FEEL YOUNGの感想・レビュー313件<<910111213>>満足感の高い1巻完結作品。真夏のデルタ 綿貫芳子starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)とある3人の高校一年生、ひと夏の出来事。 人の顔色を伺っていい子のふりして勝手に不満を溜めて落ち込む女の子、椎葉。 背が高くてかっこよくて運動も勉強もできて周りの期待とプレッシャーの中で空気を読み続け「いい奴」を演じる男の子、三辻。 周囲からの視線、評価を一切気にしないで好きな美術と好きなだけ向き合う、伸。 付き合っている椎葉と三辻。孤独を楽しむ伸。 椎葉の歪な歯の形をきっかけに、ひと夏限りの三角形が浮かび上がる痛くて淡い思春期の記憶をそれぞれの視点から描くオムニバス。 https://twitter.com/atomicsource/status/1169210747240402944?s=20 「空気読まなきゃ」とか「嫌われないようにしよう」といった部分は多くの人の思春期に共通する息苦しくってたまらない問題ではあるんだけど、その分かりやすい手前の痛々しさだけをピックアップするべきではない奥行きを持った漫画だなと思った。 この漫画の、夏の強い陽射しとそよ風と木陰と美術室の匂いと蝉の声の中で鮮やかに描かれているのは、その時期の一点ではなく成長と変化の軌跡だ。 それぞれの立場の人間がこの出来事を機にそれぞれの方向へ軌道を変えていく。 そのときは運命的に感じるかもしれないが長い目で見ると偶然そこに居合わせたそれぞれの通過点に過ぎない。 それでも多感な時期に起きた出来事は、人生の行く末を変え得る力を持っているものだ。 読んですぐは、 ・変われた人(脱却、変化) ・変われなかった人(後悔、反芻) ・変わらなかった人(自分の価値観を信じて美しいものを追い続ける) の三者を描いているのかもと思ったけど、発言の内容だけ見ればそう単純ではない気もする。 当時は全てだった何もかもは、久しぶりに会えばあの日はあんなこともあったね、なんてささいな想い出のように語られるだろうけど、本当は誰しもが何かしらの形で一生その時代に囚われている。 そんな三者の羽化した先まで美しく描いているので一冊としての満足感がとても高い作品。最後まで読むべしうさぎドロップ 宇仁田ゆみさいろく最後の最後まで読み、そこで当時論争が各所で起きた。 そのぐらい読者全員惹き込まれていた事がわかる。 賛否両論とはまさにこのことで、最後のあれはアリかナシか。 はたまたこうすれば良かったとか、こうなってたら良かったとか、大吉はこうすべきだったとか。 思いの丈を吐き出す場が必要になった。そんな作品。 ちなみに鬱エンドとかではないので安心してほしい。 私はこの作品がすごく好きだったし、最後のも大賛成派だ。 読み切った後、宇仁田ゆみ先生最高!と感動して溜め息と共に本棚に戻そうとして、明日も振り返ろうとリビングにあえて置いたぐらいだ。 みんながみんなそうだと思って、同じく読んでいた上司にその話を振ったが彼女はウ~ンと唸った。 そこから呑みに行き、お互いにどうだったかを素直に語り合った。 この作品が多くの人に既に届いているのは知っているが、未読の人は是非読んで感想を語ろう。 私が読んだのは連載当時だけど、いつ読んでも素晴らしい名作なので。刺してくる感じ真夏のデルタ 綿貫芳子やむちゃ外面いい子タイプ・優等生タイプ・お調子者のフリして気使うタイプ・相手の求める言葉がすぐわかるタイプには読んでてつらいのでは? 共感という気持ちもあれば、漫画ならではの爆発→一皮むける描写も「そんな簡単じゃねーよ」って思ったり。こういう漫画が若い人に流行るってことは、皆色々気を使って懸命に生きているんだなとほほえましくなりました。 読後感が素晴らしいです。嫌味を感じない楽しい京都はらへりあらたの京都めし 魚田南名無し作者の魚田南先生は実際に京都府の隅っこのほうの 出身のようで、実体験をもとにした 「京都に憧れる京都人」を描いたみたい。 なぜか漫画の中ではムーミンが型崩れしたような「アラタ」 というキャラで登場してくる。 アラタは京都の北の山の上にある美術学校の生徒。 美味しいものを食べたい、出来れば女子大生らしくオシャレに。 幸いにして愉快な仲間とオシャレで美味しい店で 色々な料理を楽しみ味わう機会に恵まれるのだが・・ この漫画の良いなと思った点は、 「どう、これってオシャレでしょ」という ハナにつく嫌味を感じる展開がないところ。 