その他の感想・レビュー3349件<<678910>>伝説の作家・岩泉舞さんの新作が読める喜びに震えながら『七つの海』について語ってみた。岩泉舞作品集 MY LITTLE PLANET 岩泉舞兎来栄寿※ネタバレを含むクチコミです。コーヒーを置いていない喫茶店のお話猫と紳士のティールーム モリコロスstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ日替わりメニューとはいえ、700円で本格的な紅茶2杯+デザートだなんて、大丈夫なんだろうか。 人見知りだけでなく、太っ腹ないし、経営下手な店主なのかもしれない。 出されるお茶とお菓子はとても美味しそうで、店主のうんちくを聞きながら食べたくなってしまう。 ロイヤルミルクティーは和製英語などのうんちくをみていると、あれやこれや種類があることは知っている紅茶の世界の入り口に立っている気がする。 ちなみに、縦横無尽に動き回ったり、店主を励ましたりする猫のキームンくんの存在に癒やされつつも「ここ日本よね?保健所呼ばれない??」と気になり、読後に調べてしまった。 調理スペースに入れないとか毛が入らないようにするとか、触ったらちゃんと手を洗うとか、守るべき場所を守っていたら大丈夫らしい。 たしかに見直してみると、キームンくんはカウンターテーブルの上より先には行ってない。 なんの問題もなかった。 飲み物や食べ物を介した癒やされ系話を読みたい方におすすめです。伊達政宗の感想 #推しを3行で推す伊達政宗 横山光輝 山岡荘八starstarstarstarstarマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 山岡荘八と横山光輝のコンビだとこれが一番好きかもしれんな。文庫版だと4巻数でちょうどいい ・特に好きなところは? 関ヶ原前に伊達政宗と徳川家康を取り持つ今井宗薫。伊達政宗と徳川家康という傑物の合間に挟まれ取り持つが自分のやっていることがとんでもなく大きい話の大事な部分だと気づいた時だな。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 自分の年齢によって読んだ感想が変わりそうなマンガで今回は中期の関ヶ原の少し前から直後あたりの従うべきか戦うべきかを色々計算しつつ考えているあたりが良かった お姫様と騎士でなく、お姫様と侍女のお話蝋燭姫 鈴木健也starstarstarstarstar_borderゆゆゆ表紙が怖かったけど、レビューはそんな感じでもなさそうだったから読んでみた。 絵柄はすごく細々としたところまで描かれていて、お姫様の髪の毛はとてもキレイで、侍女のフルゥはあほ格好良く。 遺言の下、政争に負け、修道院に入れられたお姫様。 なにがどうなるのか、どう乗り切るのか。 手助けと思えたものは手助けでなく、周りは全て敵。 読んでいて、フルゥは修道女たちをバカにしたかんじがしたけど、実際そうだったのかもしれない。 フルゥにとっての世界はお姫様が王宮で暮らしていてそれにつくことだったから。お姫様が修道院で修道女をしている現実そのものが受け入れられない。 仮の場所と思っている。読者は良くも悪くも、フルゥの視点に引きずられる。 読み終わって、ハッピーエンドだけど、救われないなあと思ってしまった。 エマとカピュシンの感想 #推しを3行で推すエマとカピュシン Lena Sayaphoum Jérôme Hamonstarstarstarstarstarleon・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ ヒップホップとバレエと道が分かれた姉妹の成長が気になった。 ダンスの描写も迫力やスピード感がありながら、激しすぎないのが 心地よい。 ・特に好きなところは? 光の描写と徐々に成長していく姉妹の過程に説得力があるところ。 それを見守る周りのクラスメイトや両親も味があっていい。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! ストーリーも絵の使い方もバンドデシネならではで日本の漫画とは 違った読み味が楽しい。