荒川弘ってすごすぎる#1巻応援黄泉のツガイ 荒川弘六文銭なんでって、全部面白い。 「鋼の錬金術師」「銀の匙」「アルスラーン」そして「百姓貴族」 ファンタジーも学園ドラマも、エッセイもなんでもいける。 シリーズ続編とかではない純粋な多作で全て面白いってのは、女性作家だったら、確実に高橋留美子と荒川弘の名前上がってくると思う。 まだ物語が始まったばかりの序章みたいなものだが、なぜか読んでいてワクワクするし、面白い!って純粋に思えるのがスゴイ。 というのも、最近のワタクシは、伏線とか設定とか複雑にからみあうと脳死するんです。特に1話目で全部出してくる系の話はキツイっす。 この作品も結構複雑な人間関係や設定がでてくるのだけどスルスル入る。 シリアス、ギャグ、バトルの足し引きといった構成や展開がうまいのか(はたまた、デラさんの説明がうまいのか)ファンタジーにつきものの世界観を理解するハードルが低くて読んでて助かります。 「アサ」と「ユル」兄妹関係、異能の力、ツガイといわる守護神、・・・まだまだ1巻目なので、物語のプロローグといった感じですが、 化けるポテンシャルは十分あると思います。ジャンプ×落語#1巻応援あかね噺 馬上鷹将 末永裕樹六文銭落語を題材をしていながらも、ちゃんと「少年ジャンプ」している感じがすごい良いなぁと思う。 「少年ジャンプ」しているというワードが伝わるか不明なのですが、展開や登場人物どれをとってもジャンプ的で、落語といえば笑点しか知らないマンにとってはちょっとトッツキにくい題材でも、すんなり受け入れられました。(笑点が落語かどうか別として) そしてすごくいい。 登場人物、特に主人公のあかねと父親の落語にかける情熱が共感できるんです。 よくわからない世界だと情熱傾ける動機を聞かされても 「ふーん、まぁ好き嫌いは人それぞれだしね(小並感)」 くらいで終わってしまうのですが、本作は 「わかる!頑張れ!」 となるから、ここもジャンプ的だと思います。 ひたむきな主人公に、ひたすら感情移入できる。 内容は、真打ち目指した落語家の父親が、その昇進試験でまさかの破門。父親を尊敬していた主人公あかねは、父親の敵と父親の凄さを証明するため落語の世界に入るという流れ。 難解な落語もわかりやすく、会場の空気感もグッと伝わる描写をしており、ここも魅力です。 落語みたこないけど、そんなにスゴイならみてみたくなります。 とある落語の一門に入門して、表ではみえない芸の世界の厳しさ、それに対しどう立ち向かうかと思うと楽しみな作品です。このギャグ唯一無二坂本ですが? 佐野菜見六文銭ハルタ(当時、フェローズだったかな)で連載されて、個人的にギャグ漫画の新境地を感じた作品。 改めて読んでも、予想の斜め上をいく坂本くんの対応がものスゴイ面白い。 基本的には、クラスに嫌がらせをしてくる奴らがいて、ひょうひょうとかわす。 そして、ただかわすだけでなく、ついでに、めっちゃ格好つける。 椅子や机がなくなれば窓際に座る。 水道の水が勢いよくでれば、シャワーを浴びたかのような艶っぽさを出す。 弱冠のツッコミ不在な感じも受けるが、それでも笑える。 そして、毎度作者さんの発想がスゴくて唸る。 同じものをみていても、全く違うようにとらえて、笑いとして活かすってホントセンスだなと思います。 とはいえ、やはりネタがきつかったのか、短命のギャグ漫画をキレイに終わらせたかっただけなのか真相は不明ですが、100万部以上売れたのに4巻で完結。 人気がなくて打ち切りというわけではないと思うので、 もっと坂本くんをみていたかったのですが、延命して残念になるくらいならちょうど良かったのかと今では思います。 ぜひ、クーレスト高校生坂本の生き様を刮目してほしい。ついに婚活もデスゲームに!ツカ子の婚活デスゲーム cojomo六文銭未婚率の上昇、若者の結婚離れが叫ばれる昨今、ついに、婚活もデスゲームになりました。 オタク趣味全開で満足していた主人公ツカ子でしたが、友人や同僚の結婚を機に自身も婚活することを決意。 ひょんなことでみつけた、結婚相談所にいくと、そこで出会った婚活コンシェルジュがなんと死神で、1年以内に結婚しないと魂を奪われるという契約をむすんでしまいます。 ツカ子の舐め腐った根性では、成婚予測は0.03%という驚異的な低さ。もう、絶望! かくして、1年以内に、ツカ子は結婚できるのか?という流れ。 死神は、イケメンですがドSで、いい感じに現実を突きつけつつ罵る感じが、面白い。 