なにせ京都だし、まして美術大学の女子大生。 私が今まで抱いていた京都や女子大生のイメージからすると 「これが京都のオシャレどすえ」という話が出てくるのかと思った。 「涙を流しながらぶぶ漬けを食うハメに」 みたいなシーンが出てきたりするのかと想像していた。 実際、オシャレな店でコジャレた料理を食べるシーン は多かったし、よくある 「貧乏学生が安居酒屋で飲んだくれる」という 基本は貧乏、みたいな話とは大分違ってはいたけれども。 けれどアラタのノリなのかホントの京都のノリなのか、 仲間とクダケタ京都弁で好き勝手言い合いながら食事をする シーンからは嫌味は感じられない。 京都って美味しい食べ物があって楽しい人達がいるんだな、 と思わせてくれる漫画だった。 ・・それが正しいのか誤解なのかまではわからんが 漫画として楽しく読めたのだからOK(笑)。 作風や絵柄に付いては読んだ人で好みがわかれるだろうな、 と思う部分はあった。 全体的には絵もストーリーも綺麗で、ちゃんと 漫画的に面白く描いている部分もあって私好みだ。 だが、料理とかはあまり食欲をそそらない。 なぜだろう? 細い線(フリーハンド中心?)で細かく書き込んでいるし、 料理や食器が微妙に重なった構図とか、 色々とこっているな、と思ったくらいなのだが。 出てくる料理が馴染みの無いものが多いので 味が想像できないからだろうか? 掲載されている各店の料理のお値段などからすると 思ったより安い。 なので京都に行く機会があれば是非食べてみたいが なんせ京都は遠いから、当分は漫画を読んで 想像して楽しむだけだな。 円環のように繋がる壮大な連作短編集グッド・バイ・プロミネンス ひの宙子sogor251話の主人公・喜多さんが先生に告白するといういきなりの導入から始まる連作短編集。各話ごとに主人公が移り変わっていき、それが巻を通して読むと円環のように繋がっているという構成がまず見事。また、それぞれの話を見てみると、各話の主人公たちの人生のターニングポイントとなるような場面を切り取って描かれているけど、明確なハッピーエンドともバッドエンドとも描かれていない作品が多い。同じ事象を別視点で描いている部分も多く、受けてによってプラスにもマイナスにも捉えられるということを思い知らされる。そして何より、どんな人にでもそれぞれの物語があり結末を迎えることなく進み続けるしかないということを1冊を通して感じさせる壮大な作品。普通の女の子が、普通の道を踏み外すとき真夏のデルタ 綿貫芳子名無し歯並びが悪いことくらいしか特徴がない、おとなしいJK主人公。 彼氏や女友達との人間関係でストレスをためまくってブチ切れるものの、変人な美術部男子に救われる(?)というちょっと不思議な話。 序盤で描かれる女友達のマウンティングは本当に恐ろしくて、主人公のストレスのため方には共感を得られそう。 とはいえ、ヒーローの髪型と歯並びフェチなところは、ちょっとマニアックすぎる気がしないでもない。ドミノ倒しみたい。グッド・バイ・プロミネンス ひの宙子まさお1つのアクションが次を呼んで、連鎖的にいろんな人の背景が鮮やかに展開する漫画。 これがデビュー作ってやばくない?! 喜怒哀楽の描き方がうまいグッド・バイ・プロミネンス ひの宙子名無し喜怒哀楽、彼、彼女の描き方がうまい! 告白とか葬式とか結婚、ターニングポイントの人間の感情その機微をかき表すのが上手い方だな、と。 一冊で満足しました。平凡が描かれるということ南瓜とマヨネーズ 魚喃キリコ名無し南瓜とマヨネーズにはリアリティがある。それは設定の話ではない。言うならば『噛み合わなさ』だ。 それは、なんでもしてあげたいとは違う人と一緒に生活していることだったり、あるいは売春までして守りたいものがなにか分からなくなってしまったり、言うつもりもないお金のことを勢いで責めてしまったり、なんとなく気まずくなって同棲関係が破綻することだったり。 セイちゃんとのやり取りにはこうした『噛み合わなさ』にあふれている。 いつの間にか袋小路に追い込まれてしまって、どうしようもなくなっている感覚。これは平凡だからこそ生じるものだ。 理想の恋人『ハギオ』はこうした平凡とは対比的だ。『彼のためならなんでもできる』のだから『噛み合わない』なんてことは起き得ない。 加えて、主人公はハギオの冷酷さに気が付いている。気が付いて、知らないふりをしていたのだ。