FEEL YOUNGの感想・レビュー313件<<1011121314>>FEEL YOUNG掲載、押見修造の切ない読切ワルツ 押見修造nyae学校で酷いいじめを受けている柏原くんは、化粧をして女性用下着を身に着けているところを同級生の尾長さんに見られたが、可愛くなりたいと願う彼に尾長さんはファッションとメイクの基本を教えてあげることに。 どんどん可愛くなって喜ぶ柏原くん。そんな彼を見て自分も嬉しくなる尾長さん。二人の距離はどんどん近づく。 ある時、柏原くんは女装のまま、ある人に告白をしたいと打ち明けるが、それをきっかけに二人の関係に決定的な変化が起きる。 彼の恋心は正直、読者としても理解し難いものですが、誰に恋しようが自由なわけで、でもそれに対して一番傷ついたのは尾長さんで、地方都市の退屈な高校生活にせかっく生まれた楽しい時間を踏みにじられたような気持ちになってしまったんです。でもそこには「私がしてあげたのに」という自分勝手な感情もあり…。 最後は続きが読みたい!となる終わり方になってます。 これは押見修造氏の女性誌初掲載作だそうなのですが、特のそのへんは意識せずに描いている感じがします。完成された2人の愛のかたちジェンダーレス男子に愛されています。 ためこうnyae一話目の、忙しさにかまけて身だしなみを蔑ろにしていたわこ(彼女)に対して、めぐる(彼氏)の「美しさは自分で間に合っているから」という発言、嫌味でも何でもなく二人の間の共通認識事項であると、その次のわこの反応を見ればよく分かる。 めぐるのプロデュースに余念がないわこと、忙しいわこの帰りを優しく迎えるめぐる。2人は間違いなく恋人同士で、誰も入り込む隙などないのである。 そんな2人を見ていると本当に楽しいし、なんか幸せになる。また自分の「当たり前」を疑わないとな、という気分になる。 あと単純に、ためこう先生の揺るぎない画力の高さが、説得力を生んでいることは間違いないと思う。1巻に載っている2人の出会いの話は色んな意味で衝撃。京ことばも魅力な秀逸オムニバスみやこ美人夜話 須藤佑実名無しタイトルの「みやこ」は物語の舞台である京都と表紙の美女ミヤコさんの名前を表したダブルミーニングになります。全話に登場する訳ではないのですがミヤコさんの存在で物語が繋がっていきます。そこに無理がないように思うのは作者自身がストーリーを作ることを楽しんでいるからな気がします。巻末の描き下ろしマンガも本編と続くような内容で面白かったです。個人的に一番好きなのは舞妓さんと女優さんの交流を描いた話です。まるで文豪が描いた小品のようでした。これは唯一ミヤコさんとは関連がないのですが作品全体に深みを持たせてると思います。SolidでCool痛々しいラヴ 魚喃キリコ(とりあえず)名無し※ネタバレを含むクチコミです。 あらすじの書き方wミラーボール・フラッシング・マジック ヤマシタトモコ名無しひどいw もっと清潔な感じのエロスなので安心して読めますよ。地獄に落としたい男NO.1は星名さんに決定!きみが心に棲みついたS 天堂きりんひろりんぬ胸糞悪いの一言。 そんなひどいことしなくてもいいじゃんって思いながらつい続きを読んでしまう…。人生で一度しかない"青春"の群像劇魔法が使えなくても 紀伊カンナsogor25様々な背景をもって上京してきた若者達の群像劇。紀伊カンナさんはこれまでBL作品を中心に発表されてきたけど、絵柄・キャラ造形含めて男女問わずに魅力的なキャラを描ける方なのだと実感する。連作短編集の形式で毎話中心人物が変わるんだけど、みんながみんな何かしらの明確な答えを見つけるわけではないのに登場人物は皆輝いて見える。色んな出来事があった後、物語上そんなに深く絡んでなかった岸くんと環の会話で締めるっていう構成もいいし、そこの環のセリフがこの作品全体を的確に言い表してて何回も読み返してしまう。