結婚しないと思ってた オタクがDQNな恋をした!

結婚という不思議な縁

結婚しないと思ってた オタクがDQNな恋をした! カラスヤサトシ
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「モテないのではない モテたくないのだ!!」で、なんとなくこじらせた感じが、全俺に絶妙な共感をよんでくれたカラスヤ先生。 ご結婚するまでの経験をモリモリ書いた本作を興味深く読ませていただきました。 具体的には、合コン、お見合い、いわゆる婚活ですね。 それに加えて、自身の過去の恋愛話。 はては担当の女性編集者に男性紹介したり、伊藤潤二先生と対談したり、ちょいちょい脱線しながらも、基本は結婚までの恋愛エッセイとしてすすんでいきます。 特に面白いのが、奥様と出会いかた。 飲み屋で会って(しかも奥様、超遅刻してくる)、次の日に高尾山にいく予定があったカラスヤ先生は、なんとなく誘ったら軽くOKされて、そのまま家にきて、次の日も一緒に過ごして・・・気がづけば同棲しているという流れ。 ホントにあれよあれよで決まっていく。 これが妙にリアルなんですよね。 結婚する相手ってこういう感じなんだと思うんです。 結婚するまでは、ジタバタしたり、焦ったり、悲観したり、逆に開き直ったり、色々とあるんですが、ゴールする相手ってのは最初から決まっていたかのごとくスルスルっと収まってしまう。 カラスヤ先生も初彼女でこじらせてから、長年彼女もできず、陰キャでコミュ障だから結婚なんてできない!とずっと思っていたようですが、 そこからスピード婚(しかもできちゃった婚)という流れに。 ご本人が一番不思議がってましたが、自分の周囲の人も結婚って決まるときは一瞬だったりした様をみていたので、逆にリアルさを感じました。 結婚って、ホント不思議な縁だなと思います。 とはいえ、それまでは一見無駄だなと思ってもとにかく足掻くことが大事なのかなとか思いました。 チャンスはどこに転がっているかわかりませんからね。

幼なじみがイケメンすぎる

イケメン×イケメンの両思い#1巻応援

幼なじみがイケメンすぎる 茶畑真
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幼なじみがイケメンというので、男キャラ(あおい)がイケメンかなと思ったら、ヒロイン(いつき)もイケンメン(精神的に)だったという話。 ヒロインがイケメンというのは、いうなれば宝塚の男役のような、女性が女性に惚れる的な格好良さ。 そして、その二人、なんと両思い。 普段のわたしなら、爆発して欲しいなと怨嗟が渦を巻くのですが、 この二人は格別です。 というのも、あおいもいつきも お互いにとって、ふさわしい人間になるべく鍛えようとする という、なんとも古臭・・・もとい奥ゆかしい姿勢。 イケメンや美女に無条件で愛されちゃう~といったハーレム系作品とは一線を画します。 かくして、ふさわしい人間になるべく、二人の努力は続く。 この向上心、素敵ですね。 この流れから察するように、基本的にちょっと常人とはズレた二人の天然ボケ路線ですすむギャグテイストなのですが、これがなんともいえず素敵です。 二人とも、性格が真っ直ぐな才色兼備なので、邪悪な心をもった自分には眩しすぎて、ホント尊い。 二人が、本作のクラスメイトたちのいわゆる「推し」と化しているのもうなずけます。 恋愛よりもラブコメ的な展開ですが、絵もキレイで、今後が楽しみな作品です。

実家に帰りたくありません

義理じゃなく実親だからこそシンドイことってある

実家に帰りたくありません イタコ
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よくある義理親の実家の話かと思ったら、実親の話だったので 「実家に帰りたくない」 とはなんぞや?と思い読んでみました。 読んで、なるほどと唸りました。 毒親・・・というほど酷い親ではなく、親の子供に対する干渉を描いたような作品。 一見普通の親なのですが、他人からみたら異常な感じがすごいリアルでした。 しょっちゅう帰ってこいというけれど、特に育児を手伝ってくれるわけでもない。 孫の教育に対してイチャモンをつける。 そして、何かと陰で悪口を言い合う。 年配者によくある「人の悪口」でしか繋がれない感じ、なんかよくわかってしまいました。 本作は、両親が、主人公や主人公家族を見下すことで実家の平穏を保っています。 主人公の姉も同じように、主人公夫婦を馬鹿にすることで両親と良好な関係を築いている。 酷いと思いながらも、実際こういうのあるわー、こういう人いるわーと思ってしまいました。 そんな中、良かったのが主人公夫婦、特に旦那さんの対応。 義理の両親や義理の姉夫婦に酷いこと言われても、受け流すスキルや自分たちは自分たちという毅然とした態度や行動をとっていて(かといって、断絶するわけでもなく、適度な距離感で付き合っている)、それが主人公にとって精神安定剤となって良かったのだなと思いました。 そして、旦那さんと娘さんと一緒に「新しい家族」をつくりたいという強い想いが、最終的に両親との決別につながったのだと思います。 根本的な解決にはならなかったけど、まぁこうなるよね、という納得感とこの後の時間が解決していくのかなぁとか思いを馳せました。 最後に、本作で出てきた言葉 「もう取り返しがつかないところまできていて、それでも臭いものに蓋をしてギリギリで保っている関係だってあるの」 「そんな関係でも、大事にしないと生きていけない人だっているの」 これが全てな気がしました。 人生、わかっているけど、どうにもならないことって沢山ありますよね。 また一つ渋みが増しました。