いうなればハギオは主人公にとって、物語の恋のように盲信できる存在として描かれている。 けれども主人公はリカとの繋がりに助けられ、ハギオの幻想から逃れて、平凡を勝ち取る。 平凡はこれだけありふれていながらも、得難く、劇的だ。南瓜とマヨネーズを読んで、私が心が強く動かされたのは『平凡』だからだろうと思った。純粋で醜く軽妙で切実な世界の断章グッド・バイ・プロミネンス ひの宙子兎来栄寿間違いなく2019年で最も注目すべき新人作家の一人でしょう。 世界はこんなにも多彩な感情が幾層にも折り重なり、互いに響き合って混在しながら今日も回っているのだなあとしみじみ思わされる物語たちが集まった短編集。その中では、世界におけるその総量など全く意味を持たずそれぞれに切実さを持ちながら発露したり秘められたりしているあらゆる感情が豊かに描かれています。非常に令和感のある、鮮烈な一冊です。 個々の背景から生じる種々の強い想いは、人によって共感したり辛くなったり、愛おしくなったり嫌悪を催したりすることでしょう。 一冊の本としての満足感がとても強いストーリーテリング・構成力もさることながら、端然とした絵もまた実に魅力的です。 また一人素晴らしい描き手が現れたことに乾杯しましょう。ひの宙子さん、今後の活躍が楽しみです。 大切な人との出会いに気付くって大切。真夏のデルタ 綿貫芳子starstarstarstarstar干し芋高校生のひと夏のお話。 だけど、・・・。 それだけじゃない。 そのひと夏で、人との出会いで、人って代われる事。 素敵です。 終わり方が好き♡岡崎京子のハッピーな作品もオススメ岡崎京子未刊作品集 森 岡崎京子名無し巻末の解説でも表題作の『森』ばかり取り上げられてたけど、他の読切も面白いよ。岡崎京子のハッピーな作品もいいよね。17歳の誕生日を迎えた女の子が幼なじみで片思いの男の子に無理やり迫ろうとする『やさしくしてね』がコミカルで好き。男の子の「オレの少年心 ふみにじりやがってー!!」が名言だなと思った。けどなんかこのフレーズを前にも読んだことがある気がした…。 岡崎京子は文章もよく書いていてエッセイ集『オカザキ・ジャーナル』を愛読してるんだけど素の彼女もとっても面白い。おちゃらけたり真面目になったり悲しくなったり作品そのままの人だなぁという印象。1991年4月のエッセイ『ナニが「少年の心」だッ!!』で、とある雑誌で若い男の子が「いくつになっても男は少年の心を持っていたほうがいいと思います」と発言しているのを読んで「本当の少年は自分が少年であることにうしろめたさとごうまんさと恥ずかしさを持っているはずだから」と憤慨したと書いていた。 このエッセイの4年後に『やさしくしてね』を描いてるんだよね。本人は忘れてるかもしれないけど。でもこの岡崎京子の言葉を踏まえると「オレの少年心 ふみにじりやがってー!!」の感じ方も変わってくる。男の子にも女の子にも『やさしくしてね』のダブルミーニングなのかもな。後ハッピーマニアが話題なので読んでみたハッピー・マニア 安野モヨコ名無し※ネタバレを含むクチコミです。 読み応えある良作真夏のデルタ 綿貫芳子む3人の学生を軸にストーリーが進むんですが、読み応えあって内容も面白いです。 歯並び悪い子から始まります。 容姿のコンプレックスから内面的なコンプレックス。人間関係のわだかまりとかこの人といると解放される、とか! 3人どれも悩み、考えがあって絡み方がうまい…! ラストも気持ちがいい 久々に漫画一冊で満足しました、是非オススメ! 人と人との繋がりを再認識できる短編集グッド・バイ・プロミネンス ひの宙子nyae誰もが持つ人生のドラマを描くオムニバス短編集。 ある話では脇役だったキャラが主役になったりと、すべての話が繋がってます。 考えてみれば当たり前だけど、あの時のこの台詞にはこういう背景があったのか、というのが違う話で判明したり、友達・親兄弟など辿れば無限に広がる人と人との繋がりを改めて認識できる構成になってます。 かなり内容を練ったうえで描かれてる印象があって、完成度も画力もかなり高いのでこれがデビューコミックスだとあとがきに書いてあるのをみて驚きました。 次の作品を読めるのが待ち遠しいです。男女の性差は定期的に投下したいテーマ瞳 多田基生名無し世の中の女性全員が主人公の瞳のような考えではないだろうけど、AVでやってるから君もできる、好きならやれるでしょ、という認識は改めたい。 定期的にこうして世間に発信しないとつい忘れてしまいそうになるテーマだと思う。 