OH!MYコンブ ミドル

まさかの続編、そして1巻で終了

OH!MYコンブ ミドル 秋元康 かみやたかひろ
六文銭
六文銭

『OH!MYコンブ』好きだったんで、この続編には狂気乱舞しました。 しかも、ミドルって・・・。 昔の『OH!MYコンブ』ファンは、この続編にどう思っているか気になるところ。 自分的に一部アリでした。 表紙みた瞬間、ありふれたおっさん感に、一瞬 「うおっ!?」 てなりましたけど、1話目から相変わらず駄菓子を食べてて安心しました。 だけど、料理人にでもなっているかと思ってましたが、なっていない。 確か、コンブの家って定食屋だったと思うのですが、そこを継ぐわけでもなく、コンビニでバイトしている。(バイト・・・) メンメンを「元」恋人と称しているなかで、料理を辞めた経緯なんかも絡めて展開されるのかな?と思った矢先に終了。 特に背景が出てくることもなく消化不良で終わってしまった。 ここが残念でした。 ただ、昔の、登場人物も、それなりに登場してファンに嬉しい。 パイ助のyoutuberが一番しっくりきました。 むすびが社長になっているとかも、弁当屋で苦労していた不遇の過去を知っている身としては嬉しい出世。 リトルグルメから、おっさんの酒の肴向けにチューニングした料理もそれなりに興味深く読めました。 なので、1巻終了はちょっと残念でしたね。 とはいえ、小さい頃読んでいたマンガの登場人物のその後が見れるのがファンとしては嬉しいもの。 金田一少年もそうですが、今後もこういう形の続編が多くなりそうな予感で、昔からマンガばっか読んでいた人間にとっては楽しみでしかないですね。

紛争でしたら八田まで

『MASTERキートン』好きにはオススメしたい新連載!

紛争でしたら八田まで 田素弘
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

この新連載はどうなるんだろう、とモーニングで様子を見ていたけど、もう面白いことが確定したので安心して楽しめる!! 八田さんが世界各地で小さく起きている民族間、言語、思想のすれ違いで巻き起こる問題を知性とちょっとした格闘で解決!解決したらまた次の現場へ急行し、その地域の言語や慣習、政治など多角的にみっちり叩き込んで問題へ挑んでいく。 世界中を交渉して回る解決屋! その仕事の名は、「地政学リスクコンサルタント」! もう、こんなの間違いなく面白いに決まってる! 『MASTERキートン』好きな人にはぜひオススメしたい。 キートンは考古学者兼保険屋だけど、元軍人で戦えるし、それぞれの土地に詳しい必要があったり争いの仲裁を行ったりもしていた気がする。 すっごくざっくり言うと、立場や職業こそ違えど八田さんも似たようなものだ。 実は『勇午』をちゃんと読めてないのでいつか読みたい。ふわっとしか知らないけど同ジャンルなのかな。 まず、タイトルにもある「紛争」。 何を持って紛争と呼ぶのか調べてみた。 『一般的に「紛争」とは、「少なくとも2つ以上の主体が、希少な 資源(富や権力など)を同時に獲得しようとして相争う社会状況」と定義される』 この漫画で最初に出てくる事例がとても分かりやすい。 イングランドとアイルランドが揉めるという内容。 まさに、2つの主体が争う状況なわけでそこで八田さんは華麗に解決するかと思いきやわりかし腕力でねじ伏せている。それもたまには必要だよね。 八田さんのネーミングって「切った張ったの世界」って言葉から来てたりするのかなって少し思った。 https://comic-days.com/episode/10834108156713454523 そして、2話から描かれる呼び出された土地はミャンマー。 「歴史・宗教・政治・経済・軍事・エトセトラエトセトラ」を一週間でビッチリ詰め込んで挑むが・・。 「ミャンマー企業紛争編」から「タンザニア魔女狩り騒乱編」へ。面白い~! 世界を少し移動すれば何かしらで揉めている。 具体的にも抽象的にも何かしらの境界線があれば揉めるのが人間だ。 八田さんの旅が終わることはあるのか?お金次第? 人や場所、環境が変われば揉める内容も変わるので一生楽しめる漫画になるんじゃないかとワクワクしている。 単純に、国際情勢へ興味を持つきっかけにもなるし! ありがたや~! 作者の過去の読切がこちら。 主人公のキャラクターが少し似てるかも? 『定時退社でライフルシュート』 https://comic-days.com/episode/10834108156637582721

U-31 ALL YOU NEED IS FOOTBALL!

あの頃、ただただ熱かった(オシムさんを思い出すマンガ)

U-31 ALL YOU NEED IS FOOTBALL! 綱本将也 吉原基貴
ナベテツ
ナベテツ

日韓ワールドカップの後、日本代表の中盤に「黄金」というフレーズが冠されていた頃。海外でプレーする日本人選手がまだまだ十指に足りないくらいで、日本代表の過半数はまだJリーガーだった時代。 この作品に登場する選手のモデルは当時のJを観ていた人間ならほぼ分かりますし(ライバルだけは架空の存在ですが)、10年以上の時を経て読むとひどく懐かしく感じる、そんな作品です。 オシムさんの訃報に触れ、市原臨海の仮設スタンドで西野さんの率いるガンバとオシムさんのジェフとの試合を観たのがもう20年近く前のだとふと思い、この作品に登場する皮肉交じりの東欧出身の監督も良いキャラだったなあと古いサッカーファンとしてノスタルジーを覚えます。 アトランタで将来を嘱望された、かつての天才が再起する物語。今のサッカーからしたら泥臭く暑苦しい作品ですが、時代の空気を閉じ込めた佳作であると思っています。原作の綱本さんのデビュー作であり、ジャイキリよりはコンパクトにフレーバーを感じられる作品ではないかと思います。 末尾になりますが、オシムさんのサッカーは面白かった(ナビスコ決勝でガンバが敗れたのも今は良い思い出として語れます)。賢者への謝辞とともに、R.I.P