まさにこの世は白か黒かだけじゃないねずみ色ばかり、でもだからこそいいと思わせてくれる作品。 そして物語の余韻をいい意味で吹っ飛ばしてくれる最後の見開き。ただこれはこれで物語の結論とは別の意味で真理。 二ノ宮先生の酒豪っぷりに爆笑平成よっぱらい研究所 完全版 二ノ宮知子名無しエッセイマンガです。二ノ宮知子先生のマンガには常識を超えた天才(奇人?)キャラクターが登場しますが、これを読むとさすが生みの親だなぁと感嘆します。酒で起こした失敗は酒で忘れる!明るい酔っ払いは最高!平成の名著だと思います。たいやき夢の端々 須藤佑実名無したまたま第三話を読みましたが…絵の情感といい、セリフ回しのセンスの良さといい、昭和の空気を濃厚に感じさせる時代考証の見事さといい、こんな才能のある人がいるんだ…と思いました。 隔月のようですが…これ描くために相当な力量を注いでるのでしょうね。 戦争の影を感じさせるという点では、こうの史代さんの「夕凪の街 桜の国」以来です。ひさひざに心に刺さるマンガに出会いました。デビュー作も収録。パンドラの匣的短編集パンドラ ねむようこ名無しねむようこのちょっとダーク寄りでポップな短編集。デビュー作のナイトフルーツの衝撃たるや。まぁこんな作品を新人がいきなり描いてきたらビックリするよな、という内容。かなりダークなのにギャグテイスト。 個人的には『流行性感冒』が好き。割り切っているようなのは、自分のことを分かりきれていないから。気がついた時の女の子の動揺、どうしようもなさが上手い。これも良い短編集 妙にリアリティある北国の恋愛はしっこの恋 町麻衣たかアヤメくんののんびり肉食日誌の町麻衣先生の作品。 「漁師の息子は家が金持ちゆえ、年頃になるとプレハブ部屋が与えられる」という「うわありそう…」とやたらリアルな描写が忘れられない。 狭い行動範囲で暮らし、学生時代のつながりが卒業しても継続する「地方・地元感」と、漁師・農家の「仕事」、そして「恋愛」の3要素が絶妙に噛み合って独特の雰囲気が出てて好き。 地方のリアルな空気感を味える映画やドラマのような素敵な作品でした。ハラハラするあなたのことはそれほど いくえみ綾大トロ※ネタバレを含むクチコミです。かわかみじゅんこ先生らしいタイトル少女ケニヤ かわかみじゅんこかしこ先生がインタビューで、中学生当時みんなが「ナウシカ」で盛り上がってる中「少年ケニヤ」を観に行ったとおっしゃられていた。そのセンスが作風そのものだなぁと思った。マンガの内容は全然ジャングルとは関係なくて女子高生が恋愛に目覚める話なんだけど、恋の熱狂と野生を掛け合わせる要素の活かし方もかっこいい。 そ、そっちのことかーこちらから入れましょうか?…アレを 松田環名無しセックスレスにもいろいろあって、この作品で扱うセックスレスは男性側の問題。 しかも本当はしたいけど、いろいろあって精神的に勃たないという状況。 ゆえに、セックス自体には肯定的という部分がみそで、申し訳なさもあってか嫁からの一足飛びの提案を許容してしまうという部分が面白い。 全然、ほんと全く拒否らない。少し引きながらも、わりとすんなり受け入れる。 そして嫁のアグレッシブさ。 正直、興味津々な内容だ。 そっちで出来てしまったからこそ、本来の形ではこれからどうなってしまうのか。 コミカルに描いてはいるが、あくまでこの形は本来の形でできない状況での代替品でしかなく、呼び水にするためのものとして始まっている。 しかし、世の中には様々な性的嗜好は溢れかえっているので、むしろこれこそが最高で元には戻れない人もいるだろう。 男性側がそこに情けなさを感じてしまい、より不能なドツボに嵌ってしまうこともあるかもしれない。 