未邦訳の7巻をKindleで買うほど気に入った。徳川家康の感想 #推しを3行で推す徳川家康 横山光輝 山岡荘八starstarstarstarstarマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 久しぶりに読んだけど相変わらず竹千代(徳川家康)が出てくるまで長いな。まさしく徳川家康の一生を描いている内容でまあ苦難の人生だな。「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。」というのを体現している。 ・特に好きなところは? 特に好きなところは2箇所あって本能寺の変で織田信長が亡くなった後の河尻秀隆と豊臣秀吉が亡くなった後の石田三成。 織田信長がいた頃に河尻秀隆は優秀で出世も順調だったと思うが織田信長が亡くなった後は織田信長のやり方をやろうとしているが表層的な真似に過ぎず結局をうまくいかずに終わった 石田三成も豊臣秀吉もいた時は良かったが豊臣秀吉が亡くなった後、豊臣家を守りたいゆえに独善的になりうまくいかずに終わった。特に同じ地位ぐらいのやつに文句言ったあとに前田利家に話を進めてもらうとしたが前田利家に断れてるあたりは今の仕事にも通じそうだ ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 徳川家康が出てくるまでは長いが戦後に経営者虎の巻やビジネス書として言われるのもわかるのでおすすめです センスオブワンダー未来さん 新谷明弘タキシードは明日に舞う少し不思議系SF、アイデア1発!て感じ。 電子知能と人間で政党が別れてるとことか人口生命体反対のデモとか面白い切り口だなとは思ったけど奥行きがあまりなくて残念。海中で人間のケアする機械の虫が廃棄される話はオチも良かった。蝋燭姫蝋燭姫 鈴木健也starstarstarstarstar寸々「守る者と守られる者」「野蛮と高貴」の関係性からお互いの胸の思いを口にし、死の瀬戸際で王女と侍女の役割から解き放たれるラスト。この描き方がとても好きだった。 カメラの使い方というか、1コマ1コマがキャラにクローズアップした画面も印象的。やや読みにくくも感じるが、キャラクターの顔がコマ枠をはみ出すように描かれるからこそ、2巻でのスクワ姫の豊かな表情変化が効いてくる。地獄のような恋愛兄だったモノ マツダミノルstarstarstarstarstar山下真司亡くなった兄の恋人を好きになってしまう女の子の悲しい恋の物語。 …と思いきや1話のラストに電流走る。 エグすぎる三角関係のはじまり。コンビニバイト物語に求めるものがある島さん 川野ようぶんどうさいろくコンビニバイト系のマンガって割とコミカルとシュールで短期なものが多い印象なんだけど(なんとなく小田原ドラゴン先生のような絵柄のイメージ※偏見かも)島さんは人情系が上手く折り混ざってて良い。 想像が出来る現実感と、その中での島さんの行動が沁みる。 何気ない流れなのについボロボロ泣けてしまうとこがあったりしてたまらんです。好き。怪物退治する人間の方が怪物? #1巻応援天津水市「がご」撲滅だより がごはん ゆのこショウstarstarstarstarstar_border兎来栄寿かわいい絵柄で縦横無尽に暴走する、ブレーキの壊れたシュールでポップなファンタジーアクションコメディです。 妖怪や化け物を意味する方言から名前を付けられた、異形の怪異「がご」。 人口2万人ちょいの天津水市の人々をがごから守るために結成されたのが、一般市民からくじで選出された 理美容院店長の田上うめこ(健康維持の運動のため) 道の駅アルバイトの茶川みい(お金のため) 女子高生の柏木ひろみ(合法的に暴力を振るえるから) の3人。彼女たちに、うめこの店の従業員である咲本ゆうりも加わって、が「がご撲滅班」、通称「がごはん」となって戦っていく物語です。 敵味方含めて個性的なキャラクターたちがとにかく魅力的。通常時はデフォルメの強い画風とどぎついものも含んだテンポの良いギャグの連発で暴れ回り、ここぞというときに絵の緻密さが上がるコントラストも効いています。かわいい画風でありながらも当たり前のように併存する不穏当な部分が、ストーリーのヒキを強めています。 