また他の婚活者にも裏で同じように死神がいたり、それを仕掛けに展開される人間模様が絶妙です。 決して、高望みをしているわけではないのですが、 自分は違う と考えがちな、婚活あるあるが満載で色々タメになるのですが、 それ以上にツカ子を始め登場人物たちいい感じでどこかヌケていて読んでいて楽しいです。 婚活!というと一大イベントではありますが、これくらい笑いに変えられるといいですね。無痛恋愛という表現の妙味わたしたちは無痛恋愛がしたい ~鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん~ 瀧波ユカリ六文銭SNSなんて匿名でやることに意味があると思っている古臭い人間だから、最近の若者がネットとリアルで否が応でもつながって、息苦しくなっている感じはよくわかる。 結果として鍵垢をつくって、そこで心情を吐露したくなるという気持ちも本当によくわかる。 主人公もそんな感じ。 ネット上のプロフィールから、女性というだけでうざ絡みをされたり、匿名にしても知人から謎のマウントや本名バラされたり、気苦労が絶えなくて、自分自身は経験がないのだけどSNSで炎上している芸能人を遠目でみている自分としては共感しかない。 言葉センスも巧みで、顔良し、実家が金持ち、コミュ力高いキレイなクズ男を「星屑」とか表現したり、 面倒な駆け引きも、心をざわつかせることもなく、自分がありのままでいられる恋愛をさして「無痛恋愛」など、言葉からイメージがスッと出てくる感じがうまいなぁと思う。 全体的に、女性が感じる生きにくさを鋭く言語化してくれるので、その観点でも面白いです。 自分、おっさんなんですけど、興味深かったです。 ネット、何と闘っているかわかんない人ってたまにいますけど、あーいう感じです。得も言われぬ背徳感が刺激される#1巻応援彼女の友達 じゅら六文銭基本的にこの類(NTR)は、趣味の範囲ではないのですが、本作はグッときました。 絵柄がキレイなのも、理由の一つなのですが、設定の背徳感がスゴク良い。 内容は、主人公に初めて彼女ができたが、その彼女の友人から陰で言い寄られるという話。 友人の彼氏じゃないと興奮しないのだという。 そして、彼女と違って、なんとも、まぁ色々とエロい。 挑発してくる仕草だったり、シチュエーションだったり、とにかく過激。 主人公はギリギリたえますが、1巻の終わりではついに・・・ 主人公の彼女も一途なおバカキャラっぽくて、憎めないからよりツライ。 良い子を裏切るのってしんどいっすよね。 この先、3人の関係がどうなるのか、めっちゃ気になります。 東大あるあるを詰めたパロディ東大リベンジャーズ 船津紳平六文銭もはやいわずもがななことかもしれませんが、「東京リベンジャーズ」の外伝というか、パロディ作品。 主人公をはじめ、原作の登場人物が東大生という設定。 主人公の想い人・早瀬が、結婚したことにショックをうけて、大学時代にタイムリープしてやりなおすという流れ。 東大あるあるが、誰得といわんばかりにいっぱいでてくる。 正直、興味ない人には?な部分も多いが、でも不思議と十分面白い。 youtubeやTVの東大王などで、東大生もずいぶん身近に感じ、彼らの生態も「なんとなく」わかるからかもしれない。 原作の名シーンも、いい感じでパロってきます。 原作ファンも、不良から東大というギャップに萌える・・・かどうかはわかりませんが、十分楽しめるかと。キャラ崩壊しているので、思い入れの強い人は辞めたほうがいいかもしれません。 それにしても私立大のことを、3教科しかやってない奴というディスりは、センスフルだなと思いました。 「〇〇です!〇〇(人名)さん」にハズレ無し帰ってください! 阿久津さん 長岡太一六文銭一人暮らしの主人公の家に、なぜかクラスの不良女子・阿久津さんが部屋にいつくという話。 家に一緒にいる・・・そう、このシチュエーションは、ご想像のとおり色んなラッキースケベが頻発します。 チラ見え、接触、くんずほぐれつ、などなど安定的に供給されます。 なんで、こんなことおきるの? とは、無粋な質問なので一旦横においていただき、二人のイチャラブを楽しんでいただければ幸いです。 また、不良なのもでポイントで、素行が悪い癖に意外とピュアだったりして、そのギャップも楽しめます。 ちょっと恋を意識するあたり劇カワです。 『ご冗談でしょう、ファインマンさん』を筆頭に 『からかい上手の高木さん』 『イジらないで、長瀞さん 』 「〇〇 (人名)さん」にハズレ無しの仮説に新たな作品が追加されました。 