とあるエッセイストが運営しているオンラインサロンがあり、その合言葉が、「みんなで幸せになろう」
この時点で、香ばしさの役満なんだけど、本作はそんなエッセイストを中心に、彼女と過去現在で付き合いがあった人間たちの悲喜こもごもを描いた作品。
そのエッセイストも、予想通りに、盗作やら、略奪愛やら、学生時代にいじめやらで、叩けばホコリが出るような人物で、そうした過去の因縁が、最後に繋がっていく様は、読んでいで因果応報的なスカッと感がある。
ただ、こうした炎上するような人物の多くが、ただでは転ばないように、彼女も、また再起をかけて手を変え品を変え復活を狙うところまで描いているの個人的に良かった。
なんというか、こういう輩って、優しく繊細な感情的問題扱っているようで、神経図太かったりするので。
人間の欲のなかでも、自己顕示欲なり承認欲求ってのは底なしなんだなとつくづく思う。
あと、そのエッセイストの過去の素性がバレた後、幻滅し非難したにも関わらず、数ヶ月経って、
やっぱりいなくなってしまうと寂しい
とか思ってしまっている、元サロンメンバーの発言が妙に残った。
結局、どっちも自分にとって都合の良いように利用していただけなんだなと思うと、なんともさもしい気持ちになる。
人間関係が一番怖いってことですかね。