レタイトナイト

『ベルリンうわの空』香山哲先生の新作! #1巻応援

レタイトナイト 香山哲
さいろく
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『ベルリンうわの空』香山哲先生の新作はマイナーRPGを彷彿とさせるファンタジーだった。 ベルリン〜で独特かつ魅力的な絵柄で多くの読者を魅了し、電子先行だった?と思うが紙書籍も欲しくなって久しぶりに紙書籍も購入した。 私のチープな語彙力では「おしゃれ」とかしか表現できないがとにかくオシャレで可愛く、気持ち悪そうなデザインのキャラクターですら作中の柔らかい雰囲気で包んでくれていいデザインだなぁと感じる。何にせよどこを読んでいても心地よいのがすごい。 そんな香山哲作品、常に二色刷り(弘兼憲史作品などでよくある、白黒にプラスもう1色使われているもの。多いのは黒+朱色かな?)なのだが、ベルリン〜ではオレンジを基調にしていたところ本作では少し氷っぽい水色のようなアイスブルー(ブルーグレー?)みたいな、とにかく雰囲気がオシャンティでまた良い。 色々と前提となる設定が今回も多く(ベルリン〜と比べてばかりでアレだけど、あちらはドイツで生活する上で日本人には馴染みがないところの紹介があって面白かったがやはり前提がいくつかある)昨今の漫画の中でも珍しくじっくり理解しながら文字も読み込むのが楽しい作品になっている。 早く2巻が読みたいものだ。編集長頑張れー

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ねじ式

ガロの中でも異彩を放っていたとされるつげ義春の代表的な1作

ねじ式 つげ義春
さいろく
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気づけば電子版があったので購入。 すんごい昔に読んだけど記憶に残っていたのは読後感ではなく絵画を観たあとのような感覚だけでした。 シュールの権化のような意味のわからない物語展開(そもそも意味とかないのかもしれない)の「ねじ式」を始めとした短編集。 つげ義春らしさがこれでわかるのかは不勉強であまり明確にわからないけど、きっとこういうものなんじゃないかとは思う。 ねじ式の冒頭、海からあがってくるシーンのTシャツを、いかにもギークって感じのヒゲメガネデブな白人が着ていた。 今となってはおしゃれであり、通り越して「通」っぽさが出てしまうであろう。 いずれにせよ本作を読むことで自分なりの感想を持つことが許されるのだ。漫画好きさんは1回読んでみるといいかもしれない。 ちなみにこの短編集ではいろいろな時期の作品が混ざっているようで、試験的なものから初期っぽいものまで(そう感じさせるだけで後期のものだったりしたらそれはそれで凄い)多数のつげ義春が見られる。 水木しげるを彷彿とさせるような背景描写技術に、当時の工夫が見て取れるのでいずれの作品もそういう意味では今読む事で面白さが増していると言えよう。

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ホロウフィッシュ

青春漫画で話題沸騰中な作家の新作はサスペンスホラーだった

ホロウフィッシュ むつき潤
さいろく
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バジーノイズが映画化され話題沸騰中(古い?)のむつき潤センセーの新作。4巻が出ました。今から読むけど読む前に3巻までの感想で。。 学校の先生がこんな色気があったらたまらんやろ!っていう高校生らしい感情も持ちつつ、急展開すぎる悪夢が波のように押し寄せてくる不思議な物語。 悪夢の展開は急だけど、主人公の彼の判断もまた急で、そこがとても若くていいなって感じられる。決断を一瞬で出来るやつは強い。 まるで呪いのようなこの波、大人になると理解しないと前に進みづらいところだけど若者らしく感情に従ってぶち当たっていくところが読んでいて応援したくなる。 この愚かさと表裏一体な真っ直ぐさは、前作バジーノイズがストレートで眩しかったあの感じと少し近い。 スピード感のあるコマ展開・テンポを見せておきながらも、急に直面する悪夢のような現実が読み手の時を止めてくる。 「あ、これホラーだ」って思わされるのがとても良い。 3巻のラスト、すごい真っすぐで良かったけど悪い結果が見えてくるとこでもあったので4巻めっちゃ気になるところ。今から読みます。

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