どう転んでいくのか、今後の展開が楽しみだ。タイトル通りとは恐れ入った!彼氏可愛いよ彼氏きょうは私が抱きます。 高田ローズたかFEEL YOUNG11月号の巻頭がからっぽダンスRで、まずそれを読み、最後のページをめくって現れたのがこれで動揺が走った。タイトルが目に入った瞬間「マジかよ...!!」とテンションが上がり、興奮を抑え楽しみを取って置くことにして最後に読んだ。 かわいい扉絵。 線が細めでトーンや小物でキラキラした紙面。 彼ピッピ・ミキオの清潔感だけあって突出したところのない平凡な見た目。 主人公の「いや無理でしょ…」っていう正直なリアクション、 全部いいけど、やっぱ「ミキちゃん」がかわいかったのが何より最高だった(ベッドの上で) 雑誌は毎月読み出してそんな経ってないけど、自分の中で「ジェンダーレス男子に愛されています。」で高まった敬愛の念が、「きょうは私が抱きます。」で頂点に達した。ひとつの女性誌の中で、恋愛の形にダイバーシティがあるのって素晴らしい。 なおこの2ヶ月後の2019年1月号から、同じ女性攻めをテーマにした松田環先生の「こちらから入れましょうか、その…アレを」が始まったけれどど、2作の雰囲気は驚くほど違う。こちらは女性漫画らしくキラキラしてるけど、『アレ』の方はちょっと気だるげで退廃的で淫靡な感じ。 これらの作品に掲載ゴーサインを出した編集部の姿勢を全面的に支持するし、一生勝手についてくぞフィーヤン。そして高田ローズ先生…! https://twitter.com/RoseTAKADA/status/1048572649926942722?s=20励みになりますねぇずっと独身でいるつもり? おかざき真里名無しタイトルに対して「うるせぇな」と心の中で瞬時につっこんでしまう人は私以外にもいるはずです。 適齢期の女性と適齢期を通り越してきた女性にはきっと励みになる、共感できる漫画です。 それにしても親からのかわいそう発言は刺さります… 人形のように美しいけれど、お人形じゃないHER ヤマシタトモコにわかヤマシタトモコの女性は人形のように美しい。色気があって、身体のバランスがよくって、はっきりとした顔立ちをしている。ただ、彼女たちの本当の魅力は『お人形』じゃないところにある。 この作品に扱いやすそうな女性は一人も出てこない。誰もが自身のスタイルを意識しているからだ。自分の内側の本音と外側の出来事。そうした揺さぶりの中から生まれる衝動。瞬間、彼女たちの表情や仕草はこれ以上ないほど瑞々しく描写される。その魅力はお人形には決してない、人だから出てくるものに違いない。何度でも読みたい。生活に潜む日仏の違いモンプチ 嫁はフランス人 じゃんぽ~る西たか じゃんぽ~る西先生の、「外国の人形のようにかわいらしくデフォルメされている登場人物とアクセントのように挟まれるリアルな絵」という作画のスタイルが好きです。 機械に強いフランス人の奥様と、日本ですくすく大きくなる七央くん、そして日本人的な日本人男性のじゃんぽ〜る先生の3人暮らしは読んでて全然飽きません。 現在FEEL YOUNGで連載中の、奥様が来日に至るまでを描いたTOKYO異邦人も、ハチャメチャに面白いのでおすすめです!! (画像: こういうリアリティとデフォルメの絶妙なバランスが最高…!)ちょっといい話ミッドナイトブルー 須藤佑実名無し切ないけど爽やかさがある読後感。色も暗めの青で統一されてて綺麗。寝る前に読みたい。 このマニアさ、この感染力がオタクだ!!監督不行届 安野モヨコにわか「働きマン」の作者、安野モヨコによる「新世紀エヴァンゲリオン」庵野監督とのオタク的結婚生活を綴ったエッセイ漫画。無邪気にオタクが染みついている監督とオタ化に抵抗しながらも染まっていく主人公は見ていて微笑ましい。 