娯楽としての漫画というより、啓蒙に近いものを感じた。 これを読んで、自らの行動を改める人もいれば、そんなことないだろと流してしまう人もいるかも知れないけど、個人的には瞳が出した結論を尊重できる人が増えればいいなと思いました。 「モンプチ」の嫁・カレンさんの物語!!私はカレン、日本に恋したフランス人 じゃんぽ~る西たかFEEL YOUNG 2018年3月号より連載している、じゃんぽ~る西先生の奥様でジャーナリストのカレンさん視点で描かれるエッセイ漫画。 ▼西先生のTwitter https://twitter.com/JP_NISHI/status/963802145672724480?s=20 第1話は、1996年、当時26歳だったカレンさんがどうして「リュウイチ・サカモトの国」日本に来ることになったのか。どんな少女時代を過ごしていたのかが語られるのですが、これが最高に面白い…! **「フランスのど田舎の生まれで自然に囲まれて育ち、中学生の頃からラジオ局でバイト。高校生のときには友達とイギリスに1カ月留学しパンクファッションを楽しみまくり、大学時代はボロアパート暮らし」と、エッセイ漫画なのに生い立ちがまるで漫画!!** このように育ったことで「全身真っ黒な服に黒いアイライン、真空パックのご飯を食べて、自分でオーディオを組んだり、スマートウォッチなど最新のガジェットを愛好する(モンプチ1話より)」女性ができあがったんだなと納得。 日本の田舎に生まれた自分にとって、「高層ビルがバンバン建っている大都市へバカンスへ行きたい」というカレンさんの気持ちはすごく共感できました! 毎月楽しみにしている連載もついに2019年8月号で18話目。モンプチは1巻15話ほど収録されているので、そろそろ単行本が出るのではと期待しています。 どっから読んでも面白いので、気になった方はぜひ…!! ▼KarynさんのTwitter https://twitter.com/karyn_nishiライバルは花屋に居着く幽霊夏雪ランデブー 河内遙お茶花屋でアルバイトをしている青年・葉月くんは店長の六花に片思い中。 あるとき彼女の家に訪れると、知らない男が居た。 突然の失恋にショックを受けるが、その男は六花の亡くなった夫・篤であることが判明。しかもその姿は葉月にしか見えない。 夫の死後、恋愛から遠ざかっていた六花と、葉月を六花に近づけまいとここぞとばかりに邪魔をしてくる篤。篤の存在を尊重しながらもどうにか六花を振り向かせたい葉月くんとの少しオカルトな三角関係! 最初の方はわりとコミカルに話が進んでゆくけれど、篤が葉月の体を乗っ取ったり、もしかしてこの恋って命がけ?というような展開に。 というコミカルとシリアスが絶妙なさじ加減で描かれてます。4巻で終わるのでぜひこの夏に読んで欲しい… 自分は河内遙先生の描く三白眼男子が大好物なので、それだけでも読む価値があると思いました。傑作なのでヘルタースケルター 岡崎京子いい漫画読みまず読んでほしい! 岡崎京子どれから…と迷う人にはまずヘルタースケルターから読んでほしい 巻末に「著者がこの後交通事故にあってしまい…」というショッキングな後書きがあった気がするが、できるならこの世界もっと読みたいと思わせる。 読み終わると、鈍器で顔面を殴られるような衝撃を覚える。 煌びやかな世界の裏側には必ず混沌とした苦しみとか嘘とかがあって、人間一人を書き表すとしたらそういった部分も避けては通れない。 むしろ剥き出しにして描かれてる気がして衝撃を受ける。 この一巻は永久保存… 30歳独身男、6歳の叔母?を引き取る。新装版 うさぎドロップ 宇仁田ゆみnyae主人公の大吉は祖父の訃報を受け訪れた祖父の家で出会った少女・りんが祖父の子どもであり、母親はりんを置いて失踪しているという事実を知り、半ば勢いでりんを引き取るところから独身男と6歳少女の同居生活が始まる。 りんはまわりに比べ比較的大人しいものの、独身一人暮らしの30男がいきなり子育てをすることになり生活が180度変わってしまう。しかし、大吉の表には出さないけど広い心と大きな優しさで、りんはすくすく育ってゆく。 小学生編まではあくまでも「りんの成長と家庭問題」にフォーカスしているが、中学生編・高校生編では、りんの思春期を中心に描かれ、恋愛パートがぐっと増える。 高校生にもなるとりんは大吉のことをひとりの男性として、一生添い遂げたいと思うようになり、その気持をストレートに伝えるが、はたしてその気持に大吉はどう答えるのか…。 