個人的にはサイコパス度が図抜けているひろみが好きです。脱臼は怪我の内に入らないという脳筋っぷり、子供たちに賽の河原のような遊びをさせて掌握しているさま、たまりません。3時間かけて削った鉛筆で「今日の私は精密動作性A(スタープラチナ)」のところも大好き。元々は黒髪ロングストレートだったのが、うめこの店でパーマを当てられているのがもったいないですが。生まれ持って与えられた黒髪ロングストレートというギフト、若い内は大事にして欲しいてます。 膝に矢を受けまくる天丼芸を披露してくる四大幹部のステルスムシャさんの件など、個人的にとても好きです。良い人ほど早く逝ってしまうんだ、この世界は。 独特のテンションで突き抜ける読み味は中毒性の塊です。頭でなく心で感じてビビビときたら手に取ってみてください。ワンダーランドがそこに広がっています。武田信玄の感想 #推しを3行で推す武田信玄 横山光輝 新田次郎starstarstarstarstarマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ もう何回も読んでるが毎回面白い。初期の父親との確執、上田原の戦い、砥石くずれ、川中島の戦い、信長包囲網、西上も含めていいね。 ・特に好きなところは? ギャグみたいな栃餅と山縣昌景の話。山縣昌景がこの栃餅はうまくて健康にもいいそうだからお館さま(武田信玄)に食べさせたらいいと医者に言ったら、「山縣さまのように何食べても美味しいという味覚の弱い人はいます」とのでという冷たい扱い受けたところ。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 歴史の勉強とかいうよりも横山光輝の歴史マンガの読みやすさや面白さを楽しむのがいいと思います 天邪鬼は本当に天邪鬼だった掌中の花明かり 日巻いとstarstarstarstar_borderstar_borderるる※ネタバレを含むクチコミです。夢という呪い君は武道館に立てない 多田基生六文銭「夢なし先生の進路指導」も、そうだったのですが、やりたいことや夢を追うこと美化しすぎる昨今に、現実を突きつける作品です。 主人公は25歳でアイドルを目指している女性。 弱冠アイドルとしての旬は過ぎている感は否めないが、それでも過去、地下アイドルだった時の高揚感が忘れられずズルズルと夢を追い続けていまに至る感じ。 そして、さるオーディションで、主人公のアイドルを諦めない姿勢 「どこまでもしがみつく根性」 の点が、プロデューサーの目にひっかかり再デビューを果たす。 が、現実はそんな甘くなく、業界人や財界人とギャラ飲みやら枕営業などを強いられるという展開。 プロデューサーが目をつけた「しがみつく根性」には「何をしてでも」という枕詞が隠されていたってオチ。 まぁ、タイトルからしてそんな予感はしてましたが、それを知った上でもなかなかエグい。 プロデューサーのセリフも、わかった上でやっているんだから鬼畜そのもの(添付参照) また主人公のバイト先に、夢を追う主人公を現実路線で冷ややかな目でみる男子大学生の対比も良い感じです。 1巻の最後がなかなかのヒキなので、続きが気になる。 そして、この枕を強要された事実を武器に文◯砲をもって裁判で闘う元アイドル的な(現代風刺的な)展開になったら、歓喜します。カデギ 物流倉庫でミックスコーヒーをがぶ飲みしながら働いた話の感想 #推しを3行で推すカデギ 物流倉庫でミックスコーヒーをがぶ飲みしながら働いた話 イ・ジョンチョル 印イェニ 首藤若菜starstarstarstarstarleon・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 物流関係のあるあるや韓国ならではの文化・空気がよく描かれているなと思った ・特に印象に残ったところは? 主人公と周りのいろいろな人の交流。ミックスコーヒーがいいアクセントになっている。しんどいけど、ジメジメしてない雰囲気も良し。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 物流関係で働いていますが、日本も韓国も似たようなものだなと 思ったり、文化の違い(キムチ絡みなど)を知って買ってよかったなと 思いました。