かなりマニアックなオタク話もあり、面白い。こういうのが本当のマニアやオタクなんだなと分かる。南Q太の隠れた名作「夢の温度」夢の温度 南Q太かしこ中学生の妹・はる、高校生の兄・あき、それぞれの恋愛を描いた物語です。この漫画の主要人物は全員美男美女だし、もちろん恋愛の話なのですが、あまり胸がキュンキュンするような感じではありません。でもすごく希望があるんです。こんな人っていてくれるんだ、こんな夢みたいなこと起こるんだ…って思わせてくれます。オシャレ可愛い魔法が使えなくても 紀伊カンナむ個人的に話はBL描かれてた方が面白かったですが女性漫画でも追っかけたくなる絵のうまさ…!オシャレだし可愛いしサラサラっと読めるし読後感も爽やかです。 こじれた家族の人間関係をそれぞれの視点で描く上手さビューティフル・エブリデイ 志村貴子starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)志村貴子節出てるなーという感じで好き。 女子高生の主人公のエロ漫画家の父が亡くなり、再婚した相手方には年の近い兄妹がいて、兄はセクハラ気味で接してくるし、妹はブラコンだから嫉妬してきて当たり強いし、父は幽霊になって見守っていて~、というそれぞれの人間関係がこじれた矢印になている感じ、そしてそれぞれに視点が移ってそれぞれに思うところあってみんな生きているという感じ。 好きですねー。 そもそも僕は放浪息子がめちゃくちゃ好きで感情移入以上のなにかを持って読んでいたのですが、淡々としつつ感情の機微を描いていて、デリカシーのないあいつにも自分とは人生や家族があって、みんな違うなりに人と人の間でしたたかに生きていく感じがたまらんのです。 何なんでしょう、志村貴子さんのこの達観した感じ。 他人は他人、自分は自分。 実は人って他人にそこまで興味持たないよね、といいつつ固執したり、みたいなこのバランス感覚。 何か傷つくことを言われても何も感じてませんよーみたいな顔しつつしっかりダメージあったり、その顔とか絵が単純に好きです。 外には外の顔、考えていることはまた別、みたいな、漫画らしい過剰な演出してない感じも好きですねー。 世の中、漫画みたいに感情の起伏を表に出すような人ばかりでもないし、出したところで取りあってもらえないし、構ってちゃんみたいに思われても嫌だし、そんなことごちゃごちゃ考えてしまうような人ととは仲良くなれる気がするし、志村貴子さんとの相性もいいでしょう。 でもなんでだろう、自分の中で放浪息子ほどハマれないのは。短編集地上10メートルの檻から 三原ミツカズ大トロ三原ミツカズ先生の短編集です。 絵がスタイリッシュでかっこいいです。<<1011121314>>
学校で酷いいじめを受けている柏原くんは、化粧をして女性用下着を身に着けているところを同級生の尾長さんに見られたが、可愛くなりたいと願う彼に尾長さんはファッションとメイクの基本を教えてあげることに。 どんどん可愛くなって喜ぶ柏原くん。そんな彼を見て自分も嬉しくなる尾長さん。二人の距離はどんどん近づく。 ある時、柏原くんは女装のまま、ある人に告白をしたいと打ち明けるが、それをきっかけに二人の関係に決定的な変化が起きる。 彼の恋心は正直、読者としても理解し難いものですが、誰に恋しようが自由なわけで、でもそれに対して一番傷ついたのは尾長さんで、地方都市の退屈な高校生活にせかっく生まれた楽しい時間を踏みにじられたような気持ちになってしまったんです。でもそこには「私がしてあげたのに」という自分勝手な感情もあり…。 最後は続きが読みたい!となる終わり方になってます。 これは押見修造氏の女性誌初掲載作だそうなのですが、特のそのへんは意識せずに描いている感じがします。