パスタの流儀

パスタの魅力を再認識

パスタの流儀 花形怜 才谷ウメタロウ
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パスタっていいですよね。 安いし、美味しい、腹もちもいい。 お金がなかった学生の頃は、米よりもよく食べていた気がします。 ただ、カレーと同様にベースの平均点が高いので、 家でつくってもソコソコできてしまうから、 「わざわざ外食してまでパスタは食べたくないなぁ」 とか思っていた・・・時期が私にもありました。 本作を読んで考えを改めます。 すいません。 (当たり前ですが)めっちゃ奥深い。 そして、素人よりもプロのそれのほうが圧倒的に美味しそう。 冒頭の展開(実家がパスタ屋で幼馴染がいて)はまだ未消化なのですがなんとも言えませんが、主人公はイタリアでパスタ職人として働くところから始まります。 そこでの修行を経て日本で、先輩のあるイタリアンレストランを手伝うことになるという流れ。 とにかく展開がはやく飽きさせないのがすごい。 もちろんタイトル通りパスタの歴史や知識がふんだんに出てくるので読み物としても面白い。 特にパスタの立ち位置とか、イタリア人のパスタに対する意識の部分。 大衆食だからこそ、逆にその歴史や文化まで根付いた奥深さを感じさせます。 一介のマンジャ・パスタとしては、パスタイオ(パスタ職人)の心意気に、ただただ感動します。 それにしても同著者の「本日のバーガー」同様、出てくる料理が美味しそうなので、食べたくなりますね。 パスタはどこの家にもあるからよりいっそう誘惑が強いです。

株式会社マジルミエ

魔法少女というお仕事マンガ#1巻応援

株式会社マジルミエ 岩田雪花 青木裕
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“魔法少女”――それは、誰もが憧れる高給取りで人気が高い「職業」 というモノローグからはじまる本作。 ・・・マヂか。 「魔法少女って職業だったの!」 という気持ちを押し殺して読みましたが、普通にバトル漫画として面白かったです。 魔法少女なので戦いかたもステッキ片手にメルヘンちっくな呪文で~な感じではなく、パソコンというかデバイスというか近未来的な装置をつかって、プログラミング的な呪文をとなえて戦うのも、おっさんには良かったです。 展開としては、主人公の1人は就活全オチ真っ最中のなか、ひょんなことで出会った魔法少女・越谷がいるベンチャーの会社マジルミエに(ほぼ成り行きで)入社するという流れ。 ベンチャーっぽく研修もないので無茶振りされながらも、魔法少女の業務を通して、自分の適性や能力などを模索し成長していく。 全オチで自身喪失していた主人公が、周囲と協力しながら自信を取り戻していく・・・この王道少年漫画っぽい感じも良いです。 また魔法少女だけでなく、普通のサラリーマン的な要素(企業戦略とか人材育成とか)もあって、この点も、おっさんにはツボでした。 1巻なので、まだ世界観の全容がみえていないのですが(戦っているものがなんで発生するのかとか)今後、明らかになっていくのが楽しみです。

小銭でいいから拾いたい~ひきこもり副業入門~(合本版)

私も拾いたい、小銭

小銭でいいから拾いたい~ひきこもり副業入門~(合本版) カレー沢薫
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その昔 ビル・ゲイツは100ドル札を拾わない なんて話があった。 曰く、ビル・ゲイツは1秒で150ドルくらい稼いでいるから、 道端の金を拾うくらいなら働くだろうという論理だ。 その後、エレベーター内に落ちていた1セントコインを喜々として拾う姿が目撃されたようで、全くのデタラメだったようだ。 世界的な投資家バフェットも、同じように小銭を拾って喜んだのは有名。 何が言いたいかというと 金持ちほど、お金を大事にする ということ。 みーんな、小銭を拾ってんだ。 そういう意味では、カレー沢薫先生も、金持ちの発想といえなくもなく、金持ちになるであろう予感がする。(極論) 本題だが、本作は将来に不安を抱えるカレー沢先生、いろんな手をつかって小銭を稼ぐ方法をリアリティたっぷりに描いてくれてます。 タメになると言えば、タメになる。 ポイ活とか。 でも、やっぱり、 ・・・面倒だな という気分が拭えない。 大体ポイントカード自体、結局使わなくなるからつくらないくらい面倒くさがりなのだ。 有効期限1年とかだと、普通に失効するし。 だから、やはり金持ちというのは徹底的に無駄を省けるだけのマメさがあるんだと思う。 コンビニや自販機でジュース買うんじゃなく、安いスーパーで買うのだ。もしくは、水筒もっている。 そういう意味で、何もせずに拾った小銭は価値があるんだろうなぁと、そんなことを思いました。 最後になりましたが、拾った小銭はちゃんと交番にとどけましょう。犯罪になります。(身も蓋もない)

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