よくある義理親の実家の話かと思ったら、実親の話だったので

「実家に帰りたくない」

とはなんぞや?と思い読んでみました。

読んで、なるほどと唸りました。

毒親・・・というほど酷い親ではなく、親の子供に対する干渉を描いたような作品。
一見普通の親なのですが、他人からみたら異常な感じがすごいリアルでした。

しょっちゅう帰ってこいというけれど、特に育児を手伝ってくれるわけでもない。
孫の教育に対してイチャモンをつける。
そして、何かと陰で悪口を言い合う。

年配者によくある「人の悪口」でしか繋がれない感じ、なんかよくわかってしまいました。

本作は、両親が、主人公や主人公家族を見下すことで実家の平穏を保っています。
主人公の姉も同じように、主人公夫婦を馬鹿にすることで両親と良好な関係を築いている。

酷いと思いながらも、実際こういうのあるわー、こういう人いるわーと思ってしまいました。

そんな中、良かったのが主人公夫婦、特に旦那さんの対応。

義理の両親や義理の姉夫婦に酷いこと言われても、受け流すスキルや自分たちは自分たちという毅然とした態度や行動をとっていて(かといって、断絶するわけでもなく、適度な距離感で付き合っている)、それが主人公にとって精神安定剤となって良かったのだなと思いました。

そして、旦那さんと娘さんと一緒に「新しい家族」をつくりたいという強い想いが、最終的に両親との決別につながったのだと思います。

根本的な解決にはならなかったけど、まぁこうなるよね、という納得感とこの後の時間が解決していくのかなぁとか思いを馳せました。

最後に、本作で出てきた言葉

「もう取り返しがつかないところまできていて、それでも臭いものに蓋をしてギリギリで保っている関係だってあるの」

「そんな関係でも、大事にしないと生きていけない人だっているの」

これが全てな気がしました。
人生、わかっているけど、どうにもならないことって沢山ありますよね。
また一つ渋みが増しました。

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