青春時代の思い出るろうに剣心―明治剣客浪漫譚― モノクロ版 和月伸宏六文銭続編の北海道編もある程度巻数たまってきたので、いっちょ全編通しで読んでみようかと改めて読みなおしてみました。 連載開始がもう28年かと思うとビビるのですが、それでも色褪せない魅力と、絵も古く感じないのは圧巻の一言。 名作中の名作なので内容というよりは、好きな点をいくつか。 全28巻のうち大きくは以下の構成。 ーーー 東京編 (1~6巻) 京都編 (7巻~17巻) 人誅編 (18巻~28巻) ーーー こうして通して読むと、剣心は常に人斬りだった過去の何かと闘っていますね。 東京編では、エピソード的に過去の敵だった人間たちと、京都編は人斬りの後継者だった志々雄、人誅編は過去の因縁。 幕末から明治にかけての激動の時代は、その後自分自身何冊か時代小説を読んでから、改めてるろ剣を読むとまた違った印象をうけます。 過去に囚われた敵キャラたちに、小学生時代では なんでこんな昔のことにこだわっているんだろ? ぐらいだったのですが、今だったらよくわかる。そういう時代だったんだなと敵キャラにも未練を超えた執念を感じさせてくれる。(しかし、縁、おめーはダメだ。あと雷十太。) 大人になった今、もう一度読み直すと、そういう面で敵の魅力がグッとまして見えます。 土方歳三的な負けても生き様をみせてくれる感じ。 ここがスゴク素敵です。 次に、これは内容というよりは本編のおまけである制作秘話。 本作には話と話の幕間に、さらっと登場人物の制作秘話がのっていて(電子版では割愛されるかと思ったが載ってて良かった!)これがすっごい面白いんです! 「〇〇のキャラにインスパイアうけて」 (たいてい、ゲームのサムライスピリッツ) とか、言うわなければ気づかないことまで言ってくれるし、あまつさえ 「もろパクリです」 という暴露とともに、謝罪までする始末。 小さい頃は、あ、そんなことまで言うんだと妙な新規感を覚えていたのですが、この歳になると更に尊敬の念がでる。 仮に影響うけたとしても、自分のものとしちゃうズルさが大人にあると思うのですが、それをしない潔さ。 これも本作、というか著者さんの魅力ですね。 いずれにせよ、王道なバトル展開は、昔と変わらず面白く青春時代を思い出させてくれます。アニメみてめっちゃハマったアオアシ 小林有吾 上野直彦六文銭アニメから興味をもって、改めて読んだらめっちゃ面白い。 スポーツ漫画で今一番好きな作品です。 個人的な話をして申し訳ないんですが、サッカーってあんま好きじゃなかったんですよね。 なんか「自己中の塊」みたいなスポーツという認識でいました。 だって、野球のように、攻めと守りのタイミングが明確にきまっているわけでもなく、下手したらボールもった瞬間、ずっとドリブルで突破したり、シュートしてもいいわけで。 それらを、誰の許しをもらうわけでもなく自己判断でできるわけですよ。 すっごい、自己中じゃありません? (別にサッカー部に彼女を奪われたとか、親を殺されたわけではありませんのであしからず。) ・・・と、思っていた時期がワタシにもありました。 上記の理由であまりサッカー漫画を読んでこなかったのですが、本作は自分のサッカー感を覆してくれるかの如く、目からウロコ的に面白かった。 『アオアシ』というタイトル、もちろんの主人公の名前でもあるとは思うのですが、それ以上に 「人間は考える葦である」 からきていると思えるくらい、登場人物全員が戦術、戦略を考えに考えぬいて、その時に最適解を導き出し動いている感じ。 上述した「自己中」とはかけ離れたスポーツ、それがサッカーなんだと自分は再認識しました。 相手の特徴からそれに合わせて動きを瞬時に変える、そしてそれを個人単位だけではなく組織(チーム)単位でやる。 誰かからの明確な指示があるわけでもなく、メンバーの動きを察知して、自分の動きも変えていく。 どこにいて何をすべきか、どう進めるべきかを常に考えている。 すごいスポーツだぜ、サッカー!!と本作を読んで、痛感しました。 自己中とか言っていた自分がはずかしい。 むしろ、どのスポーツよりも戦略的というか戦略が重要な戦争に近いと思う。 王道スポーツ漫画的な要素(努力・友情・勝利的なの)ももちろんあって、そのアツイ展開も魅力なのですが、個人的にはサッカーに対する考え方、見方を変えてくれた、そんな作品でした。 