かしこ
かしこ
1年以上前
もう初芝に入社することは分かってるから正直そんなに期待してなかったのですが、弘兼先生のサービス精神が炸裂していて面白かったです。島耕作はもう完全に島耕作になりました…! 【就活期】 初芝の他にも2社受ける予定だったけど「資生堂は願書を出しそびれたし、サントリーの宣伝部は倍率100倍を超えるって聞いて気後れして止めた」ので、結局1社しか受けていない。しかも一次試験後に初芝から不採用通知が届いている…!島耕作が初芝に落ちていたなんて衝撃的です。しかし、同じく採用試験を受けて合格していた樫村が面接官に島耕作が落ちた理由を問いただして勘違いが判明し無事に採用となりました。樫村がいなければ島耕作は島耕作になり得なかったということですよね。樫村…あまりにも報われなさすぎでは…? 髪を切るまで気づかなかったけど大学の同級生の五十嵐って、課長時代によく登場してた広告代理店に務めてる五十嵐?ゴルフコンペでズルして、フィリピン人と結婚しようとしてダマされてた…あの五十嵐だったのか…! 学生運動の活動家が起こした騒動に巻き込まれたり、アルバイトでクラブのボーイをしたり、外国の首相夫人と関係を持ったり、もう完全に島耕作としての下地が出来上がりましたね。モテモテなので色んな女の子とデートするけど特定の彼女は一度もいなかった、そんなところもすでに島耕作ですね。 初恋の人・三沢淳子はパトロンからお店を持たせてもらうことになった。そこに履歴書を送って来たのが当時19歳だった典子ママ!今まで島耕作より年上だと思ってた!他にも島耕作のアルバイト先のクラブには客として入社6年目の今野さんが登場した。実はすでに出会ってたっていう演出って嬉しいもんなんだなって初めて思った。 次はいよいよ初芝に入社。結婚もするはず。
ピサ朗
ピサ朗
1年以上前
だがこのジャンルで一般層への知名度は最大。 なんせアニメ化されてる(アニメ版はアニメ版でファミリー向けの要素を強くした結果、肉や魚食うマキバオーとかまだ良い方で、ぶっちゃけ酷い部分も多いが、時間帯的には理解できる)し、おそらく商業的にも競馬サブカルチャーの中ではかなり大きな部類であろう。 人と馬が意思疎通したり、側対歩が足の回転さえ同じなら倍の速さ理論とか、あまりにもぶっ飛んだトレーニング場面や、連載延長に伴うイカレた描写はある物の、 根柢の部分に見える作者の競馬に対するリスペクトはかなり強く、レース(という名のバトル)描写がメインながら、今見ると外厩に対する目線やイヤミに見えて挑戦心旺盛な本田社長、中小牧場の悲哀なんかもキッチリ描いていて見事。 特に人と馬が言葉を交わす、いわゆる動物漫画的な描写はむしろストーリーに深みを与えデフォルメの効いた絵柄もこれに対する違和感をかなり軽減している。 連載後半は超時空競馬的な描写が増えていて、かなりぶっ飛んでいる物の実は最後の最後で予後不良からの復帰という、ある意味最も強烈なファンタジーを描いている ココを肯定できるかどうかは難しい、サラブレッドの世界で何故予後不良の際安楽死が実行されるのか、コレは連載当時は分からなかった事で、とにかく復帰できたことに安堵していたが 今の年齢になって見ると、騎手との出会い、野性での新走法習得、日本ダービーの同着、これらを全て足してもなお足元にも及ばないご都合主義にも感じてしまう。 それほどまでに予後不良というのがどういう物か、理解してしまってると、人と馬が言葉を通じ、馬が二本足で立てるというこの世界観でさえ、この部分のご都合主義感はかなり感じる。 だがそれでもそれが決して安易なご都合主義ではない事は間違いなく描かれており、この際に語られるモノローグはぶっ飛んだレース描写が増えて、完全に競馬漫画ではなくジャンプ漫画と化していたみどりのマキバオーが、最後の最後に間違いなくこの作品は競馬漫画だと宣言できるものになっていて、コレを以て肯定できる。
兎来栄寿
兎来栄寿
1年以上前
アラサー女性を主人公にしたマンガは沢山あれど、四十代以降の女性を主人公に据えたマンガとなると途端に少なくなります。そんな中、雁須磨子さんが素晴らしいアラフォーマンガを生み出して下さいました。 現代日本の平均寿命が八十四歳程だそうなので、まさに人生の折り返し地点であり、「残り時間」について意識させられてくる四十代。幾人かの様々なアラフォー女性を通して、二十代・三十代からの様々な変化、不安や傷つくこと、苛立つことが出てくる様子がリアルに細やかに描かれます。筆者が実際に四十代になって体験し感じたことを描いている部分もあるようで、納得です。 加齢は当然良いことばかりではありません。が、そこまで悪いことばかりでもないとも思わされる、豊かな味わい深さのある物語です。たとえネガティブな事柄でも過剰に悲痛になることがない雁須磨子さんの絶妙な軽やかさがとても利いています。 一回り以上歳が下なものの仕事ができて考え方もしっかりしている女の子や、その子とは正反対にまったく仕事ができない困った上司など脇を固めるキャラも人間臭く魅力的です。 同年代の人にはあるあるとして、下の年代の人には近い将来に自分にも訪れるかもしれないこととして、普遍的な仕事や家庭、健康等の問題への共感として、それぞれに楽しめるでしょう。歳を重ねてから再読するとまた感想も変わる作品かもしれません。 単行本2巻以降掲載部分では内容的にもより広がりを見せてくれています。こういった作品がもっと増えていって欲しいなと思います。