ポケモンの漫画で1番好きですポケットモンスタースペシャル 日下秀憲 山本サトシ 真斗starstarstarstarstar_borderあいざっく昔からポケモンが好きで、漫画も色々読んでいましたが、その中でもこの作品が1番ゲームの世界観に近かった印象で、ゲームでのドキドキ感と同じドキドキ感で読めるところが好きでした。 これを読むと、自分の世界にもポケモンがいたら良いのにな、、、という気持ちがより強まると思います。 赤緑世代からやってる人は勿論懐かしくて面白さ倍増だと思うのですが、 やっていなくても十二分に楽しめる作品だと思いますので、 ぜひぜひ皆さんに読んでいただきたいです。のっぽでコワモテで、「溶けちゃう」蛇ノ目くん溶けないでよ蛇ノ目くん 小町谷涼花nyaeトーチ漫画賞の大賞受賞作の読切を改題して連載化したものらしいです。 カラーの扉絵?からイメージしていたよりも絵柄がペンでガリガリアナログ描きって感じの渋さです。内容としては(今のところは)なぜか身体が溶けちゃう体質の蛇ノ目くんと、バイト先の年下先輩の花邑くんとの微笑ましい交流です。BLっぽさも無きにしもあらず。 蛇ノ目くんの体質の秘密は後々明かされる…のかな? 溶けると水みたいになるから、氷なのかなと思ってるけどいわゆる雪女みたいな感じでもない。不思議な蛇ノ目くんには独特な魅力があります。武田勝頼の感想 #推しを3行で推す武田勝頼 横山光輝 新田次郎starstarstarstarstarマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 初めて読んだのは多分小学生くらいの時だが読むたびに新しい発見がある。これある程度年取ってからの方が面白い。 ・特に好きなところは? 高坂昌信の改革案後の話。長篠の戦いで負けた武田を復活させるための案を高坂昌信から聞いた武田勝頼の心境だな。親類衆との付き合い、組織の若返りを図りたいが今までの組織の変化させることの難しさ。刻一刻と悪くなる状況で手を打ちたいがどうにもならない。配下の裏切りなど全てが悪い方向にいってしまってる ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 歴史の勉強よりも偉大なる先代を持った会社組織の末路という感じで読むのもおすすめです 現代語訳(監修付き意訳)+漫画で読む、枕草子と紫式部日記小迎裕美子の枕草子・紫式部日記シリーズ 小迎裕美子starstarstarstarstar_borderゆゆゆ時代背景も描かれているので、つらつらエッセイとして読むだけでなく、より情勢が分かっておもしろい。 意訳が含まれているので、このノリはちょっと違うなとなる人もいるかもしれない(作者もあとがきで書かれている)。 初出仕時のショックから5ヶ月実家へ引きこもった紫式部、敵対派閥のスパイと同僚に心にない噂をされやはり引きこもった清少納言。 そのあと再び出仕できているので、二人が優秀だったから許されたのかもしれないが、ずいぶんと休みに対して寛容だったんだなあと驚いた。 そして比較して読むと、清少納言と紫式部、物事の書き記し方の違いがとてもよくわかる。 作中では清少納言がポジティブ、紫式部がネガティブ。 読んでいて気持ちいいのは清少納言のほう、親近感を抱くのは紫式部のほう。 「昔の人もそう思うのね、興味深い」となるほうと、「そういう事態はほんとに嫌ね、辛いね」となるほう。 をかしとあはれの文学とか習ったような。 書いた人たちだけでなく、1000年前のものが読めるように、研究して残してくれた過去の学者さん方にも感謝。 彼女たちが読んでいたと記されている、消えてしまった昔々の作品が奇跡的に出てきたりしないかな。初めて読んだ鬼畜系漫画君に愛されて痛かった【秋田書店版】 知るかバカうどんstarstarstarstarstarNanoおそらく単行本2,3巻までくらいしか出てなかったときに、漫喫で読んだか人から借りて読んだ作品なんですが…そうかこれか鬼畜系漫画だったのかと数年越しに理解しました。知るかバカうどん先生の名前に惹かれたのかなぁ。 