展開もはやいのでグイグイひきこまれて、そして特に直近の26~27巻が、もう・・めっちゃやばいっ!原作ファンでしたが良かったかがみの孤城 武富智 辻村深月六文銭元々作家さんのファンだったこともあり、約4年前に本屋大賞受賞と同時に読んだ本作。 久しぶりに読んだこのコミカライズも、当時の思い出がよみがえり、とても丁寧かつキレイに表現されて大満足でした。 内容は、何らかの理由で不登校になった中学生7人が、部屋の鏡から通じる異世界のような謎のお城で出会い、あるゲームをするという流れ。 そのゲームとは、城の中にある「開かずの部屋」があって、その鍵をみつけるというもの。 しかも、鍵をみつけた人は何でも願いがかなうという。 城にいる狼姿の少女に招かれ、7人の冒険が始まる・・・と思っていましたが、「冒険」というか「人間模様」を描いた感じが本作のポイント。 上述のとおり、皆なんらかの理由で学校にいけず、城内でも似たような境遇から、時にこじれたり、時に支えあったり、ファンタジー要素がありながら、どちらかというと思春期の苦労を描いたヒューマンドラマの要素が強くて、ここが面白かったんですよね。 特に、いじめなどを苦に学校に行けなくなってしまった人が、城の中でできた人間関係(友人)を、自信や勇気に変えて、再出発する姿はグッときました。 また、ミステリー的な仕掛けも色々あって、例えば 7人同じ中学に通っていながら現実で出会うことができない とか 全員不登校だと思ったら実は1人、別に不登校ではない人がいた とか これらの、秘密が徐々に明らかになっていくストーリー展開は純粋に面白いです。 ネタバレされれば、すごくシンプルな展開なんですけど、 キャラクターがすごく魅力的だったからか、すんなり感情移入できてあっというまに読めてしまいます。 『この話が誰かの「城」のような居場所になればいい』https://booklog.jp/award/2018/winner/book という思いで、書いた本作ですが、 学校を行くことに悩んでいる人、またはその親はもちろんですが、それだけでなく人間関係に全般に不安を抱えている人に、希望を与えてくれる内容だと思います。 余談ですが、コミカライズの風花の設定が、現代風に変えたんでしょうかね。ここらへんが原作と少し違うかもです。まさかの続編、そして1巻で終了OH!MYコンブ ミドル 秋元康 かみやたかひろ六文銭『OH!MYコンブ』好きだったんで、この続編には狂気乱舞しました。 しかも、ミドルって・・・。 昔の『OH!MYコンブ』ファンは、この続編にどう思っているか気になるところ。 自分的に一部アリでした。 表紙みた瞬間、ありふれたおっさん感に、一瞬 「うおっ!?」 てなりましたけど、1話目から相変わらず駄菓子を食べてて安心しました。 だけど、料理人にでもなっているかと思ってましたが、なっていない。 確か、コンブの家って定食屋だったと思うのですが、そこを継ぐわけでもなく、コンビニでバイトしている。(バイト・・・) メンメンを「元」恋人と称しているなかで、料理を辞めた経緯なんかも絡めて展開されるのかな?と思った矢先に終了。 特に背景が出てくることもなく消化不良で終わってしまった。 ここが残念でした。 ただ、昔の、登場人物も、それなりに登場してファンに嬉しい。 パイ助のyoutuberが一番しっくりきました。 むすびが社長になっているとかも、弁当屋で苦労していた不遇の過去を知っている身としては嬉しい出世。 リトルグルメから、おっさんの酒の肴向けにチューニングした料理もそれなりに興味深く読めました。 なので、1巻終了はちょっと残念でしたね。 とはいえ、小さい頃読んでいたマンガの登場人物のその後が見れるのがファンとしては嬉しいもの。 金田一少年もそうですが、今後もこういう形の続編が多くなりそうな予感で、昔からマンガばっか読んでいた人間にとっては楽しみでしかないですね。 « First ‹ Prev … 21 22 23 24 25 26 27 28 29 … Next › Last » もっとみる
