖く感じませんでした。この恐怖展開よりOLさんを取り囲む現実の方がずっと残酷で怖いからでしょうね。 表紙買いだったのですが、思いのほか全部面白くて得した気分です。折を見て続刊も買おうと思います。
9月に表紙買いして積んでたやつ。正直表紙が怖すぎて読みたくない…と思いつつページを捲ったら、本...
たか
たか
1年以上前
全2巻を30分ほどで読み終えたのですが、まだ夢見心地です。あまりにも2人の関係性が、ファッションが、世界観が良すぎて、物語について分析的なことや自分の感想を進んで書く気になれないですね…どう頑張っても野暮なことしか書けない気がします。 なので「この本の構成」について書こうと思います。 https://j-nbooks.jp/comic/original.php?oKey=175 この本の発売を楽しみに待っている間、「まるで美しいシネマのようなコミック&イラスト集」という謳い文句で宣伝されているのを聞き、「結局漫画なのか、画集なのかどっちなんだ?」と謎だったのですが、読んで納得しました。 漫画のように「物語がコマごとに割った絵で語られるだけ」ではない。画集のように「文脈のない絵がズラズラ並んでいるだけ」でもない。 まさに「コミック&イラスト集」と表現するのが相応しい構成になっているんです。**しかも全編フルカラー…!** https://twitter.com/_K0TTERl_/status/1202975764280299520?s=20 まず驚くのが、表紙をめくるとすぐに目に入ってくる「見返し」や「扉」といった、一般的な漫画ではただ実用的でそっけない部分まで美しく、物語に入り込むための素晴らしい導入になっているところ。 そして各話の「幕間」に当たる扉ページもまた、読者の集中力を途切れさせないよう、世界観に沿って美しくデザインされています。 さらにすごいのが、**ストーリーの幕間にイラストと文章を挿入し、複数の表現方法を組み合わせて総合的に「彼と彼女」のことを描いているところ。** あらすじでは本書のことを「まるで美しいシネマのような」と表現していますが、映像・ストーリー・音楽の総合である映画を引き合いに出していて非常に的確だなと思います。 https://twitter.com/_K0TTERl_/status/1162700555304595457?s=20 そして読み終わってみて感じたのは**「Veilのことを世に出回っている多くの漫画と同じものとして分類できないな」**ということです。 **・今作を出すまで長期に渡り制作されている(2017年〜2019年に発表された作品が収録されている)こと ・アシを雇わず1人で作り上げていること(おそらく) ・フルカラーで高価格であること ・幕間(物語外の物理的な部分)まで世界観の一部となるようにデザインされているところ** こうした特徴を抜き出すと、日本のMANGAというより**「日本のBD(バンド・デシネ)」**と呼ぶほうが相応しい気がします。 (加えて言えば、日本の漫画の9割(※個人の勝手な体感です)は、商業的な成功に結びつきやすいエンタメ性の高い作品に占められています。そのため、ただただ美しさを追究した芸術性・文学性に富んだ漫画というだけで主流から外れてしまい、やはり日本のMANGAっぽくない。 長々書いてしまいましたが言いたいことをまとめると、**自分にとって「Veil」は、作品としてあまりに美しすぎるために漫画と呼ぶことに少し抵抗がある総合芸術**です。 百聞は一見に如かずなので、今すぐ手にとって読んでください…! (紙質と装丁がいいので紙がおすすめです…!) https://manba.co.jp/boards/112451 https://manba.co.jp/boards/112451/books/2 (2人を並べてあげたい)