大吉のだんだんオッサンになっていく姿、りんが美少女になっていく姿も見ものですが、りんの幼馴染のコウキがイケメンになっていく姿がいちばん「おお…」となります。安心のもふもふ&オッサン萌えラブコメダッドのごとく! 大谷紀子名無し大谷紀子先生の新連載。 ウサギと入れ替わってしまった堅物パパの悲哀がコミカルに描かれている。 「ファー!(毛)」という叫び声とか、いきなり動物と喋れるヒーロー登場(天敵のカラス使い)とか、本当にいろいろおかしい。 大人から子どもまで、安心して読めるラブコメになりそう。元カレの後輩に難有り…?こちらから入れましょうか?…アレを 松田環名無し元カレの後輩が胸糞悪すぎて、正直読んでいてうんざりする。飲み会のシーンでの他の男性社員も不快な発言ばかり。 感じ方は人それぞれだと思うので面白いと思う人には申し訳ないですが…… 面白いって思えないの私だけなのだろうか…… 間髪入れず被せてくる〝美〟に読者もノックアウトジェンダーレス男子に愛されています。 ためこう名無し気になってたので読みました。 一気に一冊読めます。 ジェンダーレス男子、実際SNSとかで最高に可愛い男の子とかいるのでわかるわかるという気持ち。 ジェンダーレス男子も可愛いですが恋人わこも可愛いので二人の世界が可愛くてキラキラしていればそれで幸福感に満たされるというか! 男性っぽい女性、女性っぽい男性に確実に世間様からの偏見はあるのですが作中では「そんなの気にしないよ!」と元気いっぱいなので全く気が重くならないですね! 読んでて元気になります。これは"普通の"恋愛を描く物語ジェンダーレス男子に愛されています。 ためこうsogor25タイトルに反して至って"普通の”恋愛模様を描く作品。でもそれがこの作品の真髄だと私は感じた。結局周りにどう思われようとも、自分たち2人が納得し満足してるのであればそれだけで充分なんですよね。 ちょいちょい読んでたジェンダー的なテーマの作品に抱いてた僅かな違和感をこの作品は綺麗に払拭してくれた。"普通"とは違うことを周りにも認めてほしいなら外野へのアピールも重要だし、本人が望んで行動しているならばそれがベストだけども、自分たち、もしく近しい人たちが理解してくれてるならそれで良い、そういう考えだってアリなんじゃないかな、と思わせてくれる。 1巻まで読了<<910111213>>
とある3人の高校一年生、ひと夏の出来事。 人の顔色を伺っていい子のふりして勝手に不満を溜めて落ち込む女の子、椎葉。 背が高くてかっこよくて運動も勉強もできて周りの期待とプレッシャーの中で空気を読み続け「いい奴」を演じる男の子、三辻。 周囲からの視線、評価を一切気にしないで好きな美術と好きなだけ向き合う、伸。 付き合っている椎葉と三辻。孤独を楽しむ伸。 椎葉の歪な歯の形をきっかけに、ひと夏限りの三角形が浮かび上がる痛くて淡い思春期の記憶をそれぞれの視点から描くオムニバス。 https://twitter.com/atomicsource/status/1169210747240402944?s=20 「空気読まなきゃ」とか「嫌われないようにしよう」といった部分は多くの人の思春期に共通する息苦しくってたまらない問題ではあるんだけど、その分かりやすい手前の痛々しさだけをピックアップするべきではない奥行きを持った漫画だなと思った。 この漫画の、夏の強い陽射しとそよ風と木陰と美術室の匂いと蝉の声の中で鮮やかに描かれているのは、その時期の一点ではなく成長と変化の軌跡だ。 それぞれの立場の人間がこの出来事を機にそれぞれの方向へ軌道を変えていく。 そのときは運命的に感じるかもしれないが長い目で見ると偶然そこに居合わせたそれぞれの通過点に過ぎない。 それでも多感な時期に起きた出来事は、人生の行く末を変え得る力を持っているものだ。 読んですぐは、 ・変われた人(脱却、変化) ・変われなかった人(後悔、反芻) ・変わらなかった人(自分の価値観を信じて美しいものを追い続ける) の三者を描いているのかもと思ったけど、発言の内容だけ見ればそう単純ではない気もする。 当時は全てだった何もかもは、久しぶりに会えばあの日はあんなこともあったね、なんてささいな想い出のように語られるだろうけど、本当は誰しもが何かしらの形で一生その時代に囚われている。 そんな三者の羽化した先まで美しく描いているので一冊としての満足感がとても高い作品。