荒川弘ってすごすぎる#1巻応援黄泉のツガイ 荒川弘六文銭なんでって、全部面白い。 「鋼の錬金術師」「銀の匙」「アルスラーン」そして「百姓貴族」 ファンタジーも学園ドラマも、エッセイもなんでもいける。 シリーズ続編とかではない純粋な多作で全て面白いってのは、女性作家だったら、確実に高橋留美子と荒川弘の名前上がってくると思う。 まだ物語が始まったばかりの序章みたいなものだが、なぜか読んでいてワクワクするし、面白い!って純粋に思えるのがスゴイ。 というのも、最近のワタクシは、伏線とか設定とか複雑にからみあうと脳死するんです。特に1話目で全部出してくる系の話はキツイっす。 この作品も結構複雑な人間関係や設定がでてくるのだけどスルスル入る。 シリアス、ギャグ、バトルの足し引きといった構成や展開がうまいのか(はたまた、デラさんの説明がうまいのか)ファンタジーにつきものの世界観を理解するハードルが低くて読んでて助かります。 「アサ」と「ユル」兄妹関係、異能の力、ツガイといわる守護神、・・・まだまだ1巻目なので、物語のプロローグといった感じですが、 化けるポテンシャルは十分あると思います。ジャンプ×落語#1巻応援あかね噺 馬上鷹将 末永裕樹六文銭落語を題材をしていながらも、ちゃんと「少年ジャンプ」している感じがすごい良いなぁと思う。 「少年ジャンプ」しているというワードが伝わるか不明なのですが、展開や登場人物どれをとってもジャンプ的で、落語といえば笑点しか知らないマンにとってはちょっとトッツキにくい題材でも、すんなり受け入れられました。(笑点が落語かどうか別として) そしてすごくいい。 登場人物、特に主人公のあかねと父親の落語にかける情熱が共感できるんです。 よくわからない世界だと情熱傾ける動機を聞かされても 「ふーん、まぁ好き嫌いは人それぞれだしね(小並感)」 くらいで終わってしまうのですが、本作は 「わかる!頑張れ!」 となるから、ここもジャンプ的だと思います。 ひたむきな主人公に、ひたすら感情移入できる。 内容は、真打ち目指した落語家の父親が、その昇進試験でまさかの破門。父親を尊敬していた主人公あかねは、父親の敵と父親の凄さを証明するため落語の世界に入るという流れ。 難解な落語もわかりやすく、会場の空気感もグッと伝わる描写をしており、ここも魅力です。 落語みたこないけど、そんなにスゴイならみてみたくなります。 とある落語の一門に入門して、表ではみえない芸の世界の厳しさ、それに対しどう立ち向かうかと思うと楽しみな作品です。このギャグ唯一無二坂本ですが? 佐野菜見六文銭ハルタ(当時、フェローズだったかな)で連載されて、個人的にギャグ漫画の新境地を感じた作品。 改めて読んでも、予想の斜め上をいく坂本くんの対応がものスゴイ面白い。 基本的には、クラスに嫌がらせをしてくる奴らがいて、ひょうひょうとかわす。 そして、ただかわすだけでなく、ついでに、めっちゃ格好つける。 椅子や机がなくなれば窓際に座る。 水道の水が勢いよくでれば、シャワーを浴びたかのような艶っぽさを出す。 弱冠のツッコミ不在な感じも受けるが、それでも笑える。 そして、毎度作者さんの発想がスゴくて唸る。 同じものをみていても、全く違うようにとらえて、笑いとして活かすってホントセンスだなと思います。 とはいえ、やはりネタがきつかったのか、短命のギャグ漫画をキレイに終わらせたかっただけなのか真相は不明ですが、100万部以上売れたのに4巻で完結。 人気がなくて打ち切りというわけではないと思うので、 もっと坂本くんをみていたかったのですが、延命して残念になるくらいならちょうど良かったのかと今では思います。 ぜひ、クーレスト高校生坂本の生き様を刮目してほしい。ついに婚活もデスゲームに!ツカ子の婚活デスゲーム cojomo六文銭未婚率の上昇、若者の結婚離れが叫ばれる昨今、ついに、婚活もデスゲームになりました。 オタク趣味全開で満足していた主人公ツカ子でしたが、友人や同僚の結婚を機に自身も婚活することを決意。 ひょんなことでみつけた、結婚相談所にいくと、そこで出会った婚活コンシェルジュがなんと死神で、1年以内に結婚しないと魂を奪われるという契約をむすんでしまいます。 ツカ子の舐め腐った根性では、成婚予測は0.03%という驚異的な低さ。もう、絶望! かくして、1年以内に、ツカ子は結婚できるのか?という流れ。 死神は、イケメンですがドSで、いい感じに現実を突きつけつつ罵る感じが、面白い。 また他の婚活者にも裏で同じように死神がいたり、それを仕掛けに展開される人間模様が絶妙です。 決して、高望みをしているわけではないのですが、 自分は違う と考えがちな、婚活あるあるが満載で色々タメになるのですが、 それ以上にツカ子を始め登場人物たちいい感じでどこかヌケていて読んでいて楽しいです。 婚活!というと一大イベントではありますが、これくらい笑いに変えられるといいですね。