線セーショナル5ヶ月前水木しげるの最高傑作は何かと問われた時に私は貸本版の悪魔くんであると断言したい。悪魔くんの千年王国以後のバージョンは凡庸な勧善懲悪に成り下がっていて物語の奥深さがない。貸本版の後に描かれた松下一郎版の千年王国は水木以外の線が入っており、さらに悪魔くんによる革命が達成されたかの様に物語が終わってしまう。この終わり方ではまるで、過剰な左翼思想、革命、70年代の学生運動を肯定してしまっている。 しかし、貸本版の悪魔くんは結局最後に殺されてしまうという終わり方が、アリストテレス的に言う所の、悪は過剰に宿るというテーマを物語で提示していることとなり、人々が受容する物語としてはこちらが正しい。さらに貸本版の悪魔くんの重要な所は世界を救うため悪魔を召喚したら、その悪魔はなんとただの口のうまい金に汚い凡庸な人間が召喚されるという所。そして水木しげる一人で描かれた描き込まれすぎていない、美しいバランス感覚の線によって物語に流れる深く緩やかな線で世界観を表現している。貸本版悪魔くん 【水木しげる漫画大全集】革命的な漫画39わかる
mampuku5ヶ月前『天上天下』からずっと愛読している大暮維人先生の新連載は、『化物語』終了から1年、オリジナル作品という意味では『エア・ギア』完結からじつに12年振りとなる。 バトルあり美少女ありイケメンありのファンタジーで圧巻の画力ももちろん健在だ。和風、バディもの、バトルと『天上天下』ファン垂涎の要素も盛り込みつつ、第一話クライマックスでの変身シーンがなんと『大祓詞』の詠唱に神楽舞!?バカのバイキングか!?オタク歓喜の全部盛りだァ…! ストーリーとしては、“夜”とよばれる災害を模した怪異(あるいは災害そのもの)に立ち向かうべく神を降ろして戦うというもの。まだ謎が多く、圧倒的な情報量に翻弄されているうちに1話が終わってしまった。2話がとにかく待ち遠しい。 マガジン巻頭のインタビューでは、作者の創作観の変化について語られている。AI時代との向き合い方については、膝を叩きたくなるような面白い話を読むことができた。一流の漫画家は、ビジュアル化の鬼であると同時に、考えてみれば当然かもしれないが、言語化の鬼でもあるのだ。灰仭巫覡大暮維人が帰ってきた!12年ぶりのオリジナル新連載!5わかる
マンGA5ヶ月前控えめに言って最高の漫画です。 小学生の時に図書館で読んで衝撃を受けて以来、大人になっても心が揺さぶられます。 何がいいってやっぱりセリフ。 なんでセリフが突き刺さるのかなって思ったら、やっぱりそれは一人一人の登場人物が丁寧に描かれてるからだと思う。 その分読むのも体力がいるけど、それ以上に何かを得られる漫画。 今までで1番の漫画は?って聞かれたら迷わずからくりサーカスと答えます。 ぜひこの名作よ、もっと広がってくれ!からくりサーカス心がグット熱くなる最高傑作6わかる
干し芋5ヶ月前高野雀先生の描く画もキャラクターもストーリーも好き。 偏っているようで、偏ってなくて、友達がビシバシ本音を言ってくれて、スッキリする。 自分の気持ちも一人で考えていてもぐるぐる同じところを回ってしまうけど、周りの人たちに相談することで考えが整理できて自分の気持ちが精査できる。 目線を変えると洋服と同じように選択肢が増えるってことで、解決できることも多々ある。 色々考えさせられる作品。13月のゆうれい女性とか男性とか人間とか。2わかる
野愛5ヶ月前かわいいOLさんが美味しそうに酒を飲む漫画。結局こういうのがいちばん好きなんですよね…!! お酒大好きOLの花越路さんと楯野川さんがお家や居酒屋やたまにはお外で日本酒&ビールを飲むだけ。 旬の野菜もこってりした肉もフルーツもチーズもなんでもマリアージュさせていてとても美味しそう! こういう組み合わせもありだな〜という学びもあります。 主人公2人の名前が日本酒にちなんでるのもいいですね。作者さんの日本酒愛が伝わってきます。 これは作品にあんまり関係ないけど、花越路さんがまだガラケー使ってて懐かしくなりました。 めちゃくちゃ昭和とか平成初期の作品より、数年前くらいのほうが懐かしい…!ってなるの不思議だなあ。 かわいい女の子と美味しいお酒はいつの時代も素晴らしいものです。酩酊ガール日本酒は何にでも合う3わかる
Pom 5ヶ月前二人だと何処へでも行ける。 都会で追われる様に仕事をしていたふゆ美と陽平二人にとって、北欧・スウェーデンはのんびりできて最高の場所だろうなぁ。 自然の中で珈琲飲んだり寝転んだり、憧れの生活。世界を見れるって幸せなことだ。 ふゆ美と陽平は新婚さんだからより幸せだろうな〜。笑 何があっても二人で乗り越える力強さも感じるし、自然がある場所へ行きたくなった。 北欧暮らしをしたら自分だったら物足りなくなるのかなぁ。。何て思ったり。こればっかりは経験してみないと分からないですね。 自分の狭くて固められた価値観を広げる経験が出来たらいいなと、この作品と北欧暮らしコラムを読んで思いました。北欧ふたりぐらし思い立ったが吉日。4わかる
alank5ヶ月前面白かった。 呪いのビデオのお化けがとにかく純粋で、素晴らしいセリフを言ってくれる。生きるのがめんどくさくなってる人はこのマンガを読むといい。呪いのビデオの正しい鑑賞スタイル生きる意味が見つかってよかった。3わかる
ゆゆゆ5ヶ月前原作となるイザベラ・バードの本は読んだことがある。 でもこれほど情景豊かに想像はできなかったし、イザベラ・バード視点のみなので、やはり周辺情報が客観的に描かれる漫画はやはり違う。 絵があると、それがすべて本当のように引っ張られてしまうのが弱点と何かで読んだ。 でも、自分だけの想像力では描ききれない、田舎の恐ろしいほどのノミやその他虫、そして不衛生さ。 それらが日常の様子として描かれ続けているので、漫画とはすごいものだなと思い知らされた。 そもそも、バード女史、よく行ったな。肉もないのに。 また、環境だけでなく、懐からボトルに入れた筆を取り出し記録をしたためる鶴吉の一連の仕草。 大人になったことを誇りに思う女の子の表情。 細やかな当時の人々の日常が、ドラマの何気ないワンシーンのように描かれていて、今は消え失せた文化を知らされる。 ちなみに、ヨーロッパより難儀な雑草が多い日本で、バード女史が農民が勤勉に働き雑草を刈るから「雑草がない」と表現したコマに、フフとなった。 有名な場面ですね。 キリスト教的な倫理観が根付いている現代の我々が、当時の日本へ気軽にトリップできる、すてきな漫画です。ふしぎの国のバード外国人視点の開国後日本6わかる