過去に連載がとまったことが数度あって、ずっと続きを読みたかったので連載再開されてると聞いて嬉しくなりました。今かなえちゃんと寛のすけべシーンくらいまで読んだんですが、前から引っかかっていた寛の歪さ?のわけが分かってスッキリしました。このまま最新話まで追いつきたい。かなりしっかりどぎつい感じの漫画ですが、女の子めっちゃ可愛いです。やばい奴の描写が本気でやばい。もうちょっとスカッとに浸りたい!スカッと!芹沢くん 文京子starstarstarstar_borderstar_border野愛以前もコメントで書いたんですが、スカッとまでに時間がかかる!でもクズはすぐ来る! いや読み進めていけばスカッとするんです、芹沢くんのどストレートな正論にもどんどん強い人になっていく桜井さんにもスカッとするんです。 でもそれを上回るくらいのクズたちが次から次へと登場します。 スカッとに浸る時間しっかり取ってくれ〜!たっぷり浸ってから次の人現れて〜!と言いたくなってしまいます。 強キャラがどんどん出てきた方がストーリーとしては面白いし、現実はひとこと言い返してまるっと解決なんてことはないし、これでいいんだとは思います。 ちょっと休ませて、なんて甘えたこと言ってたら芹沢くんにも桜井さんにも置いてかれちゃうだろうし……いやでもスカッとのターンも長めに取ってくれるとうれしいな〜なんて思う自分もいます。ニンゲンちゃんいいなあ異形頭さんとニンゲンちゃん 三毛たまstarstarstarstarstar_border野愛ずっと甘々で可愛くてイチャイチャしてて、読んでいるだけで幸せになります。 美男美女がイチャイチャしてるのもそれはそれでいいんですが、人間じゃないからこそ心穏やかに見ていられる気もします。 言葉が出なくなるほどボロボロに傷ついた社畜OLが、異形頭の世界に転生して寵愛されるというなんとも夢のあるお話。 いいなあ〜って思わない人いるんですかね?いないですよね?いいなあ……。 ニンゲンちゃんが心を許して全力で甘える姿も可愛くて癒されます。その姿に悶える異形頭さんもまた可愛いんです。 こういうほのぼのイチャイチャ甘々をたくさん摂取して癒やされたいときがあるんです。ずっと可愛く幸せでいてくれればそれでいい! 何も考えずに癒やされたい人は読みましょう。いいなあ〜可愛いな〜って思いましょう。カタルシス外天楼 石黒正数starstarstarstarstar山下真司短編集の皮をかぶった傑作。 初めはギャグ感たっぷりの話だが徐々に不穏な展開に。そして全てが一本に繋がるカタルシス。 これだから石黒正数は好きなんだよなぁ。苦労を抱えたふたりが手に入れる青春 #1巻応援青と恋のアトリビュート えむけいstarstarstarstarstar_border兎来栄寿「こんな青春ストーリー、なんぼあっても良いですからね!」 と、心の中のミルクボーイが笑顔で拍手喝采でした。 美大を舞台にした青春群像劇ですが、創作面での葛藤などというよりは、各人物感の関係性に大きくウェイトが置かれた物語です。 中心となるのは会食恐怖症の主人公・蔵江。 そして、とある悩みを抱えるヒロイン・有地(ありぢ)さん。 蔵江は想いを寄せる有地に近付こうとしますが、その過程で有地の秘密を知ることになります。 友人はいたものの一緒に食事ができないことで困難を抱えていた蔵江と、ある事情により子供のころから人付き合いが苦手である有地さんの、違うものの似ている部分が重なり合って交わっていく構図がとても良いです。 有地さんは絵に描いたような食いしん坊キャラなのも高感度が高いです。美味しそうにたくさん食べる女子、良いですよね。蔵江が人とご飯を食べるのが苦手であることと対照的ですが、それを克服する一助となっていきそうです。 蔵江に好意を抱きアプローチする佐藤さんや、飄々とした良き友人キャラポジションの山本らサブキャラも立っており、青春を織りなす良き仲間たちとしてそれぞれを愛せます。家族以外にスマホに連絡先が入っていなかった有地さんが、少しずつ周囲の人と強く関わり合っていく姿を見ると心が和みます。 互いに心にわだかまりを抱えながらも、生まれた関係性から光の方へ寄り添い歩んでいくような青春を浴びたい方にお薦めです。<<678910>>