無痛恋愛という表現の妙味わたしたちは無痛恋愛がしたい ~鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん~ 瀧波ユカリ六文銭SNSなんて匿名でやることに意味があると思っている古臭い人間だから、最近の若者がネットとリアルで否が応でもつながって、息苦しくなっている感じはよくわかる。 結果として鍵垢をつくって、そこで心情を吐露したくなるという気持ちも本当によくわかる。 主人公もそんな感じ。 ネット上のプロフィールから、女性というだけでうざ絡みをされたり、匿名にしても知人から謎のマウントや本名バラされたり、気苦労が絶えなくて、自分自身は経験がないのだけどSNSで炎上している芸能人を遠目でみている自分としては共感しかない。 言葉センスも巧みで、顔良し、実家が金持ち、コミュ力高いキレイなクズ男を「星屑」とか表現したり、 面倒な駆け引きも、心をざわつかせることもなく、自分がありのままでいられる恋愛をさして「無痛恋愛」など、言葉からイメージがスッと出てくる感じがうまいなぁと思う。 全体的に、女性が感じる生きにくさを鋭く言語化してくれるので、その観点でも面白いです。 自分、おっさんなんですけど、興味深かったです。 ネット、何と闘っているかわかんない人ってたまにいますけど、あーいう感じです。得も言われぬ背徳感が刺激される#1巻応援彼女の友達 じゅら六文銭基本的にこの類(NTR)は、趣味の範囲ではないのですが、本作はグッときました。 絵柄がキレイなのも、理由の一つなのですが、設定の背徳感がスゴク良い。 内容は、主人公に初めて彼女ができたが、その彼女の友人から陰で言い寄られるという話。 友人の彼氏じゃないと興奮しないのだという。 そして、彼女と違って、なんとも、まぁ色々とエロい。 挑発してくる仕草だったり、シチュエーションだったり、とにかく過激。 主人公はギリギリたえますが、1巻の終わりではついに・・・ 主人公の彼女も一途なおバカキャラっぽくて、憎めないからよりツライ。 良い子を裏切るのってしんどいっすよね。 この先、3人の関係がどうなるのか、めっちゃ気になります。 東大あるあるを詰めたパロディ東大リベンジャーズ 船津紳平六文銭もはやいわずもがななことかもしれませんが、「東京リベンジャーズ」の外伝というか、パロディ作品。 主人公をはじめ、原作の登場人物が東大生という設定。 主人公の想い人・早瀬が、結婚したことにショックをうけて、大学時代にタイムリープしてやりなおすという流れ。 東大あるあるが、誰得といわんばかりにいっぱいでてくる。 正直、興味ない人には?な部分も多いが、でも不思議と十分面白い。 youtubeやTVの東大王などで、東大生もずいぶん身近に感じ、彼らの生態も「なんとなく」わかるからかもしれない。 原作の名シーンも、いい感じでパロってきます。 原作ファンも、不良から東大というギャップに萌える・・・かどうかはわかりませんが、十分楽しめるかと。キャラ崩壊しているので、思い入れの強い人は辞めたほうがいいかもしれません。 それにしても私立大のことを、3教科しかやってない奴というディスりは、センスフルだなと思いました。 「〇〇です!〇〇(人名)さん」にハズレ無し帰ってください! 阿久津さん 長岡太一六文銭一人暮らしの主人公の家に、なぜかクラスの不良女子・阿久津さんが部屋にいつくという話。 家に一緒にいる・・・そう、このシチュエーションは、ご想像のとおり色んなラッキースケベが頻発します。 チラ見え、接触、くんずほぐれつ、などなど安定的に供給されます。 なんで、こんなことおきるの? とは、無粋な質問なので一旦横においていただき、二人のイチャラブを楽しんでいただければ幸いです。 また、不良なのもでポイントで、素行が悪い癖に意外とピュアだったりして、そのギャップも楽しめます。 ちょっと恋を意識するあたり劇カワです。 『ご冗談でしょう、ファインマンさん』を筆頭に 『からかい上手の高木さん』 『イジらないで、長瀞さん 』 「〇〇 (人名)さん」にハズレ無しの仮説に新たな作品が追加されました。 青春時代の思い出るろうに剣心―明治剣客浪漫譚― モノクロ版 和月伸宏六文銭続編の北海道編もある程度巻数たまってきたので、いっちょ全編通しで読んでみようかと改めて読みなおしてみました。 連載開始がもう28年かと思うとビビるのですが、それでも色褪せない魅力と、絵も古く感じないのは圧巻の一言。 名作中の名作なので内容というよりは、好きな点をいくつか。 