きょうは私が抱きます。

タイトル通りとは恐れ入った!彼氏可愛いよ彼氏

きょうは私が抱きます。 高田ローズ
たか
たか

FEEL YOUNG11月号の巻頭がからっぽダンスRで、まずそれを読み、最後のページをめくって現れたのがこれで動揺が走った。タイトルが目に入った瞬間「マジかよ...!!」とテンションが上がり、興奮を抑え楽しみを取って置くことにして最後に読んだ。 かわいい扉絵。 線が細めでトーンや小物でキラキラした紙面。 彼ピッピ・ミキオの清潔感だけあって突出したところのない平凡な見た目。 主人公の「いや無理でしょ…」っていう正直なリアクション、 全部いいけど、やっぱ「ミキちゃん」がかわいかったのが何より最高だった(ベッドの上で) 雑誌は毎月読み出してそんな経ってないけど、自分の中で「ジェンダーレス男子に愛されています。」で高まった敬愛の念が、「きょうは私が抱きます。」で頂点に達した。ひとつの女性誌の中で、恋愛の形にダイバーシティがあるのって素晴らしい。 なおこの2ヶ月後の2019年1月号から、同じ女性攻めをテーマにした松田環先生の「こちらから入れましょうか、その…アレを」が始まったけれどど、2作の雰囲気は驚くほど違う。こちらは女性漫画らしくキラキラしてるけど、『アレ』の方はちょっと気だるげで退廃的で淫靡な感じ。 これらの作品に掲載ゴーサインを出した編集部の姿勢を全面的に支持するし、一生勝手についてくぞフィーヤン。そして高田ローズ先生…! https://twitter.com/RoseTAKADA/status/1048572649926942722?s=20

ビューティフル・エブリデイ

こじれた家族の人間関係をそれぞれの視点で描く上手さ

ビューティフル・エブリデイ 志村貴子
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

志村貴子節出てるなーという感じで好き。 女子高生の主人公のエロ漫画家の父が亡くなり、再婚した相手方には年の近い兄妹がいて、兄はセクハラ気味で接してくるし、妹はブラコンだから嫉妬してきて当たり強いし、父は幽霊になって見守っていて~、というそれぞれの人間関係がこじれた矢印になている感じ、そしてそれぞれに視点が移ってそれぞれに思うところあってみんな生きているという感じ。 好きですねー。 そもそも僕は放浪息子がめちゃくちゃ好きで感情移入以上のなにかを持って読んでいたのですが、淡々としつつ感情の機微を描いていて、デリカシーのないあいつにも自分とは人生や家族があって、みんな違うなりに人と人の間でしたたかに生きていく感じがたまらんのです。 何なんでしょう、志村貴子さんのこの達観した感じ。 他人は他人、自分は自分。 実は人って他人にそこまで興味持たないよね、といいつつ固執したり、みたいなこのバランス感覚。 何か傷つくことを言われても何も感じてませんよーみたいな顔しつつしっかりダメージあったり、その顔とか絵が単純に好きです。 外には外の顔、考えていることはまた別、みたいな、漫画らしい過剰な演出してない感じも好きですねー。 世の中、漫画みたいに感情の起伏を表に出すような人ばかりでもないし、出したところで取りあってもらえないし、構ってちゃんみたいに思われても嫌だし、そんなことごちゃごちゃ考えてしまうような人ととは仲良くなれる気がするし、志村貴子さんとの相性もいいでしょう。 でもなんでだろう、自分の中で放浪息子ほどハマれないのは。