全28巻のうち大きくは以下の構成。 ーーー 東京編 (1~6巻) 京都編 (7巻~17巻) 人誅編 (18巻~28巻) ーーー こうして通して読むと、剣心は常に人斬りだった過去の何かと闘っていますね。 東京編では、エピソード的に過去の敵だった人間たちと、京都編は人斬りの後継者だった志々雄、人誅編は過去の因縁。 幕末から明治にかけての激動の時代は、その後自分自身何冊か時代小説を読んでから、改めてるろ剣を読むとまた違った印象をうけます。 過去に囚われた敵キャラたちに、小学生時代では なんでこんな昔のことにこだわっているんだろ? ぐらいだったのですが、今だったらよくわかる。そういう時代だったんだなと敵キャラにも未練を超えた執念を感じさせてくれる。(しかし、縁、おめーはダメだ。あと雷十太。) 大人になった今、もう一度読み直すと、そういう面で敵の魅力がグッとまして見えます。 土方歳三的な負けても生き様をみせてくれる感じ。 ここがスゴク素敵です。 次に、これは内容というよりは本編のおまけである制作秘話。 本作には話と話の幕間に、さらっと登場人物の制作秘話がのっていて(電子版では割愛されるかと思ったが載ってて良かった!)これがすっごい面白いんです! 「〇〇のキャラにインスパイアうけて」 (たいてい、ゲームのサムライスピリッツ) とか、言うわなければ気づかないことまで言ってくれるし、あまつさえ 「もろパクリです」 という暴露とともに、謝罪までする始末。 小さい頃は、あ、そんなことまで言うんだと妙な新規感を覚えていたのですが、この歳になると更に尊敬の念がでる。 仮に影響うけたとしても、自分のものとしちゃうズルさが大人にあると思うのですが、それをしない潔さ。 これも本作、というか著者さんの魅力ですね。 いずれにせよ、王道なバトル展開は、昔と変わらず面白く青春時代を思い出させてくれます。アニメみてめっちゃハマったアオアシ 小林有吾 上野直彦六文銭アニメから興味をもって、改めて読んだらめっちゃ面白い。 スポーツ漫画で今一番好きな作品です。 個人的な話をして申し訳ないんですが、サッカーってあんま好きじゃなかったんですよね。 なんか「自己中の塊」みたいなスポーツという認識でいました。 だって、野球のように、攻めと守りのタイミングが明確にきまっているわけでもなく、下手したらボールもった瞬間、ずっとドリブルで突破したり、シュートしてもいいわけで。 それらを、誰の許しをもらうわけでもなく自己判断でできるわけですよ。 すっごい、自己中じゃありません? (別にサッカー部に彼女を奪われたとか、親を殺されたわけではありませんのであしからず。) ・・・と、思っていた時期がワタシにもありました。 上記の理由であまりサッカー漫画を読んでこなかったのですが、本作は自分のサッカー感を覆してくれるかの如く、目からウロコ的に面白かった。 『アオアシ』というタイトル、もちろんの主人公の名前でもあるとは思うのですが、それ以上に 「人間は考える葦である」 からきていると思えるくらい、登場人物全員が戦術、戦略を考えに考えぬいて、その時に最適解を導き出し動いている感じ。 上述した「自己中」とはかけ離れたスポーツ、それがサッカーなんだと自分は再認識しました。 相手の特徴からそれに合わせて動きを瞬時に変える、そしてそれを個人単位だけではなく組織(チーム)単位でやる。 誰かからの明確な指示があるわけでもなく、メンバーの動きを察知して、自分の動きも変えていく。 どこにいて何をすべきか、どう進めるべきかを常に考えている。 すごいスポーツだぜ、サッカー!!と本作を読んで、痛感しました。 自己中とか言っていた自分がはずかしい。 むしろ、どのスポーツよりも戦略的というか戦略が重要な戦争に近いと思う。 王道スポーツ漫画的な要素(努力・友情・勝利的なの)ももちろんあって、そのアツイ展開も魅力なのですが、個人的にはサッカーに対する考え方、見方を変えてくれた、そんな作品でした。 展開もはやいのでグイグイひきこまれて、そして特に直近の26~27巻が、もう・・めっちゃやばいっ!原作ファンでしたが良かったかがみの孤城 武富智 辻村深月六文銭元々作家さんのファンだったこともあり、約4年前に本屋大賞受賞と同時に読んだ本作。 久しぶりに読んだこのコミカライズも、当時の思い出がよみがえり、とても丁寧かつキレイに表現されて大満足でした。 内容は、何らかの理由で不登校になった中学生7人が、部屋の鏡から通じる異世界のような謎のお城で出会い、あるゲームをするという流れ。 そのゲームとは、城の中にある「開かずの部屋」があって、その鍵をみつけるというもの。 しかも、鍵をみつけた人は何でも願いがかなうという。 城にいる狼姿の少女に招かれ、7人の冒険が始まる・・・と思っていましたが、「冒険」というか「人間模様」を描いた感じが本作のポイント。 上述のとおり、皆なんらかの理由で学校にいけず、城内でも似たような境遇から、時にこじれたり、時に支えあったり、ファンタジー要素がありながら、どちらかというと思春期の苦労を描いたヒューマンドラマの要素が強くて、ここが面白かったんですよね。 特に、いじめなどを苦に学校に行けなくなってしまった人が、城の中でできた人間関係(友人)を、自信や勇気に変えて、再出発する姿はグッときました。 また、ミステリー的な仕掛けも色々あって、例えば 7人同じ中学に通っていながら現実で出会うことができない とか 全員不登校だと思ったら実は1人、別に不登校ではない人がいた とか これらの、秘密が徐々に明らかになっていくストーリー展開は純粋に面白いです。 ネタバレされれば、すごくシンプルな展開なんですけど、 キャラクターがすごく魅力的だったからか、すんなり感情移入できてあっというまに読めてしまいます。 『この話が誰かの「城」のような居場所になればいい』https://booklog.jp/award/2018/winner/book という思いで、書いた本作ですが、 学校を行くことに悩んでいる人、またはその親はもちろんですが、それだけでなく人間関係に全般に不安を抱えている人に、希望を与えてくれる内容だと思います。 余談ですが、コミカライズの風花の設定が、現代風に変えたんでしょうかね。ここらへんが原作と少し違うかもです。まさかの続編、そして1巻で終了OH!MYコンブ ミドル 秋元康 かみやたかひろ六文銭『OH!MYコンブ』好きだったんで、この続編には狂気乱舞しました。 しかも、ミドルって・・・。 昔の『OH!MYコンブ』ファンは、この続編にどう思っているか気になるところ。 自分的に一部アリでした。 表紙みた瞬間、ありふれたおっさん感に、一瞬 「うおっ!?」 てなりましたけど、1話目から相変わらず駄菓子を食べてて安心しました。 だけど、料理人にでもなっているかと思ってましたが、なっていない。 確か、コンブの家って定食屋だったと思うのですが、そこを継ぐわけでもなく、コンビニでバイトしている。(バイト・・・) メンメンを「元」恋人と称しているなかで、料理を辞めた経緯なんかも絡めて展開されるのかな?と思った矢先に終了。 特に背景が出てくることもなく消化不良で終わってしまった。 ここが残念でした。 ただ、昔の、登場人物も、それなりに登場してファンに嬉しい。 パイ助のyoutuberが一番しっくりきました。 むすびが社長になっているとかも、弁当屋で苦労していた不遇の過去を知っている身としては嬉しい出世。 リトルグルメから、おっさんの酒の肴向けにチューニングした料理もそれなりに興味深く読めました。 なので、1巻終了はちょっと残念でしたね。 とはいえ、小さい頃読んでいたマンガの登場人物のその後が見れるのがファンとしては嬉しいもの。 金田一少年もそうですが、今後もこういう形の続編が多くなりそうな予感で、昔からマンガばっか読んでいた人間にとっては楽しみでしかないですね。
なんでって、全部面白い。 「鋼の錬金術師」「銀の匙」「アルスラーン」そして「百姓貴族」 ファンタジーも学園ドラマも、エッセイもなんでもいける。 シリーズ続編とかではない純粋な多作で全て面白いってのは、女性作家だったら、確実に高橋留美子と荒川弘の名前上がってくると思う。 まだ物語が始まったばかりの序章みたいなものだが、なぜか読んでいてワクワクするし、面白い!って純粋に思えるのがスゴイ。 というのも、最近のワタクシは、伏線とか設定とか複雑にからみあうと脳死するんです。特に1話目で全部出してくる系の話はキツイっす。 この作品も結構複雑な人間関係や設定がでてくるのだけどスルスル入る。 シリアス、ギャグ、バトルの足し引きといった構成や展開がうまいのか(はたまた、デラさんの説明がうまいのか)ファンタジーにつきものの世界観を理解するハードルが低くて読んでて助かります。 「アサ」と「ユル」兄妹関係、異能の力、ツガイといわる守護神、・・・まだまだ1巻目なので、物語のプロローグといった感じですが、 化けるポテンシャルは十分あると思います。